中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

チュニジア

北アフリカのテロとの戦い

al arabiya net はリビアとチュニジアにおける過激派テロとの戦いを報じているところ、記事の要点のみ、次の通り

・リビアでは、米アフリカ軍は30日の声明で、南西部のal owainatで、アルカイダの要員11名を空爆で殺害したと発表した。
それによると、彼らは3台の車に分乗していたところを攻撃したもので、作戦は統一政府の協調で行われたとのことです。
民間人に対する被害等はない由。
記事は更に、この攻撃は米軍によるリビアでの、1年以内で3回目の攻撃で、この前の攻撃は6月に同じアルカイダの幹部をトリポリの西で殺害している由
(最近はリビアでも専らISの活動とか、復活が報じられていて、すっかり忘れていましたが、北アフリカではもともとアルカイダ(マグレブアフリカのアルカイダ)の勢力が強く(確かこのアルカイダとアラビア半島のアルカイダが、現在2つの最強のアルカイダ勢力だと思う)、今でも損勢力はチュニジアからアルジェリア、更にモロッコ辺りでは頑強に残っているはずです)

・他方チュニジアでは28日、内務省が11名からなるテロ組織の4つの細胞を摘発したと発表した由
彼らは爆発物、自動車、刃物、毒物等による大規模なテロを計画していて、爆発物や毒物を製造していた由。
彼らはチュニジアの重要施設に対するテロを計画していたが、当局は爆発物その他及び遠隔操作で爆発させるドローン等を応酬した由
記事は更に、2015年にはバルドー美術館でのテロ等大規模なテロがチュニジアであって、注目、警戒されていたが、その後テロが収まっていたところ、1月前にはチュニスの中心街で女性が自爆テロをし、警官10名を含む15名が負傷したとコメントしている
今回のテロ細胞の所属(ISかアルカイダか等)は不明

https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/11/30/تونس-احباط-هجمات-بالدهس-والطعن-والتفجير-عن-بعد.html
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/11/30/ليبيا-مقتل-11-عنصرا-من-القاعدة-في-غارة-أميركية-.html









 

大統領のナハダ攻撃(チュニジア)

チュニジアでは、先日のサウディ皇太子訪問に対し、かなりの層から反対の抗議があったと報告しました(前大統領マルズーキは、この訪問は間違いだったとシブシ大統領を批判している)が、シブシー大統領は首相と公然と対立している他、議会内で大きな比重を占めるナハダ党とも、確執した模様で、同もチュニジア政局はかなりの混沌状況に陥ったように見えます。
アラビア語メディアはいずれも、シブシー大統領が29日ナハダ党に対する攻撃を激化させたと報じています。
問題は、大統領が26日、2013年に暗殺された世俗主義派の2人の政治家に関して「shokry beleed とmuhammad al brahimiを守る会」と会談し、29日国家安全保障委員会で同組織から提出された文書(ナハダ党の秘密組織が彼らの暗殺に関係しているとの趣旨の由)を議論したことに対して、ナハダが抗議と反対の声を上げたことにある模様。
このナハダの抗議に対し、シブシー大統領は、ナハダに秘密組織が存在することは公然の秘密で、政治家二人の暗殺事件に関しては、司法当局が処理することになっているとしつつ、ナハダの抗議には大統領への個人的な脅迫も含まれているが、その様な脅迫は受け入れられないと語った由。
これを伝えるal arabiya net は、先に大統領が提案し、政府が議会に送付した、民法の相続の項目で、男女平等を規定する改正案については、ナハダ党は棄権することとしたとも報じています
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/11/29/الرئيس-التونسي-حركة-النهضة-هددتني-شخصيا-ولن-أسمح-بذلك.html
https://aawsat.com/home/article/1483906/%D8%A7%D9%84%D8%B1%D8%A6%D9%8A%D8%B3-%D8%A7%D9%84%D8%AA%D9%88%D9%86%D8%B3%D9%8A-%D9%8A%D9%83%D8%B4%D9%81-%D8%AA%D9%87%D8%AF%D9%8A%D8%AF-%C2%AB%D8%A7%D9%84%D9%86%D9%87%D8%B6%D8%A9%C2%BB-%D8%A7%D9%84%D8%A5%D8%AE%D9%88%D8%A7%D9%86%D9%8A%D8%A9-%D9%84%D9%87-%D9%88%D9%8A%D8%AA%D8%AD%D8%AF%D8%AB-%D8%B9%D9%86-%D8%AC%D9%87%D8%A7%D8%B2-%D8%B3%D8%B1%D9%8A
https://www.alquds.co.uk/%d8%a7%d9%84%d8%b1%d8%a6%d9%8a%d8%b3-%d8%a7%d9%84%d8%aa%d9%88%d9%86%d8%b3%d9%8a-%d9%8a%d8%b5%d8%b9%d9%91%d8%af-%d8%ae%d8%b7%d8%a7%d8%a8%d9%87-%d8%b6%d8%af-%d8%a7%d9%84%d9%86%d9%87%d8%b6%d8%a9/

シブシー大統領の下のチュニジアは、世俗派の大統領と穏健イスラム派のナハダの協力という興味ある組み合わせで、曲がりなりにも(大統領の政党の「チュニジアの声」の分裂にもかかわらず)運営されてきたところ、大統領が首相と仲たがいをし、更にナハダとも公然と対立したとなると、今後のチュニジア政局がどうなるのか気になるところです。
両者の仲たがいの原因が、離婚法の問題か、サウディ皇太子の訪問問題か、さらにより個人的な確執の問題なのか、現時点では良く分かりませんが、取りあえず







