中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

エジプト

シナイ半島でのISのテロ(エジプト)

先日はカイロ近郊のギザで、治安当局が潜伏中のテロリストを捕捉したとのニュースをお伝えしましたが、前から、特にIS(ISシナイ州)の活動が活発で、エジプト軍が攻撃ヘリや多数の兵員を動員して、掃討作戦を行ってきた、シナイ半島では、これらの掃討作戦にもかかわらず、ISの活動は継続しているようで、特に軍及び治安部隊に対する攻撃が続いています。

その関連で、アラビア語メディアは、11日北シナイの中心都市エルアリーシュから17卉賄世如■稗咾旅況發如⊆0舵隊に死者18名、負傷者3名の損害が出たと報じています。
それによると、掃討作戦中の治安部隊の車列に自爆車が爆発し、また道路わきに仕掛けられた爆弾も爆発し、それに合わせて道路わきの砂漠に隠れていたIS戦闘員が銃撃して、交戦となり、多数の損害が出たとのことです。
IS側にも損がが出た模様ですが、死傷者の数や逮捕者の数等は不明です。

http://www.alquds.co.uk/?p=788170
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/09/11/سيناء-مقتل-شرطيين-وإصابة-آخرين-بهجوم-على-مدرعة-شرطة-.html

自爆車両と道路わき爆弾と、それに合わせての攻撃というのは、ISの典型的な攻撃パターンかと思いますが、今回の攻撃の規模(ISの参加人員等)は不明ですが、治安部隊の死者の数等から考えると、相当周到に計画されたテロではないかと言う気がします。
そのような大規模なテロが中心都市からわずか17卉賄世嚢圓錣譴襪箸蓮度重なる大規模な掃討作戦にもかかわらず、少なくとも北シナイではISの勢力が大幅に落ちてはいないことを物語るものではないかと思われます。

エジプトのカタール船舶入港拒否

エジプト等のカタールとの対立はどこまで行くのでしょうか?
エジプトのスエズ運河及び運河沿い経済地帯庁長官は、エジプトはカタールと断交したので、その船舶にはエジプト港湾への入港は認めないが、スエズ運河航行に関しては、その自由航行に関する国際条約がある(1988年、イスタンブール条約)ので、運河の通航は認められると声明した由
http://www.alquds.co.uk/?p=750221
スエズ運河の自由航行問題は、かつては国際的に重要な問題で、1956年のスエズ戦争は、英国がナセルの運河国有化が自由航行を危うくするとのへ理屈をつけて仏ともに起こした戦争。
その英国が第2次大戦中はエジプトを支配していたが、枢軸国の船舶には運河の通行を認めなかった(上記条約は極めて明確で、平時戦時を問わず全ての国の船舶の自由航行を認めている)ように、英国はこれまでも国際的には偽善的な行動が多かった。

2島の帰属問題(抗議運動の呼びかけ)

エジプトで大きな議論の的となっていたアカバ湾入り口の2島の帰属問題で、シーシ大統領がこれらはサウディ領であるとの両国間合意を批准したことは先ほど報告しましたが、al qods al arabi net は、多くの反対派の代表等が、批准に抗議し、エジプト国民に対してラマダン休み中に、抗議のデモに参加するように呼び掛ける声明に署名したと報じています。
記事によると彼らは15名で
  ・リベラル派の「明日の革命党」党首aiman nur
  ・イスラム主義指導者tareq al zamr
    ・4月6日運動指導者muhammad kamal
    ・ムスリム同胞団指導者 aiman abdel ghani
    ・元大使ibrahim yasli
等が含まれている由。
http://www.alquds.co.uk/?p=743665

当然のことながら?旧ムバラクの与党のメンバーは含まれていない模様で、またキリスト教徒代表もサラフィ主義政党も含まれていない模様です。
問題は、これから始まるラマダン休暇中に、この呼びかけに応じて、どの位の町で、どのくらいの抗議者が集まるかでしょう。

中東でのテロ組織摘発(エジプト、イラン)

先日はサウディでメッカのグランドモスクを襲撃しようとしていたテロの阻止(報道によるとその一部はモスクから800mの距離にいた由)をお伝えしましたが、中東ではむしろテロは日常茶飯事になっているといっては悪いが、イラクではほぼ連日、シリアでも本日イドリブの市場での自動車爆弾の話をお伝えしました。
そのほか本日はイランとエジプトでのテロ未然防止の話が入っているところ、両者の間に何ら関係はないものの、別々に報告するほどのこともないとは思うが、日本のマスコミでは欧州でのテロとなると大騒ぎをするが、中東でもテロの問題に苦しんでいるという話として、ご参考までに

