中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

アラブ首長国連邦

トランプ当選に関するUAEとサウディの関与

トランプ大統領が出現するかしないうちから、彼の当選にロシアの情報機関が関与した(彼の選挙チームと共謀の疑いすらある)疑いが浮上し、ムラ―特別検察官がその捜査のために任命されましたが、この5月で任命から1年がたつというので、初めから彼を罷免したがっていたトランプが彼を罷免することに決めたとか、そうではないとかのうわさが米国では渦巻いている模様です。
(トランプ陣営とロシア情報機関の共謀はともかく、、報道を見る限り、ロシアが選挙に情報機関を通じて介入したとの見方は、米情報機関の共通の認識のようで、こちらの方は米政界でも広く共有されている見方のようです)

この問題について、今度は中東諸国、具体的に言えばUAEとサウディとおそらくはイスラエルが介入したとの疑惑が持ち上がっているようで、特別検察官は既にイスラエルに調査チームを派遣して、関係したとされるイスラエル人実業家のオフィス等を捜査して、証言を求めたとのことです。

これはal jazeera net 、al qods al arabinet,haaretz net が報じるところですが、前2者はwall street journal  を引用して、またal qods al arabi net の別の記事およびhaaretzは 、NY times、 を引用して、報じています。
何しろかなり長い記事ばかりで、またトランプ政権とイスラエルや米国の情報会社等との関係をよく承知しないとなかなか理解しにくい話ですが、どうやらこの疑惑の中心に居るのがJoel Zamelとかいうイスラエル人の実業家で社会情報の専門家のようで、彼がGeorge naderとかいうUAE政府のために働いているㇿビーストと協力して、トランプ政権実現のために、クリントン候補の追い出しのために働いたというものです。
どうやらその報酬らしい200万ドルがNaderからZamelの会社に支払われたとかいうもののようで。
彼らが、トランプタワーでトランプの息子などと会ったなどと言う話も、ロシアの介入問題でよく聞かされてきた話とうり二つです
なお、al qods al arabiの記事は、当初のところで、サウディの関与も書いてはいますが、Naderなどと言う名前が尤もらしく出てくるUAEと違って、サウディとの関係を示す具体的な記述はなさそうです。
http://www.alquds.co.uk/?p=938336
http://www.aljazeera.net/news/international/2018/5/21/تحقيقات-مولر-تمتد-لرجل-أعمال-إسرائيلي-مرتبط-بالإمارات
https://www.haaretz.com/us-news/mueller-s-team-questioned-witnesses-in-israel-seized-computers-1.6098364
この話がどの程度まで事実か等については、何しろ特別検察官が介入している話のようですから、そのうちより詳細がわかるでしょうし、またこのブログを見るよりもCNNとかBBCとかの欧米メディアをご覧になった方がより迅速で的確な情報を得られるかと思います。

しかし、仮にこの話が本当であれば、UAEやサウディとトランプの蜜月関係の背景が相当程度説明できることになるかと思われ、またイスラエルの会社が関係しているということはおそらく、その時点ですでに対イランをにらんで、トランプーイスラエルーサウディーUAEの密約ができていて、その後のトランプの対イラン政策やエルサレムへの米大移転とサウディ等の柔軟な❓対応も説明できるのかもしれません。
仮に事実として、これらの動きの黒幕はイスラエルでしょうか?サウディの皇太子辺りでしょうか?
いずれにしても、現時点で何か確定的なことは言えないが(何しろロシアゲートですら、まだ結論は出ていない!)矢張り中東というところは百鬼夜行なのでしょうか?
それともロシアの介入と言い、UAEやサウディと言い、矢張り中東は金が物を言う世界だということでしょうか?




アデンは占領地?(イエメン内相の発言)

スコトラを巡るイエメン政府とUAEとの対立問題は、取りあえずUAE軍の撤収で収まったが、暫定首都のアデンを含む南イエメンで、UAEが占領者のようにふるまっているという問題については、先ほど触れておいたところです。

この問題についてjazeera net はイエメンの内務大臣が、米BBS放送に対して、アデンは占領地で、そこに入るにはUAEの許可を得る必要があると語ったと報じています。
内相はアデンでは、政府は空港と港に入ることを許可されておらず、アデン市に入りこと自体許可を必要としているが、自分には監獄の管理権さえないと語った由。
これはUAEによる占領を意味するのか?との質問に対しては、UAEとは良好な関係を希望しているが、今後数か月の間の事態の動きが答えを出すだろうと語った由。

他方ロイターも、スコトラ島のUAE軍による占拠に関し、イエメンのハイレベルの者は、アラブ連合のイエメン内戦への介入は、正統政府支援の為だから、hothy グループから解放した土地は政府軍に明け渡すのが当然のことだが、UAEはアブダビの政治的、経済的な利害で動いていると非難したと報じている由。
更にイエメンは貧乏な国で、UAEがイエメンから得るものは少なかろうが、イエメン人は少なくとも戦うことは知っていると警告した由
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/5/18/وزير-داخلية-اليمن-عدن-محتلة-وندخلها-بإذن-الإمارات
このメディアは、カタール系のものでもあり、果たして本当に内務大臣ともあろうものが、ここまであからさまにUAEを批判(非難)したかどうかは不明ですが、彼の言っていることは、これまでのUAEの行動からすれば、多くのイエメン人が不満に思っていることを口にしただけかとも思われます
取りあえず






