中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

エルドアン

トルコのスキャンダル

トルコの賄賂スキャンダルについては先にお伝えしましたが、その時書き忘れたかと思うのは、エルドアン首相が警察の汚職追及キャンペーンはAKP政権を標的にしたものだとして、19日には警察長官が罷免された他、イスタンブール警察署長他18名の警察幹部を罷免したが、更に20日には警察の部長級14名を更迭したとのことです。

更にエルドアン首相は外国大使が、この問題に関係していると非難に、特に米大使が関係していると非難し(米国は勿論否定し、米・トルコ関係を危うくするような言動に不快感を示した由)、このような外交官は追放すると発言したとのことです。
これに対してトルコ経団連は、政府が司法の独立を侵害しないようにとの警告を発した由。

取り敢えずの報道をとりまとめた所ですが、通常の国であれば、時の政府が閣僚が関係した汚職スキャンダル問題の発生と同時に大量に警察幹部の首を切る、などと言うことが起これば、まず確実に政府の汚職隠しと疑われて、政府が潰れることは確実だと思いますが、トルコの場合はどうなのでしょうか?
エルドアンがそのような無茶苦茶なことをしても政府が安泰なほど彼の政権に対する国民の支持は固いのでしょうか?

それと合わせて、このような国内問題で米大使はじめ外国の大使を非難すると言うのは、エルドアンも血迷ったかという印象ですが、矢張り日本と同じく米国には押さえられてきたと感じているトルコ人が多いために、このような安芝居でもうけるのでしょうか?
どうもそろそろAKPの天下も『桐一葉落ちて天下の秋を知る』という雰囲気になってきた感じがしますが、これはトルコと言う国を知らないものの誤解でしょうか?

http://www.alquds.co.uk/?p=116021
http://www.aljazeera.net/news/pages/9210cd40-372d-45e0-9e29-46099d2c1b89
http://www.todayszaman.com/news-334477-corruption-carried-ak-party-to-power-may-spell-partys-end.html
http://www.hurriyetdailynews.com/turkeys-bosses-issue-probe-warning-as-government-widens-police-purge.aspx?pageID=238&nID=59907&NewsCatID=345

トルコの総選挙

トルコに関するニュースですが、トルコではこの12日(日曜日)に総選挙が行われます(総議席550を争う)が、トルコの today's zaman net はこの選挙に二つのおきな記事を割いています。

一点目は今回の選挙がトルコ政局において大きな分水嶺になると見られるとの記事で、その理由として、新しく選ばれる議会が新しい憲法を策定することになることと、二点目は現首相のエルドアンが党規則(党員は3回を過ぎて国会に議席を有してはいけない)に従い、今回が最後の首相だから、との二点を上げています。

また野党各派それぞれの党首もそれぞれの問題で、今回の選挙は個人的にも極めて重要だが、合わせてエルドアン首相は今度の憲法改正で大統領制への移行をもくろんでいて、自分の野心を実現するための憲法改正案を策定すると警戒しており、党派間の相違を超えて水面下の同盟を結んで、AK党(与党)の一人勝ちを阻止しようとしていると報じています。

他方、同じネットの「選挙後には進んだ民主主義、新しい憲法」と題した記事は、今度の選挙で大かたの見通しでは、与党AKが3回目の大勝利をおさめ、支配的な政権党になるであろうとして、憲法改正問題が審議会の最大の課題になるであろうとして、各界の人がケマルアタチュルクの制定した現憲法は時代にそぐわない点が多いので、その改正は望ましいが改正に当たっては総ての人の意見を反映することが望ましい(確かに望ましいが、そんなことが可能でしょうかね?)としていると論じています。

その他の論点としては、クルド問題女性のベール着用問題が上げられています。

そのうちクルド問題についてはAKは当初文化的、言語的権利承認を通じての民主的解決を目指していたが、その後失速していると評されており、ベール問題はむしろ、ケマル・アタチュルク流の厳格な世俗主義かそれとも穏健イスラム主義かというより基本的な路線問題の象徴であるにすぎないと思われます。

やはりエルドアン率いるAKの圧倒的(上記の記事では地滑り的と表現)勝利なのでしょうかね?

http://www.todayszaman.com/news-246857-june-12-election-likely-to-be-watershed-vote-in-political-history.html
http://www.todayszaman.com/news-246911-advanced-democracy-new-constitution-hoped-for-after-polls.html

シリア情勢(トルコ首相のアサド政権非難)

シリアの隣人たるトルコのエルドアン政権は、中東、アラブ諸国との緊密な関係構築を外交政策の大きな柱として、特にシリアとの関係を重視してきました。
このためシリアのアサド政権が国民に対する弾圧を強化しても、極めて抑制された反応を示し、アサド政権に対する公然たる非難は注意深く避けてきました。

しかるに10日付の today's zaman や al qods al arabi net の記事によれば、エルドアン首相は9日のTVインタビューでアサド政権の行為は非人道的な残虐行為であると激しく非難したとのことです。

おそらく自国との国境近くの町でシリア軍が住民を弾圧し、多数の難民が(BBCの日本時間8時かの放送では、UNHCRトルコ事務所長が3000人の難民が流入し、更に増えつつあると語っていました)流入して、現地情勢が明るみに出てきて、政治的な思惑で黙っていることはできなくなったと言うことかと思います。

またBBC放送等によればシリア政府放送がシリア軍が jisr al sheghour での作戦を開始したと報じたと言っていますので、明日の朝になれば更に詳しい状況は入って来ると思うので、トルコの反応が注目されます。

記事の要点のみ

・エルドアンは5月初めにアサドは良い友人だと言ったばかりだが、9日のインタビューでシリア政府のやりかたは非人道的な残虐行為で容認できない、と激しく非難した。

・この首相の発言はこれまでのシリア政策を大きく変更するものである。

・首相は特にアサドの弟の maher の弾圧行為を激しく非難し、トルコにとってシリアの問題は半ば国内問題で、リビアの問題と同じではないと述べた。

・首相はシリアの残虐行為は国連をも巻き込んだと述べて、安保理で英仏等がシリア非難決議を審議する時にトルコもシリアを擁護はできないとの意向を示した。

・首相は4〜5日前にアサドと電話にて事態の深刻さを指摘したが、アサドはこの警告を軽く受け止め真剣な考慮を払わなかったと述べた

http://www.todayszaman.com/news-246828-turkey-deplores-inhumane-syrian-crackdown-reprimands-assad-family.html
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest/data/2011-06-10-08-17-15.htm
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