サウディ皇太子のチュニジア訪問の対価

サウディ皇太子のチュニジア訪問については、朝方、サウディはいくらばら撒いたのだろうかと、書きましたが、al qods al arabi net は仏のjeune afrique誌が、皇太子のチュニジア訪問の対価と題して、皇太子はチュニジア政府に対して、中央銀行へのデポジット20億ドル、割引値段による4億ドル分の石油供給を約したと報じたと伝えています。
(この記事の真偽のほどは不明だが、チュニジアは元仏植民地であったこともあり、仏メディアはチュニジアについては一般的に詳しい)
記事は更に、現在のチュニジアの経済困難に鑑み、このサウディからの支援は極めて重要であるとコメントしています。
また、今回の訪問で、主都チュニジアでは新聞労組等の抗議デモがあったが、チュニジア政府は外交的プロトコールを厳守し、またサウディ側が嫌がる話題…・khasshoggi事件とかサウディに亡命中の元大統領ベンアリ引き渡しとか‥…については、会談で一切言及しなかった由。
https://www.alquds.co.uk/%d9%85%d8%ac%d9%84%d8%a9-%d9%81%d8%b1%d9%86%d8%b3%d9%8a%d8%a9-%d8%aa%d9%83%d8%b4%d9%81-%d8%ab%d9%85%d9%86-%d8%b2%d9%8a%d8%a7%d8%b1%d8%a9-%d8%a8%d9%86-%d8%b3%d9%84%d9%85%d8%a7%d9%86-%d9%84%d8%aa/

大人の対応というか、現実主義的対応というか、チュニジア外交もなかなかやるものです





サウディ皇太子の外遊(チュニジア)

580[1]サウディ皇太子は、4国目の外遊先としてチュニジアに到着し(これまでUAE,バハレン、エジプトを歴訪、この後はアルジェリアとG20の開かれるアルゼンチン訪問の予定)、シブシー大統領等と会談したとのことです。
チュニジアでは訪問前から、アラブの春が始まったチュニジアがサウディ皇太子を受け入れることは如何なものか、との議論がありましたが、矢張り人権団体とか活動家たちが抗議のデモをした由(写真、市の中心のブルギバ通りです)。
しかし、これを伝えるal hazeera net によると、集まったのは数百人と、少人数であった由。
また、大統領府は大統領と皇太子の会談後の恒例の記者会見は取りやめ、声明の配布にとどめた由。
今回の訪問でUAE,バハレンの湾岸諸国では、抗議デモなど予測もされていませんでしたが、事前にSNS等で反対の声があったエジプトでは、公然とした抗議デモなどはなかった模様で、警察力で抑え込まれたのでしょう。

この後アルジェリアとアルゼンチンが続きますが、特にアルゼンチンでの街頭の動きが注目されます。
しかし、ここまでの皇太子の外国歴訪は、少なくとも湾岸では皇太子がアラブ諸国に受け入れられたことを示した点で、大きく成功したものと思われます。
ただ、下衆の勘繰りですが、サウディは今回の訪問受け入れで、エジプト、チュニジアにいくら位ばらまいたのでしょうか?
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/11/27/تونس-احتجاجات-السعودية-محمد-بن-سلمان-حرب-اليمن-جمال-خاشقجي

男女平等法の議会への送付(チュニジア)

確かチュニジアでは、この夏からシブシー大統領とイスラム関係者との間で、相続に関する法制を男女平等にするか否かで、厳しい論争があったかと思いますが(シブシー大統領は、8月だったかに、チュニジアは市民国家・・・要するに法治国家という意味か・・・で憲法は男女の平等を定めているとして、相続でも男女平等にすべきと発言していたかと思います。これに対して、イスラム法では娘の相続分は息子の相続分の2分の1になっているはず)、アラビア語メディアは、チュニジア政府は23日、相続に関する男女平等を規定した法案(身分法のうち、相続に関して男女平等を定めた法案)を閣議承認し、議会へ送付したと報じています。
アラビア語メディアはいずれも、女性団体等は大歓迎しているとしているが、他方al arabiya netなどは、イスラム関係者の間には激しい反対があるとしていて、今夏この問題が大統領から提起された際にも広範な反対デモがあったとしています。
https://www.alquds.co.uk/%d8%a7%d9%84%d8%ad%d9%83%d9%88%d9%85%d8%a9-%d8%a7%d9%84%d8%aa%d9%88%d9%86%d8%b3%d9%8a%d8%a9-%d8%aa%d8%b5%d8%a7%d8%af%d9%82-%d8%b9%d9%84%d9%89-%d9%85%d8%b4%d8%b1%d9%88%d8%b9-%d9%82%d8%a7%d9%86%d9%88-2/
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/11/23/تونس-مجلس-الوزراء-يصادق-على-قانون-المساواة-في-الميراث.html
http://www.aljazeera.net/news/reportsandinterviews/2018/11/24/الميراث-النهضة-السبسي-تونس
これから議会の審議があるわけで、法案の行くへはまだ分かりませんが取りあえず
livedoor プロフィール

abu_mustafa

最新コメント
Categories
記事検索
Archives
  • ライブドアブログ