中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

ロシア

シリア情勢

シリア情勢に関し、若干のニュース次の通りです。
これらの動きや、昨日のダマス周辺でのイランの影響力の定着に関するニュースを見ていると、これまでも漠然とした形ながら出てきていた、シリアが、政府軍の支配するダマス周辺から南部および西部高原やアレッポにかけて、米軍の支援するシリア民主軍の支配する東部、トルコの影響力が強い北部国境地帯の3地域に分かれていく傾向が益々強まっている感じがします。

・(米軍支援下のシリア民主軍がユーフラティス東岸でISに大規模攻撃をかける準備を進めているらしいことは昨日報告しましたが)al arabiya net はロシアのラブロフ外相は、米国はクルドカードをもてあそんでいると非難した。
外相はアメリカのカードはクルドで、米国の動きはシリア領土の一体性を損なっていると批判し、クルドカードの弄びは、シリアのみならず、イラク、イラン、トルコにとっても危険であると警告した
(警告の真意は不明だが、クルド勢力を軍事的に強化することは、クルド問題を抱えている近隣諸国にとっても、今後深刻な問題になるという意味であろうか)

・同外相はまた、イドリブについて、プーチンとエルドアンは過激派が両国合意を損なわないように努力することで合意したが、未だ多くの過激派が非戦闘地帯から撤去されていないと指摘した
・イドリブについて、al arabiya net の別の記事は、アルカイダ系統の旧ヌスラ戦線が、対立する反政府派の幹部等の暗殺を続けていて、住民お間に恐怖が広がっていると報じている。

・さらに同じネットの別の記事は、政府軍は最近奪還した地域で、青年の逮捕を進めているが、これは報復の意味と、もう一つは彼らを軍の予備役に徴兵するためであると報じている。
これは基本的に政府軍がさらに30万の予備役を必要としているからで(現役に繰り入れにはまずはかなりの訓練が必要であろう)、このため政府支配地域では青年は外出するのを恐れている

・さらに同じネットの別の記事は先日のIDFのダマス周辺攻撃で、政府軍はロシアから供与されたS300を使用しなかったと報じている。
これはシリア筋の話をロシアのスプートニク通信が報じたものの由なるも、その理由は説明していない

・他方トルコのhurryiet net は、G20会合の際に、エルドアンとトランプが50分会談し、シリア・トルコ国境のmanbijからのクルド勢力YPGの排除について協議したと報じている。
(如何なる合意があったかは不明。なお当然のことながらkhasshoggi事件も話されたと思われるも、どんな話があったのかは不明)

http://www.hurriyetdailynews.com/erdogan-trump-discuss-clearing-manbij-of-ypg-139372
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/12/02/ناشط-سوري-رعب-بين-الأهالي-بادلب-بسبب-اغتيالات-النصرة-.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/12/02/لافروف-واشنطن-تلعب-بالورقة-الكردية-شرق-الفرات.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/12/02/سوريا-300-ألف-شخص-مطلوب-للتجنيد-بجيش-النظام-.html
https://www.alarabiya.net/ar/alarabiya-today/2018/11/30/النظام-السوري-امتنع-عن-استخدام-اس-300-ضد-اسرائيل.html



















シリア情勢(塩素ガスの使用等)

最近もシリアの反政府軍支配地域に対する化学兵器(毒ガス)使用の報道は、時折ありましたが、今度はアレッポの政府軍支配地域に対する塩素ガス使用と、それに対する報復としてのロシア軍空軍の、イドリブの非戦闘地域の反政府軍拠点に対する空爆のニュースです。


アラビア語メディアは、24日、アレッポに対して砲弾による塩素ガスの攻撃があり(シリア人権網によれば、その攻撃で107名が窒息症状を呈した由、現在のところ死者は出ていない模様)、これに関してタス通信によれば、ロシア国防省は、この毒ガス攻撃はイドリブの非戦闘地帯の反政府軍からの砲撃によるものだとして、25日複数の拠点を空爆し、総ての目標を破壊したと発表したとのことです。

なお、この反政府軍とは旧ヌスラ戦線(アルカイダ系統)とのことですが、イドリブの反政府軍は、化学兵器による攻撃を否定し、攻撃は政府軍自身の手によるもので、アサド政府としては非武装地帯攻撃、制圧の口実として使うために化学兵器攻撃を自らしたと非難した由
またトルコ筋も、アサド軍はイドリブ近辺に大軍を集結していて、トルコとしては、この事件を口実として政府軍が非戦闘地域を制圧しようとするのではないかと懸念しているとしている由

