中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

イラン

イランミサイルの応酬への脅威(米国連大使の主張)

米国やアジアでは、北朝鮮のミサイルと核開発に対する警戒心が高まっているところ,米国はイランのミサイルの欧州に対する脅威についてその注意を喚起しました。
米国連大使は、先日イエメンからサウディに発射された弾道ミサイルの残骸の前で、イラン製のミサイルであることを強調していましたが、14日イランミサイルの脅威について強調し、国際社会は米国とともに、一致してこれに対抗すべきであると強調した由。
特に、イランミサイルの射程は伸びていて、今やイエメンやレバノン、シリアに配置されたミサイルで,欧州を攻撃することは十分可能であるとして、欧州諸国の注意を喚起した由
(この米国連大使の、イランの核の欧州に対する脅威の強調が、トランプ政権の対イラン姿勢がますます強硬になりつつある兆候か否かは不明なるも、取りあえず)

他方、al arabiya net の別の記事は、アラブ連合空軍が15日、数日前に空爆したサアダの航空写真を公開し、空爆した施設は、地対地ミサイル及び弾道ミサイルの製造、改造等の工場であったと発表したと報じています。
同施設は2次爆発を起こして5時間炎上していた由。
そこには多数の外国人専門家、技術者がいた由。
更に記事は、イエメン政府軍は14日、サアダ及びホデイダでは、250名のイラン人専門家が働いると発表している由、。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2017/12/16/اليمن-تدمير-ورش-تصنيع-صواريخ-باليستية-في-صعدة.html
http://www.alarabiya.net/ar/iran/2017/12/15/مخاوف-من-استهداف-إيران-مطارات-أوروبية-وغربية.html

コドス部隊司令官のハマス軍事組織に対する支援表明

トランプ宣言に対するパレスチナ人の反発は、まだ続いていますが(抗議デモ参加者の数はかなり減っているようだが)、特にガザではイスラエル国防軍(IDF)の砲爆撃等で確か4名が死亡しているかと思います。

トランプ宣言に関し、al qods al arabi net は、イラの革命防衛隊のコドス部隊(一般にエリート部隊と言われるが、同時に対外介入の先鋒とされている)のスレイマーニ司令官が、パレスチナ戦士に対する支援を表明したと報じています。

それによると、革命防衛隊のネットが、スレイマーニ司令官が、ハマスの軍事組織 Kataib al qassam 司令官に対して、支援を表明し、中東の全ての抵抗組織(というのはイランの息のかかった組織のこと)は、エルサレムを守る用意があるとした由。

http://www.alquds.co.uk/?p=843043
http://www.alarabiya.net/ar/iran/2017/12/11/الصواريخ-وفيلق-القدس-أولويات-ميزانية-إيران-السنوية.html

確かにハマス、特にその軍事組織は、最近とみにイランとの関係を深めていると伝えられていますが、あの有名な、というか悪名高いというか、コドス部隊のスレイマーニが出てくるとなると、ことは穏やかではない気がします。

勿論、現時点では、彼の言葉がどの程度「言葉による激励」以上の意図を有しているかは不明です。
しかし、コドス部隊と聞いただけでなんとなく不気味な感じがするのは私だけでしょうか?
コドス部隊については、al arabiya net が、イラン議会の国家安全保障・外交委員会のメンバーが、来年のイランの予算で、ミサイル開発とコドス部隊が最優先事項であると語ったと報じています。

おそらくイランにとってはその通りかと思いますが、このメンバーというのがどの程度の権威をもって発言しているのか不明なので、独立の記事にはしていません。

ホデイダ港奪還作戦(イエメン)

イエメンでは、先日殺害されたサーレハ前大統領の遺体を国際赤十字に引き渡すか否かでもめているようですが(hothyグループが拒否の由)、他方、al qods al arabi net とal jazeera net は、政府軍がホデイダ港の奪還作戦を始めたと報じています。
それによると、政府軍はアラブ連合空軍の支援を受け、ホデイダ県で最初の郡都al khakha を奪還し、サナアの外港にあたり、政府軍が長らくhothyグループがイランの武器の密輸入港として非難していた、ホデイダの攻略作戦を開始したと報じています。
また、al jazeera net の方は、政府軍はホデイダと合わせて、イランの武器密輸のルートを遮断するために、サアダに隣接するジャウフ県に対する作戦も開始したと伝えています。
http://www.alquds.co.uk/?p=840634
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2017/12/08/الجيش-اليمني-فتح-جبهات-جديدة-وقطع-شريان-إيران-للحوثيين.html

