中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

クウェイト

湾岸の大雨被害

cc167e9e-54c7-469e-816f-4582ce7cc92e[1]中東諸国も、各地で大雨と洪水の被害にあっているようですが、今度は湾岸で、クウェイトとカタールが大雨のために道路が冠水する被害にあったとのことです。
人的被害はなかった模様ですが、これで渇水の危機に直面してきたイラク南部とイランの方に雨雲が流れたらいいのですが・・・・
http://www.aljazeera.net/news/scienceandtechnology/2018/11/15/لماذا-تغرق-الأمطار-شوارع-قطر-والكويت-العالم-المصري-عصام-حجي-يقدم-أسبابا-علمية







中東の大雨、洪水

6-6-730x438[1]ヨルダンの洪水で児童が多数死亡したことは先に報告しましたが、ヨルダンを含むアラブ諸国ではまた大雨、洪水に見舞われ、特にヨルダンでは洪水のため国土が2分され、9名が死亡したとのことです
(写真。なお、ヨルダンの洪水については、ペトラ遺跡も見舞われ、日本人観光客もいた所為か、日本のマスコミでも報じられています)
更に、大雨はサウディやクウェイトも襲い、特にサウディではリヤドとかジェッダの大都市が洪水、大雨に見舞われたとのことです(ということは他の湾岸諸国でも大雨が降った可能性が強い)
またクウェイトでは、エジプト人1名が死亡し、家屋等にも大きな被害が出たために、公共大臣が辞任した由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2018/11/09/وفاة-4-أشخاص-جراء-السيول-الجارفة-في-ضبعة-ومادبا-بالأردن.html
https://www.alquds.co.uk/%d9%85%d8%b5%d8%b1%d8%b9-%d8%b7%d9%81%d9%84%d8%a9-%d9%88%d9%81%d9%82%d8%af%d8%a7%d9%86-3-%d8%a3%d8%b4%d8%ae%d8%a7%d8%b5-%d8%ac%d8%b1%d8%a7%d8%a1-%d8%b3%d9%8a%d9%88%d9%84-%d9%88%d8%b3%d8%b7-%d8%a7/
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/11/9/سيول-في-السعودية-والكويت-واستقالة-وزير
すでに何度か報告の通り、今年は中東、北アフリカ諸国の各地で大雨と洪水の被害が生じ、他方イラクやイランでは渇水のために水危機が生じています。
温暖化の影響の異常気象では、気候が激しくなる(大雨の地域も出れば極端な渇水地域も出る、また台風等が頻繁に大型のものが多くなる)と言われているが、今年は日本でも異常な高温と多くの台風を経験しており、いよいよ地球温暖化が世界中の人々に影響を与え始めたのでしょうか?

イラクの抗議運動

イラクにおける水、電気、失業、腐敗問題等に対する抗議活動はまだ続いている模様で、23日もバグダッドのタハリール広場周辺には群衆及び治安部隊が多数集結している模様です。
抗議の大きな理由である対重なる停電問題については、クウェイトが救いの手を伸ばしているとal arabiya net が報じているところ、記事の要点次の通り。

イラクにおける電力問題は、400億ドルを費やした(報道のまま)にもかかわらず、電力庁の無能の故に今でも、毎日停電が起きている。
特に南部では、イランが電力の供給を停止したために悪化した(イラン電力庁は、電力の提供に関する合意は、イラン国内の需要にこたえたうえでの提供となっていると説明していたこと報告済み。おそらくイランでも異常な暑さや経済制裁による部品の高騰等で、電力をイラクに回す余力がなくなっていると思われる)

この問題に対して、クウェートが救いの手を差し伸べようと、イラクとン国境検問所に17台の大型発電機を届けた由。
これらの発電機の能力は合わせると34メガワットに達する由。
但し、今後その通関のためには複雑な手続きが必要であろうとしています。

https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2018/07/24/الكويت-تدخل-على-خط-حل-أزمة-كهرباء-العراق-.html

確か、イラン電力庁は救いを求めてサウディに2の政府使節団を送ったはずですが、サウディの方はどうなっているのでしょうか?
こういうことになると、図体の小さなクウェートの方が小回りが利くということでしょうか?
それにしても、湾岸戦争の引き金になったイラクのクウェート征服の犠牲者が、イラクを助けようというのですから、国際政治は面白いものです。

ガザのイチゴのクウェイト向け初輸出

strawberries[1]ガザ情勢については、最近イスラエルとの間でロケット攻撃と空爆の応酬が続いていて、また失業の増大等厳しい状況で、爆発寸前とのイスラエル紙の報道(後でもう一度見直して、必要があれば報告します)もありますが、少しは良いニュースを。

これはal qods al arabi net の報じるところですが、ガザ農業省によると、今回初めてガザ産のイチゴがクウェイト向けに輸出されたとのことです。
未だ数量は1トンと少ないようですが、少しでもガザの経済に貢献すると良いですね・ 

http://www.alquds.co.uk/?p=874482

GCC首脳会議の失敗(クウェイト)

クウェイトの主催になる湾岸諸国会議(GCC)は、当初2日間の予定だったとおもいますが、5日、1日間だけで終了しました。
おまけに、al jazeera net によると、首脳会議は開会式と閉会式の2つのセッションを行ったとのことですから、要するに実質的な会議はなかったということのようです。

そもそもこの会議は、カタール対サウディ等のGCC諸国の対立を仲裁しようとのクウェイト首長の試みであったが、おそらくは根回し不足というか、首脳会議で何を議論し、どういう合意を得られるか、ということについて十分な事前協議もなしに開催を決めたものの如くで、カタール首長は出席したものの、ほかの国からは首脳の出席はなかった由。
(サウディからは外相、UAEは外務担当国務相、副首相が出席し、オマーンからは副首相が出席した由。このうちオマーンの副首相…首相は依然としてスルタンが兼務…はスルタンの名代としてよく会議に出席する人物なので、明白な会議ボイコットではないと思われるも、その他の3国は明らかに「首脳」会議のボイコットと評されるのではないかと思われる)

これを報じるalqods al arabi net は、このような湾岸諸国の態度に対して、クウェイトでは、首長に対する冒涜だとして不満が高まっていて、逆に首長が出席したカタールに対する評価が高まっていると報じています。

http://www.alquds.co.uk/?p=839277
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/12/5/اختتام-القمة-الخليجية-بتأكيد-التمسك-بمجلس-التعاون

メンツを重んじるアラブ、特に湾岸諸国で、このような不手際な会議が行われるのは珍しく、中身のない会議でも、日本の国会などと同じように、シャンシャンと多数で決まることが普通なのですが今回はどうした事か、おそらく直接的にはクウェイト外交の不手際、要するに妥協ができていないにもかかわらず、首脳会議の開催を強行した事、にあると思われますが、その他クウェイトが何故そんなに事を焦ったのか等、どうも不思議な点が少なくありませんが、取りあえず。
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