中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

アルジェリア

北アフリカの過激派の脅威(アルジェリア、モロッコ)

チュニジアでは、先日リビア国境のベンガルダンで、ISの大規模な襲撃がありましたが、アルジェリア、モロッコ等の他の北アフリカの国もリビアからのISや武器、サヘル地域からの過激派や密輸に悩まされていますが、al arabiya net は特にアルジェリアとモロッコの最近の状況について報じているので、次の通り、ご参考まで

・アルジェリアでは、複数の地元紙によると軍が、南部の3つの州で、密輸、過激派、双方を兼ねたものに対する大規模な軍事作戦を開始した。
それらはタマンセラット、ベシャール、ワルグラノ3州であるが、15名の兵士が動員され、攻撃ヘリ、偵察機も参加している他、多くの監視塔も設置されている。
また北部から2万名の兵士が南部に移された。
これは先日の天然ガス施設に対する攻撃(人員も物質的な被害もなかった由)を受けてのものであるが、アルジェリアは前から南部でマリ、ニジェール、リビア等からの過激派の浸透、あらゆるものの密輸に悩まされてきた。
またアルジェリアは90年第二は北部の山岳地帯に潜む過激派の活動に悩まされてきたが、3月19日には北部の3大主要都市、首都アルジェ、コンスタンチーヌ、オランでの同時爆破計画を阻止したところであった。
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2016/04/02/عملية-عسكرية-بمشاركة-15-ألف-جندي-جنوب-الجزائر.html
・モロッコでは、内務省が、この1日及び2日に、リビアのISのモロッコ内細胞を摘発したと発表した。
摘発されたのはマラケシュとal samarah を根拠とした細胞の由。
内務省によると、彼らは治安当局等を標的とした道路爆弾等で、モロッコの安定を覆すことを狙っていた由。
また彼らはリビア内にいるモロッコ人のIS要員のモロッコ帰国を支援して、国内でのテロを起こすことを計画していた由。
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2016/04/03/المغرب-تفكيك-خلية-إرهابية-موالية-لداعش-ليبيا-.html

天然ガス施設に対するテロ攻撃の失敗(アルジェリア)

昨夜だったか、アルジェリア南部の砂漠地帯の天然ガス施設に臼砲弾が数発撃ち込まれたが、施設にも人員にも被害はなかったとの報道があったが、それだけの短い記事だったので、あえて書きませんでしたが、どうやらこの攻撃は2013年だったかの日本人も(10名でしたか?)犠牲になったアイン・アメナスのガス施設攻撃の2番煎じを狙ったテロだったが、それに対して増強されていた治安部隊が素早く反応したので、テログループは砲弾を放っただけで逃走したものの様です。
これはal qods a, arabi net が公式筋の話として伝えるもので、攻撃されたのはアルジェリア国営石油会社ソノトラックとBPが採掘しているアルジェリア南部のain saleh 近くのkharishibaの天然ガス施設とのことです。
事件は18日朝6時過ぎに攻撃があり、テロリストはどうやら2013年の事件をまねて従業員施設等から襲い、人質を取り施設全体を占拠する計画だった模様だが、テロ側の人員が少なかったことと警備側の治安部隊が大幅に増強され、襲撃に備えていたので、目的を達せずに、砲撃した後で逃走したものの由。
その後憲兵隊と軍等が付近一帯を捜索するとともに、全従業員に禁足を命じて、調査している由(確か2013年の事件では内部に内通者がいたと思う)。
なお、警備当局としては、最近のチュニジア、リビアでのテロ事件等に鑑み、警備を強化し、警戒を強めていたが、襲撃の3日前にもテロリスト3名を殺害し、武器等多数を押収する寺家が起きていた由。
取り敢えず
http://www.alquds.co.uk/?p=501961

テロの脅威(チュニジア・アルジェリア国境方面)

チュニジアがリビア国境で、ISの浸透等テロリストの活動の脅威を受けていることは何度かお伝えしましたが、今度はアルジェリア国境です。
尤も、アルジェリアとの国境に近い山岳地帯は、アラブの春後過激派が潜んでいて、治安部隊と何度も衝突が起きている場所で、その意味では格別目新しことではありませんが、今度はどうやらアルジェリアにもまたがる相当大規模なテロの脅威の様です。

al arabiya net は、チュニジア治安部隊、軍が、チュニジアのアルジェリアとの国境の西北部の町ケフ(ケフ県の県都)を狙ったテロを未然に防止したと報じています。
テロ計画の詳細は不明ですが、当局によると187日に行われる予定であったテロの関係者複数が逮捕されたとのことです。
このため国家安全保障局長が現場にとび、周辺では治安部隊、軍が多数配備されている由。
また治安関係者が地元紙に対して、隣国のアルジェリアが、最近チュニジアとの国境線全域に渡り、部隊を増派し、検問所やパトロールを増加して、テロの発生を警戒していたと語った由。また地元民は、アルジェリア軍機が、偵察のために間断なく上空を飛行していると語っている由。
チュニジア側でも国境の警備を強化し、アルジェリアとは治安、軍の双方で、密接に連絡しあっている由。
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/tunisia/2016/03/17/تونس-إحباط-عملية-إرهابية-على-الحدود-مع-الجزائر.html
取り敢えず

