中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

シリア

シリア情勢(イドリブ等)

シリアのイドリブ周辺については、トルコとロシアがソチ合意で、非武装地帯の設置、過激派の退去等について合意しましたが、その後も過激派の退去はあまり進展せず、おまけに政府軍と反政府派が砲撃を交わし、更にはヌスラ戦線とその他の反政府派が衝突する等、不透明な状況が続いていました。

このイドリブ等北部シリアの状況について、al arabiya net はカザフスタン(そもそも上記ソチ合意のもとになったが、ここのアスタナでのイラン―ロシア―トルコ3国のアスタナ合意であった)の外務大臣が18日、シリア北部問題、特にイドリブ問題等について、トルコ、ロシア、イランの3国がこの28,29の両日カザフスタンで協議すると発表したと報じています。
(会合のレベルは不明。外相レベルか?)
同外務大臣は、3国協議はイドリブ情勢、情勢の鎮静化、避難民の帰還問題等を協議すると語った由。

イドリブ周辺の情勢が不透明なことは上記の通りですが、更にイドリブの北になるか、先にトルコ軍がシリアに進攻して、PYGを追放したafrin 地区で、トルコの指示する反政府派同士が激しく衝突して、20数名の死者を出す事件があったとのことで(その背景等は不明)、おまけにトルコは先に報告の通り、manbij からkobane,tel abyadh にかけてのシリア民主軍(YPGが主体)支配地域への侵攻の構えも見せており、北シリアからトルコ国境にかけて、緊張が高まっている感じがするので、取りあえず

https://www.alquds.co.uk/%d9%82%d8%aa%d9%84%d9%89-%d9%88%d8%ac%d8%b1%d8%ad%d9%89-%d9%81%d9%8a-%d8%a7%d8%b4%d8%aa%d8%a8%d8%a7%d9%83%d8%a7%d8%aa-%d8%b9%d9%86%d9%8a%d9%81%d8%a9-%d9%81%d9%8a-%d8%b9%d9%81%d8%b1%d9%8a%d9%86-%d8%a8/
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/11/19/محادثات-روسية-تركية-ايرانية-حول-سوريا-الأسبوع-القادم.html

シリア情勢(イドリブ等)

シリアのイドリブ周辺では、政府軍と同盟者対反政府軍の間での砲撃等の応酬が増加していて、反政府派同士の殺し合いも盛んになっているが、他方シリア東部では米等の有志連合空軍の空爆で、ISの家族に多数の死傷者が出ている等、シリア情勢は依然として極めて不安定な模様です。
アラビア語メディアから取りまとめ

イドリブとその周辺
・シリア人権網によると、このところイドリブ周辺で、政府軍と同盟者(ヒズボッラーか?)対反政府軍の間の砲撃等の応酬が増加している。
特にイドリブとハマの間では、17日政府軍の発射した砲弾が、トルコとロシアの合意で設置されたトルコ軍の監視所の近くに落下したよし。
・政府軍等はハマの北をめがけて砲撃し、反政府軍はイドリブの南東、ハマの北東を狙って射撃している由。
・この点に関し、反政府軍は、政府軍がイドリブの南とハマの北で、トルコ―ロシアの合意を廃棄すべく、攻撃を激化させていると非難している。
それによると、政府軍はス百発のロケット、臼砲弾を反政府軍支配地域に撃ち込んでいる由。
(どうやらこの地域では政府軍が優勢で、反政府勢力に圧力を加えている模様)
・他方、イドリブの周辺では、反政府勢力と過激派の旧ヌスラ戦線の相互の対立、テロ(暗殺、道路爆弾、誘拐、暗殺未遂等)が続き、治安は極めて悪化している由。
シリア人権網によると、この4月以来イドリブ、アレッポ、ハマの反政府派支配地域で、暗殺されたものは少なくとも388名に上る由。
またこれらのテロでは戦闘員の家族や民間人も犠牲になっている由
それによるとシリア国籍で、旧ヌスラ戦線、シャム大隊、シャム解放イスラム運動、アッザ軍その他の派閥に属するもの253名、ソマリア、ウズベキスタン等中央アジア、コーカシア出身、湾岸出身、ヨルダン人、トルコ人等42名が暗殺され、また数十名が重傷を負った由。

