中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

石油

紅海でのサウディ・タンカー攻撃(革命防衛隊幹部の発言)

先日の紅海におけるhothyグループのサウディタンカー攻撃は、バーブルマンデブ海峡も封鎖の可能性があるとして注目されましたが(もっともサウディ石油相は、紅海の安全が確保されたとしてタンカーの輸送を再開したが)、この事件で裏にイランがいたのか否かが注目されていました。

しかるにal qods al arabi net とal arabiya net は、革命防衛隊のthar allah本部作戦部長とか言う人物が、この攻撃はイランの要請によりhothyグループが実行したものであると発言したと報じています。
彼はまた、イエメンのhothyグルプとレバノンのヒズボッラーは、イランにとっての戦略的縦深であると語った由。

http://www.alquds.co.uk/?p=990023
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2018/08/07/الحرس-الثوري-حرضنا-الحوثي-على-استهداف-ناقلات-السعودية.html

彼が革命防衛隊でどの程度の地位にあるのかは不明ですが、この発言はファルス通信とか保守派のファルダ通信等も伝えているとのことですから、単なる個人の戯言ではなく、革命防衛隊として、かなり公式的発言かと思われます。

問題は米の制裁再開が始まり、イラン・米国関係が緊張し、おそらくイラン内でもロウハニ政府と革命防衛隊の強硬派等との意見の差があるのではないかと推測される現在で、何故こんな発言が行われたかです。
一つの可能性としては、前からロウハニ大統領も、イランとしては必要があればホルムズ海峡のみならず、その他の海峡も閉鎖する能力があると言っていたことの裏付けとして、米国に対して牽制したことです。
もう一つは米国との妥協を模索しているとみられるロウハニに対して、妥協しないように強硬派が牽制したことです。
個人的には前の方の可能性が強そうに思いますが、根拠はありません。

イエメン情勢とサウディ

サウディ等アラブ連合軍のイエメンへの介入は、民間人の犠牲者を増大させる反面、正統政府の回復という目的は程遠い感じがします。

断片的ですが、サウディとイエメン内戦に関連する報道次の通り。

・hothyグループは4日、サウディの空軍基地をドローンで攻撃したと発表した。
これはhothyグループの通信社が報じるもので、それによるとqasef 1ドローンが、サウディ南部のハーレド国王空港を攻撃した由。
空港の損失等は不明。サウディ側のコメントはまだ出ていない模様。
(hothy空軍?のサウディに対するドローンによる攻撃は、これで2回目か(記憶はあいまいだが)と思われるところ、このqasef1と言うドローンがどの程度の攻撃能力があるかは不明なるも、攻撃の回数が増えると、サウディ側の損失も生じると思われるので、要注意でしょう。もしかするとコスパが非常に良い攻撃手段かもしれません。)

・他方サウディ政府は、サウディタンカー2隻に対するhothy 軍の攻撃を受けて、紅海の原油輸送を停止していたところ、サウディ石油相は、紅海の安全が確保されたので、4日からバーブルマンデブ海峡を通る原油輸送を開始すると発表した由。
(安全が確保されたということは、hothyグループが攻撃を中止するとしたことかと思いますが、その様な声明等は記憶にありません。仮にアラブ連合軍による保証であればあまり信頼性はないのではないでしょうか?)

https://www.alarabiya.net/ar/aswaq/oil-and-gas/2018/08/04/المملكة-تستأنف-شحنات-النفط-عبر-باب-المندب.html
http://www.alquds.co.uk/?p=987814
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/8/4/الحوثيون-يستهدفون-قاعدة-جوية-سعودية-بطائرة-مسيرة

ホルムズ海峡問題(風刺画)

cartoon22-7-2018-[2]ホルムズ海峡閉鎖問題に関する風刺画です。

ピストルにはホルムズ海峡と書いてあり、その引き金に指をかけている手にはイランと書いてあります。
イランがホルムズ海峡閉鎖などと言う措置に出たら、イラン自身も甚大な被害を被る(もしかすると自殺行為)という意味でしょうか?

https://aawsat.com/home/cartoon/1339426/%D8%A3%D9%85%D8%AC%D8%AF-%D8%B1%D8%B3%D9%85%D9%8A

湾岸石油の停止?

先にロウハニ大統領が、米国がイランの石油輸出を止める場合には、湾岸の石油は輸出できなくなると発言し、これがイランによるホルムズ海峡の閉鎖の警告か否かとして、議論を呼び起こしたことは報告済みです。

この問題について、al qods al arabi netは、イラン最高指導者がそのネットに、イランが湾岸の石油の輸出を止める(ということはホルムズ海峡の閉鎖か?)との、ロウハニ大統領の発言を支持すると書き込んだと報じています。

他方、al arabiya net は、21日イラン通信irnaが、ハメネイがイラン外相やイランの海外大使等の外交官と会談した際に、米国との交渉は意味がないので、イランとしては米国と交渉するつもりはないと語り、更に、イランが石油を輸出できない場合には他の湾岸種国の石油も輸出できなくなるとのロウハニ大統領の発言は、重要な発言で、イラン体制の戦略であると語ったと報じているとしています。
またハメネイは、欧州等の交渉は重要だが、イランとして欧州から明確な提案が来ることをただ待っている訳にはいかないとも語った由。

記事は更に、米国のつけた11月という期限を待たずに、タンカー等の輸送者は、イランとの海外貿易を既に徐々に削減し始めてるとコメントしています。

またロシア、イタリア、仏、デンマーク等の多国籍大企業が、イランとの取引やイランにおける資源探査を停止し始めているとも報じています。

更に米政府は、イラン石油の供給が完全に停止しても、その他の国の石油輸出能力にはまだまだ余力があると説明しているともコメントしています。

(イランとしてはその石油輸出が全面的に停止した場合には、真綿で首を絞められる状況となり、その社会的不安定は増大することがは当然予見され、これに対してイランがホルムズ海峡閉鎖の挙に出るということは非常にあり得るシナリオだろうと思います。その場合には米艦隊との衝突、さらに中東全域に置けるイランとその手先対、米・サウディ・イスラエル等との激しい対立、衝突に至ることは覚悟しておきべきだろうと思われます。)

http://www.alquds.co.uk/?p=978759
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2018/07/21/خامنئي-يرفض-التفاوض-مع-أميركا-حول-الاتفاق-النووي.html

イランとホルムズ海峡問題(風刺画)

karikateer-120718-1.1[1]イランのホルムズ海峡閉鎖警告に関する風刺画です。
頭の上の工場群から黙々と煙を吐いているのは国際社会でしょうか?
彼が点滴で受けているのは石油(要するに世界のエネルギー源)で、その管にはホルムズ海峡と書いてあり、これをイラン人が切ろうとしています。
他方、その地球の方はイラン人の頭(要するに政権という意味か?)を切ろうとしています。
中々傑作な風刺ですが・・・・
https://aawsat.com/home/cartoon/1328186/%D8%A3%D9%85%D8%AC%D8%AF-%D8%B1%D8%B3%D9%85%D9%8A
livedoor プロフィール

abu_mustafa

最新コメント
Categories
記事検索
Archives
  • ライブドアブログ