中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

シリア

ロシア機の撃墜?(シリア)

朝方、ロシア機がラタキア上空でロシア基地との通信が途絶えた、とのロシア軍の発表をお伝えしましたが、米筋によると、これはシリア政府軍の防空部隊が間違って撃墜したと思われるとのことです。

問題の航空機はロシア軍のIL-20型機で、同機はロシア軍基地hameemeem に帰る途中、地中海上のシリアから35卉賄世如現地時間夜11時、レーダーから消えたとのことです。

ロシア軍によると現在航空機の捜索が行われているところ、14名の乗員等の安否は不明の由。

この事件に関し、al qods al arabi netは、米当局によれば、、米政府はシリア政府軍の対空砲が、誤って撃墜したものとみていると報じています。
(それ以上の詳細は不明ですが、米政府として、米軍としていないところをみるとCIA等の情報も入っているのでしょうか?)

またal arabiya net はロシア軍も、その可能性を認めていると報じています。

(更に午前中にロシア・メディアが仏フリゲートが艦対地ミサイルを発射したと報じていることを報告しましたが)シリア政府のメディアは、海上からのミサイル(クルーズミサイルか?)複数が、ラタキア、ハマ、ホムス等を攻撃したと報じている由。

詳細は上に書いた通り不明ですが、政府軍による撃墜が事実とすれば、おそらく現地の混乱の中の不作為の誤射だろうと思われますが、もしかしたら最近ロシアがシリア政府を無視して、イドリブ問題についてトルコと合意したことに対する意趣返しの可能性…まさかそんなことはないでしょうが…もあるのでしょうか?

仏艦のミサイル発射は、極めてありにくい話と思うも、取りあえず報道のまま。いずれにしても、剣呑(けんのん)な情勢になってきました。

ラタキアに対するミサイル攻撃?

シリア北部に関しもう一つ
アラビア語メディアとy net news等イスラエルメディアは、17日夕北部シリアの港町のラタキアがミサイルで攻撃されたと報じています。

シリア政府系のサナ通信は、イスラエルの攻撃で、シリアの対ミサイル防衛網が複数のミサイルを撃墜したと報じています。

イスラエル側は、イスラエル国防軍(IDF)報道官が、コメントしないとしているとのことですが、アラビア語メディアは攻撃の写真とするものを掲載しており、現地では大きな火の手が目撃され、爆発音も響いたとのことですから、少なくとも何らかの爆発があったことは事実でしょう。

・al jazeera net は、攻撃されたのはラタキアの3地点とのことで、独通信は、ラタキアの東入り口にあるガス発電所、市の東部にある技術工場(軍の工場かと思われる)、科学技術研究所(通常この名前の研究所では化学兵器の研究、生産をしていることが多い)の3ヵ所の由。

・サナ通信とロシアのスプートニク通信は、ロシアのhameemeem基地で、ロシアとシリアの防空部隊がミサイル等を捕捉したと報じている由。
スプートニクはまた、ロシア国防省の話として、hameemeeem 基地と上空を飛行中のロシア機(14名搭乗)との通信が失われたとしている由。

・さらに複数のロシアメディアは、地中海の仏フリゲートから艦対地ミサイルが発射されたと報じているがその狙いがラタキアか否かは不明としている由。

ということで、事実関係は未だ不鮮明ではありますが、報道が事実とすれば、IDF等の攻撃があまりにロシア軍の基地に近い所で行われていて、その狙いが何か気になるところです
さらにこの攻撃については当然ロシア軍にも事前予告されているのでしょうね?

他方y net news はシリア人権網の数字として、この2ヵ月間にシリアで、IDFの攻撃で死亡したイラン兵、イラン系民兵の数は113名に上り、そのうち28名はイラン人将校や民兵の戦闘員と報じています。

イスラエルは戦時報道管制を敷いていて、その活動についてはコメントしない場合が多いので、イスラエル軍の関与の度合いやその目的等は不明ですが、上記y net news の記事を待つまでもなく、この2ヵ月シリアにおけるイランのプレゼンスに対するIDFの攻撃はエスカレートしているように思われます。
今回のラタキア攻撃も(事実とすれば)イランのプレゼンスを狙ったものでしょうか?

イドリブ総攻撃の中止(シリア)

どうやら政府軍等のイドリブ総攻撃は中止になった模様です。

イドリブに関しては、ロシア―トルコーイランの首脳会議が合意に失敗した後、トルコとロシアが大統領レベル等で、鋭意協議をしてきて、17日にはクリミアのソチで首脳会議がありました。

その結果、政府軍と反政府軍との間に非武装地帯を設けることで合意が成立し、攻撃は避けられることとなった模様ですが、これはエルドアンの粘り勝ちか、プーチンも国際的な影響の大きいい攻撃には気乗り薄だったのか?

