中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

イタリア

リビア情勢(欧州の植民地争い?)

カッダーフィ政権崩壊後混乱の続いているリビアですが、どうやらその混乱の一因はイタリアと仏という欧州諸国のリビア資源に関する野心の対立に起因するところがある模様です。
リビはww2までイタリアの植民地で時代に、その後もイタリアの企業とは密接な関係を有していましたが、カッダーフィ時代に、サルコジ大統領が選挙でカッダーフィの資金を利用したとかいう疑惑は依然残っていて、またカッダーフィを倒す内戦では仏が空母の派遣等を通じて、大きな役割を果たしました。
その後のリビアの混乱の中でも、仏特殊部隊とかイタリアの特殊部隊とかが、現地で活動しているとの報道が時々あり(確か活動中に死亡した隊員もいたかと思う)、どうも舞台裏では、仏、イタリアがそれぞれ自国の権益拡大を狙ってうごめいている兆候がありました。

勿論彼らが何を狙って、具体的にどのようなことをしているか、その全体像は不明ですが、al arabiya net の報道によれば最近、この問題が大っぴらになり、両国の首脳レベルの対立にまで発展している模様です。
記事によると、イタリアのコンティ首相は、仏がこれ以上リビアに干渉して、自己の権益を増大するために政治的解決を利用することに反対であることを表明したと報じ、この発言が両国のリビアを巡る対立を明らかにしたとコメントしています。
それによると、コンティ首相は19日のイタリアTVに対して、先般仏がリビア各勢力や国連を集めて、リビア問題の和解のための政治的解決案(12月二大統領や議会選挙を行うこととし、9月18日までに憲法や選挙法等を整備すること)打ち出したことに対して、イタリアの反対を表明した由。
イタリア首相は、その中で「この問題について6月のカナダでのG7会合の際に、仏大統領に対して、選挙の実施はリビアの混乱を増大させるだけだとして反対を表明した。問題はリビアで選挙を実施することではなく、その安定である」と語った由。
コンティは更に、仏大統領は仏がリビアに特別な関係があると思ったら、大間違いで、リビアは独立国で、イタリアも同国とは特別な歴史的関係があり(要するに過去の植民地と言うこと)、リビア問題を他国に任せることはしないとした由。
更にイタリア首相は、イタリアもパリ会議と同じように、この秋にローマでhaftar将軍やリビア各政治勢力を集めた国際会議を開催する積りだと付け加えた由
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/07/20/إيطاليا-تحذّر-ماكرون-ليبيا-لا-تخصّك-ولن-نتركها-لك.html
取り敢えず以上で、イタリアが仏のイニシアティブに反対で、リビアにおけるその権益が危機に瀕しているとの危機感を抱いていることは、十分くみ取れるものの、仏イタリア両国の対立が具体的に何に起因するものかは良く分かりません。
あえて言えば、旧植民地主義者の同士の権益争いというところでしょうが、取りあえず







イタリア軍のリビアへの増派(リビア内での混乱)

確か昨年8月ころだったか、イタリアが不法移民取り締まりのための訓練の目的等で、リビア統一政府(セラージュ)の要請に基づき、軍艦2隻を派遣したが、これに対して暫定政権(ようするにhaftar将軍の支持するトブルク政権)が反対した事は報告したかと思います。
どうもこのイタリア軍のリビアへの派遣は、どこか歯切れの悪い話で、そもそも派遣を要請したはずのトリポリ政権さえ、あまりそのことを知られたがっていない様子が見て取れます。
その所為かどうか、イタリア政府がリビアの治安部隊に対する協力と訓練の為に、更に兵力を増派する(これまで派遣した400名に加え、さらに100名の兵士と30両の車両を派遣する由)ことを決め、この決定をイタリア議会が18日承認したことに対して、リビア国内で議論が巻き起こり、決定取り消しを求める声が出ているとのことです。
haftar 将軍派のトブルク政府が、これはリビアの主権侵害で、リビアは適当な措置をとると威嚇したのは、前回の時の対応から、さもありなん、というところですが、更にセラージの統一政府までもが、イタリア大使館に口上書を送って、至急この問題についての説明を求めたとのことです。
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/01/20/طرابلس-تطالب-روما-بتوضيح-عاجل-حول-قواتها-في-ليبيا-.html
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/01/19/ليبيا-انتقادات-للتواجد-العسكري-الإيطالي-في-البلاد.html
取りあえずの報道は以上ですが、こうなると何がどうなっているのか、皆目理解できなくなります。
いくらリビアがイタリアの旧植民地だったからと言って(というか、それだからこそなおさら)イタリアが正統政府…セラージ政府…の要請や承認なしに、部隊を派遣することがあるとは思われず、特に議会の承認を得るには、その辺も十分説明したはずです。
それを今になって、統一政府が説明を求めるとはどういうことか?昨年8月の時点に比してもさらにその権威と力が亡くなっていて、国内の批判にこたえるt能力も無くなったいるので、責任をイタリア政府に転嫁しようしているのでしょうか?
リビア側の事情はともかく、イタリアから見れば、リビア経由の不法移民問題は依然として深刻な問題で、何らかの対策を講ぜざるを得ないということなのでしょうね。

















