中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

カタール

トルコ・カタールの軍事協力

カタールとアラブ4国の対立関係が早期に解決しそうもないことは昨日報告しましたが、al qods al arabi net は、トルコの最新型フリゲートがカタールに到着し、合同演習に参加する予定と報じています
それによると、これまで6波のトルコ軍がカタールに到着し、さらに7波目も到着の予定で、これらのトルコ軍に加えて31日に到着したトルコで最新のフリゲート艦jokofaが参加した、一連の合同演習、訓練がカタールの領海や海軍基地等で行われることになる由。
http://livedoor.blogcms.jp/blog/abu_mustafa/article/edit

まあ、湾岸諸国とカタールの対立が軍事衝突にまで発展することは、予測されてはいないところ、これだけトルコがカタールに軍事的プレゼンスを増している以上、正しく軍事的な衝突はないということでしょう。
更に興味あるのは、カタールの国防担当国務大臣が、米国の空母ニミッツを訪問したというニュースで、これも米国の立場からすれば、米国はカタールと4国の対立に対しては完全に局外に居るという意思表示でしょう。

http://www.alquds.co.uk/?p=763322

カタール問題(UAE外相のアルメニア訪問)

1208[1]カタールと4国との対立では相互に、ある意味でありとあらゆる問題を持ち出して、相互非難を繰り返している感じを受けますが(今のところ収まる気配は感じない)、
al qods al arabi net (一貫してカタールに同情的、カタールのガザやハマスに対する支援が大きいか?)は、写真入りで、UAEの外相がアルメニアを公式訪問し、第1次大戦の際にオスマントルコで大量虐殺にあったアルメニア人の記念碑に花を捧げたと報じています。
記事の題名は「UAE外相はジェノサイドの犠牲者に敬意を表することで、トルコを徴発している?」というものですが、トルコは大量虐殺が起きたことは認めても、その性格がジェノサイドであったとは絶対に認めず、仏や米議会等があの事件はジェノサイドであったと認定するたびに強硬な抗議をしてきています。
まあ、ここまでくると、カタール問題でのやりとりも、子供の喧嘩に似てくるか?

http://www.alquds.co.uk/?p=757412

エジプトのカタール船舶入港拒否

エジプト等のカタールとの対立はどこまで行くのでしょうか?
エジプトのスエズ運河及び運河沿い経済地帯庁長官は、エジプトはカタールと断交したので、その船舶にはエジプト港湾への入港は認めないが、スエズ運河航行に関しては、その自由航行に関する国際条約がある(1988年、イスタンブール条約)ので、運河の通航は認められると声明した由
http://www.alquds.co.uk/?p=750221
スエズ運河の自由航行問題は、かつては国際的に重要な問題で、1956年のスエズ戦争は、英国がナセルの運河国有化が自由航行を危うくするとのへ理屈をつけて仏ともに起こした戦争。
その英国が第2次大戦中はエジプトを支配していたが、枢軸国の船舶には運河の通行を認めなかった(上記条約は極めて明確で、平時戦時を問わず全ての国の船舶の自由航行を認めている)ように、英国はこれまでも国際的には偽善的な行動が多かった。

カタール問題(安倍総理の発言)

いや驚きました。
本日のal jazeera net に、安倍総理の大きな写真と、日本が他のアラブ諸国の対カタール措置は酷で、論理的ではないと語ったと出ていたからです(その後、この記事の扱いはかなり小さくなりましたが、まだ出ています)

記事によると、総理はカタール首長に電話をして、その中で、日本としてはカタール問題の影響が拡大していることを懸念しており、クウェイト首長等の調停のための外交努力を支持していると伝え、カタールに対する措置は酷で論理的ではないと語ったとのことです。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/6/28/اليابان-مطالب-دول-الحصار-قاسية-وغير-منطقية

ここまで総理が踏み込んで発言するというのは、日本としてはあまりないことですが、実はこのカタール問題についても欧米では、トランプ大統領が明確にサウディなどの肩を持った発言をし(しかも国務長官等は慎重に中立的な発言に終始している)、他方ドイツ外相がカタールの肩を持った発言をしたことくらいで、残りは仏大統領をはじめ、皆、慎重に中立的な発言に徹し、問題の拡大を懸念し、早期の外交的解決を支持するというトーンだからです。
日本は確かカタールの天然ガスを購入しているとは思いますが、それ以上にサウディ等からの石油にも依存しており、この問題については特段どちらかの肩を持つべき理由もなく、特にカタール寄りの発言をしたとも考えにくいですね。

想像すれば、そこは日本ですから、カタール首長との会話の中で、柔らかく対応していたところ、先方が自分の立場を理解支持してくれたと解釈したというところではないかという気がします。
関係閣僚等の問題発言や失言が続く安倍内閣でも,総理はまだ大丈夫だろうと思うのですが・・・
もっとも、この発言は国内ではほとんど報じられていない模様で(報じられていても見ていない可能性はあるが)偏った報道か否かも不明ですが、とりあえず。

サウディ・カタール関係と米国の立場

サウディ等アラブ諸国とカタールの対立は、一向に緩和する気配はなく(たしかUAE外相だったかは数年続くと言ったとか・・・)むしろ、カタールを訪問した者の国籍はく奪などという話も聞こえてきます(バハレンとUAE)。

この中にあって米国は同盟国間の喧嘩の調停に大わらわで、国務長官は外遊を取りやめ、調停に取り組んでいます(カタール系のal jazeera net は、同長官がカタールをボイコットしている諸国が、和解のための論理的な条件を提示して、速やかに交渉に移ることを希望すると表明したと報じています)。
他方、トランプ大統領は21日サウディの新皇太子に電話をかけ、皇太子就任を祝するとともに、湾岸問題について話し合ったとのことです。
(湾岸情勢に関する話の内容は伝えられていませんが、これまでトランプは一貫してサウディの立場を支持してきたようで、今回もそのような発言であったのではないかと想像され、トランプの下での米中東外交の混乱が推測されます)
おそらくこのような米国の状況に対するカタールの反発ではないかと思われるが、al jazeera net の別の記事は米民主党の女性議員がトランプが近く辞任するだろうと語ったと報じています。
トランプが種々の嫌疑を受けて、「調査されている」ことは事実のようですが、党派的な発言を別にすれば、彼が近く辞任するであろうなどと予測しているものは非常に少ないと思います。
おそらくこの報道はカタールの反トランプの姿勢の表明ではないかと・・・・

それはともかく、米国は問題の渦中のカタールとバハレンにそれぞれ大規模な空軍、海軍基地を有していて、バハレン当局は基地のカタール兵士に48時間以内の退去を要求したことは報告済みですが、米国防総省は現在のところ米軍の湾岸での活動は正常に行われているとしている由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/american-elections-2016/2017/06/21/ترمب-يهنئ-محمد-بن-سلمان-باختياره-ولياً-للعهد.html
http://www.alquds.co.uk/?p=741743
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/6/21/تيلرسون-يدعو-محاصري-قطر-لتقديم-مطالب-قابلة-للتنفيذ
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