中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

ヒズボッラ

クルドの住民投票(ヒズボッラー書記長のコメント)

al qods al arabi net とal jazeera net はアシューラを前にした30日のヒズボッラー書記長の、クルド自治区の住民投票に関する発言を伝えています。

al qods al arabi net の報じるところでは、イランの作ったヒズボッラーの書記長のことですから、当然、住民投票には反対で、クルド自治区の問題はイラクやシリア、イラン、トルコだけに関係する問題ではなく、中東全域に関係する問題で、クルドの独立は更なる中東地域の分裂、更にそのまた先の分裂をもたらし、中東に多くの内戦をもたらす、大きな不安定要因になるだろうと警告しています。
また、この投票は米国とイスラエルの陰謀であるとの主張も繰り広げています。
ところが、al jazeera net の報じるところでは、同書記長は、クルド地域の分離、イラクの分割はサウディの分割につながるだろうと警告している由。
それによると、これまでのサウディの政策の失敗がイランの影響力の伸長をもたらしており、イラクの分割を企ててきたが、イラクの分割はサウディは、サウディの分割をもたらすであろうとしている由。
書記長は更に、サウディ指導者に対して、戦争ではなく、対話により問題解決に取り組むように呼びかけ、その間違った政策がイランお影響力拡大をもたらしたとした由。

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/10/1/نصر-الله-تقسيم-العراق-سيؤدي-لتقسيم-السعودية
http://www.alquds.co.uk/?p=800002

ナスラッラー発言の真意は不明ですが、ヒズボッラーがイランと一心同体であることを考えると、矢張りポストISの問題は、クルド問題とその中東への影響になるとみているということなのでしょうね。

レバノン情勢(風刺漫画)

fa333f2f-28c1-4d03-bf6a-446c20f2d99a_4x3_296x222[1]先ほどレバノン情勢について書きましたが、この絵ではナスラッラ―(ヒズボッラーの書記長)と思しき男がレバノン杉(レバノンの象徴)を薪にしては、シリアと書かれた火の中にくべているところです。
要するにヒズボッラーがレバノンをシリアの業火に放り込み、レバノン自体の存在さえ危なくしていると言うことなのでしょうかね?
http://www.alarabiya.net/

シリア情勢(ヒズボッラの武器のレバノンへの搬送)

最近のシリア情勢に鑑みて、これまでヒズボッラがシリア内に貯蔵していた(2006年のイスラエルの南部レバノン侵攻の際の経験から、シリアは安全な貯蔵基地を考えられていた)ミサイルやロケットを、レバノンに移動していると言う情報が時々ありましたが、24日付の le figaro international net の記事は、西側情報筋によるとヒズボッラはミサイルやロケットを秘密裏にレバノンの自分の拠点に移動していると報じています。

極めてありそうな話で、ヒズボッラの武器を軸に、イランーシリアーヒズボッラの3角関係を説明していて、興味がるので、その要点のみ次の通り。

西側情報筋によれば、ヒズボッラは最近のシリア情勢を極めて危惧しており、これまでシリアに貯蔵していたミサイル等をレバノンに搬入しようとしている。

この数週間西側情報機関は、シリアとレバノンのベッカー高原で多くのトラックが移動しているのを捕捉している。彼らは中射程の zelzal 地対地ミサイルとロケットの fajr3, hafr5 を移動していたのである。

これらの極めて機微な武器の貯蔵の為に、ヒズボッラはシリアの基地内に自らの警護兵等を配置してきたが、その基地はダマス郊外の douma やホムスにあるが、そこは反政府派の強い地点でもある。
ヒズボッラにとってシリアの貯蔵基地は安全な地帯であった。

しかし、今や状況は変わった。一つにはシリアがヒズボッラも使用しうる高性能の地対空ミサイルを製造し始めたことである。もう一つはアサド政権の不安定化である。

このため武器をレバノン移送することが緊急に必要となったが、事は簡単ではない。
ヒズボッラは車列に対するイスラエルの攻撃を恐れ、またレバノン人及びシリア人からもそのような移送は評判が悪いことも承知していた。

