中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

オマン

ヒジャズ鉄道の復活?

先月だったかにはネタニアフがオマーンを訪問し、スルタンカブースとも会談しましたが、y net news はイスラエルの運輸・情報大臣が6日オマーンを訪れ、温かく迎えられ(地元民の伝統的な剣の舞にも飛び入り参加した由)たが、その後複数のアラブ大臣も参加した、アラブ運輸フォーラムで、イスラエルとヨルダンを通って地中からかペルシャ湾につながる鉄道構想を「平和のための鉄路」と題して提議したと報じています。

これはww1前にドイツがトルコからサウディまで建設した巡礼鉄道(いわゆるヒジャズ鉄道)を再建し、更に湾岸諸国に繋げる構想ですが、al qods al arabi net は英国のthe times が、ネタニアフの手で再び陽の目を見たと報じていると伝えています。
記事は更に、この鉄道はww1当時、例のアラビアのローレンスが、一部分を爆破し、その後はレバノンの部分を除いては運航されていなかったとしています。
この鉄道に関し、ネタニアフは地中海岸のハイファから始まり、ヨルダン川西岸とヨルダンを経由して、サウディに繋がり、そこでサウディの鉄道に連結して、更に湾岸地方につながる鉄道を提案している由。
記事は更に、湾岸諸国はかって鉄道の建設に反対していて現在もイスラエルと外交関係を有していないのd、得政治的実際的に実現は困難に見えるとコメントしています。
しかし、the times は、この構想を湾岸で披露したということが、状況の変化を物語っていて、またトランプの中東和平特使もこの構想を高く評価しているとしています。
ネタニアフはその中東和平に対する立場から、湾岸では基本的には人気がなかったが、イランに対して、毅然と立ち向かっているということで、最近は人気が上昇している由

https://www.alquds.co.uk/%d8%a7%d9%84%d8%aa%d8%a7%d9%8a%d9%85%d8%b2-%d8%a5%d8%b3%d8%b1%d8%a7%d8%a6%d9%8a%d9%84-%d8%aa%d9%82%d8%aa%d8%b1%d8%ad-%d8%ae%d8%b7%d9%88%d8%b7-%d8%a7%d9%84%d8%ad%d8%af%d9%8a%d8%af-%d9%83%d9%88%d8%b3/
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5391689,00.html

確かヒジャーズ鉄道再建の話はこれまで何度も出ていて、このブログでも紹介していると思いますが、確かに当時と比べれば、トランプの登場、その和平構想(世紀の取引)、特にサウディ、UAEとの強固な関係、ネタニアフのオマーン訪問とその後の文化大臣、運輸大臣のオマーン、UAE訪問等、状況はかなり変化してきています。
上記の通り、仮に「世紀の取引」が動き出すとすれば、この鉄道構想もその重要な一部となる可能性がありそうです。

ネタニアフのオマーン訪問(イスラエル高官の話)

先に報告したネタニアフの突然のオマーン訪問の意味は謎に包まれていますが、al qods al arabi net は、NYtimesが、イスラエル高官が、今後オマーンがイスラエルにとって、イランやアサドとのチャネルになる可能性があると語ったと報じていると伝えています。
その高官は匿名条件とのことで、そもそも、この種の話の信憑性を判断することは極めて困難ですが(観測気球として話を流したという可能性もある)、なかなか興味ある話なので、記事の要点のみ次の通り

今回の訪問の内容を知り得る立場にあるイスラエル高官は、匿名条件でNYtimesに対して、地域の全ての国にとりクリーンなチャネルとなっているオマーンの地位を考えると、今回のネタニアフ訪問は、イスラエルにとって新たな扉を開いた可能性があると語った。
そして彼はオマーンが、イスラエルンとって、イラン、更にはシリアとの秘密のチャネルになる可能性があるとした由。
新聞は更に、オマーンはヒズボッラーやハマスなどと言うイスラエルに敵対的な組織とも良好な関係を保っているとしている由。
そして、今回の訪問は、20年に渡るイスラルのモサド(対外情報機関)とオマーンとの秘密の接触の上に立ち、4か月間の交渉を経て実現することとなったとしている由
https://www.alquds.co.uk/%d9%85%d8%b3%d8%a4%d9%88%d9%84-%d8%a5%d8%b3%d8%b1%d8%a7%d8%a6%d9%8a%d9%84%d9%8a-%d8%b9%d9%8f%d9%85%d8%a7%d9%86-%d9%82%d8%af-%d8%aa%d8%b5%d8%a8%d8%ad-%d9%82%d9%86%d8%a7%d8%a9-%d8%a7%d8%aa%d8%b5%d8%a7/

















イスラエルとの関係に関するオマーン外相発言

昨日は、ネタニアフ首相の25日のオマーン訪問について報告しましたが、今度は同国外相のイスラエルとの外交関係正常化に関する発言です。

al qods al arabi net は、オマーンのアラウィ外相が27日イスラエルの存在を認めるべきであると語ったと報じています。
これは、バハレンの「対話に関するフォーラム」での発言とのことで、アラウィ外相は、「初めてこのような発言をするが、イスラエルは地域の国家であり、我々も世界もこのことは知っており、多分イスラエルを同じ権利義務を有する国家として承認する時期は来ているであろう」と発言した由。