デリゾル方面
・デリゾル地域にあるISのシリアでの最後の拠点に対し、米等の有志連合はこの数週間集中して空爆を加えてきた。
これはYPGの主導するシリア民主軍の攻撃を支援するためである・
この空爆では、ISの家族等民間人(非戦闘員)にも多くの犠牲が出ている
・特に17日の空爆では、シリア人権網によれば、ISの家族等に234名の死者が出た。
・しかし、有志連合は、民間人を攻撃したことを否定している。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/11/17/43-قتيلا-بينهم-أطفال-ونساء-بغارات-للتحالف-في-سوريا
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/11/17/غارات-للتحالف-على-شرق-سوريا-تحصد-36-من-عائلات-داعش.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/11/18/المعارضة-السورية-تتهم-نظام-الأسد-بالتصعيد-في-ادلب.html
https://aawsat.com/home/article/1467166/%D8%A7%D9%84%D9%86%D8%B8%D8%A7%D9%85-%D8%A7%D9%84%D8%B3%D9%88%D8%B1%D9%8A-%D9%8A%D9%82%D8%B5%D9%81-%D8%A3%D9%87%D8%AF%D8%A7%D9%81%D8%A7%D9%8B-%D9%82%D8%B1%D8%A8-%D9%86%D9%82%D8%B7%D8%A9-%D9%84%D9%84%D8%AC%D9%8A%D8%B4-%D8%A7%D9%84%D8%AA%D8%B1%D9%83%D9%8A
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/11/17/انفلات-أمني-متجدد-في-ادلب-اغتيالات-وتصفيات.html













シリア北部情勢(反政府軍の反撃?)

トルコとロシアのソチ合意の非戦闘地域で、政府軍やヒズボッラー等の同盟軍が攻撃を仕掛け、反政府軍に多くの損害が出たことは昨日報告しましたが、al sharq al awsat net は反政府軍が10日、9〜10日の夜間ハマの政府軍にに攻撃を仕掛け、政府軍に20名以上の死者、多数の負傷者を出したと発表したと報じています。 
それによると、反政府軍は、シャム解放機構(旧ヌスラ戦線)等が、9〜10日の夜間雨の降る悪天候を利用して、ハマ北部の政府軍作戦司令部に激しい攻撃をかけ攻撃、上記の損害を与えたとのことですが、シリア人権網によれば政府軍の損失はずっと少なく、8名が死亡したが、旧ヌスラ戦線も2名の戦闘員を失ったとのことです。
なお、シリア人権網によれば、反政府軍が攻撃したのはイドリブ、ハマ、アレッポ、ラタキアの接する地域で、非戦闘地域の外側の由。
https://aawsat.com/home/article/1456931/%D8%A7%D9%84%D9%85%D8%B9%D8%A7%D8%B1%D8%B6%D8%A9-%D8%A7%D9%84%D8%B3%D9%88%D8%B1%D9%8A%D8%A9-%D8%AA%D8%B4%D9%86%D9%91-%D9%87%D8%AC%D9%88%D9%85%D8%A7%D9%8B-%D9%85%D8%B6%D8%A7%D8%AF%D8%A7%D9%8B-%D9%81%D9%8A-%D8%B1%D9%8A%D9%81-%D8%AD%D9%85%D8%A7%D8%A9
どうやら戦闘自体は、反政府軍が主張するよりもずっと小規模であったようですが、注目されるのは、反政府軍自ら反撃には旧ヌスラ戦線が大きな役割を果たしたことを認めている模様であることです。
そもそも、旧ヌスラ戦線とその他の反政府軍は元から仲が悪かったうえに、旧ヌスラ戦線はアルカイダ系ということで、ロシア等からは目の敵にされていて、その辺を意識してか、これまで反政府派もヌスラ戦線との共闘はほとんど認めなかったと思います。
しかし、それにもかかわらず、双方の関係は極めて複雑で、喧嘩したり(衝突)したり、共同で戦ったりしていた模様です。
矢張り、反政府軍にとってもヌスラ戦線というのは、戦闘意欲等の点でなかなか完全には縁の切れない頼りがいのあるグループなのでしょうね。

政府軍と反政府軍の衝突(シリア イドリブ地域)

