中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

ヒズボッラ

ヒズボッラー幹部に対する懸賞金(米国務省)

米政府は前からヒズボッラーはテロ組織と認定してきましたが、10日国務省はその幹部2名に対して計1200万ドルの懸賞金をかけたと発表しました。
確かトランプは、ヒズボッラーが主要なテロ組織の一つとして、非難してきたかと思いますが、ここにきてその「テロの大幹部」に多額の懸賞金を発表したのは、彼がそのイラン敵対政策を更に明確にした(ヒズボッラーがイランの手先であることは周知の事実)ということでしょうか?
彼の「嵐の前に静かさ」という謎めいた言葉に関連して、気になる動きです。
事実関係次の通り

・国務省はヒズボッラーの幹部2名、すなわちtalal hamiya とfuad shokriに対して、その逮捕等につながる情報を提供した者に対して、それぞれ700万ドル、および500万ドルの賞金を与えると発表した。
・国務省関係者によれば、前者はテロ細胞を指導し、多くのテロ事件に関係し、特に米国民に対するテロ及び誘拐にかかわった由。
後者はヒズボッラーの軍事部門の幹部で、南部レバノンでの活動を指揮してきたが、最近ではシリアでの作戦にも関係していて、また1983年の米海兵隊員200名の殺害にも関与した由。
・国務省のテロ対策官は、ヒズボッラーは現在でも世界で最も危険なテロ組織の一つで、米国の懸賞金は彼らにさらなる圧力をかけるものであるとして、国際社会に対してヒズボッラーをテロ組織と認定するように慫慂(しょうよう)した。

EU諸国はヒズボッラーの軍事部門はテロ組織としているが、政治部門の方はテロ組織とは認定していない。

http://www.alquds.co.uk/?p=806009
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/american-elections-2016/2017/10/10/أميركا-ترصد-مكافأة-للمساعدة-باعتقال-مسؤولين-في-حزب-الله.html

中東の危険分子はイスラエルとサウディ!!

これまでイランが、中東への敵を非難する時には、米国の次にはイスラエルを挙げたものですが、ヒズボッラーのナスラッラ―書記長は中東の安定と平和への敵は、イスラエルとサウディだと主張したとのことです。

サウディも出世したものとでも言うべきなのでしょうか?
これはal jazeera net がレバノンTVのインタビューを報じているところだが、それによるとナスラッラーは米国と共謀してのサウディの中東への介入が、地域を破壊しつつあると非難した由。
彼はまた、タリバンでもアルカイダでも、調べてみればその後ろにサウディがいるとしたが、これはサウディ外相が米国がヒスボッラーをブラックリストに載せたことを称賛し、ヒズボッラーに対抗する湾岸の同盟が必要と述べたことに対する反論の由。

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/10/9/نصر-الله-السعودية-وإسرائيل-خطر-على-المنطقة

確かナスラッラーはアシューラの際にも、中東におけるサウディの陰謀と戦争が失敗したとサウディを激しく非難しており(その点は報告済みかと思う)、最近ヒズボッラーとサウディの相互非難が激しくなりつつある感じがしますが、これはやはりその親分であるイランとトランプの対立が激しくなっていることの反映でしょうか?



クルドの住民投票(ヒズボッラー書記長のコメント)

al qods al arabi net とal jazeera net はアシューラを前にした30日のヒズボッラー書記長の、クルド自治区の住民投票に関する発言を伝えています。

al qods al arabi net の報じるところでは、イランの作ったヒズボッラーの書記長のことですから、当然、住民投票には反対で、クルド自治区の問題はイラクやシリア、イラン、トルコだけに関係する問題ではなく、中東全域に関係する問題で、クルドの独立は更なる中東地域の分裂、更にそのまた先の分裂をもたらし、中東に多くの内戦をもたらす、大きな不安定要因になるだろうと警告しています。
また、この投票は米国とイスラエルの陰謀であるとの主張も繰り広げています。
ところが、al jazeera net の報じるところでは、同書記長は、クルド地域の分離、イラクの分割はサウディの分割につながるだろうと警告している由。
それによると、これまでのサウディの政策の失敗がイランの影響力の伸長をもたらしており、イラクの分割を企ててきたが、イラクの分割はサウディは、サウディの分割をもたらすであろうとしている由。
書記長は更に、サウディ指導者に対して、戦争ではなく、対話により問題解決に取り組むように呼びかけ、その間違った政策がイランお影響力拡大をもたらしたとした由。

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/10/1/نصر-الله-تقسيم-العراق-سيؤدي-لتقسيم-السعودية
http://www.alquds.co.uk/?p=800002

ナスラッラー発言の真意は不明ですが、ヒズボッラーがイランと一心同体であることを考えると、矢張りポストISの問題は、クルド問題とその中東への影響になるとみているということなのでしょうね。

IDFのダマス空港攻撃(シリア)

