中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

イスラエル

元大臣のイラン・スパイ容疑(イスラエル)

y net news とal qods al arabi net は、イスラエル警察とシンベト(イスラエル総保安庁)がGonen Segev元エネルギー大臣をイランの為のスパイ容疑で逮捕、訴追したと報じています。

彼は1990年代後半にエネルギー大臣等を務めたが、辞任後ナイジェリアで医者として働いていたところ、2012年にイラン情報機関からリクルートされ、イスラエルのエネルギー事情や治安施設等に関する情報を提供していた由。またイランを2度ほど訪問している由。

http://www.alquds.co.uk/?p=956820
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5290624,00.html

イスラエルの元大臣のイランのスパイ容疑での逮捕というので、スパイ小説並みの事件かと思ったら、彼がリクルートされたのは大臣を辞めてからかなり経って、しかもナイジェリアで働いていた時ということで、非常に機微な軍事、治安、経済情報を提供していたのではなさそうですが、何しろ現在イスラエルとイランの関係は非常に緊張しているので、元大臣のスパイ容疑での逮捕の発表の裏にはいろいろと政治的考慮や背景もありそうで、取りあえず。

焼夷凧、制作責任者の暗殺未遂(ガザ)

ガザからの焼夷凧や風船の攻撃は、下火になった模様ですが、16日以降もまだ続いている模様(16日これらの物体のためにイスラエル内で20ヵ所の火災が生じた由)で、al qods al arabi net とy net news は、イスラエル機が17日早朝、これらの焼夷飛翔物制作グループの責任者の車をロケットで攻撃、破壊炎上させたと報じています。

これは、イスラエル国防軍(IDF)の発表によるもので、ガザのshudhaa地区で住宅の前に止まっていた車を攻撃したが、人員の損失はなかった由。また具体的に誰が狙われたのかは不明の由。
またハマスからはこれまでのところ、この件に関する発表はない模様。

http://www.alquds.co.uk/?p=956046
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5289404,00.html

ハマスは焼夷凧及び風船という手軽で安価なイスラエル攻撃の道具を見つけたことになり、IDFではこれを阻止するためのドローンを開発したと報じられていました。
しかし、非常に多くの飛翔体(ハマスは5000近くもの数を用意したと報じられている)を阻止することは、難しく、IDFとしては結局昔から手慣れた?パレスチナ人責任者の暗殺という手法に頼ることになるのでしょうか?
もしかすると17日の空爆はハマスに対する警告が主目的であったのか?

ガザ情勢(平和な金曜日)

昨日の15日は、ガザの緊張が高まってから「最も平和な金曜日」だったようです。

その前日までは、ガザの活動家は数千の焼夷凧、風船をイスラエルに送り込むと豪語していましたが、実際に送られたのは数十個のようで、火災が生じたか所も11ヵ所程度だった模様です。
またイスラエル機も15日夕、ハマスの凧製造拠点を空爆したが、無人だったとかで、被害の報道はありません。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5288368,00.html

15日が平和な日であったことは上記y net news を除けば、ガザ情勢を報じる報道がないことが、端的に示していると思います。
ガザ・イスラエル境界を巡る衝突は、多くの人命を失った後、国連総会の決議採択ということで、取りあえず沈静化したということかと思いますが、やはり最大の要因はイスラエル国防軍(IDF)が断固たる立場を示したために、ハマスの指導者としては打つ手がなく、これ以上の緊張激化はガザの状況を何ら改善することなく、むしろ混乱を増大し、過激派の更なる台頭を招くだけ、との認識があったためかと思われます。

しかし、ガザ情勢が今後ともこのまま推移すれば、イスラエル紙が警告していた通り、対立、衝突が再発するのはなかば必至の状況です。

そうなると今回パレスチナ側が発見したローテク兵器の凧や風船がさらに多用され、IDFもこれに対応する(既にドローンでの撃墜が始まった)という鼬ごっこが繰り返されることでしょう。
結局はガザ住民の生活改善、そのためのガザの封鎖解除が絶対的に必要となってきますが、多分それをできるのはイスラエル政府とエジプトだろうと思いますが(勿論ハマスが平和宣言することも大きな貢献をすることは間違いない)、果たして現在のネタニアフとシーシにそれができるでしょうか?

昔は、こういう場合には米国が建設的な仲介役を果たしてきましたが、トランプにそれを期待するのは、「木に登って魚を得ようとする」ような話だろうと思います。

焼夷凧の金曜日?(ガザ)

本日はイスラム諸国の多くで、ラマダン明けの祭日を迎えるようですが、ガザでは焼夷凧及び風船の日となりそうです

  • al qods al arabi net は、ガザの活動家が14日記者会見を開いて、この金曜日には数千の焼夷凧と風船をイスラエルに飛ばすと警告したと報じています。活動家たちは6000の飛翔焼夷物を用意しているとのことで、イスラエルのガザ封鎖解除に数日の猶予を与えるが、その後はガザ周辺のイスラエル人に火災による封鎖の恐怖を味わわせると宣言した由。
  • これに対してイスラエル国防軍(IDF)は14日、ガザの風船や凧の製造所に対して空爆を加えた由。はじめは警告の爆撃であったが、後刻、実際に目標物に対して攻撃した由。パレスチナ人側の被害は不明。
  • 他方PLOのアッバス議長は、ラマダン明けの祭日には、現在の状況に鑑み、宗教的な行事以外の祝い(デモ等のことか?)は認めないと声明した由。
  • 国連では、先般の国産総会のパレスチナ人保護決議を受けて、何ができるか検討している由。(総会決議で何ができると言って、英語で言えばprecious little というところでしょう)
http://www.alquds.co.uk/?p=955073
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5287254,00.html

ガザ情勢(8日)

昨日お知らせした通り、8日はnaqsa dayで、多数のパレスチナの群衆がイスラエルとの境界線に押し掛けた(約10000人の由。しかし、y net news はハマスの呼びかけにもかかわらず、児童・婦人は大部分が参加しなかったとしている)ところ、イスラエル国防軍(IDF)との衝突で4名死亡し(うち1名は児童の由)、650名が負傷した由。
また100個の放火凧が放たれた由。

今回大惨事が起きなかった背景について、y net news は、IDFが今回は暴動鎮圧対応の作戦をとり、催涙ガスの他、銃は主として警告用として空中に発射したことがあったとしています。
とりあえず。

http://www.alquds.co.uk/?p=950915
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5281945,00.html

今回死傷者の数が少なかった背景には、
IDF,パレスチナ双方とも前回の事件から教訓を得たことが考えられ
  • 特にIDFが暴動対応をしたこと
  • 前回のIDFの強烈な対応でハマスも慎重な対応に転換した
ことが考えられるが、今後ともガザは、現在のような封鎖と経済的圧迫が続き閉塞状況が改善されない限り、機会があるたびに噴火することは避けられないのではないでしょうか?
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