中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

日本

日本決議案に対するロシアの拒否権

シリアでの化学兵器使用に関する安保理決議案ついて、ロシアが拒否権を使ったことは先に報告しましたが、ロシアはまた同じ問題について17日再度拒否権を行使しました。

今度は日本の決議案ですが(アラビア語メディアは、それほど細部に拘らないので、自信はないが、どうやら共同提案国はなく、日本単独の決議案の模様)、その決議案は、先の米国の決議案が廃案となったことを受けて、安保理と化学兵器禁止条約機構の調査団の任期を30日延長して、その間、国連総長と同機構事務局長が、今後の作業の在り方について検討し、提案することを求めるというものの由。
今回も反対はロシアの他にボリビアだけで、中国は棄権した由。(ほかに棄権の有無…例えばエジプト…は不明)

http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/11/18/مجلس-الأمن-سيصوت-على-تمديد-قصير-لعمل-لجنة-كيمياوي-سوريا-.html
http://www.alquds.co.uk/?p=828688

通常は極めて大人しい日本が、ロシアの拒否権行使が予測される問題について、決議案を提出したことは、日本政府としては相当思い切った行動かと思います。
矢張り安倍総理の決断でしょうか?
北方領土問題への跳ね返りなど考慮はしたのでしょうね?

カタール問題(安倍総理の発言)

いや驚きました。
本日のal jazeera net に、安倍総理の大きな写真と、日本が他のアラブ諸国の対カタール措置は酷で、論理的ではないと語ったと出ていたからです(その後、この記事の扱いはかなり小さくなりましたが、まだ出ています)

記事によると、総理はカタール首長に電話をして、その中で、日本としてはカタール問題の影響が拡大していることを懸念しており、クウェイト首長等の調停のための外交努力を支持していると伝え、カタールに対する措置は酷で論理的ではないと語ったとのことです。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/6/28/اليابان-مطالب-دول-الحصار-قاسية-وغير-منطقية

ここまで総理が踏み込んで発言するというのは、日本としてはあまりないことですが、実はこのカタール問題についても欧米では、トランプ大統領が明確にサウディなどの肩を持った発言をし(しかも国務長官等は慎重に中立的な発言に終始している)、他方ドイツ外相がカタールの肩を持った発言をしたことくらいで、残りは仏大統領をはじめ、皆、慎重に中立的な発言に徹し、問題の拡大を懸念し、早期の外交的解決を支持するというトーンだからです。
日本は確かカタールの天然ガスを購入しているとは思いますが、それ以上にサウディ等からの石油にも依存しており、この問題については特段どちらかの肩を持つべき理由もなく、特にカタール寄りの発言をしたとも考えにくいですね。

想像すれば、そこは日本ですから、カタール首長との会話の中で、柔らかく対応していたところ、先方が自分の立場を理解支持してくれたと解釈したというところではないかという気がします。
関係閣僚等の問題発言や失言が続く安倍内閣でも,総理はまだ大丈夫だろうと思うのですが・・・
もっとも、この発言は国内ではほとんど報じられていない模様で(報じられていても見ていない可能性はあるが)偏った報道か否かも不明ですが、とりあえず。
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