中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

ハメネイ

イラン情勢

先にイランの体制内にて不協和音が生じているとしてラフサンジャーニの最高指導者批判をご紹介しましたが、その後体制内の混乱は益々酷くなりつつあるようで、最近では最高指導者と大統領との不和が取りざたされています。
それにしても、大統領と姻戚関係にある副大統領が首になり、その後情報大臣が首になり、そのほか辞職を申し出ている大臣もいるとかが話題になった他に、司法の方から(官職は解らないが)司法関係の高官が先般来の選挙結果不満グループで牢獄につながれているものは裁判にかけるか釈放すべきであると発言したり(さらには本日のBBC電子版に依ると最高指導者がその釈放を命じたとか)どう考えても、イランから流れてくる情報は体制内の不協和、摩擦がかなりの程度に大きくなっていることを示すように思われます。
問題は一つには何がこのような不協和音をもたらしたか、ですが、その点に関しては確たる情報はありません。と言うかイランのような国の場合、何か大きな事件でも現実に起きない限り、体制内でどのよう動きがあるのか正確につかむのは、各国の情報機関にとっても至難の業です。本当にハメネイと大統領の間に隙間風が流れ始めたのでしょうか?そうとすれば、その原因は、またいつから等疑問はつきません。
もう一つの疑問は本当に体制内に不協和音と呼べるものがあるのでしょうか?もしかしたらコップの中の嵐で、そんなことを真剣に議論しているのは、外国のメディアとお目出度い改革派のみなのでしょうか?
筆者みたいに現地に何の情報源も有さない者にとっては情報源は外国メディアだけですが、それらのニュースをかけ合わせてみると、どうも体制内の混乱が大きくなる一方で、またそのペースも速まりつつある印象を受けますが、これは外国人の希望的観測なのでしょうか?
いずれにしてもイランからは当分の間目を離せそうにありません。

イラン情勢  またラフサンジャニ

昨日あたりBBCなどかなり興奮して、ラフサンジャニが金曜礼拝の説教で、今回の選挙の公正性に疑問を呈し、改革派に対する弾圧を批判し、弾圧の犠牲者への同情を表明し、(間接的ではあるが)最高指導者ハメネイを批判したと報じていましたが、流石の日本の新聞もこの事件をかなり大きく報じています。

実はこのラフサンジャニについては、前にハメネイが強硬な金曜礼拝演説をした時にわざわざ名指しで彼を弁護し、その甲斐あってか?要するにある意味で買収されて、ハメネイの立場を支持することを明らかにしたが、これは当局の作戦勝ちかということを確か6月30日のこのブログに書いたと思います。

あれからまだ3週間弱、この間に何があったのか?なにしろ(これはどこの坊主もそうかもしれないが)聖職者などと言われながら、政治的駆け引き、陰謀などもどうしてお手の物のイランのアヤトラの中でも、特に権謀にたけたラフサンジャニの事ゆえ、当然イラン国内の政治的バランスの流れを見ながら、一つの石を投げたのだろうと思います。

一部の報道では、彼が体制と改革派の間に立って調整役と言うかバランサーの役割を果たそうとしているとの見方を流しているが、その見方が正しいか否かはともかく(おそらくそうでしょう)、これまで当局の断固たる弾圧政策の下に、少なくとも短期的には封じ込められたかに見えた改革派の不満が、かなり広く共有されていて、ラフサンジャニなどから見たら、当局から若干距離を置いたほうが得、こういう中でうまく立ち回れば、あわよくば自分がさらにイランを牛耳れる可能性が出てきたと読んでいるのかもしれません。
ということは今後イラン情勢はますます要注意ですね。

イラン選挙  ハメネイの演説

本日は他用があって早く帰宅したので、4時過ぎに偶々BBCを付けたところ、イランの最高指導者の演説の実況放送をやっていました。これがなんと2時間弱の演説(前から予告のあったテヘラン大学で、体制側動員のおびただしい群衆を前に)で、これを最後まで実況放送しました(尤も現在外国マスコミは活動が厳しく規制されていて、これも国営TVからの中継でしたが)。
世の中変わりましたね。
さわりの部分については日本のTVでも新聞でも報ずると思いますが、要するに先般の選挙は国民の勝利(要するに投票率の話ですり替えがある)で、選挙は公平に行われ、いくらかでも問題があれば正式の手続きを通じて調査するが、街頭行動は絶対に認められない、それは英米(特に英国に敵対的であったのは、彼も老人なので、その昔の英国MI6等の暗躍を記憶していると思う)の政府及びその手先のマスコミに踊らされるものだ、として明確に再選挙否定、街頭示威は違法、外国に対するあからさまな敵意を示したものでした。
その意味では完全に予想の中で、全く新味のない演説でしたが、きわめて明確でかつ厳しいものであっただけに、今後の体制側の動きを十分に予測させるものでした。
それにしても、彼の演説のうまさは、オバマとは勿論完全に違うスタイルですが、2時間弱疲れも見せずに、しかも時にはムサビ等の反対側の人間も持ちあげてみたり、ラフサンジャニを弁護してみたり、国民の勝利などと高らかに宣言してみたり、とにかく極めて高級な演説であったと思います。因みにBBCもvery sophisticated speechであったと評価しています。
勿論イラン人も実行よりは言語の連中で、口から先に生まれたような連中なので、大体彼らの言うことは3分の一以下に聞かないと損をすることになってはいるが、わが大日本に比べると何たる違いと言わざるを得ない。
日本の政治家で聴衆を飽きさせずに1時間話せる人がいますか?もしかしたら田中はそうだったかもしれないが、他には思い当たらない。
どうしても遂日本の貧しい言語の政治家に関心が戻るのは愛国心のせいでしょうか?
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