中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

テロ

トルコ情報局の国外での活動

トルコの情報局が隣国シリアのラタキアで、2013年だったかのトルコ内での大規模テロの企画実行者を逮捕して、トルコに移送した事(ちなみにこのテロ事件は、シリア情報部の支持と支援により行われた由)は先日お伝えしましたが、al qods al arabi net は、その2日後の14日、トルコ情報局が9名のクルド人をafrin で逮捕し、これもトルコに移送したと報じています。
彼等はトルコ内でトルコ軍兵士にテロを行い、2名殺害した容疑の由。
トルコ当局によると、彼らに対する尋問から、PKKとPYDに関する情報及びこれらクルド組織とシリア政府との関係に関する多くの情報が得られた由。
記事は、この数週間トルコ情報局のシリア内における活動が特に活発になっているが、その対外的活動が盛んになったのは、2016年だったかのギューレン・グループによるクーデター未遂事件以降で、情報局が対外活動部門とそれ以外に分けられたが、その後憲法の改正での大統領制の導入で、情報局も大統領の傘下に入り、その対外活動が活発化したとしています。
特にその目標は、クーデター未遂事件に関与したギューレン・グループに向けられ、彼らの潜伏先の当局と協力したりして、これまでに20国で80名が逮捕されている由。
それらの国としては、ウクライナ、アゼルバイジャン、コソボ、スーダン、ガボン等が挙げられています。
http://www.alquds.co.uk/?p=1016516
尤も、トルコの情報局は、昔から有能だが、冷酷で、人権無視を平気で行う組織という評価もあったかと思いますが、確かシリア北部の町kobaneのISからの奪還作戦の時には、軍の作戦方向や支持するクルド勢力と、情報局の支持するクルド勢力が異なり、かなりのヒッチがあったと報じられていたかと思います。
確かに、その主要標的は常にPKK等のクルド勢力であったかと思いますが(PKKを創始したオジャラン党首がトルコの圧力でシリアから追放された後、トルコ情報部はギリシャとかケニアとかの情報部?の協力を得て、彼をケニアからだったか拉致して裁判にかけたと思います)、ここにきて北部シリアの情勢が錯綜してきて、トルコのプレゼンスもあり、シリアでの作戦がやりやすくなったのでしょうか?
しかし、記事にもある通り、シリア情報部もトルコでのテロ支援を躊躇しなかったように、こういう情報合戦となると、どこがきれいとかどこが汚いという話ではなく、皆それぞれの国益をかけて、どろどろした戦いをしているのでしょう。

テロ容疑者のラタキアでの逮捕

スパイ小説もどきの事件が起きたようです。

al qods al arabi net とhurryiet net は、トルコ情報機関がシリア政府の支配下のラタキアで、2013年のトルコの南部のreyhanli の町で車爆弾で、53名を殺害した男を逮捕したと報じています。

これはトルコの治安責任者が12日語ったところとのことですが、この男はシリア情報局の指示を受けて、2013年5月11日に2台の車に爆弾を仕掛け、53名を殺害した事件の主犯とのことです。

事件の容疑者のうち8名は既に終身刑の判決を受けており、12名が逃亡中であった由。
トルコ政府は、事件後シリア政府の指示を受けたグループがテロを起こしたと非難していた由。
逮捕された男はすでにトルコに移送された由。

それにしてもシリア政府の支配するラタキアで、シリア情報機関と関係のある男をトルコの情報機関が逮捕したのが事実であれば、トルコの情報機関は「長い腕」をもっているものだと感心します。
尤も、報じられている話の裏に、何か更なる事実がありそうですね。

バスラ騒擾 2

バスラでイラン総領事館が放火されたことは、今朝がたお伝えしましたが、al arabiya net は8日3発のロケット弾が空港に飛来したと報じています。

ロケット弾を誰が発射したのかは不明で、また空港に被害はなく、空港当局は航空機の離着陸は通常通り行われているとしている由。

このためイラク政府は、最大限の警戒態勢を命じ、バスラに外出禁止令を敷いた由。

更に、6日以降、特殊部隊が導入され、官庁街等には対テロ部隊が配備された由。
また7日夕までに3名死亡し、1週間以内に12名が死亡した由。

バスラの情勢は、政府が適切な手を打たないうちに、ドンドン、エスカレートし、深刻化しているように思われるところ、取り敢えず。

特に空港に対するロケット弾攻撃が事実であれば、ISまたはそのほかの過激派、またはこれまであまり報じられていないシーア派内の過激派の仕業の可能性もあり、注目されます。

バスラ騒擾とバグダッドでの臼砲弾落下

バスラの騒擾は6日以降、群衆と治安部隊との衝突が再開される等、どうやら悪化しつつあるようで、9日には衝突で抗議者の1名が死亡し、35名負傷した模様です。
更に7日にも、衝突が続き、3名が死亡したとの報道があります。

さらに深刻なことには、7日早朝バグダッドの中心のいわゆるグリーン地域(政府官庁、米国等主要国の大使館があり、最も警備の厳重なところ)に3発の臼砲弾が落下したとのことです。

尤もイラク政府によれば、人的、物的損害はなかったとのことで、今の所、誰の仕業も不明とのことです。

現在のところ、バグダッドの事件を報じているのはal qods al arabi のみで、また事件が実際あったとして、事件とバスラ騒擾の関係は不明ですが、取り敢えず。

西部山地における過激派との戦い(チュニジア)

これまでもチュニジアのアルジェリアとの国境に近い山岳地帯は、ISやアルカイダの過激派グループの格好の隠れ家で、治安部隊と断続的に衝突が起きていましたが、al arabiya net は、この数日間sid buzid 県とqasrin 県の間のal mughila山地で、チュニジ陸空軍が警察と居力して、過激派の掃討作戦を行ってきたところ、31日空爆で、要塞化された拠点を破壊し、多数のテロロストを殺傷したと報じています。
殺傷された過激派の数や彼らの所属先は不明
掃討作戦は現在も継続中の由
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/09/01/تونس-الجيش-يقتل-إرهابيين-ويصيب-آخرين.html
と言うことで詳細は不明だが
・この地域の過激派掃討作戦の継続にもかかわらず、山地で過激派が隠れやすいt系であることおよびアルジェリアにも近いことから、完全に掃討することは極めて難しいこと
・他方今回の作戦が陸空軍と警察の合同作戦と言うことからすれば、かなり大規模な作戦が進行中とみられる
と言うところでしょうか
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