中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

EU

Libya情勢(EUの制裁延長)

al arabiya net は、EUがリビアの政治家3名に対して、リビア問題の政治的解決を阻害しているとして、昨年4月から課している制裁を更に6月間延長することを決めたと報じています。
彼らはトブルク議会の議長akila saleh とトリポリ議会の前議長nouri abousahamin とトリポリ政府のal ghweil の3名の由。
またこの決定の理由は、制裁の実施後も、政治的解決への進展がないことの由にて、もし動きがあれば再考される由。
制裁は彼らの資産の凍結とEU諸国への渡航禁止
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/09/29/أوروبا-تمدد-العقوبات-على-شخصيات-ليبية-بينها-عقيلة-صالح.html

これら3名のうちで、実質的に政治的解決を阻害しているのはトブルク議長で(ほかの2人は時々名前が出てくるくらい)、彼がせっかく統一政府ができたにもかかわらず、法的に必要なその批准のための議会を開かなかったために、セラージュ首相の率いる統一政府の正統性も次第に崩れ、今では鼎立する3政権のひとつにまで落ちてしまい、この統一政府を成立せしめたスヘイラート合意の見直しの会議が進められていること、報告した通りです。
尤も、あえて言えば、これら政治勢力間の争いは、いわばside show で、本当のリビアの政治的争いは対立する武装勢力間の争いかも知れないが






イエメン情勢

イエメンでは、アラブ連合機のサナア空爆と近辺のnaham だった下での戦闘が伝えられていますが、この地点を巡っては、これまで何度も政府軍の制圧が伝えられ、首都奪還作戦も近いと言われてきましたが、hadi大統領もどうやらサウディの居心地がよいらしく!動く気配もなく、まず近々大きな変化がありそうにも見えません。
さはさりながら、毎日多くの血が流れていますので、イエメン情勢についてアラビア語メディアから・・・

・国連特使は、イエメン問題の政治的解決の新しい努力として、再び中東を訪れ、オマーンだったかに立ち寄った後6日夕、ヨルダンのアンマンに到着した。
彼は同日イエメン外相と交渉団長と会談したが、7日にはヨルダン国王と会談の予定。
その後サウディに赴き、hadi大統領と会談する予定の由
・ただし、イエメンのハイレベル筋は、国連特使との間で、オマーンで新しい和平交渉を開くことについての合意があるとの国連筋からの話を否定した。
また、その筋は国連特使は、ホデイダ港に関するアレンジ及び政府職員に対する給与支払い問題につき、オマーンでhothy連合と協議したい意向だが、これが次回交渉につながることはないと語った由

・他方、EUがイエメン問題に関心を増しており、EUのイエメン問題担当は先週3日間サナアに滞在し、hothy連合がホデイダに関する国連提案を受け入れるように説得した由
国連案では、アラブ連合が西海岸(紅海沿岸)で、軍事作戦を再開しないことを条件に、ホデイダからその部隊を撤収させ、中立の第3者である国連管理に移すというものの由。
(ホデイダ港がサナアを始め北部イエメンに対する最重要の補給港であるために、その扱いを巡って議論が続いてきたもの。一時は米軍も同港攻撃に参加などと言う威勢の良い話もあったような気がするが・・・
上記EU代表の説得の効果は不詳)
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2017/08/07/مساع-أوروبية-لاستعادة-الحديدة-ونفي-يمني-لمفاوضات-بمسقط.html
http://www.alquds.co.uk/?p=767199

どうもイエメン情勢は全般的に、どちらから見ても手詰まり状態のようで、国連や米ロ等の国際社会もサウディも今の所、イエメン問題の解決を急いでいるようには見えません。
悪口を言えば、国連の調停も、「調停のための調停」で、同じことの繰り返しにしか過ぎないように見えますが・・・
それでも毎日血を流しているのは現地の人なのですがね





EUのクルド国民投票反対声明

クルド自治政府が、この9月25日だっかにクルド自治区の将来について国民投票をすると決めたことについて、EUの外相会議は19日、イラクの諸問題は対話を通じて解決されるべきで、一方的な決定は避けるべきであるとして、反対を表明したとのことです。
クルド問題は、この地域で最も機微な問題の一つで、すでにイラク政府に加えて、イランとトルコも反対を表明していたかと思います。
http://www.alquds.co.uk/?p=740335
なにしろ、トルコもイランも多数のクルド人を抱え(シリアは比較的少数ではあるが、クルド問題を抱えていることはご同様)、イラクのクルド人が独立を表明することになれば(クルド人の中には国民投票は即独立を意味しないと言っている者もいるようだが、自治区のバルザーニ議長は、その目的がクルドの独立にあることを明言しており、「即」独立か否かはともかく、独立支持者が多数を占めれば…そう予測されていたと思われる…独立へ向けての大きな動きとなることは間違いなく、近隣諸国にとっても深刻な問題を提起すると思われる。
おそらくポストISのイラクにとって、この問題が最大の問題になりそうで、EUとしても、この問題が混乱をもたらすことに重大な懸念を有しているのだろうと思います

