中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

イラク

イラク新政府の成立

中東もkhasshoggi事件だけではなく、さしも難航したイラクの政治情勢も、ついに新政府の成立までこぎつけたようです。

それにしても、昨24日に新政府ができるとは、驚きました。

実は昨夜の時点で、特にal arabiya net がかなり詳しく、この問題を報じていましたが、各政党やら勢力やらがそれぞれの思惑を持って交渉を行っていて、果たして首相の閣僚リストが承認されるか否かわからないとして、否決された場合には、再度提案できるが、11月に入ると別の首相候補が指名されることになろう、などと否定的とは言わないが悲観的な見方を流していました。

ということで、まだ決まった訳でもないものを、ああでもない、こうでもないという議論を書く気もしなかったので、後回しにしておきました。

そうしたら、al arabiya net 、al qods al arabi net 、al sharq al awsat等が、新内閣発足で、新首相が宣誓をしたとのニュースを流していました(やはり一番詳しいのがal arabiya ですが、最近ここはかなり中東各地の問題で頑張っているようです)が、どうやらイラクには、難局を何とか切り抜ける?知恵が残っているのかもしれません。

それによると、新首相の指名した22名の大臣候補のうち、14名が承認され、取りあえず新政府が発足することとなり、新首相が首相として宣誓をしたとのことです。

残りの閣僚については11月6日の議会で審議されることになるとのことですが、まだ決まっていないポストとしては内務大臣、国防大臣、司法大臣、高等教育大臣、文化大臣、計画大臣等がある模様です、
なお、内務大臣の審議の時に、議論が始まり、合意されていない大臣たちの承認を後回しにして、首相の任命を先にしたということの様です。

al arabiya net にょると、バスラ(9月中に経済問題を中心に激しい抗議デモが続いていたところ)出身の議員たちが、閣僚名簿にバスラ出身者が含まれていないことに不満を表明し、反対を表明し、場合によっては新し政府の反対派に回ると表明したとのことです。

その他不満を抱く勢力も多い模様で、また合意されなかった閣僚ポストは、内務、国防とかの重要ポストが残っており、このままスムースに新政府が動き出すのか、まだ不明なところがありますが、取りあえず。

アフワズ事件の計画・実行者の殺害

本当なのでしょうか?事実ならイラクの主権侵害ですが・・・・

al arabiya net は、イランの革命防衛隊が16日、先日イランのアフワズでの軍事パレードに対するテロの計画・実行首謀者を殺害したと発表したと報じています。

イランの公式メディアが報じるところによれば、革命防衛隊はabu zahaと4名のテロリストをイラクのダヤーリ県で殺害したとのことです。
イランTVはabu zaha はISのメンバーだと報じている由。
(アフワズ事件の際、イラン軍は犯人のうち3名はその場で射殺され、1名が負傷し、のち死亡したとしていたとのことなので、事件の首謀者に至る糸口は、この男の供述からかと思われる。どのようにして革命防衛隊が、イラクのダヤーリで、彼らを殺害したかは不明だが、イラク領内における武力行使は、イラクの主権侵害に当たると思われる。尤も、イランとしては、イラクに彼らを倒す力はないので、イランがやむを得ず行ったことで、正当な自衛権の行使であるということになろう。
但し、本件に関するイラクの反応は不明。

イラクの組閣問題

イラクの組閣については、首相候補として指名されたadel abdel mahadi が、電子ネットで閣僚候補者を募集し、15,184名の応募があったことまでは報告したかと思います。

al arabiya net は、この方法による組閣手順について、首相府の関係委員会が、応募要件とか真面目な応募か(面白半分の泡まつ候補ではないといういみか?)等の観点から、適格者だけを800名選び出したとのことです。

そして次の段階では、これら候補者が面接試験を受け、候補者は更に大きく絞り込まれ、残ったものが首相候補の面接を受け、最終的に候補者が決定される由。
(なんだか日本の就活での、書類審査、一次、二次面接、社長または重役による最終面接などと言った手順を想像してしまいますが、本当にこんな方法で大臣を決めるのでしょうかね?)

また首相候補は、彼が先に政党所属者が、独立系として応募することは拒否すると発言したことについて、過去の経験に鑑みても、彼らがいつまでも独立的であることはなく、重要な問題になると、政党の立場に縛られることになるので、それよりも最適な資格と能力を有する人物を探すことが重要と考えるとした由。

それにしても首相候補との面接には何人が残るのでしょうかね?他人事ながら気になります。

ISの内部対立と処刑

al arabiya net は英daily mail を引用して、追い詰められたISでは内部対立とクーデター、処刑の噂であふれていると報じています。

この記事は、英紙がイラク情報部の報告書に基づいて書いたものとのことで(地元イラク紙も同じような記事を書いている由)、それによるとISの指導者al baghdadi が最近のISの度重なる敗北の後、裏切りがあったとしてIS戦闘員300名の処刑を命じたとのことです。

記事は更に、同報告書によれば、既に処刑されたものの中には多数のIS幹部も含まれるとしています。
このため多くの戦闘員が殺されるのを恐れて逃亡し隠れている由。

過激派組織が追いつめられると、内部対立が激しくなり、いわゆる内ゲバをすることは珍しくなく、その意味で十分あり得る話ではありますが、勿論現時点で確認することのできる話ではないと思います。

但し、先日ISの外国人戦闘員900名がシリア民主軍(クルドYPG)の捕虜になっているという話を書いたかと思いますが、もしかするとその話もどこかでこのうちゲバと関係していて、これら外国人戦闘員は、内ゲバで殺されるよりは捕虜になることを選んだ可能性もあるかと……単なる推測ですが。

イラクの閣僚公募

イラクでは首相候補者が、電子ネット上で、彼の新内閣の閣僚を公募したことは先に報告しましたが、al arabiya net は、11日までに36,006名が応募したと報じています(確か締め切りは11日現地時間正午のはず)。

そのうち97%は独立系の人たちで、15%が女性からのもの由。
また応募者の23%が高等教育を受けている由。
また応募はすべての県から、またすべての閣僚ポストに対してあった由。

この結果を受けて、首相府は選抜にあたるチームを作り、真面目な応募者と不真面目な(面白半分ということか?)応募者の選別を行う由。選別にあたっては公正な基準を作って行う由。

さらに首相府は、この選別方法について、これは官僚等を募集する公募の方式で、政治的な決定を行う閣僚を決める方式としては不適当ではないかとの批判があったとして、この議論は一般論としては正しいが、これまでのイラク政治の決め方に対する批判が強かったことを考慮すべきであるとした由。

更に現代の社会では、政党等のグループが結成され、それが政治を引っ張っていくことになり、その意味では今後のイラク政府もそのような勢力と協力して、その支持を得なければならないとした由。

確か新首相の組閣までの猶予期間は30日だったかと思うが、その間にかくも多数の候補者(もっともおそらくその大部分は泡まつ候補であろうが!!)から、適材を選び、あまりにも複雑なイラク政治の中で、十分機能する政府を組織できるのか、甚だ疑問の気はしますが、先ずは首相候補のお手並み拝見というところか・・・・・
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