中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

アルジェリア

リビア・アルジェリア関係

確か、若干前のことになりますが、リビアの実力者haftar将軍が、アルジェリアがその軍の一部をリビア内に進駐させているとして戦争も辞さないなどと強硬な発言をしたことをご紹介したかと思います。

何しろアルジェリアは兵員50万を擁する域内随一の軍事大国ですから、haftarは何を血迷ったのかとのコメントをしたかと思います。

アルジェリアの方でも公式の反論などと言うことはなく、報道機関を使ってアルジェリア兵のリビア内存在を否定する形で適当にあしらい、一件落着と思っていました。

そうしたら、al jazeera net は、haftar将軍は21日、彼の部隊のベンガジ掃討作戦(確かベンガジではベンガジ革命評議会の戦闘員…アルカイダ等の過激派を含むイズラム勢力が中心…に対して、4年に渡り彼の部隊がその掃討作戦を進めていて、これに対してエジプトとかUAEの空軍機が実際の空爆に参加する等の支援をしているという噂が絶えなかった)で、エジプト、UAE、ヨルダン、アルジェリアが軍事的支援をしたと語ったと報じています。

それ以上の詳しい情報はありませんが、ベンガジの戦闘では数千人が死傷した由。

このように、ベンガジ作戦で軍事的支援を受けたアルジェリアと、haftar の間で何があったのかは依然不明ですが、先ほどのトリポリでの戦いと言い、リビアの情勢は滅茶苦茶の印象を受けているので、一つの証左として。

それにしてもベンガジでのエジプト、UAE、ヨルダン、アルジェリア等の軍事的支援は彼らは隠しておきたかったはずですが、なぜ今になってhaftarがそんな昔の話を暴露したかも不明です。

アルジェリアの大雨被害

0c8fef0b-5c77-4106-993a-a2805b0f0c46_16x9_1200x676[1]これは台風に直撃されたフィリピンの写真ではありません。

アルジェリアのコスタンチナ県(確か東部海岸だったと思う)で、19日夕、大雨に見舞われ、2名死亡5名負傷、多数が行方不明になっているとのことで、また家屋等に対する被害も甚大とのことです。

今年は世界中で異常気象が続き、欧州や中東でも酷暑と旱魃に見舞われましたが、今度は大雨被害です。

リビア情勢

リビアでは首都トリポリで、民兵同士の衝突が起き、確か統一政府は首相のセラージュを国防相兼任に任命したかと思いますが、ここにきてさらに情勢は混とんとしてきた模様です。

・その一つの要因は、東部の実力者haftar将軍ですが、アラビア語メディアは、彼が東部の彼の支持者たちに対して、アルジェリアと戦争に入る可能性があると語ったと報じています。
それによると、将軍は、アルジェリアはリビアの情勢に付け込んでリビア内に部隊を入れたと非難し、アルジェリアに対してリビアはその軍をアルジェリアに入れることができると警告したら、アルジェリアは謝罪し、問題は個人的な行動で、アルジェリア軍は1数間以内に撤退すると答えてきたと語り、これがal jazeera で放映された由。
(これまでもアルジェリア軍は、ISやアルカイダ等に対処するためチュニジア国境に増派されたというニュースは流れていたが、リビアとの問題は初めての話です。
もっともアルジェリアはモロッコやチュニジア等とともに、リビア問題の政治的解決のために努力してきており、その過程で何か将軍様の気に障ることがあった可能性はありそうです。
いずれにしても、アルジェリアは北アフリカにおける地域的大国で、軍事力もリビアなどとは比べ物にならないので(wikipediaによれば兵力52万、予備役40万の由)、将軍様が常軌を逸した行動をとらないことが重要でしょうか?)

