中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

イスラム

チュニジアの政治危機

チュニジアの現内閣は、大統領シブシーの流れをくむ世俗派と穏健イスラム主義政党ナハダ党などからなる連立政権ですが、寄り合い世帯である所為か、ごたごたが絶えず、確か内務大臣が4月に罷免される事件がありました。(さらに、あろうことかこの前内務大臣がUAEの情報局長とクーデターをたくらんでいたなどと言う話が仏メディアで報じられたことは報告済み。)

その後も、チュニジア政界のごたごたは続いている模様で、al qods al arabi net とal arabiya net は、シブシー大統領が15日、TVとのインタビューで、チュニジア政治は「悪い状況からさらに悪い状況」に向かっているとして、このままでは政府は国民の負託にこたえられないとして、yusef al shahed に対して、もう一度議会の信任を得るか、辞任すべきだと呼びかけたと報じています。

また大統領は、(先日、ナハダ党が2019年選挙ではガンヌーシ党首の立候補もあり得るとしたことを意識したか?)、政治家が2019年の選挙を意識することは理解できるが政府はとにかく今日明日のチュニジアのために尽くすべきだとして由。

https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/07/16/تونس-السبسي-يدعو-الشاهد-للاستقالة-أو-اللجوء-للبرلمان.html
http://www.alquds.co.uk/?p=975303

今回の大統領の首相に対する辞任(または再信任)呼びかけが、前内相罷免問題と直接関係しているか否かは不明ですが、記事は現内閣はチュニジアの改革を任せられ、税制、補助金、雇用問題等について改革を進めることが職務であったが、未だ財政赤字、成長率の低さ、失業問題、貧困問題等を抱えているとコメントしています。
大統領がここまで公言すれば、政府も辞職か議会の再信任を求めるかしかなくなるでしょうが、取りあえず。

初のチュニス女性市長の誕生(チュニジア)

チュニジアでは現在各地で地方議会等の選挙が行われている模様ですが、首都チュニスでは、ナハダ党の女性が初の女性市長に当選したとのことです。
選挙は議会で行われた模様で、彼女の得票26票に対して、「チュニジアの声」(シブシー大統領が創設した世俗主義党)の候補者が22票だったとのことですが、これは第2回目の投票で、第1回目では、上記2名を含めて4名の候補者がいて、そのいずれもが過半数を取れなかったために、決選投票になったとのことで、残りの2名の党は決選投票には参加しなかった由。

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/7/3/مرشحة-النهضة-تفوز-برئاسة-بلدية-تونس


確かチュニジアでは、今後1年の間に大統領選挙があるはずで、ナハダ党の党首のガンヌーシが立候補するのか否か、その去就が注目されているという報道もありましたが、ナハダの女性市長(しかも首都!!)の登場が、ガンヌーシ大統領の出現にどう影響するのか注目されます。
もっとも彼女は自分では独立派としている由。

イスラエルの占領地におけるラマダンの大砲(風刺画)

07qpt777[1]風刺画の題名は、「ラマダンにおけるイスラエル占領地の大砲」というものです。
之には若干の解説が必要かと思いますが、かって中東のほとんどの都市がそれほど大きくなかった時代には、ラマダン期間中に断食の終わりを告げるために、街の中心で大砲の空砲を鳴らして知らせたものでした。
そんな昔にはカイロにもいませんでしたが、60年代にはまだ断食明けの時間はラジオが大砲の音を伝えて、知らせていたと記憶しています。
その音のことをみな「ドン」と呼んで、食事を前にして、お預けの状態で待っていたものです。
風刺としては、それが現在のイスラエル占領地では、実際の戦車砲による砲撃に代わっているという皮肉でしょう
http://www.alquds.co.uk/?p=950563
 




イエメンのイフタール(風刺画)

17qpt777[1]切ない風刺画ですね
題名は「ラマダンのイエメンのイフタール」です。
ぼろを着たイエメンの女の子が差し出した、空の茶碗に入ってくるのは、爆弾だけです。
背景ではイエメンの町が燃えています。
因みにイフタールと言うのは、ラマダンの間の一日の最初の断食明け食事(日の入り時に食べる)です。

http://www.alquds.co.uk/?p=936871

イスラム諸国会議(イスタンブール)

先にも報告したイスラム諸国会議の緊急首脳会議は17日、イスタンブールで開かれ(現在トルコがその議長国)、最終声明では、パレスチナ人の保護の必要性や他の国(ということは米とかグアテマラとか既に実施した国以外)の大使館のエルサレム移転を阻止する必要性を強調したとのことです。

hurryiet net によれば、この緊急会合に出席したのは、首脳も含めた40国で、その直前に開かれた外相会議には15国が参加した由。

同ネットによれば、出席した首脳は

トルコ大統領の他、ヨルダン国王、クウェイト首長、カタール首長、イラン大統領、アフガニスタン大統領、モリタニア大統領等の由。

(どうやらこの会合も大慌てでアレンジした模様で、例えば同ネットの集合写真にはサウディ国王がエルドアンの隣に立っているとか…昔の写真でしょう・・・・とかの間違いや、また、最終コミュニケも載っていないとかの不備が目立ちます。もちろんごく短期間で多数の首脳を集めた手際はなかなかのものではありますが・・・)。

この種会合では、決定事項とか最終コミュニケなどは大体予測されたところに落ち着くのが普通で、その意味では、現実にどの国の首脳が出席したかが重要になります。
その意味では、サウディ、UAE,エジプト等の首脳が参加しなかったことは、これまた予測されていたこととはいえ、イスラム諸国の亀裂の深さを物語るものと思います。
(ちなみに、ざっと見た限りではサウディ系のal arabiya net には、この首脳会議の報道すらないようです。この機構を作る上でサウディが確か最大の貢献をしたことを考えると、興味深い事実です)。

これとは対照的にヨルダンのアブダッラー国王の出席は、この問題に対するヨルダンの複雑な立場を物語るものと思います。
トルコの盟友である?カタール首長はともかく、クウェイト首長の出席は、同国がこれまでもサウディ対カタールの対立の斡旋をしようとしてきたことと合わせて興味深いところです。

その他では、アジア諸国やアフリカからの首脳が、どこからどのくらい出席したかが知りたかったのですが、どうやらパキスタンや世界最大のイスラム国インドネシアの首脳は参加しなかったと思われます。
取りあえず。

http://www.hurriyetdailynews.com/muslim-leaders-gather-in-istanbul-at-oic-summit-for-palestine-132029
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/5/18/تعرف-على-أبرز-مقررات-القمة-الإسلامية-في-إسطنبول
http://www.alquds.co.uk/?p=937402
https://www.alarabiya.net/
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