中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

エジプト

リビア情勢(haftar将軍の容態)

リビアの実力者のhaftar将軍が、脳梗塞でヨルダンからパリの病院に運ばれ、治療中のことは先に報告しましたが、彼の容体については真逆の報道があります。
サウディ系のal arabiya net (サウディはUAEやエジプトとともにhaftar 支持と思われる)は、これも先に報告したリビア東端の過激派の根拠地ダルナに対する攻撃は、数時間内にも始まるが、この作戦は同将軍の指揮下で行われると報じています。
但し、同将軍が既に故国したか否かは不明としています。

これに対してカタール系のal  jazeera net (カタールはトルコとともにトブルク政府やhaftar将軍とは反目している)は、同将軍は前からガンを有していて、時々ヨルダンに治療を受けに行っていたが、今回は重体で、とても職務を遂行することはできない、との統一政府筋の情報を伝えています。
それによると、UAEとエジプトは、ダルナ作戦等の指揮にあたるhaftarの後任探しをしていて、彼の息子とか3名の候補者の名前が挙がっている由
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/04/14/حفتر-يعود-لليبيا-خلال-48-ساعة-ويشرف-على-عملية-عسكرية.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/4/17/مصدر-للجزيرة-تنسيق-إماراتي-مصري-لإيجاد-خلف-لحفتر

以上真逆の報道で、どちらが正しいのか良く分かりませんが、リビア軍(fahtarの指揮下)が、彼がパリに運ばれたことを否定したㇼ、一転して認めたりして、極めて慌てていた様子がうかがえるところからも、どうも彼の容態はかなり重そうに思われますが、勿論証拠はありません








シナイ半島情勢(エジプト)

エジプト軍はシーシ大統領の直接の命令で、確か2月からシナイ半島等で過激派に対する大掃討作戦を行ってきましたが(確か大統領は3月で過激派を掃討するように命じていませんでしたかね?)、エジプト軍の戦果とやらはしょっちゅう発表されていますが、どうもIS等を完全掃討するにはまだまだ時間がかかりそうです。

al arabiya net は、エジプト軍は中部シナイの掃討作戦で過激派14名を殺害したが、エジプト軍の方も兵士8名を失ったと発表したと報じています。
この衝突がいつあったのか、上記報道では不明ですが、al qods al arabi net はISがその通信社amakを通じて、15日、シナイ中部のal qasimaの軍事基地に攻撃を仕掛け、士官7名、兵士15名を殺害し、20名を負傷させた発表したのがこの事件に該当するようです
(IS側は自己の損害については明示していない)

上記al arabiya net は更にエジプト軍報道官は、過去数日の攻撃で、空爆で過激派27名を殺し、119名を逮捕したが、そのうちの27名は司法当局が追及していたものだとしている由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2018/04/14/عملية-سيناء-مقتل-27إرهابيا-وتدمير-150-وكرا-ومخزنا-.html
http://www.alquds.co.uk/?p=917174

確か、エジプトは先週だったかに非常事態をさらに3月延長することにしたと思いますが、シナイ半島での過激派の掃討は時間がかかっていても、このところ本土(アフリカ側)においての、目だったテロは報告されていないことを見ると、エジプト軍を上げてのテロ掃討大作戦はそれなりの成果を上げているのではないでしょうか?







ガザ情勢(エジプト、サウディの行進中止働きかけ?)

ガザのイスラエルとの境界への抗議行進で、これまでに多数のパレスチナ人の死傷者が出たことは先ほど報告したところですが、がざal jazeera  net とjerusalem post net は、複数のアラブ紙やエジプト外務省を引用して、エジプトとサウディが抗議行進を取りやめるように、ハマスに働きかけていると報じています。
記事によれば、どうやら中心的役割を果たしているのは、これまでのガザ問題の時と同様にエジプトの情報局のようですが、取りあえず記事の要点のみ次の通り。

・匿名条件のエジプト外務省筋によると、エジプトはサウディの圧力もあり、ハマスに対して、協会への抗議行進を中止するように圧力をかけている。
同筋によると、エジプトとサウディはハマスに対して、抗議行進を中止するように働きかけ、その見返りとしてエジプトとの境界線のラファア検問所を恒常的に開放することを提案した由
(現在は、この検問所は開かれたり閉じられたりして、ハマスに対する圧力として、しょっちゅう閉鎖されている)
またアラブ筋によると、エジプトはこのままのガザの閉鎖状況が続けば、群衆の怒りが爆発して、その矛先はエジプトにも向かられ、エジプトは中東でも国際的にも、難しい立場に置かれることになると感じているとしている。
このためエジプト代表団がハマスと会談お為ガザに送られたが、今週にも情報局長官等の代表団が送られ、ハマス及びその他のパレスチナ組織と、この問題について協議することになっている由。
他方別のアラブ筋によると、ハマスはエジプトの提案を拒否し、この更新はハマスが組織したものではなく、群衆が組織しているもので、我々の支配外の問題であるとした由
http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Report-Egypt-Saudi-Arabia-urge-Hamas-to-end-Great-March-of-Return-protests-549077
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/4/7/هل-تضغط-مصر-والسعودية-لوقف-مسيرات-العودة

