中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

ドイツ

アラブ連合諸国に対する独の武器輸出禁止

イエメンでのアラブ連合空軍の、誤爆や不注意その他による空爆で民間人に多数の被害が出ていることに関連して、国際的人道団体等からは、これらの国に対する武器輸出の中止を求める声が上がっていましたが、独は今後イエメン内戦に関係している国に対しては、武器輸出の輸出許可証を発給しないことになったとのことです。
アラビア語メディアによれば、独政府報道官は19日、今後イエメン内戦に関係している国に対しては武器の輸出許可証を発給しないと発表した由。
ということはアラブ連合に参加している国だが、すなわちサウディ、UAE,エジプト、バハレン、クウェイト、ヨルダン、スーダン、モロッコ、セネガルだが、このうちサウディとUAEは2016年の独輸出上位10か国に含まれている由。
またこれらのうち、特に注目されるのがヨルダンで、ヨルダンに対しては独が軍事面での協力を行っていて、2016年には独国防相が自ら16両の兵員輸送車APCを贈呈しているが、これでヨルダン軍の有するこのAPCの数が50両になった由。
また本年も独は1億3000万ドルの軍事援助を行うことになっている由。
他方シリアの有志連合に参加している独の偵察機と給油機は、ヨルダンのal azraq空軍基地を拠点にしている由。
http://www.alquds.co.uk/?p=864207
http://www.aljazeera.net/news/international/2018/1/19/ألمانيا-توقف-تصدير-السلاح-لدول-حرب-اليمن
取りあえずは以上ですが、独の輸出禁止はどの程度厳しいものでしょうか?
確かエジプトは独から新型の潜水艦複数を購入したはずですが、輸出禁止が既輸出分の部品や資材等にまで及ぶとなると、エジプトも大きな影響を被ると思います。
その他装甲車や戦車等も含めて、独はこれらの国に相当の兵器輸出をしてきたはずで、無責任な言い方をすれば、兵器の輸出にきわめて熱心な「死の商人」トランプにとっては、新しい儲け口ということになるのでしょうか?


















独製潜水艦のエジプト海軍の受領

エジプトは先に仏製のへリ空母ミストラル級2隻を購入しましたが、今度は独製の潜水艦の受領です。
これは、al arabiya net の報じるところですが、独のティッシン・クルップ社が製造していた、最新型の潜水艦1400/209型を受領し、正式に同海軍に編入した由。
エジプト海軍司令官によると、この潜水艦は同型艦の2隻目で、更に3隻目の建造が始まっていて、その後さらに潜水艦の数を段階的に増加していく予定の由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/08/08/مصر-تتسلم-غواصة-ألمانية-ثانية-لزيادة-السيطرة-بسواحلها.html
確かイスラエルも独から潜水艦を購入し、その購入に絡んでの汚職問題が起きていたかと思います、独製の潜水艦と言うのは国際的に評価が高いのですね。
また、エジプトは仏から複数のフリゲートも購入していたかと思いますが、経済的困難にもかかわらず、エジプトとしては思い切って海軍艦艇の近代化をすすめつつある模様です。




トルコ軍人等の政治亡命要請(ドイツ)

トルコでのクーデター未遂事件に関連して、欧州各地で多くのトルコ軍人官僚等から政治亡命の要請が出ていることは時々報道されていますが、al hurryiet net は独Der Spiegelによれば、ドイツでは450名の軍人、外交官、判事等の役人とその家族から政治亡命の要請が出されていると報じています。

彼らはクーデター未遂に関連したとして、迫害の危険性があるとしているが、その中にはNATO所属の軍人やアフリカの国のトルコ大使館武官も含まれている由。
いずれにしても、これまで7700名のトルコ市民から、、ドイツ政府に対する政治亡命の申請が出されている由
http://www.hurriyetdailynews.com/around-450-turkish-diplomats-military-officers-seek-asylum-in-germany-report-.aspx?pageID=238&nID=112800&NewsCatID=510

おそらくドイツは人権の観点から、政治亡命にも寛容というので、多数の亡命希望者がドイツで申請しているということかと思われるが、それにしても450名の軍人、外交官、判事やそれらの家族というのは非常に大きな数で、驚きです。
さらに驚くのは、全部で政治亡命申請者が7700名に上るという点で、もしかするとこれは難民申請とごっちゃになっている可能性もあろうかと思いますが、報道のまま

憲法改正国民投票(トルコ)