8〜9日の夜、ハマの北部イドリブにつながる地域(ロシアとトルコの所謂ソチ合意で非嘘う地帯とされたところの由)で、政府軍(ヒズボッラー、革命防衛隊、民兵を含む)と反政府軍との間で、激しい戦闘があったとのことです。

al sharq al awsat net は、この戦闘はソチ合意ができて以来最も激しいものだとしてるところ、同ネットおよびal arabiya  net によれば、政府軍が攻撃を仕掛けて、戦闘となり、戦闘は夜中続いたが、その結果シリア人権網によれば反政府軍に22名の死者、35名の負傷者がで、政府軍の方では7名が死亡した由。
なお攻撃を受けた反政府軍はjeish al azzaで、祖国解放戦線(旧ヌスラ戦線と対決してる由)に属し、2500名の戦闘員を有し、al ghab平原等ハマの北部に陣取っている由。
https://aawsat.com/home/article/1456136/%D8%A3%D8%B9%D9%86%D9%81-%D9%85%D8%B9%D8%A7%D8%B1%D9%83-%D9%81%D9%8A-%D8%B4%D9%85%D8%A7%D9%84-%D8%B3%D9%88%D8%B1%D9%8A%D8%A7-%D9%85%D9%86%D8%B0-%D8%A7%D8%AA%D9%81%D8%A7%D9%82-%D8%B3%D9%88%D8%AA%D8%B4%D9%8A
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/11/09/النظام-يخرق-اتفاق-ادلب-ومقتل-22-عنصراً-من-جيش-العزة-.html

確か前にも報告した通り、このソチ合意には、ロシアとトルコで同床異夢的なところもあり、また過激派の撤退等についても必ずしも合意通りには動いていないところもあり、これまでも時々政府軍と反政府軍が衝突していたところではあります。
今回合意後最大の衝突が起きたという背景は不明ですが、何しろ「最大の衝突」というのですから、取りあえず報告しておきます。





米の対シリア政策(米シリア大使の発言)

確か昨日は国防総省だったかの北部シリアに関する報告を紹介したかと思いますが、al arabiya net は米シリア大使の記者向けの電話による発言を報じています。
、もし大使がこのような発言を実際に行ったとすれば(あまり疑う理由もないが)、米国には珍しい率直な意見の表明として興味があるので、記事の要旨次の通り。ご参考まで。
なお、米国はクルドのPKK幹部3名に懸賞金をかけましたが、huryiet net は、トルコ大統領府が米国に対て、シリアのクルド勢力PYDとその軍事組織YPGはPKKの延長であるとして、これら勢力に対する関係を完全に切ることを要求すると表明したと報じています。
米にとり、トルコとクルドとの関係は誠に微妙で難しいものがあるようです。


・7日夕、電話での記者会見をした米シリア大使は、ロシアはイスラエルとの協議で、イスラエルの在シリアイラン拠点に対する空爆については、柔軟な立場を示してきたところ、今後ともロシアがその立場を維持することを望むと語った。
同大使はイスラエルは、イランがシリアにイスラエル奥地を攻撃できるミサイル設置等を阻止することに、その生存にかかわる利害関係を有していると語った。
大使は9月の事件(ロシア機のラタキア沖でのシリア軍による撃墜)は狭い地域で、多くの国の軍事活動が錯綜していることから危険が生じることを示しているとした由。
・その点に関して、ロシアがシリアから撤退することは考えられないとしつつ、その他現在では、イラン、イスラエル、トルコ、米の4つの外国勢力がシリアで軍事行動をしていることは危険な状況をもたらしているとした由
・それらの勢力のうちイランはアサドが望む限りシリアに留まるだろうとし、トルコはシリアでのクルド勢力の影響拡大阻止のために2度も地上進攻をしたとした。
・大使は更に、米としてもトルコのクルド勢力に対する懸念は理解しており、シリア民主軍に対しては、現在その支援としては軽火器の弾薬の供与にとどめており、この制限がシリア民主軍のISに対する作戦を遅らせていると語った由

https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/11/07/أميركا-تحث-موسكو-على-تمرير-قصف-اسرائيل-لايران-في-سوريا.html
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-calls-on-us-to-end-all-engagements-with-pyd-ypg-138668








































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