中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

モロッコ

モロッコのイランとの断交

確か先日、西サハラ問題を巡って、モロッコとアルジェリアの関係が険悪になっているという話を報告したかと思いますが、今度はモロッコとイラン関係の悪化です。

al qods al arabi net とal jazeera net は、モロッコがイランと外交関係を断絶したと報じています。
これはモロッコ外相が1日、イランとの外交関係断絶を大使館の閉鎖を声明したものですが、その理由は西サハラ問題に関連してで、モロッコ大使館がヒズボッラーのポリサリオ(西サハラの独立を求める組織で、アルジェリアが支持していることから、この問題が両国間の問題となってきた)に対する武器供与、軍事訓練、砂漠の砂の壁に対するトンネル構築(将来のモロッコとの戦いで利用するため)等を支援してきたことが原因としている由(イランとヒズボッラーの関係に鑑みれば、モロッコはイランがヒズボッラーを使って、西サハラ問題に介入しているとみている)
特に軍事訓練では、ヒズボッラーは2人一組から5人組までの極少人数によるゲリラ戦の方法を訓練していて(これはイスラエルとの戦闘で身に着けた戦法の由)、この戦法は将来のポリサリオとの戦いで、モロッコに対してはかなりの脅威となると見られている由

モロッコと言えば、北アフリカの西端にあり、イランからは最も遠いアラブの国で、こんなところまでイランがちょっかいを出すとは、驚きですが、下記の通りイランはそのホメイニ革命以来シーア派の育成等の問題でモロッコとはけなくな関係が続いてきたようです。
それにしても、ここにきてがぜん外交関係の断絶までに至ったのは、矢張りイスラエル、米とイランの関係が緊張している中東情勢が背景にありそうです

al arabiya netはイラン革命後の両国関係について次のような経緯を載せています
・モロッコ・イラン関係の悪化は、亡命した前皇帝をモロッコが受け入れたことから始まった
・外交関係の復活は1991年になって行われ、イランはモロッコ大使館を再開した。
・しかし、関係はアハマディネジャード元大統領の時に再び悪化し、モロッコは2008年シーア派の政党を解散させた
・さらに2009年には、イラン大使館員がシーア派支援に関与したとして、モロッコは一方的に外交関係を断絶した。
・2016年には、新しいシーア派の組織が表れ再び両国関係は悪化した
・今回は3回目の断交になるが、今回はポリサリオに対する軍事支援の問題であるだけに、モロッコにとっては最も危険なものと見られている
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/05/01/المغرب-يقطع-علاقاته-مع-إيران-لدعمها-جبهة-البوليساريو.html
http://www.alquds.co.uk/?p=926966









アラブ・アフリカ首脳会議

朝方報告したアラブ・アフリカ首脳会議からの欠席者は、モロッコの他に、サウディ、UAE ,カタール、バハレンに加えて、オマーン、イエメン、ソマリアもこれに加わり、8か国となった由。
まあ、これ自体は象徴的な問題ですが、興味深いのはGCC諸国で、いつもはサウディと足並みをそろえるクウェイトが出席していて、いつもは割と別行動をとるオマンが欠席に決めたことです。
中々GCCだけでも一致した行動というのは難しそうです。クウェイトが出席した意図は不明です。
まあ、イエメンの欠席はサウディが欠席ならそうなるのでしょうね。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2016/11/23/8-دول-عربية-تتضامن-مع-المغرب-وتنسحب-من-قمة-غينيا.html

アルジェリアの隣国との関係

アルジェリアの隣国との関係について断片的ながら2の話を

一つは、アルジェリア軍、治安部隊がリビアとの国境地域で、リビアからアルジェリアに浸透しようとしていた5台の4輪駆動車に乗ったイスラム過激派15名と戦闘になり、過激派複数を殺害したがアルジェリア側にも2名の負傷者が出たとのことです。
記事はこれらの過激派が具体的にドングループに属するかは判らないが、アルジェリアとリビアは武装勢力の浸透と武器密輸を阻止するために、この1月に共同のパトロール等の治安協力をすることに合意しているとのことです。
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2013/04/27/مواجهات-بين-الجيش-الجزائري-ومجموعة-مسلحة-ليبية-.html
もう一つの話はアルジェリアとモロッコの関係で、アルジェリアがモロッコとの国境を再開するために条件として
   敵対的宣伝の中止、
   麻薬密輸防止のための完全で即時かつ実効的な協力
   西サハラ問題についてアルジェリアには独自の立場があることの承認(西サハラについてモロッコが自国  の一部としてこれを併合したのに対して、アルジェリアは独立を求めるポリサリオを支持してきた)
の3条件をつけたとのことです。
(アルジェリアとモロッコは特に西サハラ問題を巡って長いこと対立してきましたが、最近では北アフリカのイスラム過激派対策が共通の急務となっていることもあり、マグレブ諸国の内相が集まって協力の緊密化を話し合ったりしてきましたが、どうもこの調子では少なくともアルジェリア―モロッコ関係の急速な改善は望めないような気がします)
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2013/04/27/صحيفة-3-شروط-جزائرية-لفتح-الحدود-مع-المغرب.html

livedoor プロフィール

abu_mustafa

最新コメント
記事検索
  • ライブドアブログ