更に、非戦闘地域等についてソチ合意をしたロシアとトルコはこの問題について、国防相同士が協議をしたとのことです
(内容は不明。トルコのhurryiet net は新聞ということもあってか、両国防相が24日・・・おそらくは化学兵器使用の前か・・・・イドリブ、telafaal等について電話で協議したと報じているだけです)
https://www.alquds.co.uk/%d9%87%d8%b2%d8%a9-%d8%a3%d8%b1%d8%b6%d9%8a%d8%a9-%d8%aa%d8%b6%d8%b1%d8%a8-%d8%ba%d8%a7%d9%84%d8%a8%d9%8a%d8%a9-%d8%a7%d9%84%d9%85%d8%af%d9%86-%d8%a7%d9%84%d8%b9%d8%b1%d8%a7%d9%82%d9%8a%d8%a9/
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/11/25/تركيا-وروسيا-تبحثان-هاتفيا-آخر-تطورات-الأوضاع-في-ادلب.html
https://aawsat.com/home/article/1477596/%D8%B6%D8%B1%D8%A8%D8%A7%D8%AA-%D8%B1%D9%88%D8%B3%D9%8A%D8%A9-%D8%B9%D9%84%D9%89-%D9%85%D9%88%D8%A7%D9%82%D8%B9-%D9%84%D9%84%D9%85%D8%B9%D8%A7%D8%B1%D8%B6%D8%A9-%D8%A7%D9%84%D8%B3%D9%88%D8%B1%D9%8A%D8%A9-%D8%A8%D8%B9%D8%AF-%D8%A7%D8%AA%D9%87%D8%A7%D9%85%D8%A7%D8%AA-%D8%A8%D9%87%D8%AC%D9%88%D9%85-%D8%A8%D9%80%C2%AB%D8%A7%D9%84%D9%83%D9%84%D9%88%D8%B1%C2%BB
何しろ化学兵器使用問題という機微な問題ですから、そのうちもう少し客観的な情報も出てくる可能性もありますが、取りあえず












イドリブ情勢(シリア)

ロシアとトルコが合意した、イドリブ周辺に関する停戦(特に非武装地域問題)が必ずしもうまくいっていない模様ということは先日報告しましたが、al arabiya net は、ロシアの国防相がトルコ国防相に対して20日、非武装地域について両国が速やかに合意実施に努めるべきであると語ったと報じています。
記事は更に、ロシアは最近反政府派が、彼らの支配する地域で、停戦に関するロシア―トルコ合意を破壊する動きを示していると非難していたところ、ロシア国防相はトルコに対して、両国の合意を守るために両国は動かねばならないと語ったとしています。
記事は更に、イランの革命防衛隊司令官が、イランはシリア政府の要請に基づき、イドリブ及びアレッポ北西部に「平和維持部隊」を送る用意があると語ったとも報じて、この革命防衛隊司令官お発言は、ロシア政府が、イドリブの反政府派は過激派の追放に失敗したと表明した時期と合致していると付記しています

他方このイドリブ情勢と関連するのか否かは不明ですが、al arabiya net の別の記事は、ネタニアフがイスラエル議会の外交安全保障委員会の非公開の会合で、シリアからイラン戦闘員を撤退させることについて、ロシアとイスラエルと米国の間で了解ができたと発言したらしいと報じています
イスラエルのTVチャンネル10は、20日夕、この了解はその見返りに、米国の対イラン制裁を緩和することになっていると報じた由。
記事は更にネタニアフは10日前にパリでプーチンと会談している(WW1100周年記念だったかと思う)としつつも子お様な了解についてロシア外務省は21日、その存在を否定したとしています。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/11/21/هل-ستقايض-روسيا-وجود-ايران-في-سوريا-بتخفيف-العقوبات؟.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/11/20/ادلب-تترقب-موسكو-تدعو-أنقرة-لـ-قرارات-سريعة-.html

どうも何がどうなっているのか、はっきりしない話で、すっきりしませんが、いろいろと見てはみたのですが、イドリブ問題について、他には格別の報道もない様子で、取りあえず報告だけしておきます。
そのうちもう少しはっきりした情報も入ってくるかもしれません







プーチンのサウディ皇太子との会談?