更にal qods al arabi net は、このほかに、先週はイスラエルのスポーツ選手(確か柔道だったか?)とともに、その文化大臣がUAEを訪問しており、パレスチナ人の間には、アラブ諸国がイスラエルとの関係を正常化(要するにイスラルを承認し、通常の外交関係を持つこと)するのではないか、との懸念が広がってるとの記事も載せています。
記事によるとPLOのメンバーもこのような懸念を口にし、SNSではそのような動きに反対する多くの声が上げられている由
https://www.alquds.co.uk/%d8%b3%d9%84%d8%b7%d9%86%d8%a9-%d8%b9%d9%8f%d9%85%d8%a7%d9%86-%d8%ad%d8%a7%d9%86-%d8%a7%d9%84%d9%88%d9%82%d8%aa-%d9%84%d9%84%d8%a7%d8%b9%d8%aa%d8%b1%d8%a7%d9%81-%d8%a8%d9%88%d8%ac%d9%88%d8%af-%d8%a5/
https://www.alquds.co.uk/%d8%a7%d9%84%d9%81%d9%84%d8%b3%d8%b7%d9%8a%d9%86%d9%8a%d9%88%d9%86-%d9%82%d9%84%d9%82%d9%88%d9%86-%d9%85%d9%86%d8%a7%d9%84%d8%aa%d8%b7%d8%a8%d9%8a%d8%b9-%d8%a7%d9%84%d8%b9%d8%b1%d8%a8%d9%8a-%d9%85/
アラブ諸国では、エジプトとヨルダンが既に「関係を正常化」し、その他の国の間でも正常化に向かう動きは、非常に強く、チュニジアやカタールだったかには一時イスラエルの通商代表部が置かれ、やがて大使館に昇格するものと見られていましたが、アラブ民衆の間にはパレスチナ問題を棚に上げての、イスラエル承認には反発する声が強く(エジプトでさえ、イスラエル大使館は敵意に囲まれているのが実情)、イスラエルのレバノン侵攻などのために、通商代表部は閉鎖され、正常化の動きは頓挫した経緯があります。
その後特にサウディ等とは非公式のチャネルを通じた接触が増え(皇太子のイスラエル訪問の噂もあった!)、サウディ、UAEは正常化に乗り気満々と見られていました。
ところが現在サウディはkhasshoggi 事件のため動きのとれない状態にあり、もしかするとそれに代わってオマーンが動き出したとの可能性もありそうです。
そうなると米が後ろにいる可能性も強そうです。








ネタニアフのオマーン訪問 2

1.6594786.2042634534[2]先ほど報告したネタニアフのオマーン訪問の歴史的写真です。

右がスルタンカブースで、左がネタニアフです

(いずれのメディアも同じ写真を載せているので、オマーン政府提供でしょう)

ネタニアフのオマーン訪問

もう一つ驚いた話を・・・・・

アラビア語メディアやイスラエル紙のネットは、ネタニアフ首相がスルタンの招待で、秘密裏に27日オマーン(勿論両国間には外交関係はない)を訪問したと報じています。
それによると、ネタニアフは夫人及びモサッド長官その他を帯同しオマーンを訪問し、スルタンカブースと会談した由。
勿論会談の中身の詳しいことは不明だが、主要な問題はパレスチナ和平で、和平を促進する方策について話し合われたとの共同声明が出された由。
また今週初めにはパレスチナ暫定政府のアッバス議長が3日間の日程で訪問している由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2018/10/26/نتانياهو-يوزر-سلطنة-عمان-لأول-مرة-ويلتقي-السلطان-قابوس.html
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5380544,00.html
https://www.haaretz.com/israel-news/netanyahu-secretly-visits-oman-which-has-no-diplomatic-ties-with-israel-1.6594761
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/10/26/سلطنة-عمان-زيارة-نتنياهو-بطلب-منه-لبحث-السلام

取りあえずの情報としては以上ですが、これを報じるメディアはいずれも歴史的な訪問としています。
また、ネタニアフの訪問に先立ちアッバス議長が3日間の日程で訪問していることは、スルタンは彼の意向を踏まえて(PLOの意見の橋渡しをしたことは確実でしょう)イスラエル側と話し合ったわけで、その意味では非常にまじめな試みかと思われます(何しろ、トランプの世紀の取引」とやらがイスラエル側だけの立場に立ったもので、パレスチナ、アラブの反発を買って、何処かへうさん霧消しかかっているだけに、中東和平プロセスを救おうとして、オマーンが出てきた者でしょうか)
いずれにしても、オマーンというのは面白い国で、GCCのメンバーでありながらイランとも正常な関係を維持し、イエメン問題でも和平交渉に一役買ってきています。
勿論サウディのような大国でもなければ、金もないが、もしかするとサウディがkhasshoggi事件で動けなくなったところに助け舟を出したのかも知れません
とにかく、今後動きが楽しみです
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