中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

オマーン

サウディとUAEのオマ-ンに対する圧力

al qods al arabi net は、米Stratfor(アラビア文字から)が、サウディとUAEがオマーンに対して、対イラン、カタール政策等を変更し、彼らの主導に従うように圧力をかけていると報じています。

このStratforと言うのが中東に関して、どの程度情報があるのか知りませんが、オマーンの湾岸における若干特異な立場に鑑みれば、十分あり得る話ですので、記事の要点のみ次の通り。

  • 米ネットは、オマーンが湾岸諸国の争いで中立の立場を取り、イランとも関係を維持していることに対し、トランプの対イラン制裁もあり、サウディとUAEがオマーンの立場を変えるように、圧力を加えていると報じている。特にオマーンは、GCC湾岸協力評議会を湾岸連合に変えるとのサウディ等の立場に反対したことで、高い代償を払っている由。
  • これに対して、オマーンはその政策にバランスを保つことの経験を有しているし、国際的、地域的にその立場についての支持を要請するだろうとしている。
  • オマーンは、昨年カタールを包囲し孤立化させるとのUAEの政策に同意せず、カタールとの関係を維持し、さらにはイランとの外交、通商関係を維持している。
  • イエメンに関しては、オマーンは和平交渉を促進するためにすべての勢力との関係を維持し、また(南イエメンの)マハッラでの影響力をUAEと争っている。このマハッラ県はオマーンに近く、かってはオマーンの影響圏であったが、UAEが軍事的な圧力を強めている。
  • これに対して、サウディとUAEはオマーンが地域内問題について、より柔軟に両国の政策を支持し、イランとの通商を停止し、hothyグループとの関係を断ち、カタール包囲に加わることを求め、圧力を加えている。
  • 両国はオマーンに対する圧力の手段を種々有しているが、一つは米国に対して、オマーンがイラン包囲の「弱い環」をなしており、イランの立場を助けることになっていると説得することである。これに失敗しても、UAEに居住するオマーン人や企業に圧力を加えることができる。サウディもオマーンに3億1000万ドルの投資ファンドを有している。
  • さらに両国はスルタン・カブースの後継問題を利用することができ、誰がその後継者となるか慎重に見極めようとしている。
http://www.alquds.co.uk/?p=1006982

オマーンとイランお関係は、イラン皇帝時代に、オマーンのドファール地方で共産系ゲリラの反乱があり(当時の南イエメンが支援)、これに対して、イランが軍を送って、反乱の鎮圧を助けた時以来のもので、現在でもイランとは密接な関係を有している。
イエメンに関しても、このブログでも紹介した通り、オマーンは内戦の双方とも関係を有し、オマーンで交渉が行われたこともあった。
なお、最後の所のスルタンの後継者問題と言うのは、スルタンは確か70年以降ほぼ独裁的な権力を抑えていて(確か首相も彼が兼任、一時は長いこと、外相も兼任し、実際の実務を外務担当国務大臣が預かってきたこともあった)、実子もいないことから、お年寄りになっていることもあり…確か最近では各種首脳会議への出席もめっきり減っている印象・・・・、その後継者がどうなるのかが前から注目されていた)

イラン・オマーン合同演習

前から湾岸諸国の中では、オマーンはイランと密接な関係を有しているということは書いてきましたが、al qods al arabi net は両国が近く合同海軍演習を行うと報じています。
サウディ等アラブ4国のカタール孤立化政策の一つの理由が、イランとの親密な関係とされていますが、いくらカタールでもイランと合同演習をするところまでは行っていないはずです。
それにもかかわらず、サウディ等がオマーンと断交するとか敵視しているという話は聞きません。
まあ、この辺が建前の立場と現実の差なのでしょうね。

・イランの参謀長補佐官は、イランはオマーンとペルシャ湾で合同演習を行うと発表した。
・同補佐官は、オマーン参謀長補佐官との合同記者会見で、両国は数日内に、ペルシャ湾で補給、救難等に関する合同演習を行うが、イランからは海軍、革命防衛隊海軍、沿岸警備隊が参加し、オマーンからは海軍及び警察が参加する予定の由。
・この記者会見は、5日第14回両国間軍事防衛合同委員会が開催された後で開かれた由にて、イラン通信によると5日朝オマーンからハイレベルの代表団が到着した由。

http://www.alquds.co.uk/?p=929885
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