中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

バハレン

バハレンの油送管の爆破

バハレンでは10日夕だったかに、その中部のburi村の近くで油送管が爆発した事件がありました。
このところイランでも、各地で石油関連施設の火事等の事件がありましたが、どうやらテロではなく、事故の模様だったので、今回も同じような事件かと思い、特に報告もしませんでした。

然るところ、アラビア語メディアは、11日バハレンの内務大臣が、この事件はテロによる破壊活動であると発表し、これまでもこの種事件の後ろにはイランの指示と関与があったとして、イランの関与を非難しました。
内務省の方では、事件の捜査を続けていて、容疑者が捕まり次第、司法当局に任せるとしている由。
なお、爆破から起きた火事は制圧され、特に死傷者等はなかった模様です

更に、サウディの資源・エネルギー・工業省は、この事件と関連して11日、サウディの全石油関連施設の警備を強化したと発表したとのことです。
またおそらくは同じようなテロを警戒してのことかと思いますが、バハレンに対する原油の供給を停止したとのことです。
http://www.alquds.co.uk/?p=824672
http://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2017/11/11/السعودية-تشديد-الأمن-بالمنشآت-النفطية-بعد-هجوم-البحرين.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/11/11/السعودية-تعلق-ضخ-النفط-للبحرين-بعد-تفجير-خط-أنابيب

湾岸での最大の問題の一つは、石油関連施設の安全確保と原油の安定供給ですが、バハレンという原油の供給国としては小さな国の事件であっても、仮に彼らの主張の通り、イランがその背景に居たとすれば、サウディ等も巻き込んでの湾岸全体での大きな事件になる可能性があるかと思います。
これまでもバハレンでは、時々シーア派の抗議デモやテロが生じており、その都度政府当局は後ろにイランがいると非難してきており、今回もイランの関与があったのか否かの問題があるかと思います。
仮になかったとしても、その様な主張がなされること自体、現在のイラン・サウディの対立、緊張に鑑みても、大きな紛争の火種の可能性があるかと思います。

バハレン情勢(11日)

バハレンでも11日は非常事態解除後最大規模の集会が行われたとのことです。

11日付の al jazeerah net の記事が報じるところでは、最大野党の国民協調連盟(wifaq)等が呼び掛けた集会が、首都マナマの西部のシーア派の地区で行われ、1万人を超える参加者があったが集会は平和的で、警官も遠くから監視する体制をとったので、衝突はなかったとのことです。

他方、同日国王は国民との和解対話の長に国会議長を任命したとのことです。
但し、この任命については上記の野党の国民協調連盟はこれを拒否して、そもそも国民との和解の対話は国王、または皇太子が担当すべきで、特に対話を始めた皇太子があたるべきであるとの立場を示したとのことです(そう言えば、バハレンでシーア派と治安当局の衝突があった時に、皇太子は対話を呼び掛け、融和的な立場をとったが、強硬派の首相等がこれを抑えて、強硬な鎮圧策を進めたと報道されましたが、その辺はその後どうなっているのでしょうか?)

また、労働省は抗議運動参加のために先に解雇された571名の復職を発表したとのことです。(これも和解の一環なのでしょうね)
他方wifaqによれば、約400名が抗議運動の関係で裁判にかけられ、これまでそのうち50名に対して短期の懲役刑から死刑(確か警官の殺害容疑だったと思います)の判決があったとのことですが、政府が疑義を呈しているとのことです。

http://www.aljazeera.net/NR/exeres/5F331D40-2E3F-42F4-8E6E-9E329D5A4F36.htm?GoogleStatID=1

バハレン情勢(湾岸軍の到着)

先ほど湾岸協力理事会からの軍隊がバハレンに派遣されると報じましたが、もう既にバハレンに到着した模様です。

これは4日付の al jazeerah net の記事が報じるところで、それによるとバハレン王の顧問(前情報大臣)が語ったところで、湾岸理事会の軍隊は治安と体制維持のためにバハレンに入ったとのことです。

また同記事は13日の抗議運動は、これまでバハレンの抗議運動が始まってから、最も激しいものだったとも報じています。

但しバハレンに入った湾岸理事会メンバー国の軍体が何処の国のものかは不明です。

また議会の独立派の中には国王が事態の鎮静化のために、3カ月間と言う期限を区切り、戒厳令を敷くことが望ましいとの意見の者もいるとのことです。

これまでのアラブ諸国の抗議運動とそれに伴う騒擾事件で戒厳令が布かれた例はありません。

通常、戒厳令が敷かれると憲法その他の法令は適用を中止され、政府ではなく軍隊に全権が委任されるのではないかと思います。

http://www.aljazeera.net/NR/exeres/3A0A0848-FCAB-44E0-BD6F-9FF869D665F3.htm?GoogleStatID=9

バハレン情勢

バハレンでは1日数千人規模のデモが首都で行われたとのことですが、デモ行進者は「シーア、スンニ、みな兄弟」と叫びながら、バハレンの一体を訴えたとのことです。
またデモは保守的な湾岸の性格を表してか、男性と女性がそれぞれ別の列を作っての行進だったとのことで、女性は伝統的な黒い長い衣装を着ての行進だったとのことです。
他方バハレンの皇太子は1日までクウェイトを訪問していたが、2日から2日間の予定でサウディを訪問するとのことです。
この訪問について、al jazeerah net の記事は、湾岸理事国がその外相会議でバハレン支持を打ち出したことに対する謝意表明と今後の政策の打ちあわせであろうとコメントしています。
またサウディ政府はサウディがバハレンに戦車部隊を派遣したとのUAEの新聞報道を否定したとのことです。
またサウディの戦車部隊派遣と言うニュースが流れた為、一時原油価格が高騰したとのことです。
なお、デモ行進は平和的に行われ、警官との衝突も、逮捕や死傷者等もでなかった模様です。
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/24C880F8-9A99-41DB-BFC3-8E254C054F68.htm?GoogleStatID=1

バハレン情勢(調査委員会の設置)

14日及び15日と続いたバハレンの抗議デモでは2名の抗議者が死亡しましたが、15日付のal jazeerah net はバハレン国王が15日、この事件に関して遺憾の意を表明するともに、事件に関する大臣級調査委員会を設置すると発表したと報じています。

他方シーア派からなる unity 党は、議会活動を停止したと発表しましたが、これについてそのメンバーはこれは同党の議員が議員を辞職する第1歩であると説明したとのことです。

また首都マナマや地方では国王支持のデモも行われたとのことです。

バハレンは湾岸諸国の中でもシーア派が多く、住民の多数派(70%近く)を占めているが、王族以下のスンニ派が権力を抑えているとして、たびたび問題が起きてきていましたが、今回の事件を国王等がどう収拾するのか注目されます。

またシーア派の議員が本当に議員辞職するのかが今後の動向を大きく左右するのではないでしょうか。

http://www.aljazeera.net/NR/exeres/50FAFE08-9833-433C-B48C-3C5F39ADFB15.htm?GoogleStatID=1
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