中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

アルカエダ

イドリブ等の情勢(シリア)

シリアのイドリブ等西部平原の状況については、昨日極限定的な話を紹介しましたが、本日のal qods al arabi net 、al arabiya  net,al jazeera netはもう少しまとまった状況を報じていますので、取りまとめ次の通り。
それらの報じるところが事実であれば
  イドリブ等で政府軍と反政府軍の衝突が近く起きるのは必至
  反政府軍地域では、暗殺、暴力、誘拐等が続いている
  英米仏は政府軍が化学兵器を使用しない限り、その攻撃を黙認するであろう
と言うことのようです。

・この1週間ほどイドリブ等の地域(イドリブ、アレッポ、ラタキア、ハマ等)では、ロシアとトルコの主導する停戦が守られ、比較的静かな状況が続いている
・しかし、政府軍、反政府軍共に、来るべき戦闘に備えていて、ラタキアからシリア平原にかけて、戦闘が近日生じるのは避けられそうもない
・先ず政府軍だが、シリア人権網によれば、このところハマ軍事空港に、大量の資材(主として弾薬)と人員を送り込んでいる。
これらの政府軍の目的は、まずは反政府軍をイドリフ県の奥深くへ追い込もうとしている
・反政府軍の中には、政府軍との妥協には絶対反対とする強硬派と、国際的な孤立から脱しようとするものが居るが、イドリブ県の大部分は、アルカイダ系の旧ヌスラ戦線が支配している。
旧ヌスラ戦線自身、いくつかの派閥に分裂して、政府軍の攻撃を容易にしている
その中でも強硬派のal jolaniは、他の派閥に対して、政府軍とは交渉しないように警告した。
彼はまた忠実な部下を引き連れて、方々の戦線を視察して回っている。
・またイドリブでは爆発、暗殺、誘拐等が連日発生し、誰が行っているのかも良く解らないような状況の由
・他方米英仏は、アサドに対してイドリブ攻撃で化学兵器を使わないように警告した。
これは政府軍が化学兵器さえ使用しなければ、米英仏が介入する意図はないことを示したものである

https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/08/22/النظام-يحشد-في-إدلب-والجولاني-يتجول-على-الجبهات.html
http://www.aljazeera.net/news/reportsandinterviews/2018/8/21/أنباء-عن-عمليات-اغتيال-وخطف-ماذا-يحدث-في-إدلب
http://www.alquds.co.uk/?p=1000197


  

サウディとUAEのアルカイダとの秘密協定(イエメン)

al jazeera net とal qods al arabi net は、国際的通信社APの調査によると、サウディとUAEはイエメンでアルカイダと秘密の合意をし、彼らの都市等からの撤退を「購入し」また一部の兵員をUAEの作った民兵に雇い上げていると報じています。
サウディは伝統的に、イエメン等の敵対勢力は武力行使するよりも、「金で解決する」政策をとってきたことで知られているので、それ自体は、ものすごく驚く話ではありませんが、記事によるとこの秘密協定は米国の了解も得ているとのことです。
米国はこれまで、イエメンのアルカイダは最も危険なアルカイダ・グループだとして、内戦後もドローン等を使って激しく掃討作戦をしてきただけに、この話が事実であれば、矢張り驚くべき話と言えるのでしょう。
記事の要点は次の通りですが、当然のことながらその信憑性について確認はできません

APがイエメン政府関係者や部族関係者等からの聞き取り等で集めた情報によると、サウディとUAE等のアラブ連合はアルカイダとの間の秘密合意で、資金提供と引き換えに彼らの一部地域からの撤退等を実現した。
また合意の一部として、アルカイダ要員250名を、UAEがアブヤンで作った民兵に雇い上げた由。
調査によるとこの合意は米国の了解も得て、アルカイダは資金と引き換えに、マカッラやアブヤンの7地域およびシャブワのal said市から、彼らの武器等と共に撤退した。
これらの撤退は戦闘もなしに、資金と引き換えのものであったよし
例えば2016年2月には、秘密合意でアルカイダの要員がシャブワのal said から撤退したよし。
アルカイダが迎え入れられたのは、その戦闘能力と経験で、最近もアルカイダの指導部は、hadi 大統領から1200万ドルを貰って、要員を提供している。
またシャブワでは部族関係者がアルカイダとUAEの仲介者として働いた。
又元タエズ知事はこのことを知っていて、イエメン軍関係者に、中止するように求めたところ、「hothy軍と戦うためには、悪魔とでも同盟する」と答えられた由。
調査は、これら事実に関して、イエメンの内戦は多くの矛盾に満ちていることを示していて、米国は一方でサウディ、UAEとともに「アラビア半島のアルカイダ」と激しくたたかいながら、他方hothyグループと闘うために、彼らの協力を「購入している」としている
http://www.alquds.co.uk/?p=989002
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/8/6/أسوشيتد-برس-صفقات-سرية-للسعودية-والإمارات-مع-القاعدة-باليمن





