中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

アメリカの外交政策

イラン航空領域利用に対する警告(米国)

アラビア語メディア等は、米国空当局が12日、米民間航空会社に対して、イランの空域を利用することには慎重であるべきとの警告を更新したと報じています。

これは、2017年米民間機が、国籍等を特定しない戦闘機によりインターセプトされて以来出されていた警告の期限が来たのに伴い、これを更新したもので、航空局としては、事態を必要以上に深刻化してみる意図はないが、米イラン関係の悪化に伴い、米民間航空機はイラン領域の利用には慎重になるべきとしている由。

記事はさらに、上記とは別に、米国務省は米国人に対して、イランでは逮捕される等の危険があるので、イランへの旅行は避けるように、イラクについてはテロの危険性及び武力衝突の可能性があるとして慎重にするべしと旅行情報を出しているとしていま。
とりあえず。

米国の対イラン警告

アラビア語メディアは、米国がイランに対して、イラクに於いてそのエイジェントが行う如何なる攻撃に対しても、米国は迅速かつ断固たる対応をするであろうと警告したと報じています。

見出しだけ見て、イランがイラクに対する何らかの攻撃でも計画しているのを、米国が察知したのかと思ったくらいですが、どうやらこれは米大統領府が11日出した声明で、イランがイラク内の攻撃で米国人や米国の施設に損害を与えた時には、と言うことで、イランのイラクに対する攻撃の話では無さそうです。

その背景として、al arabiya net は、7日にはバグダッドのグリーン地域(政府官庁や米大等外国大使館があるところ)に3発の臼砲弾が落下し(この事件は報告済み)、8日にはバスラの米総領事館周囲に3発の臼砲弾が落下した事件を上げています。
(記事はそこまでで、それら事件と米国の警告との関連については明記していません。
想像するに、おそらく米としてはバスラでイラン総領事館が襲われ砲火されたことに対する報復として、イラク内の親イラン民兵…要するにイランのエイジェント・・・・が行ったことと見ていて…何らかの証拠があるか否かは不明…、それに対する警告を行ったものではないでしょうか?)

トランプ政権の反パレスチナ政策(アラビア語メディアの記事)

米国務省は10日、ワシントンのパレスチナ事務所を閉鎖すると発表しました。
その理由として、パレスチナがイスラエルとの和平交渉に応じないからだとしている由。

この問題について、al jazeera net は、トランプ政権が発足以来2年しかたっていないのに、次から次へと反パレスチナ政策をとってきていて、パレスチナ問題を葬り去ることを狙っているとして、トランプ政権の7つの反パレスチナ政策を列挙しています。
記事はさらに、その理由として、パレスチナ側がトランプ政権おパレスチナ問題解決案(いわゆる「世紀の取引」と言われるが、その内容は未だ発表されていない)にの取った交渉に応じていないからとしています。
記事の上げた7つの措置とは次の通りですが、これまで歴代の米政権はいずれもパレスチナ問題の平和的解決に大きくかかわり、その際イスラエルとパレスチナの力関係が、圧倒的にイスラエル有利なことにも鑑み、バランスを回復し交渉を進展させるために、どちらかと言うとパレスチナの立場を理解する政策をとってきたように思われます。
その点トランプは、ある意味ではパレスチナ側の全面屈服を求め、そのためにイスラエル側に立って、パレスチナに圧力を加えてきたように思われます。
これではいくらサウディやUAEの皇太子でも、明示的にトランプの中東和平政策を支持することは難しいかとおもわれます。
記事の列挙する7つのトランプの反パレスチナ政策は次の通り
1、昨年12月のエルサレムのイスラエルの首都としての承認
2、1月のUNRWAに対する拠出削減
3、5月の米大使館のエルサレム移転
4、8月のUNRWAに対する拠出全面停止
5、8月のパレスチナ暫定政府に対する援助の全面停止
6、9月の東エルサレム病院に対する支援停止
7、ワシントンのPLO事務所の閉鎖
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2018/09/10/واشنطن-تعلن-إغلاق-مكتب-بعثة-فلسطين-رسمياً.html
http://www.aljazeera.net/news/reportsandinterviews/2018/9/10/قرارات-ترامب-السبعة-لتصفية-القضية-الفلسطينية




シリア南東部に関する米露の応酬

al qods al arabi net は、イラクとヨルダンに近いシリア南東部のal tanafに関して、ロシアと米国が互いに警告を繰り返したと報じています(記事ではアラビア文字はal natafと読めるが、現地情勢に鑑みal tanafの誤りでしょう)。

記事によると、ロシアは今週米国に対して、米兵数十名が存在するシリアの地域を攻撃すると警告した由。ロシアはその警告の中で、反政府軍の存在するこの地域にはアルカイダやISの過激派が存在すると警告した由。

これに対して米国も複数の書簡を送り、米兵の存在する地域を攻撃しないように警告した由。
米軍の高官は、ロシアに対しては我々は反撃するとして、攻撃しないようにアドバイスしたと語り、米国としてはシリア政府軍等を攻撃する意図はないが、米国はその兵士や同盟国等の兵士に対する攻撃に対しては、適切な方法で必ず反応すると語った由。

http://www.alquds.co.uk/?p=1011486

このal tanafを巡ってはこれまでも衝突があったかと思うところ、シリアにおける戦略が明確なロシアと異なり、米国がこの地域の基地に固執する背景は不明。

トランプとしてはシリアから近い将来撤兵するとしているところ、その際の交渉カードとして使うつもりか?米国の支援する民主シリア軍(クルド中心)の抑えているラッカからデリゾルにかけての地域を守るために必要と考えているのか?イスラエルやヨルダンとの関係でか?

イドリブに関する安保理審議[トランプの出席?)

下記のトランプの安保理議長を務めるという話が本当であれば、安保理会合がいつになるかは別にして、この9月の国連はまさに見ものだろうと思います

al qods al arabi netは、米国の要請で、安保理がイドリブに関する緊急会合を7日開くことになったと報じています
今月の安保理議長国の米国の国連大使は、イドリブ情勢は極めて緊迫しており、安保理メンバーの大部分は会合の開催に賛成であるとと語り、さらにシリア政府が化学兵器を使うたびに、ロシアとシリアは白いヘルメット(反政府軍地域の民間自主防衛隊で、瓦礫の下の遺体回収、負傷者の救援に当たっている)を非難しているとした由。
(確か、7日にはイランで同じくイドリブ問題等について、イランーロシアートルコの3国首脳会議が開かれる予定で、お呼びでない米国は、その日に安保理会合をぶつけてきたのでしょうか?ただし、時差の関係もあり、安保理会合の方が首脳会議よりは遅れることになりそうです)

他方al qods al arabi net の別の記事は、米国連大使が4日、今月の安保理でのイラン問題の審議(国際法違反と地域の不安定化)では、安保理議長を務めるだろうと語ったと報じています。
記事はさらに、この記事に関しイラン政府のコメントはないが、ロウハニ大統領は25日総会で演説する予定としています
(上記イドリブに対する緊急会合との関係は不明)
http://www.alquds.co.uk/?p=1010284
http://www.alquds.co.uk/?p=1010275



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