中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

国際機関

UNESCO事務局長の選出

UNESCOについては、昨日だったかに米国とイスラエルの脱退の話を書いたかと思いますが、もう一つの話題は、UNESCOを舞台としたエジプト(おそらくカタールボイコット4国の代表か?)とカタールの、事務局長ポスト争いの話でした。
この選挙には、最後の局面でカタールとエジプトと仏(モロッコ系の女性)の3名が残り、当初は確かカタールの候補が20票だったかで、エジプトと仏の候補が18票づつだったかの得票で、3人の決選投票になった模様です。
その結果仏候補がエジプト候補を31対25でで破り、最後は仏候補がカタール候補を30対28で破り、当選したとのことです。
この選挙はカタールが立候補したこともあり、al qods al arabi net がヒステリ的とも呼ぶほどにエジプトは力を入れて、外相までパリ(UNESCOの本部のあるところ)に乗り込んで督戦しましたが、結局仏候補に敗れ、エジプトは選挙に不正があったとして見直しを要求しているとのことです。
http://www.alquds.co.uk/?p=807861
http://www.aljazeera.net/news/cultureandart/2017/10/13/انتخاب-الفرنسية-أزولاي-مديرة-لليونسكو
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/10/13/مصر-تطلب-رسمياً-التحقيق-في-انتخابات-اليونسكو-.html
まあ、あえて言えば、エジプトには昔日の中東・アフリカおよび非同盟諸国における影響力はもはや無いということでしょうが、皮肉に言えばUNESCOの選挙はワールドカップのようにはいかないということでしょうか?










米、イスラエルのUNESCOよりの脱退

al qods al arabi net 等は、米国が11日国連お教育・科学・文化機構UNESCOから脱退すると発表したと報じています。
その理由は詳しいことは分かりませんが、反イスラエルの偏向で、UNESCOは世界の文化を守る機関ではなくなったとのことのようです。
またイスラエルのネタニアフ首相も、イスラエルも同様に脱退すると語った由。
http://www.alquds.co.uk/?p=807443
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5027682,00.html
米国は確か1983年だったかに、UNESCOの当時の事務局長が「新国際報道秩序」なるものを唱えて、欧米のマスコミが主導している世界の報道を途上国の報道をより反映させたものにする(要するに民間のマスコミの自由な活動を抑えて、政府主導である途上国のマスコミを伸ばそうとしたと解された)ことを主張し、米英シンガポールが脱退したことがあります。
このため、確か当時わが日本がUNESCOの必要資金の相当部分…25%くらいか?…を負担していたかと思います。
米国はその後いったんUNESCOに復帰しましたが、2011年パレスチナが加盟したことに抗議して,分担金の支払いを拒否しことがありました。
その意味では、米国の離脱は初めてのことではありません。
しかし、今回は前の時のような重大な問題が起きたという話も聞いていないし(おそらく種々の反イスラエルとされる決議等はあったかと思うが)、矢張りトランプの反国際主義の表れでしょうか?
まあ、こちらの方は国際政治に与える被害はそれほど大きくはないと思いますが、仮にトランプがイランの核合意から単独で離脱するようなことがあれば(西欧諸国は離脱しないと表明してるはず)、独外相ではないが、英仏独等西欧諸国と中国ロシアが共同の立場をとるという、米国の国際的孤立が明確になり、こちらの方が懸念されます。
確かトランプは13日に立場を表明することになっていたかと思います。







イエメン問題(安保理審議と新和平イニシアティヴ)

安保理は10日夕、イエメン問題の人道的側面につき審議を行ったところ、国連のイエメン特使はその後の記者会見で、国連として現在包括的なイエメン問題に関する提案を検討中であると語った由。
また、安保理はイエメン内戦の人道的側面について、重大な懸念を表明する声明を発した由。

どうもイエメンイについては、国連の特使の努力は多とすべきかとは思うも、繰り返し、繰り返し、実効性のない提案と会議の継続で、今回の包括的な提案などと言っても、多くを期待できないような気がしています。
結局はサウディが、イエメン内戦をどう決着させるかについて腹を決めて、相当程度思い切った行動をとらない限り、国連の活動は所詮限定的な効果しかないような気がします。
それにしても、国連等が支援してきたhadi大統領の「正統政府」は何をしているのでしょうか?hadiはリヤドに腰を落ち着けて優雅な暮らしをしているように見え、軍や政府首脳の首を変えても、何も変化していない感じで、他方コレラや飢餓を含めて国民の苦痛は広がる一方の感じがします
取りあえずal jazeera net の記事から(ほかには本件に関する記事は見当たらない)