イタリアの不法移民取締に対する協力(リビア)

先日、リビア経由のアフリカからの欧州向け難民のルートが困難、危険になったので、モロッコからスペイン経由の難民(不法移民)が急増しているというニュースをお伝えしましたが、リビア経由のルートはさらに困難になりそうです。

al arabiya net は、イタリア内務省が15日、アフリカからの不法移民を規制するために、リビア南部での統一政府(セラージュの政府)を助けるための合意書に署名したと報じています。
この合意は、EUの資金でリビア南部の国境地帯に、不法移民を規制するための国境警備隊のロジ的基地を建設するためのミッション派遣とのことです。
その基地には国連の代表も駐在する由(おそらくリビアによる難民に対する人権違反等の批判を避けるためと思われる)
それによると、この合意は今年の2月に、イタリア首相とセラージュが署名した、不法移民の規制に関する合意議定書に基づくものの由。
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/09/16/إيطاليا-تنشىء-قاعدة-جنوب-ليبيا-للحد-من-الهجرة.html
アフリカからの難民(非合法移民)の流入の矢面に立っている、イタリアですから、なんとかその流入に歯止めをかけたいと、先にはトリポリへ技術支援(艦艇の修理等)のため、2隻の艦艇を送り、これに対してトブルク政府(要するにハフタル将軍)が、リビアの主権侵害として反発したことがありました。
今回の合意についてのハフタル将軍等の反応が注目されます










イタリア軍艦2隻のトリポリ到着(リビア)

イタリア軍艦2隻が、セラージュ首相等統一政府の要請に基づき、人間の密輸取り締まり支援の為、トリポリに派遣され、これに対してトブルクが根拠地であるハフタル将軍(リビア軍司令官と言う肩書を有している)がいかなる国の軍艦であれ、リビア領海に入るものはこれを攻撃するようにとの命令を発したことは先に報告しました。
本来ならば、一触即発の印象を与える状況の所、このハフタル将軍の発言に関し、イタリア海軍筋は、特に危険を意味することはないと、あっさり無視することを表明した由
また海軍艦艇のリビア派遣を認めたイタリア議会の、関係者も、彼の発言は、これまでも自己の存在を主張するための政治的発言であったが、今回の発言もその部類であると一蹴した由。
またイタリア政府はハフタル将軍とは継続的に連絡を取ってきたとしている由
イタリア艦は来週早々からにも、リビア近海での活動を始める由。
他方人権団体のhuman rights watchは、イタリア海軍の活動は、難民を危険にさらす可能性が高い、として反対する声明を発した由
http://www.alquds.co.uk/?p=765297
どうも、これらの報道からすると、ハフタル将軍の行動は下手くそな田舎芝居以下の代物の感じはするが、何しろ軍事行動を示唆したものであるだけに、取り敢えず

イタリア艦船のリビア派遣問題

マクロン仏大統領の斡旋で、セラージュ首相とハフタル将軍が、来年春だったかの選挙実施に合意したとのニュースは、先に報告しましたが、どうも、これもリビア問題の常として、何処まで信頼できるものか、良く解らない状況が起きています。
おまけにこちらの方はイタリアまで巻き込みそうな、ある意味では珍事です。

リビア問題の欧州にとっての重要な側面の一つは、リビアが北アフリカ、アフリカから欧州への難民、非合法移民の送り出し口となっていることで(もちろんこの問題の別の側面としては、リビアの「人間密輸業者」のやり方がますます非人道的になり、国際的な人権問題となりつつあるということもあるが)、この問題に対処するために、セラージュ首相がイタリア政府に対して、リビア海軍と沿岸警備隊を支援するために、イタリア軍艦の派遣を要請しました。
これに応えて、イタリアはロジ専門等の2隻の艦船を派遣することとし、イタリア議会も2日、328票対111票の大差で、この派遣を承認しました。
ところがこのイタリア艦船の派遣について、リビア内ではリビアの主権を侵す等の反対論が生じていたようで、イタリア軍艦comandante brouzini(アラビア文字からの訳)がトリポリの海軍基地に到着したとのニュースが流れるや、ハフタル将軍は、新統一政府の要請を受けてリビア領海に入る、如何なるイタりア軍艦をも攻撃するようにと命令したとのことです。
空軍の大部分はハフタル将軍に従っているようですが、海軍の方は、少なくともトリポリ等の艦船は統一政府支持で、何処の、またいくらくらいの艦船がハフタル将軍側かは不明です。
まあ、実際にリビア海軍または空軍がイタリア艦艇を攻撃するところまではいかないでしょうが、どうもリビアでは国際的に承認された首相の要請した外国軍艦の介入に対して、国軍司令官とされる人物が攻撃命令を出すという珍事が生じていますので、取り敢えず
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/08/03/حفتر-يوجه-بقصف-أي-سفن-حربية-إيطالية-طلبها-السراج.html
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/08/02/البرلمان-الإيطالي-يوافق-على-إرسال-بعثة-بحرية-إلى-ليبيا.html










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