先にal arabiya net は、khasshoggi事件で、ロシアがサウディの立場を理解すると表明しているとして、国際的な宣伝戦で大いに喧伝、利用していると報告したかと思いますが、本日の同ネットは、ロシア大統領府の報道官が、30日から開催されるアルゼンチンのG20会合の際に、プーチンがサウディ皇太子と会談するかもしれないと語ったと報じています。
https://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2018/11/21/الكرملين-بوتين-سيلتقي-ولي-العهد-السعودي-في-قمة-الـ20.html

記事はごく短いもので、その他にはロシア大統領府は原油価格の動向を見守っているというところがあるだけですが、この記事の通りであれば、極めて面白いことに、当初から一貫して、サウディ皇太子を擁護してきたのは、トランプとプーチンということになります。
この会談が実現すれば、皇太子にとっては、国際社会で大国から公然と支援される最初の機会ということになりそうですが、議会やマスコミが煩い米国ではあるも、トランプがどうするのか、がぜん(こういう表現は悪いが)野次馬的には、面白くなってきました。
プーチンにやられっぱなしということはないのでしょうね!!
まあ、ある意味ではamerica first !だか何だか知らないが、今次事件は国際関係のある意味での裏の姿、というか真の姿を見せているのかもしれません

khasshoggi事件(ロシアの反応)

khasshoggi 事件では、サウディは先日の検事当局の発表で、真相は公表したので、後は司法当局の手にゆだねられたとしつつ、サウディ系のメディアを通じて、アラブ諸国、イスラム諸国、その他の外国のサウディの措置に対する歓迎と評価の声を紹介しつつ、事件の幕引きを図っていることは、何度か報告した通りです。

そこで興味深いのは、al arabiya netもal sharq al awsat net も、いずれもロシア外務省及びノボスティ通信の報道(内容は外務省の声明と同じ、というか元は外務省の模様)を大きく引いて、ロシアとしてはサウディのこれまでの対応ぶりは極めて責任あるもので、透明性があり、十分信頼するに足りるとして、この問題を他の国が「政治化」しないように要求するとの立場を大きく伝えていることです。

更に興味深いことには、al arabiya net が、15日から開かれたペトロスブルグの文化フォーラムで、プーチン大統領が参加したサウディ代表団に、大きな親愛の情を示したとして、プーチンとサウディ文化大臣のツーショットの写真やその他数枚の写真を大きく掲げていることです。
(こちらの方は直接khasshoggi 事件との関係とは明示していないが、この種ロシアでの行事を日ごろあまり大きく報じない同ネットが、この時点で大々的に写真入りで報じたということは、当然事件との関係を考えてのものと理解できるのではないでしょうか?)
https://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2018/11/17/بوتين-يحتفي-بوفد-السعودية-في-منتدى-بطرسبورغ-الثقافي-.html
https://aawsat.com/home/article/1466391/%D8%B1%D9%88%D8%B3%D9%8A%D8%A7-%D8%AA%D8%B1%D9%81%D8%B6-%D8%A7%D9%84%D8%AA%D8%B4%D9%83%D9%8A%D9%83-%D9%81%D9%8A-%D9%82%D8%AF%D8%B1%D8%A9-%D8%A7%D9%84%D8%B1%D9%8A%D8%A7%D8%B6-%D8%B9%D9%84%D9%89-%D8%A7%D9%84%D8%AA%D8%AD%D9%82%D9%8A%D9%82-%D9%81%D9%8A-%D9%82%D8%B6%D9%8A%D8%A9-%D8%AE%D8%A7%D8%B4%D9%82%D8%AC%D9%8A

同じような問題(ロシアでは反体制派と見られるジャーナリストが、当局者の手によるとみられる事件で、複数暗殺されているとして、国際社会から、強い批判を浴びている)抱えるプーチンが、この際サウディに同情というか親愛を感じたのか、それともCIAレポートのリークで、対サウディの手を縛られている(トランプとしては、マスコミや議会の動きを、完全に無視するという訳にも行くまい)米国の立場を利用して、米・サウディ間に楔を打ち込もうとしているのか、興味ある反応です。
またそれを大きく報じるサウディ紙の動きも、サウディとしては、米がこの事件で反王室的動きをすれば、ロシアというカードもあるよとアッピールしたのでしょうか?
こうなってくると、サウディやロシアの主張とは真逆に、事件はまさに「政治化」しつつある感じです。
取りあえず





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