・国連のイエメン特使は安保理会合後、イエメン問題の包括的解決と人道問題解決のための提案を作成中であると語った。
また現在、働きかけているのは、内戦の当事者を一堂に集めた会議の招集で、場所はイエメンの外で、おそらくジュネーブになると語った由。
・具体的な内容については、取りあえず信頼性の醸成で、そのためにホデイダ港の機能拡大や、タエズの封鎖解除、政府職員の給与の支払い等であるとした由。
・彼は安保理に対して,イエメンの3分の1の県では飢餓とコレラに苦しんでいると報告したが、特にコレラは史上最悪の規模であるとした由。
さらにテロの危険が増大しつつあると警告した由
・これに対して安保理議長は、イエメン内戦の解決のめどが立たないことに重大な遺憾の意を表明し、イエメン問題は政治解決が唯一の方法であることを確認し、総ての当事者が、これまでの安保理の決議や特使の提案を守ることを呼びかけた由。
人道的側面では、特にホデイダ港とサナア空港の活動拡大とアデン港の人道的活動への活用を呼びかけた由
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/10/11/مقترح-أممي-جديد-لحل-سياسي-وإنساني-باليمن
取り敢えず以上ですが、これを読んでいると、内戦開始以来、更にはサウディ等の介入以来,かなりの年月が経って居るのに、物事は何も変わっていないという感じがします。
サウディだって、もう何らかの解決の時期に来ていると感じているのではないかという気がしますが、この程度のコストであれば重大な痛痒は感じていないということでしょうか?
どうもイエメンの話を書くと憂鬱になるので、この辺で




アラブ連合空軍のブラックリストへの計上(イエメン問題)

al qods al arabi net とal jazeera net は、国連がイエメンでの児童に対する人道法違反者のブラックリストにサウディ主導のアラブ連合を加えたと報じています。
これは、国連事務総長の安保理宛の、紛争地における児童に対する人道法違反容疑に関する、5日付の報告書の付属リストで、サウディ等のアラブ連合は今年初めてリストアップされた由。

hothy連合とかアラビア半島のアルカイダ等は昨年の報告書のリストにも乗せられていたが、当初アラブ連合も含まれる予定であったところ、サウディがその削除方猛烈な圧力をかけ(当時の事務総長は、サウディが拠出金の削減の可能性に言及したとして、怒っていた由)、削除されていてが、今年のリストには載せられている由。

国連報告書は、昨年イエメンで殺傷された児童は1340名で、そのうち50%以上が空爆によるもので(ということはアラブ連合によるもの)、34%が砲撃によるものとしている由。
また昨年は33の学校が攻撃され、医療機関19に対する攻撃のうち16件がアラブ連合空軍によるものとみられる由。

http://www.alquds.co.uk/?p=803278
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/10/6/التحالف-العربي-بالقائمة-السوداء-للأمم-المتحدة

確か報告済みですが、サウディは先日人権理事会が、イエメンでの人権法違反に対する独立調査委員会の設立を検討していたところを、圧力をかけてイエメン政府の調査に、国際的な専門家が協力するという水で薄めた調査に格下げすることに成功しています。
この報告書も安保理に提出されるというので、その取扱いがどうなるか分かりませんが、またもや水で薄められる可能性もなくはなさそうです…その意味ではサウディ国王のプーチンとの会談の意味は大きいかもしれない。

国連総会とイエメン問題

国連総会は、年に一度各国首脳が集まる機会でもあり、これを利用していわゆる国連外交が繰り広げられますが。al qods al arabi net はイエメンのhadi大統領等政府関係者が、出席しているため、イエメン問題の政治的解決のための動きが活発化していると報じています。
具体的には、国連側からはホデイダ港(サナア等の外港)の国連への管理の移譲で、hothy側にこれを呑ませるために、政府側にも譲歩が求められている由。
更にホデイダと合わせて、閉鎖されているサナア空港の国連管理下での再開も議論されている由。
その他hadi大統領は、政治問題担当事務総長補と会談し、外相は、これまでも両者間の調停にあたっていたオマーン(湾岸諸国の中で歴史的にも、イランと最も近い関係を維持している)の外相との会談があった由。
ただし、国連のイエメン特別代表を通じて、今後とも政治的解決を求めていくことでは、国連側もイエメン側も一致しているが、次回の交渉がいつになるかについては、具体的な情報はない由
http://www.alquds.co.uk/?p=795543
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