中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

入植地

悪運強いネタニアフ?

先日イスラエル内閣が(たしか)455戸の既存の入植地での新しい住宅建設を決めたという報道とエジプト情報機関の斡旋にもかかわらず、ファタハとハマスの和解交渉が難航しているという報道があったと言うことはご報告しました。
またアッバスPLO議長がイスラエルが入植をすべて凍結しない限り、和平交渉に応じないという立場をとっていることは良く知られています。
つまり、ハマスとファタハの話し合いがどうなろうと、ネタニアフは既存の入植地の人口の自然増加に対応するだけで、何ら新たな入植地の建設はしないとのコミットに違反してと嘯きながら、当面厄介な和平交渉からは逃れられるということです。

おまけに、ブッシュとは違ってパレスチナ和平に真剣で取り組むものとみられていたオバマ大統領は米政権最大の案件とか言う国民健康保険問題を抱えて、当面中東の問題などに大きな力を注sぐ余裕はなさそうです。また仮にあったとしても、現実的な問題としては、カルザイ政権のインチキ選挙が大きな問題となっている、アフガニスタン情勢の方がはるかに緊急性があり、その上でさらにパレスチナ問題にまで手を広げることができるとも思われない。

と言うことは、オバマ政権の成立で、強い圧力を受けて、国内政治的にも苦しい和平交渉に応じぜざるを得ず、持ち前の粘り腰でも今回ばかりは、相当苦労するだろうと思われていたネタニアフは、アラブ側の事情と米国の事情と言う天与の要因で、棚ぼた餅式に当分は自分がサボタージュをしなくても、和平交渉そのものがそもそも動かなくなったものとみられます。

昔からつくづく思うのだが、どうしてアラブ人と言うのはいつもいつもネガティブな条件を付けては、自分の方から交渉そのものをできなくして、結局は損をすることを性懲りもなく続けるのでしょうね。入植地の完全凍結までは交渉もしないと言っている限りは、ネタニアフはオバマがかんかんに怒らない程度の、ごく小さな住宅建設などをやっていれば、いつまでも交渉は始まらず、損をするのはパレスチナ人と言う図式が続くだけなのですがね。

以上の見方は勿論小生の個人的な見方ですが、どこかで重大な見落としがあったり、重要情報に接していなかったりと言うことで、この見方が完全に間違っていると嬉しいのですが、そんなことはないでしょうね。

矢張りネタニアフは悪運強い男です。

オバマと中東和平

BBC等によるとワシントンを訪問しているリーバーマン・イスラエル外相とクリントン国務長官が記者会見で、入植地の拡張問題について、公衆の面前で意見の相違を露呈したそうです。
リ外相がイスラエルとしては、入植地の自然拡張(要するに人口増等に対処するため既存の入植地を拡大するもの)を止める意思は全くない、と発言したのに対して、ク長官が米国としては入植地の拡大の完全な凍結を求めており、これまでもイスラエルは既存の立場を変更したことがある等として、強くその再考を求めたとのことです。
とりあえずはオバマ政権のお手並み拝見と言う所ですが、ネタニアフの総論賛成具体論完全ボイコット作戦が開始されたという気がします。
但し、クリントンは、大統領夫人であった時に夫のクリントン大統領がネタニアフに振り回され、ものすごく悔しい思いをしていたのを、すぐ傍で見ていただけに、今回はそう簡単にネタニアフの策謀を許さない可能性が強く、オバマとクリントンのコンビの敢闘に期待するという所です。
livedoor プロフィール
最新コメント
記事検索
  • ライブドアブログ