中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

イラン

シリア情勢とイラン

米英仏のシリア攻撃との関連で、イランに関連するニュース2つほど

・一つは、攻撃そのものに関してで、攻撃はロシアの拠点やロシア人は慎重に避けたと報じられていましたが、米大統領府の高官は、攻撃目標リストにはロシアやイランの目標は入っていないと語ったとのことです。
これはal arabiya net の報じるところですが、ネットはトランプが、イランはシリアではなく、自国の経済を支えるためにこそ財政を使うべきであると語ったとも報じています。(イランからすれば大きなお世話か?)

・もう一つは朝方報告したアレッポ近郊のjabal azzan の軍事基地(兵器弾薬貯蔵庫の由)での爆発の件ですが、イスラエルのy net news は、この基地からは米軍の攻撃を恐れて政府軍及びイラン兵が撤収していたが、確認できない情報によれば、戦闘機による攻撃で複数の死傷者が出て、死者の中にはイラン兵(士官?)も含まれていると報じています。

https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/american-elections-2016/2018/04/15/البيت-الأبيض-الأهداف-الإيرانية-لم-تكن-على-قائمة-ضرباتنا.html
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5230445,00.html

取りあえず。

イランの核合意に関するIAEA事務局長発言

トランプはイランが、核合意を順守していないと非難してきた(流石に最近は、「核合意の精神」という表現で、イランが核合意を破っているとは言わなくなったと思うが)が、al qods al arabi net は、IAEAの天野事務局長が、イランは核合意の義務を順守していると語ったと報じています。
これに対して、サウディ系のal arabiya net は、天野氏がイランが核合意を破ることに警告を発したとしていますが、どうもこちらの方は一部の文言を取り上げて、如何にもイランが核合意を誠実に実行していないかのごとき印象を与える印象が強いので、前者の記事の要点のみ次の通り。
もし、al arabia net の報道に関心のある方は、確かあそこのネットには英文のものもあったと思うので、そちらの方をご覧ください

「IAEAの天野事務局長は4日、記者会見で、イランは2015年の5ヵ国との核合意に基づく義務を果たしているとして、イランは今後ともその義務を遂行すべきであると語った。
彼はさらに、この”ワーキング計画”(以下WP)が敗れれば、核拡散防止にとって重大な損失になると警告した。この点に関し、彼はこのWPについては国際的に多くの議論があるが(これはイスラエルや米国の異論を意識したものか?)IAEAの立場は、それらの意見に対してコメントすることではなく、WPに従って誠実に監視を実行することであると語った。

彼は更に、イランにおける査察のシステムは、世界でも最も厳しいもので、IAEAはイラン内で訪問したいすべての場所を訪問し、その数は2013年の倍に上っているとした。
彼によると、現在IAEAの査察官は、合わせると延べ年3000日イランに滞在し、WPの開始以来、190の施設に対して60回の現地査察をした由。
彼はIAEAの現地査察の能力はかってない程強力で、IAEAは毎日イランに設置された数千台のカメラの映像を分析しているが、この数は世界中に設置されたカメラの半数にあたるとしている」。

http://www.alquds.co.uk/?p=891959
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2018/03/05/الوكالة-الدولية-تحذر-من-انهيار-اتفاق-إيران-النووي.html

この天野事務局長の発言が、IAEAとしての最終的な公式の見解とまでは言えないかと思われるが、IAEAがこのような見解を公表している以上、トランプやイスラエルがイランを攻撃しようとする際に、イランの核合意違反を口実とすることは難しくなると思われます。
(勿論ミサイル開発やイエメン・シリア等への介入、ヒズボッラーを使ったテロ等、攻撃の口実は探せばほかにいくらでもあるかとは思うが・・・・・)
きな臭い中東では、少しは良いニュースと言えましょうか?

