中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

サヘル地方

サヘル地域における過激派

確かかなり前になりますが、米軍は今後のIS等過激派の活動の場として、リビアの南に広がるサヘル地域を重視しているという話を紹介したかと思いますが、al jzeera net は、ISに忠誠を誓うadnan abu walid saharawi がそのネットで、米仏軍に対する一連の攻撃を行ったと発表したと報じています。
その一つは昨年10月のニジェールにおける米特殊部隊に対する攻撃で(確かあの時には米兵4名、ニジェール兵4名が死亡し、米兵の1名はその遺体の回収に手間取り、米国内で問題とされていたかと思います)、もう一つはこの11日マリにおける仏部隊に対する自爆攻撃で、仏兵3名が負傷した由。
http://www.alquds.co.uk/?p=860341
サヘル地域で活動する過激派、他にも多いかと思われるも、取りあえず参考まで

サヘル地域への米軍ドローンの配備

ISはシリア、イラクでの敗北後、サヘル地域等に戦闘要員を移しつつあると言われてきましたが、このような過激派の動きに対抗して、米軍もニジェールにドローンを配備することになった模様です。

これは、al qods al arabi net の報じるところですが、それによると米軍はニジェールで、米特殊部隊4名が殺害された後、サヘル地域へのドローンお配備のための準備を進め、現在ニジェール政府との間でそのための議定書の署名に向けての準備が進んでいる由。
そのため現在ニジェールのagadizの近くで整備が進んでいる巨大基地に来年後半に複数のドローンが配備される予定の由。
このニジェールの基地は、ジブチの基地に次いで、ドローンの配備されるアフリカの2弁目の基地となる予定の由。
因みに、ジブチの基地からは、ソマリアおよびイエメンに対するドローンの活動が行われている由(これまで、イエメンで活動するドローンがどこからきているのか、不思議でしたが、確かにジブチなら近いし、これでその謎が解けました。現代では、中東の問題を中東の地理的感覚だけで理解しようとすると、間違いますね。すでに中東もサヘル等も米軍にとっては一つの活動地域でした)
ドローンは24時間の滞空時間と1800マイルの行動半径を有し、砂漠地帯での活動には最適の由。
これらのドローンはリビア南部からチャド、ニジェール、マリ、等の広範な地域で、ボコハラム、IS,アルカイダ、nasar allah 等の過激派諸グループに対処することとなる由。

他方同地域では、仏もドローンを使用しているが、仏は2014年以降米から、reaper型ドローン6機を購入しうち5機がマリからニジェールまでを対象に活動し、残り一機が国内での訓練用となっている
(記事の表題は、米と仏のサヘル地域のドローン作戦の調整、協力、となっているが、本文中には調整等に触れたところはない)
http://www.alquds.co.uk/?p=846902











サヘル諸国合同軍の職務開始

サヘル地域(リビア砂漠からその南部にかけて広がる地帯)では、リビア革命後治安が悪化し、過激派が自由に動き回り、人間や武器その他の密輸を行い、さらに各地でテロ活動をしてきましたが、ようやくこれらサヘル諸国の合同軍が、過激派や密輸業者に対する活動を開始した模様です。

これはal jazeera net の報じるところですが、それによるとニジェール、マリ、ブルキナファッソ、チャド、モリタニアの5か国が10月28日に、合同軍を創設することに合意し、その活動が2日開始されたとのことです。
彼らは米仏軍に支援され、2013年以降マリに駐屯する3000名の仏軍と協力して、国境地帯の警備、対テロ活動を行う由で、将来は5000名規模となり、司令部はマリの中部に置かれるる予定のよし。
問題は、その活動資金で、米国は6000万ドルの拠出を決めたが、仏等は米国が必要資金を国連から支出させることを希望している由。
http://www.aljazeera.net/news/international/2017/11/2/بدء-مهام-القوة-المشتركة-لدول-الساحل

確か少し前にニジェールだったかで作戦中の米特殊部隊の兵士4名が死亡し、現在米軍がその状況について調査中のはずで、上記仏軍の駐屯と合わせて、北アフリカからサヘル地域も、過激派対処の重要な舞台になりつつあるとみられる













リビア情勢とチャド等との関係

リビアは広大なリビア砂漠を介して、チャドやニジェールやスーダン等と接しており、カッダーフィの時代からこれらの国に介入したり、また傭兵として雇ったりしてきて、リビア革命後もこれらの国の人たちがリビア内政の混乱に乗じて、武器密輸に携わったり、傭兵とし活動してきていると報じられてきました。
この問題について、al arabiya net は最近ジュネーブにある小火器禁止機構が、特にチャドとリビアとの関連について報告書を出したと報じています。
最近も衝突があった南部のal jafraでは特にこれら諸国の人が多いとのことですが、リビア問題の複雑さの一面を物語っていると思います。

記事の要点のみ
ジュネーブの国際機関の報告書は、リビアの南のサヘル地域、特にチャド、ニジェール、ダルフール等の戦闘員がリビアの南にいて、リビア情勢にさらに火をつけ、リビアの勢力に肩入れし(傭兵等として)、武器密輸に携わり、道路を切断したりして、情勢の混乱に輪をかけているとしている。
ここ数年のリビアの混乱は、これら戦闘員に、だれでも給料を払うものの側に傭兵として働く、豊富な機会を与えた。
それらの中でも、リビアとニジェールに面するチャド砂漠のtibsti山地に居住するtibu 部族が大きな役割を果たしている由。
チャドースーダンーリビアの国境三角地帯が、紛争を激化させる地域となり、傭兵の地方市場ができている。
リビアの各種勢力はお互いに、アフリカ人傭兵を雇っていると非難しあっているが、報告書を用意した専門家達も、al jafra等を中心にリビア南部にはチャド、スーダン等からの武装兵数戦人がいると推測している。
報告書は特にtibu部族の社会への取り込みの必要性を強調している
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/06/28/تقرير-دولي-يبيّن-وجود-آلاف-المقاتلين-الأفارقة-بليبيا.html

















サヘル地帯の過激派のアルカイダへの合流

本日は、米国がシリア、イエメンでアルカイダに対する攻撃を強化していることを報告しましたが、過激派組織でも統合、協力する動きがみられます。
al jazeera net は、マリとサヘル地帯の過激派組織4つが統合して新組織を作り、アルカイダに忠誠を誓ったと報じています。
それらの組織は
     サハラ地帯首長国グループjama'a mintaqa imara al sahara
     ムラービトゥン al mrabitoon
      ansar al deen  
            マシーナ部隊kata'ib masina
の4つで、イスラム・ヌスラとムスリム・グループ jama'a nusra al islam wa al muslimeenと名付け、その指導者にはansar al deen のiida agh ghaliを選んだとのことです。
彼らはアルカイダの指導者アイマンザワヒリ、マグレブアラブのアルカイダ、タリバンに忠誠を誓ったとのことです。
また、この組織はal zalaqa という報道組織も設けたよし
http://www.aljazeera.net/news/international/2017/3/2/أربع-حركات-مسلحة-بمالي-والساحل-تندمج-وتبايع-القاعدة

この新組織が、最近リビアから北アフリカで勢力を広めているISと競合、敵対するのか、それとも協力しながらテロ活動を拡大していくのか不明ですが、とりあえずはアルカイダの勢力の強いモロッコやアルジェリアにとっては、脅威が増えるということでしょうか?

















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