中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

リビア

イタリア軍のリビアへの増派(リビア内での混乱)

確か昨年8月ころだったか、イタリアが不法移民取り締まりのための訓練の目的等で、リビア統一政府(セラージュ)の要請に基づき、軍艦2隻を派遣したが、これに対して暫定政権(ようするにhaftar将軍の支持するトブルク政権)が反対した事は報告したかと思います。
どうもこのイタリア軍のリビアへの派遣は、どこか歯切れの悪い話で、そもそも派遣を要請したはずのトリポリ政権さえ、あまりそのことを知られたがっていない様子が見て取れます。
その所為かどうか、イタリア政府がリビアの治安部隊に対する協力と訓練の為に、更に兵力を増派する(これまで派遣した400名に加え、さらに100名の兵士と30両の車両を派遣する由)ことを決め、この決定をイタリア議会が18日承認したことに対して、リビア国内で議論が巻き起こり、決定取り消しを求める声が出ているとのことです。
haftar 将軍派のトブルク政府が、これはリビアの主権侵害で、リビアは適当な措置をとると威嚇したのは、前回の時の対応から、さもありなん、というところですが、更にセラージの統一政府までもが、イタリア大使館に口上書を送って、至急この問題についての説明を求めたとのことです。
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/01/20/طرابلس-تطالب-روما-بتوضيح-عاجل-حول-قواتها-في-ليبيا-.html
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/01/19/ليبيا-انتقادات-للتواجد-العسكري-الإيطالي-في-البلاد.html
取りあえずの報道は以上ですが、こうなると何がどうなっているのか、皆目理解できなくなります。
いくらリビアがイタリアの旧植民地だったからと言って(というか、それだからこそなおさら)イタリアが正統政府…セラージ政府…の要請や承認なしに、部隊を派遣することがあるとは思われず、特に議会の承認を得るには、その辺も十分説明したはずです。
それを今になって、統一政府が説明を求めるとはどういうことか?昨年8月の時点に比してもさらにその権威と力が亡くなっていて、国内の批判にこたえるt能力も無くなったいるので、責任をイタリア政府に転嫁しようしているのでしょうか?
リビア側の事情はともかく、イタリアから見れば、リビア経由の不法移民問題は依然として深刻な問題で、何らかの対策を講ぜざるを得ないということなのでしょうね。

















スーダンからの傭兵の暗躍(リビア)

al qods al arabi net はスーダン、と言っても実際委はスーダン政府と依然対立抗争している、ダルフール反乱グループですが、それらがリビアで傭兵として活動し、更に武器、石油等の密輸にもかかわっていると報じています。
この記事は国連安保理の専門家による報告書によるとのことです。
勿論この種問題についての事実関係の確認は難しい問題ですが、相対的に人口の少ないリビアは、カッダーフィ時代から出稼ぎ労働者に加えて、チャド等からの傭兵に頼ってきました。
そも意味では十分あり得る話で、スーダン政府に反乱している分子が、スーダン政府とは犬猿のhaftar将軍側についていると言うのも、何やらありえそうな話です。
なにはともあれ、記事の要点のみ

「先週5人からなる専門家が安保理に、リビアにおけるスーダン人傭兵の活動に関する報告書を提出した。
それによるといくつかのダルフールの反乱グループが、リビアの複数の勢力と南スーダンお為に傭兵として、働いている由。
最も大きいのが「スーダン解放軍」と「スーダン解放運動移行評議会」の2つの由
その中でも前者が最大の勢力で、haftar将軍の部隊のために傭兵として働いている由。彼らはリビアに数百名の戦闘員と150両の車両を有し、その参謀長と副参謀長もリビアに居る由。
彼等は月250〜500ドルの給料を受け取っているが、また彼らの誰かが死んだ場合でも、リビア人の場合のように、その部族が慰謝料等を要求して面倒なことになることもなく、経済的に便利の由。
彼等は戦闘に従事するほか、武器、石油や更に難民の密輸等にもかかわっている由。
http://www.alquds.co.uk/?p=862404































リビアの化学兵器の最終的処分

al arabiya net は、米大統領府報道官が11日、リビアがカッダーフィ時代の化学兵器を完全に廃棄したことを歓迎し、シリアに対して同国も同じように化学兵器を全面的に廃棄するように呼びかけた、と報じています。
(シリアの化学兵器については、政権側が何度も使用し、このためオバマがシリア政府はred line を越えたとして、攻撃の意向をちらつかせたが、ビビり、結局は化学兵器禁止条約機構等がシリア政府の申し立てに従い、サリン等を搬出して、全量廃棄したとしたが、その後もアサド政権の化学兵器使用が続いた・・・要するにアサド政権は、保持する化学兵器をすべて申告した訳ではなかった・・・として、トランプ政権は確か2017年にシリアの基地を巡航ミサイル等で攻撃したと記憶しています)
また化学兵器禁止条約機構も、11日、カッダーフィ政権時代の化学兵器500トンが、ドイツ西部のmunstr(アラビア文字からの訳)の特別施設で、最終的に廃棄されたとして、これは人類にとって歴史的な成果であるとした由。
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/01/11/ليبيا-تدمر-كيماوي-القذافي-وأميركا-تهنئ.html
確か、リビアの化学兵器は、リビア革命後、南部の砂漠地帯で保管されていて、リビアの治安が悪化するにつれ、それが過激派の手に落ちることが懸念されていたかと思います。
確かそのために米等NATOが特殊部隊等を派遣して、その安全を確保しているという報道があったような気がしますが、噂程度だったかもしれません。
何はともあれ、歓迎すべき動きではあります。

