中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

イスラエル

khasshogi事件(イスラエルとエジプト首脳のサウディ皇太子擁護)

al qods al arabi net とal jazeera net は、washington postやイスラエル報道を引いて、ネタニアフとシーシ(エジプト大統領)が米政権高官に対して、サウディ皇太子擁護の働きかけをしていると報じています。

このwashington postはkhasshoggiが寄稿員をしていた新聞で、当然彼を支持していますが、イスラエルとエジプト首脳のサウディ皇太子擁護という話になると、これまでの両国のサウディとの関係や立場から見て、十分あり得る話で、むしろ報道されたのが遅かった位だと思います。

このような重大事件ともなると、中東政治から切り離して、単純に人権問題としては処理しきれない問題であることが改めて強調されたようなものでしょうか。

両者の記事の要点のみ、

・washington post紙は、1日エジプトのシーシ大統領とネタニアフが電話で、米政府高官に対して、サウディ皇太子擁護の働きかけをしていると報じている。
その働きかけの内容に通じているソースは、両首脳は米政府に対して、皇太子は中東における重要な戦略パートナーであるとして、彼を擁護した由。
また両者はkhasshoggi は、テロ集団であるムスリム同胞団のメンバーであったとのサウディの主張を繰り返した由。(khasshoggi がムスリム同胞団員だったというのは本当ですかね?他ではあまり聞きませんが…もちろん同胞団であろうがなかろうが、これを殺害していい理由にはならないが)

・この点に関し、イスラエルTV10チャネルは、ネタニアフがサウディは、対イランのイスラエル、UAE、エジプトとの重要な同盟者であると伝えたと報じている。
さらに、同TVは、イスラエル高官が米に対し、khasshoggi 事件は重大ではあるが、サウディとの間には中東の安定を保つという重大な利害があり、サウディでの(首脳の)変化は重大な影響をもたらすと伝えた由。

デンマークのイラン・テロ阻止(モサドコネクション?)

先日デンマーク当局が、イランの情報機関がイラン系ノルウェイ人を使って、イラン反体制派組織の長を暗殺する計画をたてていたところを、逮捕して暗殺を未然に阻止したとのニュースを報告しましたが、al qods al arabi net とy net news は、この逮捕はイスラエルの対外情報局モサドからの情報に基づくものであると報じています。

記事によると、この情報はイスラエ外交官が匿名条件にて、イスラエル紙イディオノット・アハロノートに語ったところとのことで、それによるとモサドはイランが欧州でイスラエルに対する活動を活発化させていることから、かれらの動きをフォローしていて、イラン反体制派指導者の暗殺計画を知ったとのことです。

9月28日デンマークがスウェーデンへの2の橋を閉鎖し、フェリーを止めたのは、容疑者捜査のためで、数日前に容疑者が、対象者の家を監視し、写真を撮っているところを目撃され、この21日に逮捕された由。

容疑者は8日まで警察に拘束されている由。
これはイランが欧州での反体制イラン人を攻撃しようとして摘発された2度目の事件だが、6月のパリでのイラン反体制派の集会をイランがサボタージュしようとしたのを仏警察が阻止したのも、モサドからの情報によるものの由。
取りあえず。

ガザ情勢(27日〜28日)

27日のガザ情勢については朝方報告しましたが、その後状況は更に緊迫化し、28日早朝にかけて、ロケットとイスラエル国防軍(IDF)機による空爆の激しい応酬があった模様です。

アラビア語メディアではal jazeera net が、特に数字なしで報道していますが、他では見過ごしてなければ、現在のところ、特段の報道はしていない模様です。背景は不明。

y net news とhaaretz netは、イスラムジハードが、27日のIDFによるパレスチナ人殺傷の報復として、イスラエル領内に34発のロケットを撃ち込み、うち13発がiron dome により捕捉されたと報じています。

これに対してIDF機が、28日の早朝、ハマスの情報本部を含む87ヵ所を空爆したとのことです。

現在のところ28日の日中もさらに攻撃が続いているのか、また双方の犠牲者数(これだけの暴力の応酬があれば、犠牲者は出ていると思われる)も不明です。

特に気になることは、IDF報道官が、これらガザからのロケット弾攻撃は、ダマスのイランの指示によるとして、シリア政府及びアル・コドス部隊(イラン革命防衛隊の特殊部隊)に責任があるとしたことです。

このようなIDFの発言が、いかなる根拠によるものかは不明ですが(通信傍受や内部通報者?)、これまでもイスラエルはシリア内のイラン施設や武器庫等を攻撃してきましたが、イランの指示により多数のロケットが撃ち込まれたとイスラエルが本気で考えているとすれば、シリア領内のイランのプレゼンス、特にコドス部隊に対する攻撃は、ほぼ不可避ではないかという気もします。

単なる危惧であればよいのですが。。。

イスラエル・ヨルダン関係(イスラエル大臣の警告)

ヨルダンが、イスラエルとのは平和条約の付属議定書で、イスラエルに貸与していた2地点(場所は昨日の記事に書いておいたので、必要があればご参照)の貸与を延長しないとイスラエルに通告したことは昨日報告しました。

ネタニアフとしては、今後交渉でその延長を獲得したい意向のようですが、al arabiya net は、イスラエルの農業大臣(確か2地点ともイスラエル人が農業をしていたはず)が、ヨルダンがその延長に応じなければ、イスラエルとしてはアンマン(ヨルダンの首都)に対する水の供給を停止すると警告したと報じています。

現在のところイスラエルがアンマンに、どの程度の水を供給しているのかわかりませんが、まさに中東の水戦争というところでしょうか?

因みにこのヨルダンの決定は、国民の要求に国王が応じた結果ということですから(各地で国王支持のデモがあったほか、y net news によれば議員80名が国王を支持した由)ヨルダン国王が決定を覆すことは難しいと思われますが、al arabiya net はイスラエルはこの問題がヨルダンとの関係に悪影響が出ると懸念していると報じています。

対イスラエル貸与地問題(ヨルダン)

481464395[1]今朝方、ヨルダンとの平和条約を結んで、イスラエルの過激派に暗殺された故ラビン首相の没23周年記念お話を書きましたが、その関連でもうひとつ。

この平和条約の付属議定書で、ヨルダンからイスラエルに貸与されていた2つの地域(地図参照)の契約期間が25年で11月1日に終了することになっているところ、イスラエル紙及びアラビア語紙メディアは、ヨルダン外務省がイスラエルに書簡を送り、この貸与の延長はせず、1日で契約が切れることを正式に通報したと報じています。

ネタニアフ首相は、契約更新の為にヨルダンと交渉するとしているとのことですが、haaretz net が、ヨルダン国王は、国民の圧力を受けて、契約を打ち切ることにしたと報じている通り、最近のヨルダンにおけるイスラエルの諸政策に対する民衆的な反発から考えても、契約の延長は無理でしょう。契約が切れると、1年以内にヨルダンへ返還することになっている由。

これ自体は、ある意味では極めて小さな問題ではありますが、現在のヨルダン等イスラエルに隣接する国の対イスラエル感情の反映という点で、ご参考まで。

イスラエルとアラブの共存、平和はトランプやサウディ皇太子の思惑にもかかわらず、さらに遠のいていく感じがします。
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