イラン非難安保理決議案

どうも安保理から見ている限り、国際情勢は米ソが対決していた冷戦時代に酷似してきました。

先ほどは、シリアの東ゴータでの停戦に関する決議案に対して、ロシアが難癖というか難色を示していて、更に舞台裏の駆け引きが続いている(日本時間今晩、採決の予定)とお伝えしましたが、先にお伝えしたイエメンへの武器輸出に関してイランを非難する決議案に対しても、ロシアが反対しているとのことです。

al qods al arabi net は、英国が提出して、米仏が支持する決議案で、イランがイエメンへの武器輸出、とくにミサイルの密輸出を防ぐ措置をとっていないことを非難する決議に対して、23日ロシアが根拠薄弱として反対し、さらに協議が続いていると報じています。
いずれにしても、イエメンに対する武器禁輸の安保理決議は、毎年更新されることになっていて、今月末がその期日とのことで、おそらく26日には決議案が採決に付されるだろうとのことです。

記事は、国連専門家チームは、イランはそのミサイルのイエメン(hothyグループ)への輸出を禁止する措置をとっていないとしているが、その輸出にかかわった機関やチャネルを特定するに至ってないとしている由。
これに対して、ロシアはイランがミサイルを輸出している証拠はなく、米国連大使が公開したミサイル部品が、仮にイラン製であっても、それだけではイランが輸出した証拠にはならないとしている由。
米英仏の他独も、イランが輸出した事を疑う余地はないとしている由。

http://www.alquds.co.uk/?p=886320




テヘランでの衝突(イラン)

アラビア語メディアは、いずれも19日テヘランの北部(ということは高級住宅地等の立ち並ぶ重要なところか?)で、警官隊と抗議者の衝突で、警官隊に3名の死者が出たと報じています。

イラン警察によれば、警官隊は催涙ガスで対抗したが、抗議者がバスかトラックで警官隊に突っ込んだ由。また抗議者によれば、警官隊は発砲をし、デモ側に複数の死者が出たとしている由。
事件の詳しい背景は不明だが、この事件はシーア派のスーフィ主義であるghnabadi教団の幹部が逮捕されたとの噂から抗議が広まった由。

http://www.alquds.co.uk/?p=883243
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2018/02/19/طهران-مقتل-3-ضباط-شرطة-باشتباكات-مع-محتجين.html
https://aawsat.com/home/article/1180861/%D9%85%D9%82%D8%AA%D9%84-3-%D9%85%D9%86-%D8%A7%D9%84%D8%B4%D8%B1%D8%B7%D8%A9-%D9%81%D9%8A-%D9%85%D9%88%D8%A7%D8%AC%D9%87%D8%A9-%D9%85%D8%B9-%D8%AC%D9%85%D8%A7%D8%B9%D8%A9-%D8%AF%D9%8A%D9%86%D9%8A%D8%A9-%D8%A8%D8%B7%D9%87%D8%B1%D8%A7%D9%86

通常スーフィ―教団というとスンニ派のそれを言うので、シーア派にもスーフィがあるとは知りませんでしたが、いずれにしても、この事件は少数派の宗教集団とシーア派の体制の衝突という性格で、年末にあったような経済情勢に対する抗議のような社会的な運動とは、意を異にするもののように思われますが、イランのデモでの警官の死亡などというと、そちらの種類の抗議と混同されがちかと思い、背景が良く分からないままに取り敢えず。

イランの財政事情(風刺画)

cartoon16-2-2018[1]年末にイランでは、海外への介入の金があれば国内の貧困解消等に金を回せとの要求を含む抗議デモがありましたが、イランの財政状況に関する風刺画です。
左側のシーア派の僧侶にはイラン体制と書いてあり、左のぼろを着た男には民衆と書いてあります。
真ん中の字はちょっと読みにくいのですが、戦費のための財政とでも書いてあるのでしょうか。
要するにイランの財政支出の大部分が庶民の目の届かない海外での戦費に消えているということでしょうか?

https://aawsat.com/home/cartoon/1176566/%D8%A3%D9%85%D8%AC%D8%AF-%D8%B1%D8%B3%D9%85%D9%8A
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