中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

パレスチナ

オスロ合意の蜃気楼(風刺画)

14qpt777[1]オスロ合意が米のホワイトハウスの庭で、イスラエルとパレスチナ(PLO)代表の間で署名されて(1993年9月13日)から25年も経つのですね!

トランプ大統領の登場もあり、オスロ合意は事実上反故となりつつこともあり、すっかり忘れていましたが、アラビア語メディアの中には、ちゃんと覚えていて、風刺画を載せているところもあります。

この風刺画の題は「オスロの蜃気楼」というもので、パレスチナ人がオリーブの葉を持って砂漠の中の水の蜃気楼(オスロ合意)に向かってきたが、どうもおかしいと気が付いたのでしょうか?

確かに今から振り返ってみると、当時世界中の人が、これでようやくイスラエルとパレスチナにも、希望の持てる時代が訪れたとの明るい希望を感じていた時代でしたね。

それが今ではオスロ合意とは蜃気楼だったなどと風刺されている始末です。
夢と希望は現実の世界に常に裏切られるものでしょうか?

ガザ情勢(14日)

昨日は金曜日で、恒例の(という言い方は酷いが)帰還のための行進が行われ、13000名とも言われる群衆が境界線に向けてデモ行進し、イスラエル国防軍(IDF)の発砲で、児童(12歳の由)を含む3名が死亡し、80名とも11名とも120名ともと言われるパレスチナ人が負傷した(興味深いことに、これらの数字の中で、最大の120名というのはhaaretz net がガザ保健省の数字として報じているもの)とのことです。

これらの状況はal qods al arabi net ,al jazeera net ,haaretz net が報じているところ(al arabiya net は、サウディ系の所為か否か、気付いた限りでは特に取り上げていない)、これで2ヵ月以上も毎週金曜日になると、恒例のようにデモ行進が行われ、複数の犠牲者(最近では児童の割合も多い)が出ていますが、デモを組織する連中は、このデモから何を得ようとしているのでしょうか?

このような形の圧力で、ネタニアフやトランプがその政策を変更するとでも思っているのでしょうか?
虚しい犠牲と言ったら言い過ぎでしょうか?

入植地(風刺画)

06qpt777[1]入植地(複数)と題する風刺画です。
イスラエルとパレスチナ(西岸とガザ)を入植地が覆い尽くしそうになっているところで、入植地の拡大が和平の最大の妨げと言う意味でしょうか?

http://www.alquds.co.uk/?p=1011325

国連事務総長のパレスチナ人保護案

ガザでの死傷者については先ほども報告しましたが、al qods al arabi net は、国連事務総長が17日、パレスチナ人保護強化のための4項目からなる提案を提出したと報じています。

これはガザでのパレスチナ人殺傷の増加に対して、国連総会が事務総長に提案を求めたことに対するものだが、特に軍事的オブザーバー(要するにPKO)は安保理の決定を必要とし、米国が拒否権を有しているので、実現は難しかろうとコメントしています。

記事の要点は次の通り。

事務総長が提案した4項目は、
  • 現地における国連のプレゼンスの強化。その中には人権監視団及び現地情勢の監視をする政治専門家のミッションも含む。
  • 住民の福祉強化のための人道的援助、開発援助の増大。
  • 国境検問所、域内検問所、入植地の近く等への文民監視ミッションの展開。
  • パレスチナ文民保護のための警察または軍事ミッションの展開。
であるが、これら実現にはイスラエルの協力が必要であるが、それは困難であろう。
特に国連PKOのごとき性格のミッション設立には安保理の決議が必要だが、拒否権を有している米国が賛成するとは思われない。
1994年には、西岸のヘブロン(パレスチナ人の居住地だが、ユダヤ人の中には、ユダヤの土地だとして、居住する者が出てきて緊張が高まっていた)に、EUを含む小規模の監視団が派遣されたことがあったが、イスラエルはその後、機微な地域への国際ミッションの受入れは拒否している。

http://www.alquds.co.uk/?p=997786


国連では、本来この種の国連としての政治的、軍事的具体的行動を伴う問題は安保理の管掌するところですが、安保理では常任理事国に拒否権があり、パレスチナ問題については米国が、極めてイスラエル寄りの立場を堅持してきているために、総会に付託することが増えています。
ガザ問題から生じたパレスチナ人の保護問題もその一例ですが、おそらくこの報告書は総会に送られ、そのまま国連の「パレスチナ問題の重要な文書として保管される」と言う運命をたどるのではないかと思います。

ガザ情勢(17日)

ガザに関しては、イスラエルとハマスの仲介をしているエジプトなどの停戦案(6段階からなるものの由)が、固まりつつあるとの報道がありますが、他方、毎週金曜日の「帰還のための行進」では、al qods al arabi netによると、17日ガザ・イスラエル国境方面でパレスチナ青年2名が死亡し、240名(270名との説もある模様)が負傷したとのことです。

負傷したもののうち 、60名は銃撃により、残りはゴム弾や催涙ガスによるものの由。
また、この他エルサレム旧市街で、パレスチナ人がイスラエル人を襲おうとして殺されたとのことです。
記事はさらに、このためこれまで帰還のための行進が始まってから、170名がイスラエルとの衝突で死亡したとしています。

http://www.alquds.co.uk/?p=997426
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/8/17/اللمسات-الأخيرة-لهدنة-طويلة-في-غزة

このような状況で、冷静に今後の停戦と良好な関係など議論できるものか、疑問はありますが、取り敢えず。
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