UAE軍のスコトラよりの撤退

イエメン領でインド洋に浮かぶスコトラ島にUAE(アラブ首長国連邦)が軍を派遣し、特に空港と港を制圧し、イエメン政府が国連安保理に苦情を申し立てていたこと、およびその後サウディ使節団が軍とともに、スコトラ島に到着し、イエメン政府とUAEの間を調停し、イエメン首相もスコトラの危機は終焉したと声明したことは先にお伝えしました。

al jazeera net はこの問題について、イエメン当局者は同放送に対して、UAE部隊と資材は撤去されたが、一部の文民は残留していると語ったと報じるとともに、イエメンTVは実際に撤退の模様を放映したと報じています。

また、先に書いた通り、サウディ軍の規模は不明ですが、サウディ軍は島に残留している模様です。

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/5/17/الإمارات-تسحب-قواتها-من-سقطرى-اليمنية

取りあえずは、UAEのイエメン南部における、最も露骨な帝国主義的行動は取りあえずは収まった模様ですが、この半年から1年くらいの間、アデンのみならずその他の南部イエメン地域においても、UAEは分離主義勢力を支援する等の方策で、そもそも自分たちが支援するために介入したはずの、イエメン正統政府(hadi政府)の足元を崩す行為を継続してきました。

このような行為を見ていると、介入の主力たるサウディとUAEの間ではイエメン分割(植民地にするよりも、自分たちの勢力圏として分割する)の密約、または暗黙の了解があるのではないかとの疑いはぬぐいきれません。
確か、イエメンの中でもそのような見方もあるようです。

その意味で、今回のスコトラ島事件はUAEの若干の勇み足かとも思われ、今後UAEとサウディがどのように動いていくのかが注目されます。

スコトラ島問題(イエメン)

UAE軍がインド洋に浮かぶスコトラ島に兵員を送り込み、空港、港を選挙したが、この問題の調停のためにサウディ軍が送り込まれたことは先に報告しました。

その結果、イエメン首相は13日危機は解決され、スコトラ島はイエメン領土あることが確認されたとして(関係施設に再びイエメン国旗が掲げられた由)、スコトラ島を離れ、アデンに向かい、アデンからリヤドに向かう由(リヤドではhadi大統領に報告し、今後の方針を協議するものと思われる)。

しかし、この問題について、現地イエメン関係者は、UAE軍は空港及び港の占拠を止め、それらから撤退したが依然として島に残っていて、今後とも再び問題が生じる可能性があると語っている由。

http://www.alquds.co.uk/?p=934541
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/5/14/الأزمة-انتهت-العلم-اليمني-يرفرف-فوق-سقطرى

UAE軍が依然スコトラ島に残っていることは上記2のメディアの報道で共通していて、おそらくはその通りかと思われる。
想像するにUAE軍の進駐に対する、島民及び南部イエメンの民衆の反応が厳しかったので、サウディとしても調停に乗り出さざるを得なかったが、UAEも結構強腰であったので、サウディとしては彼らの空港と港からの撤退で、形をつけ、弱い立場のイエメン政府としては取りあえずこれで、問題解決ということにせざるを得なかったのではないかと想像されます。
ということはこの問題は今後とも尾を引きそうで、UAEの域内覇権を求めるようなやり方が気になります。

ネタニアフとUAE,バハレン大使のレストランでの同席

先ほどレセプションへの大使の出欠は、その国の態度を占ううえで、重要なインディケーションだと書きましたが、レストランでの同席も、その意味ではなじ要な意味を持っているかも知れません。

al qods al arabi net とal jazeera net は、AP通信を引用して、UAEとバハレンの大使が米ジョージタウンのレストランでネタニアフと同席したと報じています。
それによると、3月のことだが、UAEとバハレンの大使が、レストランで国務省高官や新聞記者と食事をしていたところ、UAE大使がネタニアフとその夫人がいることに気が付いて、レストランの主人に、ネタニアフとその夫人を自分たちのテーブルに及びしたいと伝えるように依頼し、ネタニアフがこれに応じて、彼らのテーブルにジョインし、親しく握手をするとともに歓談した由(内容はUAE大使によるとイラン核問題等の由)
http://www.alquds.co.uk/?p=933687
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/5/12/نتنياهو-وزوجته-على-مائدة-العتيبة
記事はこれだけで、どこぞ映画やスパイ小説の一説みたいな感じさえしますが、考えてみれば、確か先日のトランプのイラン核合意からの離脱を支持した国の中では、サウディ、UAE,バハレンの名前が特に注目されていましたが、最近サウディも含めてこれら湾岸諸国のイスラエルとの接近が報じられている折から、この程度のことが起きてもおかしくはないかもしれません。
更に言えばこれらの国、その中でも特にイスラエルは世界でも有数の情報機関を有している国ですから、今2つの食事会も、全くの偶然のものではなく、あらかじめ情報機関同士の接触等で、偶然を装うことにしてセットした可能性さえありそうです。

まあ、そこまで言うとスパイ小説の読みすぎと言われかねませんが、中東では「小説よりも奇なる」ことが起きても不思議ではない地域ですので・・・・・







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