リビアへの外国軍事介入を防ごうとのアルジェリア外交(アラビア語メディアの解説)

al qods al arabi net は、アルジェリアがリビアに対する外国の軍事介入は悲劇をもたらす可能性が強いとして、それを防ぐための外交努力を強化していると報じています。
同ネットは同時になぜアルジェリアが、外国の軍事介入は危険と考えているのかについても解説していて(外交努力の方はあまり詳しくない)、それ自身は誠に尤もではありますが、あえて言えば、外国の軍事介入の可能性がうんうんされているのは、アルジェリア自身も痛感しているISの脅威に対して、同国も含めて隣接諸国が何ら適切な手を打っていない(できない)からではないかと思うのですがね。
チュニジアとは本の目と鼻の先のサブラタに、チュニジアでの2件の大規模テロの首謀者が、新たなテロを計画して多数のチュニジア人を訓練しているというのに、これに対してチュニジアは勿論、いかなる北アフリカの政府、軍も全く何の手も出さず、米軍の空爆によってやっと殺されたというあたりに、自分たちの問題を自分たちでは処理できないジレンマが存するような気がします。
記事の要点のみ

「アルジェリアは、リビアへの外国の軍事介入は悲劇的な結果をもたらし、自国にとっても起きな災厄をもたらすと考え、それを回避しようと近隣国、外国との接触を強めている。

アルジェリアはリビアとの間に、900kmに及ぶ国境を有し、それを監視し、警戒するのは大仕事で、テロ組織の浸透の可能性は常に存在している。
アルジェリアが外国の介入が危険だという立場は、マリに対する警告の時から一貫している。
まず第1に、アルジェリアは解決は外部からくるものではなく、また治安問題に限定されない問題(過激派対策のことか?)は軍事行動では解決されないと考えている。
さらに外国の介入は、過激派グループのテロに正当化の口実を与えると考えている。
特にかっては過激派のテロのを容認するファトワを出していた、多くの宗教指導者が立場を変え、テロを容認しない立場に代わった現在では、多数の若者のリクルートの口実になるだけであると考えている。
そのような事態が起きれば、リビアのようにまともな政府がないところや、その他の北アフリカや周辺国では、前例のない惨事につながる可能性があると考えている。チュニジアでも治安当局は過激派に対処する能力に欠けている。
アルジェリアでも、過激派は完全に掃討されたわけではなく、ISは彼らを利用しようとしている。
このため国境に近いところでの外国軍の活動は、アルジェリアのテロ活動を再燃させ、特に海岸部や南の砂漠地帯で過激派がまだ潜伏している地域で、それに対処するのは困難だろうとみている。
過激派は外国軍の介入を新しい十字軍として、宣伝に利用するであろう。

先週チュニジア外相がアルジェリアを訪問し、ブーテフリカ大統領に対して、シブシー大統領の親書を手渡したが、話されたことはリビア情勢であるとされていて、この訪問はリビアに対する外国の軍事介入近しの噂と磁気的に合致している。
またこの訪問は、リビア情勢に関して周辺諸国の会議をチュニジアで開くとの、アルジェリアのアラブ連盟等担当大臣の発言ともタイミングが合っている。
アルジェリアは現在、外国の軍事介入を避けるべく、周辺諸国及び諸外国との接触を強化している」
http://www.alquds.co.uk/?p=486054



アルジェリアとIS

リビアでのISの勢力拡大が注目されていますが、ISの北アフィリかにおける次の目標はアルジェリアとモロッコのようです(というか、エジプトにはすでにISシナイ州というグループが存在し、治安当局と盛んに殺し合いをしているし、チュニジアでもISのテロ活動は盛んで、どうやらISは北アフリカ全域を標的にしている模様です。
そうなると、ナイジェリアのボコハラムとかソマリアのアッシャバーブ等、さらに南の過激派組織につながっていくのでしょうかね?
それにしても、矢張りISにとってのリビアの北アフリカにおける重要性が大きくなっていることがうかがえます。

アラビア語メディアから、アルジェリアとモロッコに対するISの浸透工作に関する記事を2つほど
・アルジェリア紙al watan が3日載せた記事によると、ISはアルジェリアにその拠点を作るべく、3名のアルジェリア人を送り返した。
それによると、この作戦を指示したのが、カリフのアブバクル・アルバグダーディで、3人の目標は、アルジェリアの休眠細胞sleeping cells を活性化して、「アルジェリア州」を作ることにある。
彼らの指導者は通称abu maram al jazairi で、シリアに逃げる前は首都から50劼糧爐寮乎呂撚畄稠漂挧Δ凌栃をしていた由。彼はシリアからチュニジア経由で帰国した由。
また近く20名の過激派の裁判があるが(彼らと上記3名との関係は不明)、彼らについてはチュニジア当局が、リビアに巣くっていた20名の過激派がアルジェリアに入るだろうと警告していた由。
また過激派は2014年「アルジェリア・カリフ・兵士」と称する組織を作り、仏人観光客を誘拐して殺害したが、その後当局により掃討された由。
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/algeria/2016/02/03/-داعش-يرسل-3-متطرفين-إلى-الجزائر-لتنشيط-خلايا-الارهاب.html
・アルジェリアのメディアによれば、当局は首都の空港で、シリアにわたりISに参加しようとしていたもの40名を逮捕した由。
彼らは偽造旅券でトルコへ観光目的と称して渡航することにしていたが、当局の情報活動で、その目的がばれた由。彼らがそれぞれ個人的に渡航しようとしたのか、グループとしてなのかは不明。
当局の情報によると、アルジェリア内の細胞と、かってISに参加した者の間では、頻繁な接触があった由。
またアルジェリア当局は200名のモロッコ人が、アルジェリアを経由してリビアに入り、ISに参加する計画であったことを突き止め、これをモロッコ大使に通報した。
アルジェリア外務省はモロッコ大使に対して、多くのモロッコ人がリビアに渡ろうとしていることに関する懸念を伝達した由。
http://www.alquds.co.uk/?p=476347
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