中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

イスラム

アルバイーン(カルバラ  イラク)

現在イラクのカルバラ(その昔預言者の孫が殉教した地)では、シーア派の伝統的なアルバイーンの行事(フセインの殉教から40日を追悼する行事)が行われていて、イラク内外からシーア派の信者1400万(報道のまま)が集まっているとのことです。
今年はイラクではISがほぼすべての拠点から駆逐されましたが、未だテロを行う能力と意図はあるとして、軍、警察、シーア派民兵等35000名が警備に駆り出され、多数の検問所も設置され、身体検査のために1500の女性警官も配置されたとのことです。
確か行事はまだ始まったばかりで、20日頃がクライマックスだとか聞きますが、とにかくこれだけの群衆が集まるのはISの最適の標的でしょうから、無事行事が終わることを願っています。
http://www.alquds.co.uk/?p=824265




ラスベガスの大量殺人(風刺画)

f7d4304d-cf29-49c1-aacb-bbf0c75a2894[1]最近のラスベガスでの大量殺人は、どうやら個人による犯行で、背景は不明だが、テロではないとされているようで、これに対してアラビア語メディには、ムスリムの場合はすぐテロと決めつけるのに、非ムスリムの場合には、個人的理由だとするが、これは差別的扱いだ、という声もあるようです。
それに関して風刺画ですが上の方はムスリム、テロという双方に印がつけられ、下の方は非ムスリム、精神問題というところに印がつけられています。
http://www.aljazeera.net/news/caricature/2017/10/3/كاريكاتير-لعبة-الفروق

事件に関し、ISが犯行声明をしたとかいう報道もありますが、どうもイスラム教徒のフラストの象徴のような漫画です。







アシューラ期間のテロ

これまで毎年、シーア派の最大行事であるアシューラに際しては、イラクのバグダッドからカルバラ(フセインの聖廟がある)にかけてアルカイダやISによる大規模なテロがあり、多数の犠牲者が出ていましたが、今年はそのような報道は全くありません。
何しろシーア派にとっては最重要な行事ですから、行事そのものが取りやめられたということはないと思われ、矢張りイラクではISのテロ能力も含めた活動力が極めて低下していることと、イラク軍と警察の治安維持能力がはるかに向上していることを物語るのではないかと思われます。

・この期間にテロが報じられているのは、バハレンとダマスくらいで、バハレンでは内務省によればアシューラの行事中に、首都マナマの西で、爆発があり、警官5名が軽傷を負ったとのことです。
犯行声明等は出ていない模様です
・もう一つはシリアのダマスで、al meedan 地域の警察署に対し、2名の自爆者が攻撃を掛け、17名(15名との報道もある)死亡し、8名が負傷しました。
この警察署は今月16日にも児童の自爆者により攻撃されたとのことで、アシューラの行事との関連は不明ですが、取りあえず
http://www.alquds.co.uk/?p=801239
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/10/02/سوريا-تفجير-في-حي-الميدان-بدمشق-.html

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/10/2/قتلى-وجرحى-بتفجير-في-حي-الميدان-بدمشق





カイロのフセイン廟の閉鎖

シーア派が神聖視する3代目のイマーム・フセインの聖廟がカイロにもあるとは知りませんでしたが(彼は確かムアウィアによって簒奪された、イスラム世界の指導権を奪還すべく、少数の部下と従弟だったかとイラク方面へ進撃する途次、カルバラでカリフ軍に待ち伏せされ、彼らは全滅し、フセインの遺骸はカルバラの聖廟に祭られていると聞いている)、al qods al arabi net はイスラム歴のムハッラム月10日(この日が彼の殉教の日とされて、シーア派にとっては最大の)行事のアーシューラがあるはず)にこの1日が当たるために、その前日からエジプト当局が同聖廟を閉鎖したと報じています。
尤もワクフ省次官は、聖廟が完全に閉鎖されることはなく、少数の信者がその前で祈ることはできるとしている由。
(その意味は、聖廟で、何らかの宗教的行事、特にシーア派のやる行進などをすることが禁止されるということか?)
なお、シーア派の研究家によればエジプトのシーア派人口は200万人とのことだが、半公式筋(どこのことか?)は数千人に過ぎぬとしている由
http://www.alquds.co.uk/?p=799991
ずいぶん昔のことのような気がするが、アラブの春のあと、エジプトでもムスリム同胞団の勢いが強かったころ、カイロ近郊のギザの低所得層の村のシーア派信者を訪れた、シーア派の指導者の一人が、周辺の住民に発見され、彼ともう一人だったかが殴り殺された事件があったと記憶しています。
おそらく当局としては、同様の事件の発生を恐れたのでしょう。
なお、一般にエジプトにはシーア派信者の存在は知られていませんが、何しろ十字軍時代には、ファーティマ朝というシーア派の王朝が君臨していた…彼らはチュニジアから船でやってきた由・・・ことがあったので、その後もいわば隠れキリシタンのようにシーア派の信者が残っていても不思議はないかもしれない。
因みに、このアシューラというのはシーア派にとって最大の宗教的行事の日で、この日にはイランを含めて膨大な信者がカルバラに集まるので、彼らを狙ったアルカイダやISのテロが毎年あったが、今年はそのために厳重な警戒が敷かれているという報道もなく、イラクについては専らクルド自治区の問題が話題になっているのは、矢張り現実にもイラクにおいてはISの勢力が大きく減退した一つの証左かもしれません

前大統領に対する45年懲役刑の確定(エジプト)

先日エジプトの前大統領に対する、カタールとの謀議の件で25年の懲役刑が確定したとお伝えしましたが、al arabiya net は、エジプト控訴審の弁護士が、この判決で先に控訴審で確定した、デモ参加者に対する殺害容疑の20年と合わせて、ムルシー前大統領に対する45年の刑が確定し、彼はこれ以上は上訴できないと語ったと報じています。
同弁護士はさらに、ムルシーが大統領在任中に自分に対して与えた勲章の授与を取り消す訴えも起こす考えであると語った由。
この勲章には月177000EPの給付金もついているが、仮に取り消しの事態となれば、前代未聞のこととなる由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/09/16/بعد-حكم-النقض-45-سنة-سجنا-جملة-الأحكام-ضد-مرسي.html
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