中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

フランス

シリアに関する4国首脳会議

ロシア外務省が、近くシリア問題に関するロシア、独、仏、トルコの4首脳会議が開かれるだろうと語ったことは、先に報告しましたが、どうやらこれらの国の間では現実に何らかの動きが(米国抜きでシリア問題の今後について話し合うとか)あるようですが、関連の報道取りまとめたところ次の通りです。

  • 独首相は17日の記者会見で、これらの国が4首脳会議の準備を進めていることを明らかにし、会議の開催に関する独の支持を表明した。会議の時期については言明しなかったが(会議には関係国の外務省等が十分事前準備をする必要があるとした由)、このような会議はシリア問題の最終解決に資するであろうとした由。同首相はシリアのイドリブ問題について、エルドアン大統領と協議したが、近くロシアのプーチンとの協議する予定であると語った由。
  • そのプーチンとメルケル首相であるが、プーチン大統領は18日ドイツを訪れ、メルケル首相とシリア問題、ウクライナ問題、新たな天然ガスパイプライン問題について協議する予定の由。米国はこの会合にいら立っているが、特に新しいパイプラインは独のロシアの天然ガスに対する依存度を増すだけであるとして批判している由。ウクライナや東欧諸国も、このパイプラインがロシアの影響力を増やすと懸念している由。
  • 他方、トルコの国防相と情報機関の長官は、突然ロシアを訪問し、ロシア国防相等とシリア問題、特にイドリブ問題について協議した。

http://www.hurriyetdailynews.com/turkish-defense-minister-intelligence-chief-in-russia-to-discuss-syrias-idlib-135917
http://www.alquds.co.uk/?p=997798
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/8/17/ميركل-تدعم-قمة-رباعية-بشأن-سوريا-فماذا-عن-واشنطن

ISに対するクルド勢力の攻撃(シリア)

ISがシリアとイラクでは大部分の支配地域を失い、シリア西部のデリゾルの一部地域で若干の抵抗スポットを保持していることは何度か報告しましたが、al arabiya net は、20〜21日の夜にかけて、シリア民主軍(クルドのYPGが主力)がデリソル地域のユーフラティス東岸で攻撃をかけているが、この攻撃は米及び仏軍と協力して行われていると報じています。

シリア人権網によると、攻撃は先ず米及び仏軍のミサイルによる準備砲撃から始まったが、IS戦闘員がイラクやシリアの他の地域に逃走するのを防ぐためにイラク軍及び有志連合空軍と調整しつつ行われている由。

記事はさらにこの地域でもISは都市を支配してはいないが、未だに3つ程度の村落のを支配しているとしています。

https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/05/20/القوات-الكردية-تتقدم-في-آخر-جيب-لداعش-شرق-سوريا.html

朝方だったか、この地域にISの首領バグダーディが潜伏しているという報道をお伝えしましたが、その関連のニュースで、ISを追い詰めるに最も勇敢であったのはクルド戦士だが、トルコのafrin 地域への侵攻でかなりの数のクルド戦士がそちらの方面へ回されたので、ISとの戦いは一時下火になっていたというのがありました。
このニュースが事実であれば、afrin地域が治まった(というかトルコ軍が制圧してしまった)ので、一時そちらに転用されていたYPG部隊がこの地域に復帰したというところでしょうか?

米軍はともかく仏軍もミサイル攻撃で支援しているという話は仏の積極姿勢を示すものでしょうね。

シリア、イラクに残る仏戦闘員

確か数日前に、米軍等有志連合報道官が、現在シリア、イラクに残っているIS等の戦闘員は3500名程度であると語ったかと思いますが、仏外相は8日仏TVとのインタビューで、シリア及びイラクにはまだ500名の仏人戦闘員が残っていると語った由。

確か、ISの最盛期にはそのシリア、イラクにおける勢力は30000〜35000と推定されていたかと思いますので、その後帰国したり死亡したり、その他の地域に移ったりで、約10分の1が残っていることになります。

そのうちの500名が仏人とすると、仏人の比率が異常に高いようにも思われますが、、報道のまま。
それにしても英仏等にどのくらいの戦闘員が帰国しているのでしょうか?
もうすぐクリスマスで(確か昨年はベルリンでクリスマス市場が襲われた)ですが、今年はトランプのエルサレム発言もあり、欧州や中東は厳しい警戒が続くでしょうね。

http://www.alquds.co.uk/?p=841481

イランに対抗する必要性に関する米仏首脳の合意

al qods al arabi net とal arabiya net は、18日イランとヒズボッラーの策動に対抗する必要があることで、米仏首脳が一致したと報じています。

記事によると、マクロン大統領は、ハリリ首相と会談後、複数の外国首脳と電話で、レバノン問題等について協議をしたが、その中でトランプ大統領との間では、ヒズボッラーとイランの中東不安定化の活動に対して、対抗する必要があることで一致した由。
仏大統領府によると、マクロンが電話で話したのはトランプの他、レバノン大統領、エジプト大統領、サウディ皇太子及び国連事務総長の由で、今後さらにほかの首脳とも協議する予定の由。

http://www.alquds.co.uk/?p=829159
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2017/11/19/ترمب-وماكرون-متفقان-على-ضرورة-مواجهة-حزب-الله-وإيران-.html

取りあえずのところ以上で、両首脳が具体的にどのような話をしたのかは不明ですが(想像するにハリリの辞職の経緯や背景、レバノンでのヒズボッラーの行動、サウディにおけるハリリの行動等を踏まえたものかと思われる)、仏大統領府が、レバノン支援国会議を開こうとしていることとあわせて、ここにきて急にレバノンの情勢が正面に出でてきました。

ハリリの仏大統領との会談

レバノンのハリリ首相は18日パリに到着し、マクロン大統領と会談し、その後の声明で、22日のレバノンの独立記念日(仏の植民地からの独立)出席のために、ベイルートに戻ると声明しました。
また、彼自身の立場(要するに首相からの辞任を撤回するか否か)は、ベイルートで大統領と協議の後に、決定するとした由。
(したがって、なぜ彼がサウディで辞任を表明したのか、またサウディでは自由を拘束されていなかったのか?等については依然として不明です。しかし、彼はパリのホテルからアウン大統領、ベッリ国会議長等と電話をしたということで、彼がサウディから彼らと電話で話したか否かは判明していないが、仮にパリにでてきてようやく電話をした、としたら彼がサウディでは自由を拘束されていたことを物語るのかもしれない)

他方仏大統領府は、ハリリのパリ招待は、中東地域の緊張緩和のためであったとして、必要があれば仏でレバノン支援国会議を開く用意があると表明した由。
会議が開かれれば、参加国には英米仏独とロシア、中国が含まれる由。

その他の動きとしては、
・レバノン外相は、サウディとの対立を避けるために19日カイロで開かれる、アラブ外相会議に欠席するかもしれないとのこと。出席の有無は19日午前中に決める由。
・仏政府はイランとの対話は重要と考えるとして、外相は予定通りテヘランを訪問する由。
・ハリリの子供2人は未だリヤドにとどまっている由だが、仏大統領府は、彼らがサウディに居ることは、ハリリの自由行動をさまたげることにはならないと考えると表明した由。

http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2017/11/18/-فرنسا-تبحث-استضافة-اجتماع-دولي-حول-أزمة-لبنان.html
http://www.alquds.co.uk/?p=829015
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/11/18/فرنسا-تعتبر-استقبالها-الحريري-تخفيفا-للتوتر

まだよくわけのわからないところもあるハリリの辞任劇だが、取りあえず。
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