中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

湾岸

ペルシャ湾での演習(イラン)

al qods al arabi net は、イランが近くペルシャ湾からホルムズ海峡、アデン湾にかけて、大々的な演習を行う準備を進めていると報じています。

それによると革命防衛隊は48時間内に演習を始めるようで、演習には100隻の艦艇が集められ、数百名の兵員が参加する模様の由。

米情報筋は、イランが毎年この時期に演習をすることは承知しているが、今年は革命防衛隊がホルムズ海峡封鎖の訓練などをするのではないかと警戒している由。
米中央軍報道官は、米海軍はペルシャ湾地域の(海軍等の)動きを緊密に監視していて、同盟国とともに国際海峡等での航海の自由を守るために必要なことをするつもりであるとコメントした由。

http://www.alquds.co.uk/?p=986306

時節柄、若干きな臭いニュースですが、取り敢えず。

アラブ版NATOの結成?

何が起きたのでしょうか?

al qods al arabi net ,al arabiya net ,al jazeera netの3つのアラビア語メディアは、サウディ系もカタール系もともにほぼ同じような調子で、同じソースを引用して、トランプがアラブ版NATOの結成を狙っていると報じています。
尤も、そのソースは複数の米政府筋と湾岸筋と言うだけで、いったい誰が誰に対して、このような話をしたかは不明ですが、話の筋がほぼ同じところを見ると、米政府または湾岸の誰かが意図的に、流した情報であることは明らかです。

それはともかく、記事によると、このアラブ版NATO構想は、イランの脅威に対抗するために、米国がサウディ等の湾岸諸国、エジプト、ヨルダン等と、盾ともなりうべき防衛機構を作り、主としてミサイル防衛網、これらの軍隊の近代化のための訓練、対テロ等で協力するというもので、この構想はトランプのサウディ訪問の直前に、サウディ政府筋が米国に提示したものの由。
現在NATO条約のアラビア語版を参考として、検討が進んでいるが、米大統領府としては、暫定的に10月12、13の両日米国で開かれることとなっている、これら諸国との首脳会議までに大枠を決めたい考えで、この機構の名前もとりあえず「中東戦略同盟」とされている由。
また、この構想にとっては、現在サウディ、UAE,バハレン等が、カタールをボイコットしているが、そのカタールには地域で最大の米空軍基地があることについて米軍筋では懸念を示しているも、国家安全保障責任者は、大きな問題はないとしている由
この問題について、関係の当事者からのコメントは得られていないが、複数のアラブ諸国政府は、その様な構想があることは承知しているとしている由
またal qods al arabi net とal jazeera net は、これまでも複数の米政府がアラブ諸国とNATO類似の同盟機構を作ろうとした試みはすべて失敗しているとコメントしています。
http://www.alquds.co.uk/?p=982868
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/7/28/ناتو-عربي-للتصدي-لإيران-هل-يفعلها-ترامب
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/american-elections-2016/2018/07/28/تصديا-لإيران-ترمب-يسعى-لإحياء-تشكيل-ناتو-عربي-.html
冒頭書いた通り、この話はそもそもソースがはっきりしない話で、トランプ大統領一流のfake news の可能性も強く、対イラン宣伝戦の可能性も強いような気がします。
しかし、もともとの構想をサウディが売り込んで、ミサイル防衛、訓練対テロ等で湾岸諸国、エジプト、ヨルダンが協力するというシナリオは、現実にあり得る話のようにも思われます。

因みに、米国のアラブ諸国との相互防衛条約機構で、最も有名なのは中央条約機構(その前身がバグダッド条約機構)で、冷戦時代にソ連の中東への進出を防ぐために作られ、米英の他にトルコ、イラク、イラン、ヨルダン等がメンバーだったかと思いますが、当時アラブ諸国で圧倒的に人気のあったナセルのアラブ民族主義運動と正面から対決し、結局1958年にはイラクでクーデターが発生し、王政が廃止されることとなり、確かヨルダンでもその軍司令官の英人グラブ・パシャが1956年解任される等の事件があったことを記憶しています。

あいまいな話ではありますが、共通してアラビア語メディアが報じていることもあり取りあえず

それにしても、先日のNATO首脳会議で、NATO及びその西欧加盟国に対して極めて敵対的、失礼な言辞を弄し、機構としてのNATOを内部から弱体化させるのに貢献した?トランプがNATO類似の機構を作ろうとしているとしたら、これは最大級の皮肉でしょうね。
先ほど見たBBCだったかCNNだったかは、ヘルシンキやその他の場所における言動は、正しくKGBエイジェントにしか見えないと表現していました

ホルムズ海峡問題(風刺画)

cartoon22-7-2018-[2]ホルムズ海峡閉鎖問題に関する風刺画です。

ピストルにはホルムズ海峡と書いてあり、その引き金に指をかけている手にはイランと書いてあります。
イランがホルムズ海峡閉鎖などと言う措置に出たら、イラン自身も甚大な被害を被る(もしかすると自殺行為)という意味でしょうか?

https://aawsat.com/home/cartoon/1339426/%D8%A3%D9%85%D8%AC%D8%AF-%D8%B1%D8%B3%D9%85%D9%8A

中東和平(風刺画)

20qpt777[1]中東和平(パレスチナ問題)に関する風刺画でしょう。
左上の題名は、平和の鳩とあります
どうやらこの鳩は湾岸諸国のように見えますが、彼らは米国(トランプ)の鳥かごに入れられたという構図の様です。
しかし、本当に湾岸の連中がパレスチナ和平を推進しようとしていたのでしょうか?
http://www.alquds.co.uk/?p=978432



エルドアンの勝利に対する西側、アラブ諸国の反応

al qods al arabi netは、先日のトルコ選挙でのエルドアン大統領と与党AKPの勝利に対する西側諸国とアラブの反応を伝えています。
西側諸国では、非常に親密と言う訳でもない同盟国トルコ大統領の勝利に、若干戸惑って慎重であるというもので、アラブでは民衆は歓迎しているが政府は冷たい目で見ているというもので、「おそらくその辺のところだろう」とは思いうますが、どこまで信頼できる客観的な見方かは議論のあるところでしょう。
この見方が正しければ、アラブ諸国の指導者は今後中東の諸問題、特にパレスチナ問題に対する対応にあたっては、これ絵まで以上に民衆の反応に気を使う必要が出てきそうです。
それはともかくアラブ諸国の反応に関する部分だけ、次の通り

メディアは、アラブ諸国及びイスラム世界の民衆レベルでは、エルドアンの勝利に対する歓迎を報じている。しかし、アラブ諸国の指導者の反応は、何処か冷たいところがある(勿論サウディ国王だって、エルドアンにお祝いのメッセージを送っている この部分はal arabiya net より)
消息筋は、湾岸諸国及びエジプトではある種の懸念が見て取れるとしている。
カタール首長が熱心な歓迎メッセージを送ったのに対して、サウディやUAEでは選挙の公正さに対する疑問が提示されていて、エジプトも含めてこれらの国のメディアは選挙の公正さに疑問を投げている。
http://www.alquds.co.uk/?p=961502


















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