中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

パレスチナ

ガザ情勢(27日〜28日)

27日のガザ情勢については朝方報告しましたが、その後状況は更に緊迫化し、28日早朝にかけて、ロケットとイスラエル国防軍(IDF)機による空爆の激しい応酬があった模様です。

アラビア語メディアではal jazeera net が、特に数字なしで報道していますが、他では見過ごしてなければ、現在のところ、特段の報道はしていない模様です。背景は不明。

y net news とhaaretz netは、イスラムジハードが、27日のIDFによるパレスチナ人殺傷の報復として、イスラエル領内に34発のロケットを撃ち込み、うち13発がiron dome により捕捉されたと報じています。

これに対してIDF機が、28日の早朝、ハマスの情報本部を含む87ヵ所を空爆したとのことです。

現在のところ28日の日中もさらに攻撃が続いているのか、また双方の犠牲者数(これだけの暴力の応酬があれば、犠牲者は出ていると思われる)も不明です。

特に気になることは、IDF報道官が、これらガザからのロケット弾攻撃は、ダマスのイランの指示によるとして、シリア政府及びアル・コドス部隊(イラン革命防衛隊の特殊部隊)に責任があるとしたことです。

このようなIDFの発言が、いかなる根拠によるものかは不明ですが(通信傍受や内部通報者?)、これまでもイスラエルはシリア内のイラン施設や武器庫等を攻撃してきましたが、イランの指示により多数のロケットが撃ち込まれたとイスラエルが本気で考えているとすれば、シリア領内のイランのプレゼンス、特にコドス部隊に対する攻撃は、ほぼ不可避ではないかという気もします。

単なる危惧であればよいのですが。。。

ラビン暗殺23周年記念式典

YE0184295_wa[1]あれからもう23年もたつのですね!!

y net news は、ラビンがイスラエル過激派の手で暗殺されてから23年を記念し、多くの記念式典が開かれていると報じています(彼の暗殺は11月4日だったとのことで何故今週かは不明)。

ラビンは参謀総長をやった軍人ですが、その後労働党を率いて首相になるや、PLOとのオスロ合意に署名し、その後ヨルダンとの平和条約にも署名した人です。
(写真。真ん中はクリント米大統領、右が故フセイン国王)

その彼がパレスチナとの和平に反対するイスラエルの過激派に暗殺され、その後の選挙で当然圧勝すると思われていた労働党が、直前のパレスチナ勢力のテロで政権を失い、以来労働党は見る影もなくなり、ネタニアフの下でイスラエルはひたすら占領地併合の既成事実化を進めてきました。

あの当時、今後さしも長かったパレスチナ問題にも両者の歩み寄りで、平和的な解決が訪れるだろうという、明るい希望がパレスチナ(イスラエルとパレスチナ)にあふれていたのは、何処かへ行ってしまったようです。

23年という時間の間に占領地の状況は大きく変わってしまったし、なによりも常に和平の仲介者であった米国に、トランプなどと言う一方的なイスラエル支持者が大統領として出てきて、当面パレスチナ問題の平和的解決など夢の又夢になりそうです。

ガザ情勢

ガザに関しては、イスラエル国防軍(IDF)が19日の金曜を前にして、戦車装甲車大砲を含む大規模増派部隊を境界線近くに配備したことは報告しましたが、同日境界線に向けて10,000名の抗議者が、行進し、一部がフェンスを破り、IDFの応戦で150名が負傷したと伝えられていますが、幸い死者はなかった模様です。

なお、19日の行進が比較的静穏で過ぎたことについて、アラビア語およびy net news は、ガザを支配しているハマスが、民衆に対してフェンスに近づかないように警告し、エジプトの停戦調停団に対しても、ハマスとして緊張を激化させるつもりはないと伝えたことも一因と伝えています。
取りあえずは、軍事力によるイスラエルの抑制政策が成功したということのようですが、今後はエジプトの仲介努力がどうなるかでしょう。