トルコ・オランダ外交危機(牛まで被害者)

n_110866_1[1]オランダでは総選挙も終わり、一応極右の進出に歯止めがかかった模様で、トルコとオランダの喧嘩もそろそろ終止符を打ってもいいのでは?と思いますが、その余波は牛にも及んでいるようです。
hurryiet netは、トルコの赤肉組合がオランダからのホルステイン種の牛40頭を送り返したと報じています。
同組合委員長は、この種は非常に評判がいいが、問題となりかねないので、今後オランダから肉類は輸入しないと発言した由。
そのほか、イスタンブールはロッテルダムとの姉妹港関係を取りやめると発表したとか、どうもこの問題は外交問題からさらに広がってきたという感じもしますが、どうもこのところトルコの一人芝居の感じが深くなっていますね。 やれやれ
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-expels-dutch-cows-amid-diplomatic-crisis-.aspx?pageID=238&nID=110866&NewsCatID=344
http://www.hurriyetdailynews.com/istanbul-terminates-sister-city-protocol-with-rotterdam-after-erdogans-call.aspx?pageID=238&nID=110846&NewsCatID=510








トルコ・オランダ外交危機

トルコとオランダの外交危機は、確か本日がオランダの総選挙の日で、この問題が極右の台頭に直面しているオランダにとって凶と出るか吉でるか、(そういっては申し訳ないが)興味のあるところですが、どうもトルコのほうでは、冷静に頭を冷やすどころか、問題をさらに拡大させようとしている感じがあります。

エルドアンが、独やオランダのやり方をナチス呼ばわりしたばかりですが、今度は旧ユーゴスラビアでのスレブレニッツァでのムスリムの虐殺に対して、オランダに責任があると発言して、オランダ首相が厳しく反論しています
(この事件は旧ユーゴスラビア内戦で、ボスニア・ヘルツェゴビナの町が、国連の安全地帯宣言にもかかわらず、スラブ民兵に占拠され男性6000名が虐殺され、女性は集団レイプにあった事件で、当時の国連の現地PKO部隊はオランダだったが、彼らは従来のPKO原則に従って、手を出さずに、みすみす虐殺を行わしめたとされている。尤も小部隊で軽武装のオランダ兵が戦車等も有するスラブ民兵に抵抗することは不可能だったと思うが)
エルドアンに関しては、それよりも現在トルコがイスラム諸国会議OICの議長国であることを利用して、ムスリムを反オランダに動員する意向を有している由。
また、副首相が対オランダ経済制裁の可能性を示唆したのに対し、外相はEUとの間の難民、不法移民対策に関する合意見直しの可能性について言及した由
(このままでいけば、欧州や米国で高まっている、イスラム嫌いisulamphobia にますます火をつけることになりそうで、トルコ一国の行動で、ムスリム全体を巻き込もうというのは、はなはだ無責任な感じがします。もっとも、トルコが欧州に対してムスリムを動員しようとしたのは、第1次大戦のときのオスマントルコの例もあり、決して初めてではないが…その時にはアラブの反乱があったりして成功しなかった)

他方、オランダは自国民に対してトルコへの渡航に関して警戒するようにとの渡航情報を出し、独も渡航情報を改めて出しなおした由
http://www.hurriyetdailynews.com/germany-revises-travel-advisories-for-turkey.aspx?pageID=238&nID=110782&NewsCatID=351
http://www.hurriyetdailynews.com/turkish-fm-hints-abolishing-migrant-deal-.aspx?pageID=238&nID=110814&NewsCatID=510
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-vows-to-mobilize-islamic-world-against-euro-fascism.aspx?pageID=238&nID=110792&NewsCatID=510

どうもトルコのほうが反オランダということで前のめりになっていますが、これもオランダの総選挙の結果次第で徐々に落ち着いていくのでしょうか?
それにしても、どうしてこうもエルドアンが感情的な発言をするのか、もしかすると国民投票の結果に自信がなく、この際対外摩擦をあおって支持を固めようとしているのかもしれません












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