困難にもかかわらず、ヒズボッラは上手く偽装して一部の兵器の移送に成功した。
ヒズボッラが自分で管理している分はともかく、シリア軍基地にあるミサイルのレバノンへの搬送に対してシリアが承知するであろうか?ここでゴッドファーザーのイランの役割が重要になって来る。

最近いくつかの証拠が、シリアとイランに対して、この秘密の移送が米国衛星に嗅ぎつけられたことを示した。これに対処するため、シリアの治安当局と force al qods (イランの海外における軍事部門)はダマスカス空港に合同司令部を設けた。
イランとシリアはイランからヒズボッラあての武器を搭載したシリア向けの輸送機がトルコで強制着陸させられ、武器が押収されたことから教訓を得たのである。

イラン革命防衛隊のシリア政権支援については、EUがその責任者3名をシリアの民衆抑圧のための器具その他の支援のかどで対シリア制裁に加えたことで明らかである。
またイラン人の狙撃兵が実際にシリアで目撃されている。

http://www.lefigaro.fr/international/2011/06/24/01003-20110624ARTFIG00600-le-hezbollah-rapatrie-son-arsenal-de-syrie.php

ヒズボッラ(CIA等のスパイ)

先日はヒズボッラ内部のイスラエル・スパイの話をご紹介しましたが、今度はCIA等のスパイです。

24日付の al qods al arbi net の記事は、ヒズボッラのナスラッラ書記長が、24日ヒズボッラがその内部の米国のスパイ2名、欧州国のスパイ1名を摘発したと発表した旨報じています。
 
ナスラッラは、これらのスパイは過去5月以内にリクルートされたが、ヒズボッラの幹部や宗教指導者や書記長の親族は含まれていないと述べたとのことです(書記長の親族云々のところが、何故わざわざこんな発言をしたか気になりますが、おそらくそのような事件が前にあったのでしょうね?)。

そして、ナスラッラはイスラエルがヒズボッラに浸透できなかったことが米国に協力を求めることになった背景であると説明し、ベイルートの米大使館は今やイスラエルのためのスパイリクルート拠点になっていると非難したとのことです(このイスラエル云々のところはつい最近イスラエルのしかも、ヒズボッラ内の大物スパイの話が報じられた直後であるだけに、極めて奇怪です。もしかするとイスラエルスパイが中枢にまで入り込んでいたと言う話を打ち消すためにCIAスパイ云々の話を持ち出した可能性が濃厚のような気がします)。

http://www.aljazeera.net/NR/exeres/D99E7CC7-EF4B-484D-AD1B-2B890C021D07.htm?GoogleStatID=9

イスラエルスパイ終身刑

前にこのブログでご紹介したかと思うが、レバノンでのイスラエルスパイ網が摘発され(逮捕されたのが22名の由)、レバノンのイスラエル情報網が大打撃を受けたというニュースがありました。
その件について、本日のBBC電子版は、レバノンの軍事法廷は、ヒズボッラに関する情報をイスラエルに提供していたFaisal Makladと言う男を終身刑に処した(ただし、上告可能)と報じています。
同紙によると、彼及び罪を自白した7名の証言に依れば、イスラエルは2006年の南部レバノン侵攻の後、ヒズボッラを壊滅させること及びその指導者nasrallah暗殺のための情報を要求しており、またそれまで眠っていた(要するに万一のために通常は活動をしないで指令を待っている、という意味。sleeper と呼ばれる)スパイ網の再活性化もこれらスパイたちの仕事であったとのことで、彼らはイスラエルとの間を往復し、またしょっちゅうイスラエル情報局と交信していたとのことである(スパイの所持していたといわれる暗号解読機の写真が載っている)
イスラエルのモサドが占領地のパレスチナ人を含むアラブ人の間に広範な情報網(要するにスパイ網)を持っていることは、中東では公然の秘密で、イスラエルはこれらのスパイからの情報に基づき、パレスチナ人指導者らの暗殺を実行してきた訳で、モサドがnasrallah の暗殺を狙っていたということは極めてありうる(と言うよりはまず間違いないと思う)ことと思われます。
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