しかし、世界最大の牢獄とも言われるガザの閉塞状況が解決または大幅緩和しないことには、結局は河原の石積みが続くことになるのでしょう。

ガザ情勢(19日)

本日は金曜ですが、現地では未だ朝が始まったばかりで、特段の動きは報じられていませんが、y net news 等はイスラエル軍が大量の兵力を境界沿いに配備したと報じています。

それによると、イスラエルの安全保障閣議が、ガザの対応を強化することを決定したことを受けて、18日にかけて数十両の戦車、装甲車、大砲、工兵車両に加え、大規模な歩兵部隊も境界線に沿って配備されたとのことです。
現地住民によれば、このような大規模な配備は前回のガザ侵攻作戦以来とのことです。

この大規模増派は19日の金曜を前に抑止的効果を狙ったものとのことですが、他方エジプトの休戦調停4人ミッション(情報局)はガザとイスラエル間を行き来して、停戦の実現に最後の努力をしている由。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5374311,00.html
https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-one-rocket-launched-from-gaza-hits-southern-israeli-town-of-be-er-sheva-1.6569091

勿論まだ衝突が起きたわけではない所為か、それよりもkhasshoggi事件に忙しくて、アラビア語メディアでは特別ガザ情勢を取り上げていませんが、このようなイスラエル国防軍(IDF)の増派は戦車や戦闘車両が多いことに鑑みれば、攻勢に転じることに決定すればそのまま境界線の防衛から、ガザ侵攻に切り替えうると思われるので、本日のガザ情勢は要注意かと思います。

西岸におけるテロ(パレスチナ)

事件は7日朝起きましたが、西岸の工業団地にあるリサイクル工場で、近くに住むパレスチナ人青年(電気工の由)が、工場長夫妻及びその秘書をM16ライフルで銃撃し、工場長と秘書は死亡し、夫人は重傷を負った由。
犯人は逃走に成功し、現在イスラエル当局が近辺を捜索中の由。

ここまでの事実関係は、これを報じるal qods al arabi net もy net news もほぼ同じですが、その背後関係というか状況の説明になると非常に異なったイメージを表出していて、同じ事件でもイスラエル側から見るのとパレスチナ側から見るのでは、非常に違ったイメージになるという象徴的な事件かと思われます。

al jazeera net は、武装抵抗活動が生じ、イスラエル人2名死亡1名負傷したとしつつ、事件が起きたのは周辺の大入植地の作る入植地工業団地の一つであるとしつつ、その後イスラエル国防軍(IDF)等が犯人の生家周辺を封鎖し、居住者の出入りを禁止して、男たちは手錠をかけて逮捕し、新聞記者が近づくことを禁じているとしています。

(そうは書いてはいないが、何度も入植地という言葉を使うことで、パレスチナ人の抵抗活動とのニュアンスを強く出している。
因みに、haaretz net はIDF等は、治安当局がグループ処罰…付近一帯の住民に連帯責任を押し付け、彼らの住宅を爆破したり、一斉に逮捕したりすること…をすると、状況が爆発的になると危惧していると報じている)

他方、y net news は、この団地には約100の工場があり、これまではイスラエル人とパレスチナ人の共存の最善の例として知られてきたが、今回の事件でそのような歓迎すべき状況は、破壊されてしまったと報じて、パレスチナ、イスラエル人が、驚いて嘆いている談話を載せています。

http://www.alquds.co.uk/?p=1028854
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5365995,00.html
https://www.haaretz.com/

いずれにしても、最近西岸及び東エルサレム(双方とも国際法上は占領地、尤もイスラエルは東エルサレムは既に併合したとしている)で、パレスチナ人による、イスラエル人に対する攻撃、また入植者によるパレスチナ人やその財産に対する攻撃が多く報告されていて、今回の事件は、このような情勢に、火に油を注ぐような危険性があると思われる。
livedoor プロフィール

abu_mustafa

最新コメント
記事検索
Archives
  • ライブドアブログ