・そのhaftar将軍ですが、6日夕、リビアの部族代表たちとの会合で、トリポリの混乱に関して、リビア軍(要するに彼の指揮下のリビア部隊)は適切な時に、首都を民兵たちから解放するために、トリポリに進軍すると語った由。
そして彼は、リビア軍は首都の住民の85%から支持されていると主張した由

・他方首都では、これまでカッダーフィ政権に対する内戦から現在まで首都における最大の勢力のひとつ、セラージ首相の統一政府を支持してきた、ミスラタ民兵が、統一政府支持を撤回し、各地の部族代表、haftar将軍、故カッダーフィの二男(だったと思うがセイフルイスラム・・・イスラムの剣と言う名前)を含む関係者の間の対話を呼びかけた由。
これはイタリアの新聞が報じるところとのことですがそれによると、統一政府を依然支持しているミスラタ民兵は4〜5大隊しかない由。
(確かに、最近セイフルイスラムに大統領選への立候補を求めるデモもあったようですが、反カッダーフィの先鋒であったミスラタ民兵に何があったのか、と言うかそもそもこのニュースが事実であるのか疑問のあるところです)

どうもリビアの話は要領を得ませんが、取り敢えず。

パレスチナ人学者2名の暗殺事件?(アルジェリア)

al jazeera net は、アルジェリアの首都近くのアパートで、ガザの科学者2名の死体が発見されたと報じています。
記事は、更にアルジェリア警察によれば、彼らはガス漏れによる死亡で、暗殺された可能性は低いとしているとしています。

しかし、仮にこのガザ出身の男二人が、事故でアルジェリアで死亡したのであれば、(言い方は悪いが)格別な記事にするほどの事件ではないはずです(写真入りの大きな記事)。

この事件をイスラエルのhaaretz net も報じているところ、そちらの方も死因は不明だとしつつも、最近ガザのハマスの科学者が各地で殺される事件が増えていて、モサドによる暗殺が疑われているとして、2件の例を挙げています。
一つは本年4月にマレーシアの首都のモスクの入り口でハマスの技術者が殺された事件で、ハマス及び家族は彼はモサドに殺されたとしていて、マレーシア政府も後ろに外国エージェントがいる可能性が強いとしているとしています。

もう一つは(このブログでも紹介した)2016年ハマスのドローン専門家がチュニジアのスファックスで殺された事件で、チュニジア警察が最近レンタカーの中から拳銃とサイレンサーを発見したとのことです。

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/7/22/وفاة-شابين-من-غزة-بالجزائر-واستبعاد-الاغتيال
https://www.haaretz.com/israel-news/reports-two-palestinian-scientists-found-dead-in-algeria-1.6295469

取り敢えず以上の通り、イスラエル紙ネットもモサドが暗殺した疑いが強いとは書いてはいないが、わざわざモサドの仕業と見られている暗殺事件2件を上げているところなどは、明らかにモサドの仕業であることを示唆しているものでしょう。

アルジェリア外交官の処刑(北部マリ)

3日付ak qods al arabi net は、マリ北部を占拠している過激派ムスリム(イスラム・マグレブ諸国のアルカイダの系列)、人質のアルジェリア外交官を処刑したと発表したと報じています。
マリ北部を占拠しているタウヒードワジハード運動は4月にマリ北部のガオのアルジェリア総領事館からアルジェリア人7名を人質にしたところ、そのうち3名は釈放したものの、残りの者についてはアルジェリアで逮捕されている過激派の釈放と1500万ユーロの支払いを条件とするとしていた由。
今回の処刑につき、アルカイダはアルジェリアが期限内に対応しなかったからとして、残りの人質の運命もアルジェリア政府の対応如何としている由。

記事の要点は以上ですが、マリを含むサヘル地域周辺で頼りになる軍事力を有しているのは、おそらくアルジェリアだけで、西アフリカ諸国がマリへの軍事介入を支持していることとの関係で、今後アルジェリア政府がいかなる反応を示すかが注目されます。
ここまで来てアルカイダの要求に屈することはないと思うので、基本的な方向としてはアルジェリアとアルカイダの衝突という方向に向かうのか、という気はしますが、いずれにせよ情勢は要注意です。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2012-09-03-06-28-00.htm


livedoor プロフィール

abu_mustafa

最新コメント
Categories
記事検索
Archives
  • ライブドアブログ