・イランTVは24日、当局がイラン内の宗教施設に対するテロを計画していた、ISグループのメンバーを逮捕したと報じている。
当局によれば、彼らとともに武器、爆発物を押収した由。
(逮捕されたメンバーの数や日時や大書された場所等は不明)
http://www.alquds.co.uk/?p=743458
http://www.aljazeera.net/news/international/2017/6/24/إيران-تعتقل-مجموعة-مرتبطة-بتنظيم-الدولة
・エジプトでも治安当局が、コプト教会や治安施設等の爆破を計画していた6名のテロリスト細胞を逮捕した。
内務省の24日の発表によると、彼らはエジプトの宗派対立を激化させ、社会を不安定化させる目的で、複数の教会等を襲撃する計画だった由で、襲撃はラマダン明けの休暇の時期と6月30日記念日(シーシのクーデターの日でしたっけ?)に合わせて行われる計画であったよし。
計画では2名一組の犯行で、1名が教会の中で自爆し、そのあと教会の外で、警官等が集まるところで2人目が自爆する計画であったよし。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/06/24/مصر-ضبط-خلية-كانت-تخطط-لتفجير-كنائس-بعيد-الفطر.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/06/25/شاهد-اعترافات-إرهابيين-خططوا-لتفجيرات-بمصر-خلال-العيد-.html

米国のシリア空軍基地攻撃(国際的反応 イラン等)

巡航ミサイルによる米国のシリア空軍基地(米国防総省によれば、毒ガス攻撃の基地とされている)攻撃に関し、各国の反応、若干の追加次の通りです。
なお、CNN等は今日も朝からもっぱらこのニュースですが、参加している専門家たちは、いずれも今回の攻撃は単発のもので、トランプとしては化学兵器使用に対する厳重な警告を行ったもので、少なくとも当面シリアの政権交代等は狙っておらず、再度化学兵器が使われなければ、再度の攻撃もないだろう、という見方で一致していた模様です。

しかし、アサドがなぜこの時点で毒ガスを使った(との仮定が正しいとして)のかについては、0800時点では特に納得できる説明はなかったように思います。
それに、中国首脳との会談がどうなったのか、こちらのほうも詳しい報道はまだないようです。
いずれにしても、問題は米ロの外交に移り、11日,12日の国務長官のモスクワ訪問が、、次の山でしょうが、プーチンは彼と会談するのでしょうね?

・アラブ諸国の反応は予測通り、昨日から報告している通り、サウディ、ヨルダン、UAE,カタールが支持声明を出したが、加えてバハレンも支持し、GCCも支持表明したが、これに対して興味があるのがエジプトで、同外務省はイドリブでの毒ガス使用は極めて重大な事件であるとして、これを非難したが、米の攻撃に関しては、米ロ両国が事態の鎮静化を望むと表明したよし。
(要するに最近ロシアとの関係が緊密化し、アサドとの接近しつつあったシーシだが、先日の訪米でトランプから厚遇?され、どうやら人権問題について煩いことを言われずに武器供与も受けられることになったので、どちらも刺激したくない、ということでしょう)

・さらに興味深いのは、イランの反応で、国家安全保障会議書記長は、米国の攻撃はテロリストに対する軍事的、心理的支援であるとして米国を激しく非難しました(この点はシリア政府と同じ)
多方、イラン議会安全保障委員会委員長は、ロシアとイランはこの攻撃に対して、黙ってはいないだろうと、警告したが、その対応については説明しなかったよし。
これを伝えるal arabiya net は、イランは反撃を口にしたが、対応をロシアに任せることにしたとコメントしています。
さらにイランTVは基地に対する攻撃のビデオは流しているも、特段のコメントは控えている由。
(このイランに関する記事は、サウディ系のメディアのものなので、真偽のほどは不明だが、もし事実であれば、おそらく自分自身がトランプの標的になっていることを承知しているイランとして、慎重に行動しているのではないかと思われる)

https://www.alarabiya.net/ar/iran/2017/04/07/إيران-تهدد-لكن-عن-طريق-روسيا-لن-نصمت.html
http://www.aljazeera.net/news/international/2017/4/7/شمخاني-الضربة-الأميركية-تدعم-الإرهاب-بسوريا
http://www.alquds.co.uk/?p=700811
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/04/07/مجلس-التعاون-يرحب-بالضربة-الأميركية-على-سوريا.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/4/7/دول-عربية-تؤيد-الضربة-الأميركية-ضد-النظام-السوري
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