中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

化学兵器

シリア政府の化学兵器使用(国連委員会の報告書)

al qods al arabi net とal jazeera net は、6日国連の「シリア人権問題調査委員会」(どこに属する組織か不明ですが、ジュネーブでの記者会見と言うので、おそらくは人権理事会の下部組織でしょうか)が、記者会見で、これまで確認されたシリアでの化学兵器(毒ガス)使用例33のうち、27は政府軍によるものであると表明したと報じています。
6つの毒ガス使用の例については、その主体は不明とのことです。
その中の最も深刻な例として、イドリブのkhan shikhon での例を挙げていて、そこでは婦女子を中心として87名が殺害されたとした由。
事件は政府軍ヘリが、上空からサリンを散布したためとのことで、記者からの質問に対して、政府軍の主張するように、空爆が反政府軍の武器庫に当たり、貯蔵してあった毒ガスが漏れたのが原因と言うことは非常に有り難いことだとした由。
報告では、政府軍は反政府軍の支配地域に対して、航空機よりの毒ガス散布を繰り返していたとしている由。
http://www.alquds.co.uk/?p=785343
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/9/6/اتهام-أممي-للنظام-السوري-بشن-27-هجوما-كيميائيا
なお、同委員会は報告の中で米軍の人道法違反にも触れ、この4月にアレッポ近郊のal ataribの町のモスクを空爆し、38名の住民を殺したとしている由。
シリア政府が毒ガス使用の大多数に関係したことと米軍の空爆については、上記2の記事も共通しているところ、他にもシリアナ戦での人道法違反、重大な人権じゅうりんについても触れているのか否かは不明です。
この組織がいかなる組織に属するか明記していないところ、国連人権理事会の下部組織であれば、報告書は同理事会に提出され、おそらくロシア、中国等の反対で、採択はされないことになる可能性もありそうですね

シリア政府軍の化学兵器使用問題

米大統領府が、アサドが化学兵器を再度使用しようとしている兆候を把握したとして、警告したことは先に報告した通りですが、アラビア語メディアはいずれも、国防長官が28日、アサドは米国の警告を真剣に受け止めた模様であると発言したと報じています。
同長官は記者団からの、シリア政府が真剣に受け止めたとはいかなる根拠に基づくものか?との質問に対して、現在まで攻撃が行われていないことがその最大の証左であるとした由
また、同長官は、攻撃は必ずしも一つの飛行場からだけ行われるというわけではないもないと付け加えた由
(これだけのやり取りから、米国がどの程度正確な情報を有している、または有していたのか推測することは困難であるも、字面からすれば。米国は攻撃が極めて切迫している…例えば毒ガスの砲弾を引き出してきて、航空機に搭載する準備を始めたとか…こと及びそれが複数の飛行場で行われていたことを何らかの方法…通信傍受とか衛星からの監視とかで・・把握したので、大統領府からの警告という異例の強硬な態度に出たのかと思われる)

他方ラブロフ外相は、米国に対して、同じく28日、仮に米国がシリア政府軍等を攻撃する場合にはロシアは、これに対する適切な対抗措置をとると警告した由
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/6/28/روسيا-تهدد-بالرد-على-أي-هجوم-أميركي-في-سوريا
http://www.alquds.co.uk/?p=745402
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/06/28/ماتيس-لأسد-أخذ-تحذيراتنا-بعدم-استخدام-الكيمياوي-بجدية.html
何しろ、この種の話ですから、今のところ真相はやぶの中ですが、仮に国防長官の言う通り、米国の警告が差し迫っていたアサドの毒ガス攻撃を思いとどまらせたとすれば、それはそれで喜ばしいことです。
しかし、この事件を契機に、シリアをめぐる米ロの関係はさらに緊張を深めたと思われ、トランプが期待していたロシアとの蜜月関係などどこかに吹っ飛んでしまいましたね。






シリアの化学兵器使用問題

米大統領府がアサド政府に対して化学兵器の使用に対して警告した件の、その後の動きアラビア語メディアから取りまとめたところ次の通り。
各国の反応は、当然予測されていたところですが、先日アサド大統領が唯一の正統性だとして、彼の排除に固執しない意向を示した仏大統領が、この問題では強硬な意見を示していることが注目されます。

