中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

チュニジア

チュニジアの政治危機

チュニジアは現在ナハダ党とチュニジアの声(世俗派で、現在の大統領シブシーが創設者)の連立が政府を形成しているところ、それらの中で「チュニジアの声」では、現在の首相のyusef al shahid とシブシー大統領の息子が勢力を争っていて、チュニジア政局の不安定化を招いていました。

然るところ、アラビア語メディアの報道によると、両者の確執がさらに強まり、「チュニジアの声」は14日夜、shahid 首相の党籍を凍結したとのことです。

それによると、「チュニジアの声」は、首相の改革政策が不十分であるとして、またナハダとの関係にも疑問を呈し首相の辞職を求めていたところ、首相がこれを拒否したので、資格停止の処分に出たとのことです。

それにしても、この内紛はシブシ大統領にとっては、いわば身内の内紛ですが、どう対応する積りなのでしょうか?
民主主義とは建前はともかく、実際は非常にややこしいものですね。

チュニジアの政治危機

チュニジアの現内閣は、大統領シブシーの流れをくむ世俗派と穏健イスラム主義政党ナハダ党などからなる連立政権ですが、寄り合い世帯である所為か、ごたごたが絶えず、確か内務大臣が4月に罷免される事件がありました。(さらに、あろうことかこの前内務大臣がUAEの情報局長とクーデターをたくらんでいたなどと言う話が仏メディアで報じられたことは報告済み。)

その後も、チュニジア政界のごたごたは続いている模様で、al qods al arabi net とal arabiya net は、シブシー大統領が15日、TVとのインタビューで、チュニジア政治は「悪い状況からさらに悪い状況」に向かっているとして、このままでは政府は国民の負託にこたえられないとして、yusef al shahed に対して、もう一度議会の信任を得るか、辞任すべきだと呼びかけたと報じています。

また大統領は、(先日、ナハダ党が2019年選挙ではガンヌーシ党首の立候補もあり得るとしたことを意識したか?)、政治家が2019年の選挙を意識することは理解できるが政府はとにかく今日明日のチュニジアのために尽くすべきだとして由。

https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/07/16/تونس-السبسي-يدعو-الشاهد-للاستقالة-أو-اللجوء-للبرلمان.html
http://www.alquds.co.uk/?p=975303

今回の大統領の首相に対する辞任(または再信任)呼びかけが、前内相罷免問題と直接関係しているか否かは不明ですが、記事は現内閣はチュニジアの改革を任せられ、税制、補助金、雇用問題等について改革を進めることが職務であったが、未だ財政赤字、成長率の低さ、失業問題、貧困問題等を抱えているとコメントしています。
大統領がここまで公言すれば、政府も辞職か議会の再信任を求めるかしかなくなるでしょうが、取りあえず。

テロ組織の活動再活発化(チュニジア)

al qods al arabi net とal jazeera net は、チュニジア北部のアルジェリア国境に近いジェンドゥーバ県で、過激派の待ち伏せ攻撃により、国家警備隊のパトロールが攻撃され、兵士6名が死亡し3名が負傷したと報じています。
過激派は道路脇爆弾等を使用した由にて、過激派の死傷者は不明なるも、周辺の掃討作戦が続いている由。

それ以上の情報は今のところ不明なるも、記事はチュニジアでは2015年バルドー美術館襲撃と海岸のホテル攻撃で多数の外国人観光客が死亡し(バルドー美術館では邦人観光客も死傷した)また同年末の攻撃で大統領警備隊員14名が死亡して以来、基本的に大規模なテロ活動は起きていなかったので、この事件は衝撃を与えているとしています。

確かに大きなテロ事件は生じてはいなかったものの、2016年にかけても、特にアルジェリア国境方面の山岳地帯では、テロリストの活動が盛んで、各地で治安部隊と過激派の衝突が伝えられていました。
それがこのところ、チュニジア内では、その様な事件もほとんど報じられていませんでした。他方アルジェリアとかリビアでは、相変わらず過激派の動きとそれに対する警戒が報じられていました。
またチュニジアでも山岳地帯の過激派の活動が活発化したのでしょうか?

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/7/8/مصادر-أمنية-هجوم-إرهابي-يستهدف-قوات-الأمن-بتونس
http://www.alquds.co.uk/?p=970066

初のチュニス女性市長の誕生(チュニジア)

チュニジアでは現在各地で地方議会等の選挙が行われている模様ですが、首都チュニスでは、ナハダ党の女性が初の女性市長に当選したとのことです。
選挙は議会で行われた模様で、彼女の得票26票に対して、「チュニジアの声」(シブシー大統領が創設した世俗主義党)の候補者が22票だったとのことですが、これは第2回目の投票で、第1回目では、上記2名を含めて4名の候補者がいて、そのいずれもが過半数を取れなかったために、決選投票になったとのことで、残りの2名の党は決選投票には参加しなかった由。

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/7/3/مرشحة-النهضة-تفوز-برئاسة-بلدية-تونس


確かチュニジアでは、今後1年の間に大統領選挙があるはずで、ナハダ党の党首のガンヌーシが立候補するのか否か、その去就が注目されているという報道もありましたが、ナハダの女性市長(しかも首都!!)の登場が、ガンヌーシ大統領の出現にどう影響するのか注目されます。
もっとも彼女は自分では独立派としている由。

ナハダ党首の大統領選出馬?(チュニジア)

先日トルコの大統領選挙ではエルドアン大統領が再選されましたが、それに影響されたのかどうか知りませんが、今後1年内にあるとされるチュニジアの大統領選挙でも、穏健イスラム勢力として、アラブの春の際には大きな影響力を発揮したナハダ党のガンヌーシ党首の立候補の可能性が、取りざたされている模様です。

al qods al arabi net は、ナハダ党の幹部の間で、まだ時期尚早としつつも、ガンヌーシ党首の立候補の可能性についての議論が起きていると報じています。
同党の報道官は、ガンヌーシ党首は大統領として必要な素質をすべて備えているとしつつも、党としてまだ公式にその立場を決めたわけではないとしている由。

http://www.alquds.co.uk/?p=964254

アラブの春の際のイスラム3人男と言えば、エジプトのムスリム同胞団とトルコのAKPとチュニジアのナハダでしたが、そのうちエジプトの同胞団はムルシー前大統領が投獄されていて、今のところシーシに対する不満は広がっているものの、政権の基盤が揺らいでいるとまでは言えないと思います。
その中でエルドアンに続いて、ガンヌーシがまたもや政治の表面出でてくるのか、今後注目されます。
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