大量破壊兵器の問題では、当面北朝鮮の核とイランの核開発問題がありますが、確か北朝鮮は化学兵器や生物兵器も保持しているように思います。
全く剣呑な隣人です。

リビアでの油送管の爆破と原油価格の上昇

本日のCNN等で報道していましたが、リビアでの輸送管の爆破を受けて、原油価格がこの2・5年間で最高のレベルに上がったとのことです。

原油価格の上昇については、アラビア語メディアの中で、al arabiya net が報じていますが、原油価格は目安のブレント原油で、26日66・83ドルを付けた由。その後若干値を戻し、GMT1700には66・76ドルとなった由。
また米国の西部テキサス原油も一時59・86の高値を付けた由。

リビアの油送管の爆破については、リビア軍によると、26日、内陸のalbariqa地帯の東南のmrad油田からシドラ港に原油を送る油送管が爆破され、7万〜10万トンの原油が失われた由。
爆破の状況については、過激派二人が爆薬の入った袋を油送管お下に置いて逃げたという説と、4輪駆動車が爆薬を仕掛けて逃走したという説がある模様。
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/12/26/-ليبيا-مجموعة-إرهابية-تقوم-بتفجير-خطا-لنقل-النفط.html
http://www.alarabiya.net/ar/aswaq/oil-and-gas/2017/12/26/برنت-يتخطى-66-دولارا-أعلى-مستوى-بعامين-ونصف.html


















リビア情勢(haftarの政治解決拒否等)

リビアに関しては、一時ISの南部における動きとか、各地での不安定な情勢について、連日報道があったような気がしますが、このところその種報道が見られませんが、状況が大きく改善したということではなく、ようするにあまり変わり映えのしない不安定な状況が続いているのでしょうか?

そのような中で、安保理が政治的解決に関するスヘイラート合意が政治的解決のための唯一の道であるとして、これを支持する議長声明を発した事は先日報告しました。

然るに、その後そもそもそのスヘイラート合意の実施を妨げてきた、リビア軍司令官とされるhaftarが、17日、この合意の2周年記念日に際し、合意は終了したとして、今後同合意から生まれたいかなる組織の命令も受けないと宣言しました。
この宣言はリビア国民向けとしたTV放送でされたもので、haftarはその中で、大国のリビアへの介入を非難し、政治的解決と称するこれまでの諸機関の無力さを非難し、リビア国民はよりまともな政治的組織を持つに値するとした由。
また、彼はリビア国民のために働く意図を有しているとして、2018年の大統領選挙に出馬することを示唆した由。

他方、このhaftar の声明の数時間後に、チュニジアで会談していた、アルジェリア、チュニジア、エジプトの3国代表は、スヘイラート合意がリビア問題の政治的解決の枠組みであるとして、これに対する支持をj表明した由。
国連のリビア特別代表も、リビアの各派に向けて(具体的にはhaftarを目指したと思われるが)、リビア問題の政治的解決を危うくするようなことをしないように、と呼びかけた由。

またセラージ統一政府首相はアルジェリアを訪問し、リビア問題について協議中の由
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/12/18/ليبيا-دول-الجوار-تدعم-الاتفاق-السياسي.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/12/17/دول-جوار-ليبيا-يتمسكون-بالعملية-السياسية
http://www.alquds.co.uk/?p=846149
取りあえずの状況は以上で、今後リビアがどう動いていくのか、要注意ですが、スヘイラ―ト合意の実施を、実質的に最も阻害してきたhaftar将軍(尤も直接的には、そもそも統一政府の承認をすべきトブルク議会の議長が、そのための会議を開かず、これまでセラージの政府を宙ぶらりんのままにしてきたことが原因だが、どうもその後ろにはhaftarがいるように思われます。個人的な見方ですが)が、間接的にでも、大統領選挙出馬をほのめかしたことは、リビアでも軍事独裁政権の可能性が出てきたことを示唆するもののようです。
haftar はエジプトと緊密な関係を有しているようで、仮に彼の大統領が実現すれば、北アフリカのエジプト、リビアの両国に軍事独裁政権が出現するということになるのでしょうか?






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