中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

EU

イエメン情勢(5カ国首脳の呼びかけ)

イエメンではサーレハ大統領のサウディ移送後、サウディの仲介による停戦が基本的に守られているようですが、6日付の仏紙 le monde の記事は、独、英、仏、イタリア、スペインの5カ国首脳が、5日夕刻声明を発し、停戦を調停し、サーレハ大統領を受け入れたサウディ国王の努力に感謝するとともに、イエメン各派に対して停戦を守るように呼びかけたと報じています。

この記事自体は何ら目新しい所はありませんが、若干驚いたのがEUの5カ国首脳による声明と言う形です。

そもそもEUは統合の一層の促進、強化(深化という言葉を使っているが)を目指して、ニース協定を結び、EUの代表と外務担当(確かアシュトンとかいう英国女性のはず)を任命したのですが、どうもその後の状況は逆の方向にベクトルが触れているように見えます。

そもそもEU代表が誰か(確かルクセンブルグの元首相だったかと思う)殆どの外国人は知らないし、対外問題もアシュトン女史は方々でいろいろなことを言ってはいるが、大事なことはサルコジなりキャンベルなり、メルケル等が決めている様に思われます。

要するにどうも欧州の外交政策一元化等言うことは現実的ではないということの一つの見本みたいに思えます。
勿論リビアに対する英仏の政策等その最たるものですが。

http://www.lemonde.fr/proche-orient/article/2011/06/06/cinq-chefs-d-etat-europeens-appellent-a-une-treve-au-yemen_1532272_3218.html

トルコ・EU関係

トルコのEU加盟問題は長年の懸案であるにもかかわらず、殆ど進展を見せていない模様ですが、12日のtoday's zaman net は、キプロス問題をめぐる両者の溝は埋めがたく、このままで行けば加盟交渉の決裂は避けがたいと報じています。

同紙によると、EU側からはキプロス(EUに加盟していて、国連加盟国でもある)の航空機及び船舶のトルコ寄港が認められない限り、加盟交渉の続行は困難としているのに対して、トルコの方ではキプロス問題の解決のための国連案をトルコ・キプロス側が受け入れたのに対して、ギリシャ系のキプロス共和国が拒否したにもかかわらず、その数日後にキプロスをEUに正式加盟させ、トルコキプロスに欧州と商売をさせるとの約束を反故にしたEU側に問題があると応酬しているとのことです。

なお、この問題のためEUとNATOの協力問題が全く進展していない(EU内ではギリシャ及びキプロスが拒否権を、NATO内ではトルコアが拒否権を有している)とのことです。

いずれにしても、このままの状況が進めば遠からずトルコのEU加盟問題は公式にも棚上げされることになろうと予測されているとのことです。

この問題は従来はトルコがEU加盟に一方的に熱心で、EUの種々の要求をいれて民主化などの政策を実効してきましたが、現在の政府及び与党のAKPは世俗主義政党ほど加盟に熱心ではなく、またトルコも経済的好調及び中東における影響力の増大を背景に、昔ほど一方的な「求婚者」でもなくなったので、確かに今後の交渉は対等な色彩が強まり、以前よりは複雑と言うか困難になった感じがします。

http://www.todayszaman.com/news-235372-news-analysis-ankara-brussels-brace-for-showdown-over-cyprus.html

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