中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

イラク

大統領選出問題(イラク)

イラクでは、総選挙の後すったもんだの挙句、ようやく議会議長が選出されましたが、今度は大統領の番です。

(イラクでは、議会議長はスンニ派、大統領はクルド、首相はシーア派からとなっているところ、この順番に権限が増えてゆく…敢えて言えば重要なのは首相ポスト!・・・ところ、議長でさえ、あれだけ揉めたのだから、今後まだまだすったもんだが続くのではないでしょうか?)

大統領選出問題について、アラビア語メディア は、議会議長が大統領選出に関する特別委員会を設置し、候補者の審査等を始めるとしています。

またこれまで立候補の意図を表明した(ということでは正式の立候補ではない?)のは
saradar abdallah,latif rashid,mllah bahatar,fadhi mirani,burham salem,salim shushiki の6名とのことです。

他方、al qods al arabi netは、クルド勢力間のこれまでの取引では、イラク国家の大統領はこれまでの大統領タラバニの属する「クルデスタン祖国同盟党」から、クルド自治区の大統領はバルザニの属するクルデスタン民主党から出ることとなっていた由。

しかし、先般のクルド自治区を巡る独立問題等でのバルザニの退場、そしてその後の改正でのクルド自治区の大統領職の廃止(権限はクルド自治区の諸大臣とクルド自治議会の間で配分された由) のため、クルデスタン民主党は選挙結果に基づき、イラク政府の大統領職を狙うとしている由。

これを報じるal qods al arabi net は「イラク大統領を巡る戦いが、タラバニとバルザニの党の間で燃え上がった」と見出しをつけていますが、確かイラク・クルド地区では、イデオロギー等の問題はあるも、長いことバルザニ家とタラバニ家の確執、競争がその核心であった(要するに部族社会の、有力家族の支配の構図)という側面が強い模様で、今後、中々スムーズに大統領選挙が行われるのか危惧されるところです。

国会議長の選出(イラク)

イラクでは議会総選挙の後、票の数え直し請求等の長いごたごたを経て、ようやく議会議長、大統領、首相の選出が行われることになっていましたが、こちらの方も政党間の、角逐、取引等のために、最初のステップである議長の選出もこれまで引き延ばされてきました。

然るに、アラビア語メディアは15日、議会がようやくにして新議長を選出したと報じています。

新議長はスンニ派の国家枢軸党(そもそもイラク憲法では、大統領はクルド、議長はスンニ派、首相がシーア派から出ることになっている。muhammad al halabsi(37歳)で、出席議員291名のうち169名の支持を得た由。
第2位がアバーディ首相の勝利党のkhaled obeidi(元国防大臣)で89票を獲得した由。
またサドル師のサーイルーンの男が第1副議長に選出された由(副議長は確か2名だから、もう一人の選出が行われるのか?)

取り敢えず以上ですが、これでイラクの新政府選出の動きもようやく軌道に乗り出したと見るべきか、それとも比較的権力もなく重要性の薄い議長の選出でさえ、これだけ時間がかかったのだから、最重要ポストの首相の選出までは更に揉めるだろうと見るのか、とにかくイラク式民主主義も悪路を走るぼろ車の様です。