アラビア語メディアは、シリア人権網を引いて、IDFと思われる航空機が22日朝、ダマス空港近くのヒズボッラーの武器庫を空爆したと報じています。
さらに、レバノンのメディアは、攻撃は空港の南西から2発のミサイルによって行われたと報じているとしています。
また、イスラエル、シリア両政府ともこれまでのところコメントしていない由。

他方、イスラエルのynet news は、レバノンTV局を引用して、IDFの攻撃はシリア領空外から行われ(ということはレバノン領空と思われる)、攻撃された箇所は前にもIDFが攻撃したところで、人員の死傷者はないも、物的損害が出たと報じています。
記事は更に、これが事実であればハマの科学研究センターに対するIDFの攻撃から2週間もたっていないときの2度目の攻撃になるとコメントしています
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/09/22/أنباء-عن-غارات-إسرائيلية-قرب-مطار-دمشق.html
http://www.alquds.co.uk/?p=794946
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5019585,00.html
上記の通り、イスラエル政府もシリア政府も確認はしていませんが、イスラエルのメディアがイスラエルの軍事行動に関して報道する場合、第3国のメディアを引用する形とすることが多いことに鑑みれば、攻撃のあったことはまず間違いなさそうです。
問題は、何故ここへきてIDFのヒズボッラーへの攻撃が激化し、ダマスの近辺でモ行われているかだろうと思います。
矢張りイランに対するイスラエルのメッセージでしょうか?要するに今後ともイスラエルの近くでの、彼らのプレゼンスは認めないという・・・・?

ヒズボッラー問題

このところ、イラク、シリアにおけるISの掃討の後は、ヒズボッラーの問題が大きく浮上するだろうとの見方が多く流されているようです。
事実イスラエルは、現在北部方面にて、20年ぶりの大規模軍事演習を行っていますが、この演習の目的は、今後の北部戦線(と言うことはレバノンとシリア国境)で、ヒズボッラーと闘うことを想定してのものだと見られています。
この点に関し、イスラエル軍の現地幹部も、そのことを認めたうえで、将来のヒズボッラーとの戦いはこれまでと違うものになり、ヒズボッラーはいイスラエルに侵入し、民家の上にその旗を掲げる等、外部に対してその勝利を誇示する心理作戦を行う可能性が強いとして、それに対処する最重要な戦術は、とにかく早期に彼らの動きに関する情報を得て、迅速に対応することであるとして、そのための準備も行っていると報じられています。
またヒズボッラーはイランから最新式の武器も入手しており、これに対処する必要もあるとしている由

これはy net news の報じるところですが、他方al jazeera net はイスラエルとヒズボッラーは軍事衝突に向かいつつあるのか?と言う題の記事で、イスラエル軍部は、現時点では必ずしもその方向に流れているわけではないが、その可能性も否定できないとしていると報じています。
更に、al arabiya net はデリゾルで、ヒズボッラーの現地指揮官とされる人物が9日、メディアに対して、ロシアやイランのシリア政府に対する支援を評価するとともに、その他の外国軍は征服者であると語ったと報じています
(多くのシリア人やアラブ人にとっては、ヒズボッラーこそ征服者と見えると思いますが、この表現は気になりますね)

他方、イラクのヒズボッラー(上記シリアのヒズボッラーは昔からのヒズボッラー、即ちレバノンのヒズボッラーのことですが)に関して、米紙によれば米政府は次のイラクに於ける戦闘はイラクヒ・ズボッラーとのものと考え、その準備をしていると報じています。
記事の要点のみ次の通り
「ワシントン タイムズ紙によれば、米政府はISとの戦いが終わった後はイラクのヒズボッラーとの戦いであると考え、その準備をしている由。
それによると、この米国の見方は、イラクのヒズボッラーが何度も、ISに対する戦闘が終わった後はイラクから撤退するようにと警告したための由。
イラクでのISとの戦いが週末に近づきつつある現在、米国はイラクではイランの民兵(ヒズボッラー)との戦いに注意が向けられている。
米紙は、米軍はISとの戦いが終わった後、如何にイラク・ヒズボッラと闘うかについて研究し始めているとしている。
イラクのヒズボッラーは既に、テルアファルの戦闘への米軍の参加拒否声明で、米軍と闘う意図を隠していない。
米は、この声明は、ヒズボッラーの後ろにいるイランが、米軍が、イランによる、イランからイラクを経由してレバノンにつながるシーア派の回廊建設を認めないとしていることに対して、米国をイラクから追い出そうとの意向の表明であるとみている。
イラクのヒズボッラーは2007年革命防衛隊のコドス部隊により創設されたものであるが、ISに対する戦いで、戦闘力を身に着け、危険な存在になったとして、米国は現在イラクにおけるテロ組織No1とみている」
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2017/09/09/بعد-داعش-واشنطن-تعد-لحرب-مع-مليشيات-إيران-بالعراق.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/09/10/-حزب-الله-يصف-القوات-الأجنبية-في-سوريا-بـ-الفاتحين-.html
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5014147,00.html
http://www.aljazeera.net/news/reportsandinterviews/2017/9/9/هل-تتجه-إسرائيل-وحزب-الله-إلى-حرب-أخرى















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