中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

パレスチナ

ガザ情勢

昨日13日は金曜日ですが、例によって、パレスチナ民衆のイスラエル境界への抗議行進があり、イスラエル国防軍(IDF)の発砲、催涙ガスで、15歳の少年1名が死亡し、al qods al arabi netによれば、68名が負傷しました。
(これで抗議の行進が始まって以来の死者は138名、負傷者は15000名に上る由)
またヨルダン川西岸でも各地で抗議デモがあり、IDF等との衝突で負傷者が出ている由。

なお現在もカイロでハマスとエジプト当局との協議が続いている模様ですが、ハマスの政治局員は、ハマスとPLOとの和解に関するエジプトとの協議については、これまでのところ極めて満足していると語った由。
(具体的な内容は不明。また、毎週生じる死傷者、更にはIDFが…先日報告の通り・・・・更なる強硬な軍事的対応を考えているらしいことから、パレスチナ間の和解も重要だが、ガザ境界の緊張緩和が緊急の問題かと思われ、エジプトも当然その問題には重要関心を有していると思われるも、その辺のニュースはない)

http://www.alquds.co.uk/?p=973822
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2018/07/13/مقتل-فلسطيني-برصاص-إسرائيلي-شرق-غزة-.html

イスラエル・ガザ情勢

先ほどはイスラエルの北部戦線?について書きましたが、今度は南部戦線のガザです。

ガザでは、これまで4ヵ月近く「帰還の行進」で、特に毎金曜日は、多数の群衆がイスラエルとの境界線に押し掛け、イスラエル国防軍(IDF)と衝突し、確か既に100名以上の死者が出ているかと思います。
それがこの金曜日6日にも、多数のパレスチナ人が境界線に向け、行進し、IDFと対峙し、IDFの発砲や催涙ガスで、パレスチナ人1名死亡し、100名以上負傷(al jazeera net は146名とし,al arabiya net は100名以上、現地筋によれば400名としている)したとのことです。

この行進は、「世紀の取引とガザ封鎖を打ち破る」行進と命名されている由。
また、行進は100個の焼夷風船をイスラエル向けて放つことに成功し、イスラエルの境界近くで20か所の火事が発生した由。
この焼夷風船(または凧)はこれまで100か所の火災を発生させており、イスラエルの境界近くの住民たちは、ハマスの軍事組織やイスラムジハードのミサイルよりも、害は大きいとしていると、al hazeera net の別の記事は報じています。

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/7/6/مستوطنة-عن-بالونات-غزة-الحرائق-أسوأ-من-صواريخ-القسام
http://www.alquds.co.uk/?p=968949
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/7/6/شهيد-و146-جريحا-بتجدد-مسيرة-العودة-بغزة

状況は取り敢えず以上ですが、どうやらハマスと言うかガザの活動家は、イスラエルに対抗する新しい手段を発見した模様で(風船や凧は境界から若干離れたところから飛ばすことができるので、従来のような境界線からの銃撃や催涙弾では阻止が難しい一方で、正確な飛行などしなくとも、ある程度の数さえ飛ばせば、かなりの確率で複数の火災・・・・ほとんどが山火事…を発生させられる)、イスラエル内にはこの戦術の責任者の暗殺などと言う手段が検討されている模様で、今後の進展が要注意と思われます。

世紀の取引(風刺画)

01qpt777[1]「世紀の取引」と題する風刺画です

米国が「世紀の取引」という毒をパレスチナ人の口へ流し込もうとして、湾岸アラブらしき人物(サウディかUAEか?)がパレスチナ人の口を無理やりこじ開けているところです。

http://www.alquds.co.uk/?p=965430

焼夷凧、制作責任者の暗殺未遂(ガザ)

ガザからの焼夷凧や風船の攻撃は、下火になった模様ですが、16日以降もまだ続いている模様(16日これらの物体のためにイスラエル内で20ヵ所の火災が生じた由)で、al qods al arabi net とy net news は、イスラエル機が17日早朝、これらの焼夷飛翔物制作グループの責任者の車をロケットで攻撃、破壊炎上させたと報じています。

これは、イスラエル国防軍(IDF)の発表によるもので、ガザのshudhaa地区で住宅の前に止まっていた車を攻撃したが、人員の損失はなかった由。また具体的に誰が狙われたのかは不明の由。
またハマスからはこれまでのところ、この件に関する発表はない模様。

http://www.alquds.co.uk/?p=956046
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5289404,00.html

ハマスは焼夷凧及び風船という手軽で安価なイスラエル攻撃の道具を見つけたことになり、IDFではこれを阻止するためのドローンを開発したと報じられていました。
しかし、非常に多くの飛翔体(ハマスは5000近くもの数を用意したと報じられている)を阻止することは、難しく、IDFとしては結局昔から手慣れた?パレスチナ人責任者の暗殺という手法に頼ることになるのでしょうか?
もしかすると17日の空爆はハマスに対する警告が主目的であったのか?

ガザ情勢(平和な金曜日)

昨日の15日は、ガザの緊張が高まってから「最も平和な金曜日」だったようです。

その前日までは、ガザの活動家は数千の焼夷凧、風船をイスラエルに送り込むと豪語していましたが、実際に送られたのは数十個のようで、火災が生じたか所も11ヵ所程度だった模様です。
またイスラエル機も15日夕、ハマスの凧製造拠点を空爆したが、無人だったとかで、被害の報道はありません。

https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5288368,00.html

15日が平和な日であったことは上記y net news を除けば、ガザ情勢を報じる報道がないことが、端的に示していると思います。
ガザ・イスラエル境界を巡る衝突は、多くの人命を失った後、国連総会の決議採択ということで、取りあえず沈静化したということかと思いますが、やはり最大の要因はイスラエル国防軍(IDF)が断固たる立場を示したために、ハマスの指導者としては打つ手がなく、これ以上の緊張激化はガザの状況を何ら改善することなく、むしろ混乱を増大し、過激派の更なる台頭を招くだけ、との認識があったためかと思われます。

しかし、ガザ情勢が今後ともこのまま推移すれば、イスラエル紙が警告していた通り、対立、衝突が再発するのはなかば必至の状況です。

そうなると今回パレスチナ側が発見したローテク兵器の凧や風船がさらに多用され、IDFもこれに対応する(既にドローンでの撃墜が始まった)という鼬ごっこが繰り返されることでしょう。
結局はガザ住民の生活改善、そのためのガザの封鎖解除が絶対的に必要となってきますが、多分それをできるのはイスラエル政府とエジプトだろうと思いますが(勿論ハマスが平和宣言することも大きな貢献をすることは間違いない)、果たして現在のネタニアフとシーシにそれができるでしょうか?

昔は、こういう場合には米国が建設的な仲介役を果たしてきましたが、トランプにそれを期待するのは、「木に登って魚を得ようとする」ような話だろうと思います。
livedoor プロフィール

abu_mustafa

最新コメント
記事検索
  • ライブドアブログ