このロシア―トルコの協議には、アサド政権は勿論、イランも参加していないし、また旧ヌスラ戦線に対するトルコの影響力も限られていると思われるので、まだまだ停戦が破られる可能性は残っていると思います。

いずれにしても、少なくとも、当面はロシアの支援する政府軍等の総攻撃は行われないことになったと思います。


・アラビア語メディアはいずれも、ソチでの首脳会議の後、プーチンとエルドアンが共同記者会見をして、両者がイドリブでこの10月15日から政府軍と反政府軍の間に非武装地帯を設けることで一致したと発表したと報じている。
非武装地帯の幅は、15〜20劼陵魁

・また、戦車、大砲ミサイル等の重火器を撤去することが合意されたとしてるが、これがイドリブ全域を意味するのか、それとも非武装地域だけのことかは不明の由。

・また、今後非武装地帯を中心にロシアートルコの合同パトロールが、停戦を監視することになった由。

・この両者の合意について、ロシア国防相は、イドリブに対する総攻撃はなくなったのか?との質問に対し、yes として、総攻撃が中止になったことを肯定した。

・両者の合意について、一部のアラビア語メディアは、両者間に取引があり、トルコがロシアのシリアでの基地(特にタルトゥスとハミーミーム)の安全を保障し、ロシアは反政府派がイドリブの現在地にとどまることを認め合ったとしている。

緊迫するイドリブ情勢(シリア)

イドリブではロシア機と政府軍機が激しい空爆を続けていて、確か国連によると、既に30000人が避難民となった由。
この間、アラビア語メディア及びhaaretz net によれば、政府軍等のイドリブ周辺への終結が続いていて、またトルコが反政府軍に対する武器弾薬の供与を急増させているとのことです。

これら記事を取りまとめたところは次の通りですが、記事はいずれもトルコの援助増は、先日おテヘランにおけるロシアートルコーイラン3国の首脳会談の失敗の後からだとしています。
あの会議はどうせ、トルコ対ロシア、イランの立場が対立したままでしたから、そもそも初めから成果が期待されていたわけではなく、失敗と言うのもいかがなものか?と思っていましたが、トルコの動きが事実であれば、矢張りトルコとしては、3国首脳会議で、イドリブ攻撃の中止か、少なくともロシアの支援削減表明等を期待していたことになりますね?


・政府軍及びイラン人民兵約4000名が、イドリブ作戦参加のために、必要資材とともにアレッポの北に到着した。(具体的な日時は不明)
政府軍等の増派はさらに続いている

・他方、反政府軍によれば、反政府グループに対するトルコの支援は、テヘラン会議の後強化され、特に弾薬類の供与が増え、反政府軍筋では、コレラトルコの支援で反政府軍としては、長期間政府軍等と闘うことができるとしている由。
また反政府グループ幹部の中には、政府軍が地上攻撃を始めれば、反政府グループとしても反攻作戦を行うこととなり、その場合の目標はアレッポであるとしている由
・反政府グループによると、トルコ軍司令部は、彼らに対して、その軍事的状況(兵員数、指揮系統、武器弾薬の現況等)に関して詳細な情報を要求した由
自由シリア軍幹部は、トルコ軍が今後長期間にわたり、完全な軍事的支援を行うと約束したとかたった。
・トルコ紙によれば、トルコ軍は、トルコ軍等がISから解放した北部トルコで国民軍を組織しているところ、現在50000人の動員を計画していて、うち10000は現地の治安維持のため残り、約30000人をイドリブに送る計画の由。
これに対して、反政府軍(旧ヌスラ戦線を除く)は35000名を数えることができ、トルコ軍等は全部で100000名の反政府軍を糾合したいと考えている由
・また自由シリア軍等の反政府軍(除く旧ヌスラ戦線)は、統一指令部の下に彼らの部隊を統合することを計画している由

・トルコが国境地帯に続々と部隊、戦車、大砲等の増援部隊を送り込んでいて、これらの部隊は防衛目的のためであるとされているが、観測筋の中では攻撃目的もあるとみるものが居る

・トルコ大統領府報道官は、イドリブ攻撃が始まれば、大量の難民が発生するが、彼らのうちの相当部分が欧州に達するであろうと警告した
(トルコのみならず、欧州のイドリブ問題に関する大きな懸念の一つが、大量の難民の流出であることはよく知られていて、トルコとしては欧州に対して難民カードを使って、その立場に対する支持を求めだしたのでしょうか?)
http://www.alquds.co.uk/?p=1014572
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/09/13/سوريا-حشود-عسكرية-ضخمة-للنظام-وإيران-شمال-إدلب.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/09/12/هل-تنجح-أنقرة-بجمع-100-ألف-مقاتل-ضد-الأسد-في-إدلب؟.html
https://www.haaretz.com/middle-east-news/syria/turkey-ups-weapons-supply-to-syrian-rebels-as-idlib-offensive-looms-1.6468164
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-warns-eu-of-refugee-influx-from-syrias-idlib-136754









ISに対する最終攻撃(シリア東部)

シリアに関しては、イドリブに対する政府軍等の攻撃が、世界の注目を集めていますが、もう一つ重要な動きがある模様です。

al arabiya net は、米等の有志連合の責任者が11日、米の支持するシリア民主軍(クルドのYPGが主力)が、シリアの北部、東部でISのポケットに対する最終的攻撃を始めたと語ったと報じています。
この攻撃は米軍等の空中援護を受けて、シリア民主軍が地上から攻撃するもので、有志連合の声明によれば、この最終的攻撃はシリアの東北部からユ−フラティス川に沿って、シリア。イラクの国境地帯まで、ISの残存勢力を最終的に掃討することが目的の由。
作戦は10日から始まり、既にIS戦闘員少なくとも15名を殺害した由。
米軍はISの支配していた地域の98%を解放したとしているが、ISは未だデリゾル県お一部やシリア南東部に残存している由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/09/12/التحالف-يؤكد-بدء-الهجوم-على-آخر-جيوب-داعش-بسوريا.html
確か最近米軍とロシアとの間で、シリアーイラクーヨルダンの国境地帯のal tanaf 地域を巡り、非難と警告の応酬があったと記憶しますが、もしかしたら米ロの応酬もこの作戦と関連しているかもしれません














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