中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

トルコ

イドリブ総攻撃の中止(シリア)

どうやら政府軍等のイドリブ総攻撃は中止になった模様です。

イドリブに関しては、ロシア―トルコーイランの首脳会議が合意に失敗した後、トルコとロシアが大統領レベル等で、鋭意協議をしてきて、17日にはクリミアのソチで首脳会議がありました。

その結果、政府軍と反政府軍との間に非武装地帯を設けることで合意が成立し、攻撃は避けられることとなった模様ですが、これはエルドアンの粘り勝ちか、プーチンも国際的な影響の大きいい攻撃には気乗り薄だったのか?

このロシア―トルコの協議には、アサド政権は勿論、イランも参加していないし、また旧ヌスラ戦線に対するトルコの影響力も限られていると思われるので、まだまだ停戦が破られる可能性は残っていると思います。

いずれにしても、少なくとも、当面はロシアの支援する政府軍等の総攻撃は行われないことになったと思います。


・アラビア語メディアはいずれも、ソチでの首脳会議の後、プーチンとエルドアンが共同記者会見をして、両者がイドリブでこの10月15日から政府軍と反政府軍の間に非武装地帯を設けることで一致したと発表したと報じている。
非武装地帯の幅は、15〜20劼陵魁

・また、戦車、大砲ミサイル等の重火器を撤去することが合意されたとしてるが、これがイドリブ全域を意味するのか、それとも非武装地域だけのことかは不明の由。

・また、今後非武装地帯を中心にロシアートルコの合同パトロールが、停戦を監視することになった由。

・この両者の合意について、ロシア国防相は、イドリブに対する総攻撃はなくなったのか?との質問に対し、yes として、総攻撃が中止になったことを肯定した。

・両者の合意について、一部のアラビア語メディアは、両者間に取引があり、トルコがロシアのシリアでの基地(特にタルトゥスとハミーミーム)の安全を保障し、ロシアは反政府派がイドリブの現在地にとどまることを認め合ったとしている。

自分で病院に行った犬(トルコ)

5b9cb97d0f2543029ce549ef[1]トルコではペットに関し、時々興味あるニュースが報じられていますが、hurryiet net は14日トルコの黒海のamasia地方で、ある日後ろ足を怪我をした犬が自分一人で病院に入って行ったと報じています。
(監視カメラの写真)

はじめ病院のスタッフは犬に恐怖感を覚えたが、犬が後ろ足をけがしていることに気が付いて、治療をしてやったところ、治療の終わった犬は立ち去っていったとのことです。
この監視カメラの写真が出回るとトルコでは大人気となった由。

イドリブ攻略作戦の遅延とソチ首脳会議(17日)

al qods al arabi net は、間近に迫っていたイドリブ攻略作戦を遅延させることにトルコが成功したと報じています。

それによると、トルコは軍事的な圧力と、外交努力を総合しての、ロシア、アサドに対する働きかけを通じて、ロシアに対してこのままで攻略作戦を始めることは、トルコとの関係の重大な悪化を招き、折角これまでロシアがシリア問題の政治的解決のために築き上げてきた外交、軍事的努力を無にすると説得してきた由。

その結果、数日間または数週間の攻略戦開始延期を獲得したが、ロシアが作戦を延期したことは、最近ロシア軍機と政府軍機のイドリブに対する空爆の激しさが大幅に低下していることに示されているとしています。

トルコは(これまでこのブログでも報告してきた通り)大量の増派部隊を国境地域に送り込んでいるがそれのみならず、最近イドリブにトルコが有する12ヵ所の監視所(要塞化している由)に戦車、装甲車、大砲等を含む大規模な部隊を派遣し、ロシアに対してイドリブに対する大規模攻撃が行われれば、これらのトルコ軍と衝突する可能性があることを示した由。
(トルコ軍のイドリブへの増派問題については、本日のal jazeera net が、トルコは戦車等を含む大規模な増援部隊をイドリブに送り込んでいると報じています)

軍事的にはロシア軍の方が圧倒的に優位にあるが、ロシアとしてもトルコ軍との衝突の可能性については真剣に考えざるを得ない状況の由。

トルコ側では、参謀総長が前線を視察して、トルコ軍としては、トルコの安全保障を守るために陸、海、空の全ての兵力を使用する考えであると発言している由。

外交面では、トルコの最重要な働きかけは、ロシアに対して攻略作戦を始めないことを説得することにあり、そのためにイランでの3首脳会議に出席したほか、外相、国防相、その他のレベルを通じてロシアに対する働きかけを強めてきた。

しかし、テヘランの首脳会議で、ロシアにイドリブ攻略を思いとどまることの説得に失敗してからは、更にその範囲を広げて、国際的なキャンペーンを張っている。

その最大の言い分は、イドリブ攻撃は最大規模の人道危機をもたらすというものであるが、攻撃は更に人道危機だけにとどまらず、シリア問題をめぐるこれまでの政治的解決の枠組みを破壊し、重大な国際問題に発展するであろうというものである。

その一つが化学兵器使用可能性に対する欧米の注意を喚起することで、特に独を含む欧州への働きかけを強化してきた。
また欧州に対しては、イドリブ攻撃は大量の難民を発生させるが、彼らはトルコにとどまるだけではなく、さらにその先に渡ろうとするとして、欧州に恐怖感を植え付けようとしている

このような情勢を受け、この17日、ロシアのソチで急遽両首脳会議が開かれることとなり、また外交軍事当事者の接触も頻繁になっている。
またトルコは、ロシアのテロとの戦いとの言い分に対して、ヌスラ戦線(アルカイダ系)を他の反政府グループと区別するためのメカニズムについて提案している模様である。

トルコ中央銀行の貸付利子値上げとトルコ通貨の安定

トルコは通貨の暴落、インフレ等の経済危機に直面しているところ、hurryiet net は、トルコ中央銀行が13日その貸付利子を、これまでの17.75%から24%に上げると発表したと報じています。

中央銀行は、今後とも価格安定を重視し、タイト・マネー政策(金融引締め政策)を維持するとして説明した由。

トルコリラは、この決定後、対ドルで2週間ぶりに1ドル6.01リラのレベルを回復した由。

他方エルドアン大統領は、中央銀行は独立で、その決定を自ら行うとしつつも、その引き締め政策に対する不満を表明した由。

テロ容疑者のラタキアでの逮捕

スパイ小説もどきの事件が起きたようです。

al qods al arabi net とhurryiet net は、トルコ情報機関がシリア政府の支配下のラタキアで、2013年のトルコの南部のreyhanli の町で車爆弾で、53名を殺害した男を逮捕したと報じています。

これはトルコの治安責任者が12日語ったところとのことですが、この男はシリア情報局の指示を受けて、2013年5月11日に2台の車に爆弾を仕掛け、53名を殺害した事件の主犯とのことです。

事件の容疑者のうち8名は既に終身刑の判決を受けており、12名が逃亡中であった由。
トルコ政府は、事件後シリア政府の指示を受けたグループがテロを起こしたと非難していた由。
逮捕された男はすでにトルコに移送された由。

それにしてもシリア政府の支配するラタキアで、シリア情報機関と関係のある男をトルコの情報機関が逮捕したのが事実であれば、トルコの情報機関は「長い腕」をもっているものだと感心します。
尤も、報じられている話の裏に、何か更なる事実がありそうですね。
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