世界で不幸せな国々

どの程度真面目に受け取っていいか解りませんが、al jazeera net は、世界で最も不幸せな国の上位にアラブ諸国が位置していると報じています。
これは米ギャロップ社の調査結果とのことですが、世界で最も不幸せな国は中央アフリカで、その次にイラクが来るということで、エジプトが6位、パレスチナが9位で、イランは7位に入っているとのことです。
その他最も不幸せな国の上位はいずれもアフリカで、南スーダン、チャドシエラレオーネ、ニジェール、リベリア等が来るとのことです。
他方幸せな国の上位は、ほぼラテンアメリカの国が占めていて、その他ではカナダ、アイスランドなどが入る由
http://www.aljazeera.net/news/reportsandinterviews/2018/9/12/3-دول-عربية-ضمن-الأقل-سعادة-عالميا-ما-هي
この調査の結果は、複数の不幸せの指数を足し合わせたものとのことで、具体的に誰がどこでどういう方法で調査したかは知りませんが、アラブの国だけをとってみても、どうも不思議な数字です。
と言うのは、普通に考えれば、内戦が続いていて、今でも多数の死傷者や難民が出ている、シリアやイエメンが含まれていないことで、そういえばアフガニスタンも入っていません。リビアも入っていませんね。
その意味では真面目に受け取る話ではないと思いますが、数字として出ているようなので、どこかで話題になる可能性もあるかと思い、何らご参考まで
それはそれとして、矢張り世界で不幸な国と言えば、アフリカ、中東と言うことになるのでしょうね




イラク宗教指導者の首相経験者らの新首相への選出拒否?

このところサドル師のグループサーイルーン所属の議員等が、イラクの宗教指導者シスタニ師が、首相経験者らの「古い政治家」の新首相選出を拒否して、新し顔ア必要だと語ったと報じています。

al qods al arabi net が報じるシスタニ師が拒否するとした政治家は次の5名です
 現首相 アバディ
 元首相 マリキー
 ファタハ・グループの指導者でシーア派民兵指導者のhadi amri
  atah運動のfalij al fayyadh
  イスラムダワー運動のtareqnajm

しかるに同ネットとal arabiya net は、シスタニ師事務所が声明を出して、上記の報道は不正確であるとしたとほうじています。声明の要旨は
 ・新首相は議会の最大グループから選出されることは憲法上の規定である
 ・したがって何人も外部から、誰を拒否するとか選出されるべきと言う権利はない
 ・シスタニ師は拒否と言う言葉は使っておらず、また誰が好ましいとも言っていない
 ・しかし、シスタニ師は多くの機会に直接、間接に、古い指導者の間から新首相が選ばれることは支持しないと言ってきている
 ・これは政党に関係なく、また独立派であっても同じことである
 ・なぜなら民衆は、これらのいかなる人物もイラクが必要としている改革を行うとの希望を有していないからである
http://www.alquds.co.uk/?p=1013418
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2018/09/10/مصادر-السيستاني-يرفض-المرشحين-الـ5-لرئاسة-الحكومة.html
若干回りくどい話ではありますが、どうやらシスタニ師は「古い政治家」が首相になることを支持しない(確か彼もサドル師も正統政府ではなく、優秀なテクノクラートの政治を支持するつぃていたかと思う。それがどのような人物かについては不明)としつつも、宗教指導者が過度に政治に介入したとの非難を避けるために、慎重な言い方をしたということかと思われます。
しかし、言い方の問題はあっても、シスタニ師がアバディ首相もマリキー元首相も支持しないkとを明確にしたこてゃ、今後の首相選びにかなりの影響がありそうです。
マットもかなりの程度「無いものねだり」の感もあります。

バスラ騒擾

バスラ、さらにはイラク情勢は、依然混とんとしている模様ですが、アラビア語メディから、取りまとめ、次の通り。

・8日イラク議会が緊急に開かれ、サドル師のグループ(サーイルーン)とシーア派民兵のグループal fatahと言う最大派閥グループが、いずれもアバーディ首相の対処ぶりとその指導力に疑問を呈し、首相とその内閣の辞任を求めた由。

・他方現地情勢としては、政府が多数の増派部隊を派遣しバスラに展開したこともあり、9日は大きな騒擾もなく、比較的静かさを取り戻した。
このため、バスラ県全域に施行されていた外出禁止令は撤回された由。

・しかしながら、シーア派民兵al hashad は8日声明を発し、バスラ情勢がこのまま推移すれば、al hashad としては、市民の生命を守り、安全と安定を確保するために、その民兵を展開せざるを得なくなると警告した由。
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