取りあえずのイエメン情勢は以上ですが、どうにも良く分からないのは、サナアでの前大統領派とhothyグループが激しく戦闘をしていた直後は政府軍は、サナアの攻略を目指して、マアレブ等から大規模な部隊を首都方面に移していると報じられていたのが、一転してホデイダ攻略作戦に変わったことです。
まさか、あの政府軍にサナアとホデイダの2正面作戦を同時並行的に遂行する力はないのではないでしょうか?
ということは矢張り、軍事的には、hothyグループに対して、政府軍は首都を攻略する力はないので、取りあえずホデイダの攻略に着手したということなのでしょうかね?
ホデイダの攻略など、これまでも何度も叫ばれてきましたね。
しかし、これでホデイダの全面開放と援助物資の大量輸入という希望はまた遠くなったのではないでしょうか?
被害者は一般民衆とは何度も行ってきましたが、やはりそうですね


革命防衛隊員の死(シリア)

昨日は、イスラエル機のダマス近くのイラン基地空爆のニュースをお伝えしましたが、al arabiya net はイラン筋の報道を引いて、この事件で12名の革命防衛隊員が死亡したと伝えています。
情報のソースは、シリアでの革命防衛隊の活動を報じているtelegrammeとのことですが、12名の氏名も報じています。
他方イランのal alam 放送は、イスラエルが攻撃したのは、ダマス近郊西ゴータのsahanayaとalkiswaの間にある武器弾薬庫であるとしrている由。
因みにイラン政府及び革命防衛隊はまだ彼らの死について触れていない由
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/12/02/أنباء-عن-قصف-إسرائيل-قاعدة-إيرانية-قرب-دمشق.html
 
上記の12名の死亡が事実とすれば、イラン政府はどう出るのか?何らかの報復に出るのか、これに対する激しいイスラエルの反撃やトランプまでもが過激な行動に出ることを配慮して、隠忍するか、こちらの方もきな臭くなってきました。






イスラエル機のイラン拠点空爆(シリア)

アラビア語メディアはいずれも、1〜2日にかけて、イスラエル機がダマスの南方の軍事拠点を空爆したと報じています。

そのうち、al qods al arabi net とal jazeera net は、狙われたのは政府軍、特に第90旅団と91旅団の拠点で、場所はミサイル1発がクネイトラの北部のtel al shaham の第90旅団に落ち、残り5発がダマスの南部のal kiswaにある第91旅団を狙ったとしています。
そして地元筋の話によると、激しい爆発が起こり、多数の救急車の動きが認められたとのことです(死傷者の数は不明)。
またhameemeem のロシア軍空軍基地報道官は、ネットで、シリア軍は最近供与された(ロシアからか?)新型のミサイルで、イスラエル機を迎撃したと報じた由。
(その結果については報じていない模様)。

他方、al arabiya net は、イスラエル機が狙ったのはal kiswaにイランが建設中の基地であると報じています。

この事件について、y net news は、アラブメディア等をひきながら、珍しいことに一番詳しく状況を報じています。
それによると、IDF(イスラエル国防軍)機はレバノン上空からダマス南西15劼al kiswa にあるイラン基地をミサイル攻撃したが、シリア軍は地空砲で、これらミサイルを迎撃し、5発のうち3発を撃墜したが、2発がal kiswa地域のイランン拠点に落下した由。
(記事では対空砲となっていて、最新お対空砲にはその位の能力があるものもあるのかとも思われるが、やはりABM(弾道弾迎撃ミサイル)が使われたことは、ロシア軍の報道からも裏付けられるのではないかと思われる)。
また、このイランの基地については、3週間前に、BBC放送が衛星写真を基に、イランが本年1〜10月の間に、このalkisawa に基地を建設していると報道していた由。
他方、反政府派の情報によれば、狙われたのはヒズボッラーの拠点の由。
またjerusalem post net も、同様にIDF機がダマスの近辺のイラン基地を空爆したと報じています。

ps://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5050707,00.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/12/02/أنباء-عن-قصف-إسرائيل-قاعدة-إيرانية-قرب-دمشق.html
http://www.alquds.co.uk/?p=837183
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/12/2/غارات-إسرائيلية-على-مواقع-عسكرية-جنوب-دمشق
http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Reports-Israeli-aircraft-struck-an-Iranian-base-outside-Damascus-515789

以上の通り、IDF機がダマスの南を空爆したことは(写真等もあり)まず間違いないと思われるが、その対象がイランの建設した基地か否かは、今のところ確認はできません。
但し、確かにダマス周辺でもイランが拠点を建設しているという話は前にもあったし、またイスラエルがネタニアフ首相等を通じて、イスラエルに近い地域におけるイランの軍事的プレゼンスは、イスラエルの安全保障にとっての脅威であるとして、これを受け入れないと表明してきており、イスラエル機の狙ったのがイランの拠点であることは十分考えられると思われます。

特に、今回はイスラエルメディアのネットが、かなり詳しく報じているということは、イラン基地の攻撃である可能性が高そうです(何しろ彼らはIDFなどからの情報を得ていると思われる)。

問題は、今回の空爆の結果どのくらいイラン(特に命防衛隊)に損失が出たかということで、仮にかなりの多くの死傷者が出ている場合には、何らかの形での、イランの報復も考えられ、中東は更に緊張することになりそうです。
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