アルカイダ指導者の聖戦の呼びかけ

このところイスラム過激派と言うとISの話が主で、アルカイダの首領ザワヒリのことなどすっかり忘れていましたが(そもそも彼は現在どこにいるのでしょうか?)、al qods al arabi net は、米大使館のエルサレム移転を前にして、聖戦を呼びかける、アイマン・ザワヒリのビデオが、13日流されたと報じています。

その中でザワヒリは、テルアビブもイスラムの土地であるが、パレスチナ指導部はこれをイスラエルに売り渡してしまい、彼の率いるムスリムが武器をとって、米国とイスラエルと戦ってきたと述べた由。
さらに彼は、トランプが現代十字軍の真の姿を見せつけたとして、これと妥協したり融和を図っても益はなく、聖戦とイスラムの宣布でこれと戦うべきであるとした由。

またイスラム国家(複数)も、イスラエルを含む国連に加盟し、シャリーアではなく、イスラエルを正当化する安保理決議を認める等の行動で、期待された役割に失敗してきたと非難した由。

http://www.alquds.co.uk/?p=934400

取り敢えず以上で、現在ではアイマン・ザワヒリにどの程度の影響力が残っているのかも不明で、上記声明もパレスチナ指導部やイスラム国家の非難が主であるような印象を受けるが(それであれば、最近のサウディ皇太子や湾岸諸国の指導者に対し、もっと激しく非難すべきか?とも思われるが、もしかするとその辺は何らかの形で資金でも出ている可能性があるのか?勿論そんなことを言う根拠はないが、若干不思議ではあります)、未だ彼に忠誠を誓う分子がいれば、アルカエダのテロもISのそれと並んで警戒すべきかと思うので、取りあえず。

過激派情報(ISとマグレブのアルカイダ)

イラクのISと「マグレブアラブのアルカイダ」に関する情報、ご参考まで。
これを見てもこの種過激派の掃討がいかに難しいかが良く分かる気がします。


イラクのISについて
・イラク軍、内務省等によると、ISの細胞は特にイラク西部の砂漠地帯等に存在して、その活動方式をかってのゲリラ、テロに転換しつつある。
イラク軍の方でも、これらの地方での情報活動を強めていて、爆発物等の摘発に成功している。
・しかし、散発的なテロで兵士に損失が出ている。
・イラク内務省によると、最近ISの首領al bahghdadiの潜伏場所が分かった由。
それによると、彼はシリアのデリゾルのイラクとの国境から18マイルのhajin に潜伏している由。
この情報は数日前に得たばかりだが、ロシア、シリア、イラク等の部隊と情報を共有し(ここにイランが入っているのが興味深い)、掃討作戦を進めるつもりの由

マグレブアラブのアルカイダ
マグレブアラブのアルカイダは8日声明にて、北及び西アフリカの欧米企業は正当な攻撃対象であるとして、これらの企業を攻撃すると予告し、イスラム教徒に対してはこれらの施設に近づかないようにと警告した
このアルカイダグループはアルジェリアで外国企業等を攻撃したことで知られているが、最近ではブルキナファッソ、マリ、象牙海岸等で、外国人の集まるホテルを攻撃している。
アルカイダは、その声明で西側企業の中でも、特に仏企業は第1の目標であると警告した由(確か仏軍がマリ等で、政府軍を支援して、過激派掃討をしていることに対するものと思われる)
http://www.alquds.co.uk/?p=931525
http://www.alquds.co.uk/?p=931410






ダルナに対するリビア軍の攻撃開始(リビア)

このダルナという町(リビアの東端にあり、昔から過激派の勢力の強い所として知られていた模様)も、過激派と政府軍との間で、何度も取ったり取られたりを繰り返してきた記憶がありますが、al arabiya net は町を包囲している政府軍に15に攻撃の命令が出て、攻撃が始まると報じています。
リビア軍報道官は、ダルナに対する攻撃でリビア軍がいかなる外国の軍とも協力していないことを強調して、協力があるのはエジプト軍との間で、過激派がエジプトに逃げ込まないように、またエジプトとの間の補給線を切断するための協力だけであると強調した由
(わざわざ強調せざるを得なかったのは、おそらくエジプト軍等との協力の噂が流れているためかと思われる。いずれにせよ、エジプト軍は今年初めだったかに、リビア国境から近い所に一大、陸軍空軍基地を開設しており、このような作戦に備えるためであったと思われる)

このダルナについて、al arabiya netの別の記事は、町の殉教者評議会は、過激派のアルカイダが中核となり、これにansar al shariaとかスラム青年軍とか複数の過激派集団が結集していると報じています。
彼らは2011年以降、町を支配してきたが、2014年にこの名前で統合されたともしています
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/04/16/الجيش-الليبي-لا-تنسيق-مع-جهات-خارجية-في-عملية-درنة.html
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/04/15/يد-القاعدة-في-ليبيا-من-هو-مجلس-شورى-درنة؟.html

取りあえず







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