中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

コプト

コプト教徒のエジプト分割反対

ムスリム同胞団の議会および大統領掌握以来、エジプトのコプト教徒(キリスト教徒)の動向が(というかエジプトの新政府のキリスト教徒等に対する取り扱いが今後どうなるかの問題かもしれない)注目されていますが、海外に移住したコプトの間にはエジプトを宗教により分割すべしとの議論があるようです。

というのは、2日付のal jazeera net は、コプトの弁護士で弁護士協会自由委員会のメンバーが、在外のコプト教徒でエジプトを分割するように主張しているものを非難し、彼らを反逆罪で検察に告訴したと報じています。

記事によると、これら在外のコプト教徒の中にエジプトを5つに分割することを主張している者がおり、それによるとアレキサンドリアを首都としたキリスト教国家、イスラム国家、ユダヤ国家、ヌビア国家、シナイ半島のベドウィン国家に分けるとのことです。

記事の要点は以上ですが、確かにコプト教徒は人口の10%程度おり、その処遇は大きな問題であったし、今後もそうですが、ユダヤ人に至ってはせいぜい数百人、ヌビア人も数十万人程度で、とうてい現実的な考えとも思われません(またコプト教徒の多数存在するのはむしろ南の方で、北端のアレキサンドリアは歴史的にはともかく、現在コプト教徒はわずかだと思います)。

その意味では半分ジョークの類と思えるくらいですが、このような話が流れると、宗派対立に利用され、結局ムスリムの敵意の対象となって犠牲者になるのはコプトですから、エジプト在住のコプトにとっては、深刻な話だろうと思います。
http://www.aljazeera.net/news/pages/6808e57c-d74c-4f9a-8319-1a160074d53f?GoogleStatID=21

憲法改正員会の構成に関するコプトからの異議申し立て(エジプト)

エジプトの軍事評議会が憲法改正のための草案作りのために委員会を設置したことは先ほどご紹介したばかりですが、その構成について早速コプト(キリスト教徒)から異議が出ているようです。


al qods al arabi net の15日付の記事は、コプトのNPOである「人権のためのエジプト連盟」の議長が15日声明を発し、数百万を数えるコプトは憲法委員会の構成に反対すると表明したと報じています。


それによると、同委員会にはコプトを代表する委員がいないのに、ムスリム同胞団を代表する委員が含まれているとして、憲法の改正の委員会には特定の宗教やイデオロギーの代表を含むべきではないとしているとのことです。


軍事評議会が任命した委員は前 majulis dawla (国家評議会とでも訳すのでしょうか?申し訳ないがその性格不明で、誰かエジプトに詳しい人教えてください!)議長の tareq al bashry 以下8名の委員で構成されていますが、上記NPOはそのうちの1名は尊敬される法律家ではあるがコプトの代表ではない、と述べているところから多分コプト教徒ではないかと思われます(最高憲法裁判所の samy yusef )。
NPOはまたメンバーの sobhy salem は同胞団のメンバーで、委員長の bashry は同胞団ではないが、イスラム的傾向の強いものであるとしています。

記事の要点は以上ですが、ムスリム同胞団が表に出てこようが来まいが、現実の政治の中で既にその存在が無視できないものであることを示していると同時に、今後のエジプトの政治においてもイスラムと政治、イスラムと国家の問題は、少数派のコプトの処遇の問題とも絡んで、エジプト政治の中心課題の一つであることを示しているのではないでしょうか?


http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest/data/2011-02-15-14-21-55.htm

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