トルコ、特にエルドアン大統領は、近く予定されている憲法改正国民投票に対する、欧州在住トルコ人(大部分が2重国籍か?)の各地の集会に、大統領自らの他多数の閣僚を送り込んで、支持要請をする計画であったところ、これが反移民、反イスラムを掲げる極右を刺激し、今度は欧州での選挙に影響する可能性があることからか、独、オランダ等が閣僚の演説(入国)を禁止して、これにトルコが激しく反発し、言論の自由を奪うナチス張りの行為であると非難し、これにドイツ等が激しく反発するという悪循環が続いてきました。
なぜ、この問題がこれほどこじれ、エルドアンがドイツをナチス呼ばわりしたのか、どうもいつも読んでいるネットではトルコの国内情勢は表面的なことしかわからないので、非常に不可解で、もしかすると国民投票に対する支持が盛り上がっていないのが背景にあるのではないか、などと自問していました。

本日のhurryiet net の記事を見ると、どうやら国民投票に対する国民の支持が盛り上がっていなかったのは事実らしく、トルコ副首相は国民投票が中止になるとのうわさを否定したと報じています。
それによると、副首相は国民投票に対する国民の支持が、当初、盛り上がらなかったのは事実として、最初の数週間は、国民の反応には冷たい(冷静な)ものがあったが、最近の世論調査では憲法改正の重要性が理解されてきたと述べた由
http://www.hurriyetdailynews.com/turkish-govt-rules-out-cancelation-of-upcoming-referendum-.aspx?pageID=238&nID=111102&NewsCatID=338
この記事だけで判断するわけにはいかないと思いますが、やはり国民の支持が盛り上がらないことに、焦りを感じたエルドアンなどが、なりふり構わず、トルコ内のみならず、海外のトルコ系までも巻き込んで一大キャンペーンを張ろうとして、ドイツやオランダの、これまた選挙の前という時点での利害とぶっつかったという、ことが背景の一つとしてありそうです。







トルコ・欧州関係

トルコは、憲法改正の国民投票を前にしての、応手各国でのトルコ系住民の支持集会への閣僚等の出席をめぐって、独、オランダ等と摩擦を起こしていますが、今度は例のクーデター無水事件の後ろにギューレンとかいう米国在住のトルコ人がいたとかいなかったとかで、独政府、特にその情報機関を摩擦を起こしています。
どうやら事件は、ギューレンが事件の背後にいたとのトルコ政府の主張に対して、独情報機関BNDの長官がシュピーゲル紙に対して、疑問を表明したことが発端のようで、21日トルコ外務省は独臨時代理大使を招致して、このような発言は独がギューレン運動に同情している証拠であるとして、抗議をしたとのことです。
さらに大統領報道官は、このような発言は独がギューレン運動を支持している、さらなる証拠であると語ったとのことです。

どうも、エルドアン大統領の発言は、独やオランダのやり方をナチス呼ばわりして、大きな摩擦を生じてきましたが、上記のような事実関係を掴まえて、独のギューレン支持の証拠だと決めつけるのは、いささか常軌を逸したj発言としか思われません。
このようなエルドアンの言動に対して、独の連立与党CDPの副党首は、独政権をナチス呼ばわりするエルドアンの言動はred line を超えるものであるとして、彼はドイツでは歓迎されない人物だenough is enoughと語ったとのことです
(それがあってか否か知りませんが、ドイツメディアはエルドアンが、国民投票の集会でドイツに演説に行くと報じていたようですが、トルコ紙はトルコの閣僚は今後ドイツとオランダでの集会には出席しない、と報じています) 
http://www.alquds.co.uk/?p=691725
http://www.hurriyetdailynews.com/merkel-ally-says-erdogan-not-welcome-in-germany.aspx?pageID=238&nID=111068&NewsCatID=351
http://www.hurriyetdailynews.com/turkish-ministers-will-not-hold-charter-referendum-campaigns-in-netherlands-germany.aspx?pageID=238&nID=111059&NewsCatID=510
どうも最近エルドアンの独善的、かつかなり常軌を逸した発言が目立っていましたが、もしかすると国民投票の支持予測があまり思わしくないのか、ギューレンについてはトランプ政権になっても引き渡しはなさそうで、シリア北部での状況もトルコの思い通りになっていない等に対するいら立ちが募っているのでしょうか?
それにしても、アラブの春の教訓ではありませんが、独裁的な政権が長期間居座ると、徐々にほころびが出てくるのかもしれません。















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