中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

パレスチナ

IDAのガザトンネル爆破

ガザとイスラエルの間では、これまでもロケットの発射と報復が何度も繰り返されてきましたが、今回はイスラエル機によるガザのラファアの南の敵対地域の空爆です。

空爆は13日夜行われましたが、その直前には近くの検問所が閉鎖されたとのことです。
イスラエル軍は、敵対的な目標とだけ説明しているが、パレスチナ筋は、密輸トンネルが対象だとしている由。
この事件にどういう背景があるのか不明ですが、これを報じるy net news も、この攻撃はロケットの発射に対する報復でもないし、また最近ガザにおける抗議行動は沈静化しつつあったとして、これまでとは性質が異なるとコメントしています。
また、これまではこの種IDAの攻撃に関してはアラブメディアの報道も必ずと言っていいほどありましたが、今回は今のところアラビア語メディアには、報道は見当たりません。
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5070502,00.html

ということで、背景は不明ですが、これまでのパターンとは異なるということで、気になる事件です。
というのは、これまでイスラエル側はガザからイスラエルへのトンネルが、兵士の誘拐やイスラエルへの浸透に使われたとして、その破壊が戦略的目標だとしていることで、今回もその一環としての作戦と思われますが、アラビア語メディア等が報道する前に、イスラエル軍が空爆を認めたことは、イスラエル軍お能力を誇示して抑止力としたのかもしれませんが、どことなく今後の作戦に備えてのものかなどという疑念も浮かぶので・・・・
取りあえず





パレスチナ人の抗議継続

トランプのエルサレム宣言に対するパレスチナ人の抗議は、11,12日も続き、y net news は11日西岸とガザで、それぞれ1名の青年が死亡し(国連はイスラエルが実弾を使用していることについて、即時調査を要求した由)6名が負傷したと報じています。
他方、al jazeera net とal qods al arabi net は、12日(金曜日)も西岸とガザで、パレスチナ人の抗議と、イスラエル治安部隊との衝突が続き、ガザと西岸で300名が負傷し、7名がタホされたと報じています。
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5069843,00.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/1/12/إصابة-100-فلسطيني-في-مواجهات-مع-الاحتلال
http://www.alquds.co.uk/?p=860052

エルサレム宣言については、開催されるとされていたアラブ首脳会議の開催されそうな気配もなく(そもそも、12日の抗議行動についてサウディ系のal arabiya net が、全く報道もしていないこと…昔ならイスラム2聖地の守護者として大騒ぎしていたはず・・・・がサウディの関心が低いことを物語っているように思われる)、アッバス議長が米国がパレスチナ和平の調停者の資格を失った、などと叫んでも、米国に変わるべき調停者も見つからず、全く打つ手のない状況が続いているかと思います。
そのような中で、パレスチナ民衆、特に青年たちのフラストが高まっているのが、上記死傷者の数に反映されているように思われますが、このまま状況がが続き、パレスチナ人の死者がさらに増えるようなら(今のところ、事態はそちらに向かっているように見える)、西岸、ガザ、特にガザでの過激派の一層の台頭を招き、イスラエルに対する攻撃と、それに対する報復の連鎖が起きるような気がしてなりません。
取り越し苦労なら良いのですが・・・




ガザとイスラエルの砲火の応酬

どうもこのところ、イスラエルとガザの間での攻撃の応酬が、ルーティンみたいになているのでうっかり忘れていたかと思いますが、3日ガザからイスラエルの3発のロケットが発射されました。
それに対して、IDFは空軍機が5日早朝ガザのテロ拠点を空爆したとのことです。