最近のアウディ皇太子の言動から見ても,エジプトとサウディが(おそらくは米国の意向を受けて)ガザ情勢の鎮静化に努めていることは、十分ありうることかと思われるが、この種の話はとにかく確認はできにくい問題につき、念お為


















ナイル川のダム問題(3国協議の失敗)

エチオピアが青ナイル川(ナイル川はエチオピアに始まる青ナイルと、ビクトリア湖だったかに始まる白ナイル川が、スーダンのハルツーム近くで合流して、ナイル川となりエジプトのデルタを通り、地中海にそそいでいます。昔からエジプトはナイルの賜物と呼ばれ、その水はエジプトにとって死活的に重要なものとされている)に巨大なダム(al nahadha ダム)を建設中ですが、このダムの建設を巡っては、その水の取り分が少なくなり、水源をエチオピアに、抑えられることを懸念するエジプトがこれに反対してきました。
この問題では中間にあるスーダンは、ダムからの電力等で潤うこともあるとして、当初エチオピア寄りだったところ、最近ではより中間的になってきた模様です。

ダム建設は始まったものの、特にエジプトの反対は続いてきて、これまでの交渉は合意形成に成功せず、最近では昨年11月に3国会議があったが合意に成功しませんでした。
然るところ、この3月にバシールスーダン大統領がカイロを訪問したことから、大臣レベルでの3国会議が開かれることとなり、5日から6日にかけて、ハルツーム(スーダンの首都)で、それぞれの外務大臣、水利大臣、情報局長(水問題に情報関係者が出席するということが、この問題の政治的性格を示していると思われます)が出席して、3国協議が開かれました。
しかし、会議は16時間もの間続いたものの、合意に至らなかった模様で、6日スーダンの外務大臣が記者会見で、合意は形成できなかったが、問題は技術的な問題であるため、今後は水利大臣レベルで協議されると語った由。
しかし、協議がいつ始まるか等については触れなかった由。
http://www.alquds.co.uk/?p=911771
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2018/04/06/السودان-يعلن-فشل-اجتماع-سد-النهضة-نحتاج-وقتا-أطول-.html
上にも書いた通り、「エジプトはナイルの賜物」であり、エジプトにとっては勿論のこと、エチオピアやスーダンにとってもナイルの水問題は、極めて重要な問題で、上記の通り、3国間の協議は断続的に行われ、その都度アラビア語メディアでも報道されていますが、何しろなかなか難しい問題で、良くフォローしていないと、なかなか理解しきれないところが多いために、取りあえず上の報告も、3国間でナイル川の水資源を巡る争いがあるところ、今回も合意ができなかったということの報告程度に考えておいてください。
多分詳しいことはwikipedia 等を見れば、かなり要領よく説明してあると思います。
21世紀は石油に代わって、水が国際紛争の種になり得る重要な資源になったとの言葉もよく聞かれます(その関係では「水戦争」という言葉さえ使われている)が、その意味では、中東は水資源に恵まれない地域である上に、特定の大河に多くの国が頼ってるので、水を巡る争いが起きやすいところです。
実はまだサッダムフセインの健在だったころでしょうか?トルコがチグリス・ユーフラティス川の上流に、大規模ダム(アタチュルクダムという名前だったか?)を建設しrて、下流のシリアとイラクともめていたという記憶がありますが、最近ではこの問題は聞きませんね?
問題は無事解決したのでしょうか






シーシの大統領当選(風刺画)

c1b778c9-f666-494f-af32-a8b40e4cc260[1]シーシの大統領選挙当選に関する風刺画です。
右上の文字は「第2期目のシーシ」とあります。
赤じゅうたんの上を上っているのはシーシでしょう。その赤じゅうたんの推しているのはTVと新聞、要するにマスコミでしょう。
赤じゅうたんの下には累々とした死体と貧困が横たわり、赤じゅうたんから下向きに落ちている矢印は経済と政治と保健とあります。
因みにこのal jazeera net はシーシとは敵対しているカタール系のメディアです。

http://www.aljazeera.net/news/caricature/2018/4/4/كاريكاتير-السيسي-لولاية-جديدة





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