・米国防総省は、シリア政府軍が化学兵器を使用するかのぷ世につき大統領が警告したことについて、米軍の情報では、4月にイドリブに対して毒ガス攻撃をした政府軍機の基地sheweirat(ホムスだったかと思うが、この基地に対し米軍が50発だったかの巡航ミサイルを発射し、政府軍機および格納庫等の施設を破壊したが、滑走路は敢えて破壊しなかったと記憶)で、前回攻撃の前と同じような準備作業が、見られたと公表している。
(前回のシリア空軍基地攻撃で、滑走路を破壊しなかったことについて…おそらくはトランプ大統領の最初のシリア攻撃で、過度にロシアを刺激したくなかったのが背景かと思われるが…なぜ航空機と施設の破壊に止めて、滑走路を破壊しなかったのかの議論が米国内でもあったようで、確か説明としては、再度の化学兵器使用に対する抑止行動としての作戦だったので、滑走路の破壊まではしなかったと説明していたかと記憶しています。
もしそれが事実で、仮にアサドが再度化学兵器を使用しようとしているのであれ場、米国の抑止が敗れたことになります)
・英仏は、米と同様にアサド政権に対して警告を発するとともに、それが無視された場合には、行動することに躊躇しないと表明した。
特に、仏大統領はトランプと電話会談し、仏は米とともに行動する用意があると伝えた
・これに対して、ロシア、イランは米国の警告を非難し、ロシア大統領府はこのような非難は受け入れられないとした。
イラン外務省はトランプの発言は、米国のシリア攻撃の前兆であると非難した。
http://www.alquds.co.uk/?p=744736
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2017/06/27/ماكرون-وترمب-سنعمل-معا-ضد-أي-هجوم-كيميائي-في-سوريا.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/6/27/واشنطن-تتوعد-أي-هجوم-كيميائي-وحلفاء-الأسد-يحذرون












シリア政府の化学兵器使用問題

イドリブのkhan shefonに対する政府軍の化学兵器(サリン)使用問題が、国際的に重要な問題となっていましたが(シリア政府は使用を否定。トランプ政権はミサイルで空港を攻撃)、al qods al arabi net とal arabiya は、国際的な人道団体human rights watch(以下HRW)が、アサド政権が化学兵器を使用し、ロシアがこれを隠ぺいしたと非難したと報じています。

 HRWの事務局長は1日記者会見で、43ページからなる報告書を紹介し、アサド政府は昨年12月以来、民間人に対して少なくとも4回化学兵器を使用した証拠があると発表した由。
4回のうち1回が、上記khan shefon に対する攻撃で、他の3回の攻撃は昨年12月と本年3月に起きたとしている由。
アサド軍はこれらの攻撃で、攻撃ヘリ、航空機または大砲により、神経ガスを散布した由。上記khan shefonに対する攻撃は弾頭にガスが充てんされていたものによる由。
事務局長は、これらの攻撃はより広い、アサド政権の化学兵器使用の実態の一部で、民間人に対するこれらの攻撃は戦争犯罪を構成するとした由。
更に事務局長は安保理が迅速に行動し、化学兵器禁止条約機構とともに必要な調査を行い、責任者に対する処罰を行うべきであると強調した由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/05/01/هيومن-رايتس-الأسد-استخدم-الكيماوي-وروسيا-تحاول-طمسه.html
http://www.alquds.co.uk/?p=712752









シリアの化学兵器使用問題(米の新制裁)

先日イドリブ県のkhan shifonで化学兵器サりンが使われた事件で、米財務省はシリアの科学研究教育センターの技術者等271名の在米資産を凍結したよし。
この研究所は化学兵器の研究、生産を行っているところの由で、またいかなる米国個人及び企業も彼らとの取引を行うことを禁止された由
この発表に対して、さっそく英外相が歓迎の意を表明した由
http://www.alquds.co.uk/?p=709252
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/04/25/بريطانيا-ترحب-بعقوبات-أميركا-الجديدة-على-خبراء-سوريين.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/4/24/عقوبات-أميركية-على-مئات-الموظفين-بمركز-أبحاث-سوري
おそらく、これらの者の資産は既に米国外に移されていて、実効性がある措置か否か(米国人等の取引禁止のほうが実効的か?)の問題はあるも、米国の姿勢を示したシンボル的措置でしょう





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