このニュースについては、aljazeera net と、y net news が報じていますが 、前者はIDFの空爆について人的被害はなく軽微な物的被害があっただけであると報じています。
これに対して、今回のIDFの発表では、いつもの決まり文句の「ハマスに責任がある」という文言が消えていて、更にいつものように詳しい対象の説明はなく、単に「中心的テロのインフラ」を攻撃したとだけ声明しているとしています。
さらに仮に、この文言が、過激派の指導者等を狙った暗殺であれば、パレスチナ側では大騒ぎになっているはずでそうでないところから見ると、新しい地下トンネルを破壊したのではないかと推測しています。
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5066232,00.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/1/4/قصف-إسرائيلي-جنوبي-غزة
IDFはその作戦については、かなりの報道規制を敷くので、今のところ果たして地下トンネルが破壊されたのか否かは確認できません、
しかし、IDFの一つの主要な作戦目的が、イスラエルへの浸透を防ぐための、地下トンネルの破壊であることはこれまで何度も報じられてきており、十分あり得る話かと思います。
今回も、トンネル破壊に伴って、過激派分子に死傷者が生じていれば、彼らが更に報復のためにロケットを発射することは必至ですので、しばらくはガザ情勢は要注意でしょう。















IDF参謀長の講話

al qods al arabi net とy net news は、2日ヘルツェリアのアカデミーで講話を行い、現在イスラエルが直面している脅威について話をしたと報じています。

彼の講話で興味があるのは、政治家等がガザからのロケット弾に対して、より厳しく対応すべきと要求していることを批判し、イスラエルへの脅威はむしろ、シリア、レバノンのイラン勢力とヒズボッラーからであると強調した事です。
中々冷静な分析かと思いますが、先日ご紹介したガザが危ないという分析とは違いますね。
記事の関連部分のみ、次の通り

・イスラエル参謀長は、政治家がガザからのロケットに対して、最大の力で応戦すべきと主張することを、無責任で、間違っていると批判した。
彼は、イスラエルとしては1発のロケット発射も受け入れないが、ガザからの脅威に対しては、その程度に応じた対応をしているとして、IDFは十分な対応能力を有しているとした。
彼は、イスラエルとしては不安定なガザ情勢を更に深刻化させるつもりはないとして、ガザでは200万の住民が、、厳しい経済、社会的状況に置かれているとした。
このためハマスはPLOに頭を下げざるを得ないのだとした。
・参謀長は、ハマスはガザの平穏を保つために、むしろ占領下の西岸で、民衆を扇動して、一匹狼のテロをやらせようとしているt語った。
・ヒズボッラーに関しては、彼らは過去2年間で、レバノンの守護者という看板から、シリア、イラク、イエメン等で、イランのために行動する分子へと変化したとした
彼らは2000名を失い1万人に近い負傷者を抱えた由。
・彼は更にイスラエルにとって最大の脅威は北部戦線で、レバノン及びシリアには大量のイラン勢力が存在するとした。
彼は、そこには8000名のヒズボッラーに加え、2000名のイラン技術者、1000名近いイラク、アフガン要員がいるとした。
http://www.alquds.co.uk/?p=854338
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5065252,00.html









IDFのガザ空爆

正月早々,ガザからロケット弾がイスラエルに発射され、イスラエルが報復することは必至であろうと書きましたが、まさしくその通りで、イスラエル機は2日朝、ガザのハマス拠点(パレスチナ筋によればkhan yunes の由)を空爆しました。
この空爆での人的被害の有無は不明です
http://www.alquds.co.uk/?p=853888
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5065037,00.html

イスラエルは、ガザを支配しているハマスにすべての責任があるとして(シリア空爆の時と同じ言い分)ハマス拠点を空爆しているところ、イスラエル紙ネットがハマスもガザからのロケット発射を望んではいない(まあ、自分たちが報復の対象となるのだから、当然でしょうが・・・)が、過激派を完全に抑える能力も有していない,
という分析を書いたのを紹介した記憶がありますが、現在の一連の動きは正しくそれを地で行っていると思います。
残念ながら,新年も当面はロケット発射と報復の連鎖が続くのでしょうが、何かのきっかけで大規模紛争に発展しないことを願うばかりです。

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