サハリン関連情報

2015年11月28日

サハリン州南部ネベリスク港でタンカー座礁、油流出(第一報)

産経ニュースによると、28日午前、サハリン州南部ネベリスク港でタンカーが座礁、油が流出しているとのこと。詳細は以下の記事を参照。

【産経ニュース 2015.11.28 15:12】「タンカー座礁し油漏れ 悪天候、サハリン南部」





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2009年01月30日

サハリン南部で海鳥大量死情報(第二報)

サハリン南部のアニワ湾で発生した海鳥の大量死について、北海道(道庁)のWebサイトに現地サハリンでのニュース報道(09年1月26日分)の日本語訳が掲載されていた。

以下に関係分を引用する。


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2 アニワ湾で起きた鳥の大量死について

 同事故の目撃者であるダイビングセンター「サハリン・ダイビング」ノバルディン・センター長によるとアニワ湾では石油製品による鳥の大量死が見られた。同氏によると、プリゴロドゥノエ村に建設されている液化天然ガス工場から6キロ離れた場所では、重油に覆われた大量の鳥が見られているとのこと。鳥には生きた鳥も既に死んだ鳥もいる。既に海岸の3キロ面では、被害を受けた鳥が見られる。ボランティアは、鳥を重油から綺麗にしようと、鳥を袋に入れ、家まで運んでいる。鳥には、カモ、アビ、ウミガラス、コオリガモがあり、カモメはいないとのこと。
 また、同氏によると、海上に石油膜は見られず、海岸でも石油製品が見られないが、沿岸氷に重油の跡がある。また、同事故は、液化天然ガス工場活動に関係しているとのこと。日曜日に、石油積み出し接岸地からタンカーが出航した。風は、工場からコルサコフ市向けに吹いているし、そこで死にかけている鳥が見られた。現場に既に、コルサコフ地区検察庁、コルサコフ地区内務所、非常事態省、サハリンン州地区間自然保護検察、連邦天然資源利用分野監督庁サハリン州局の代表者が出かけ、調査のため鳥、水、植物のサンプルを取った。

3 鳥の大量死に関するサハリン・エナジー社の発言について

 今日、サハリン・エナジー社の公式な発言として、プリゴロドゥノエ港では2008年12月12日に始まった最初の石油積み卸しの日から、地上、海上にも事故がなく、タンカーへの石油の積み出しとターミナルからの石油積み卸しは、予定通り行われていて、石油流出は見られなかったとのこと。

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以上の記事の引用元:北海道経済部商工局商業経済交流課ロシアグループ「北海道サハリン事務所情報」Webページ
URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/skk/russia/russia/r-yuzhno/today2006/y-today090126.htm



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2009年01月27日

サハリン南部で海鳥大量死情報(第一報)

26日、サハリン南部のアニワ湾(下参照)で石油によると見られる汚染で数百羽の鳥が死んだとの情報が報道された。

詳細については不明。

取り急ぎ、一報のみ。


※関連・参照記事等

【MSN産経ニュース:サハリン南部で石油汚染 数百羽の鳥死ぬ】
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090126/erp0901262012000-n1.htm

【Wikipedia:亜庭湾(アニワ湾)】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%9C%E5%BA%AD%E6%B9%BE

【FoE Japan:サハリンII関連最新情報】
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/sakhalin/index.html

【第一管区海上保安本部:海氷情報センター】
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/1center.html
※左最上段[流氷の動き]内〔海氷速報〕で流氷の動きが確認できる。









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2007年11月26日

サハリン2で原油流出

サハリン北東沖の海上掘削基地で原油流出事故が起きたとのニュースが配信された。
流出量については現時点でははっきりしていないと思われる。


【北海道新聞(11/26 07:33付記事)】
『「サハリン2」の海上掘削基地で原油流出』
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/62489.html?_nva=12


※当ブログの更新が遅れ、多くの方にご心配・ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。サンフランシスコ沖や黒海の事故の関連情報も含め、できる限り頻繁に更新して参りたいと思っておりますが、諸事情によりそれが叶いません。しばらくは若干スローペースでの更新になるかと思いますが、あしらかずご了承下さい。



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2007年10月14日

【サハリン関連】サハリン2原油が直接室蘭へ

「サハリン2」で生産された原油が14日、室蘭に直接輸入される。
道内への直接輸入ははじめてのことで、今回の輸入量は約64,100キロリットル。
サハリン沖の海上掘削基地で中型タンカーに原油を積み込み、6日にサハリンを出港。
今回の原油輸入は長期に渡るものではなく、一回限りとのこと。
詳しくは以下の記事を参照のこと。

【北海道新聞(経済)10月14日07:29付記事】
『サハリン2原油 室蘭へ直接輸入 新日石、14日陸揚げ』
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/54848.html

【室蘭民報−ニュース(2007年10月13日(土)朝刊記事)】
『原油40万バレルあす到着 新日石室蘭「サハリン2」』
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2007/200710/071013.htm
※リンク先の上から2段目の記事。

※参考URL
【新日本石油室蘭精油所】
http://www.eneos.co.jp/company/gaiyou/jigyousho/muroran/index.html

【FoE Japan 開発金融と環境プログラム−サハリン・トップページ】
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/sakhalin/index.html


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2007年09月29日

【サハリン関連】サハリンエナジー「油流出防止に最善尽くす」

道漁連などからなる「北海道漁業環境保全対策本部」は、サハリンエナジー社との間で、同社が油流出事故の防止に最善を尽くすとした文書を交換した、と発表。

【北海道新聞 9月27日 08:32付記事】
『サハリンエナジー「油流出防止に最善尽くす」道内漁業団体と文書』
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/51701.php




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2007年04月17日

宮城県の砂浜にて貨物船座礁

17日午前5時頃、宮城県・山元町の砂浜海岸にて、サハリンから石炭を運搬中の貨物船が座礁したとの報道があった。
幸いにもロシア人の乗組員は全員無事、油の流出についての言及はなされていない。
取り急ぎ、一報まで。

【YOMIURI ONLINE】17日9:23付記事
『宮城・山元町の砂浜に外国貨物船座礁、乗組員は全員救助』
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070417ic03.htm


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2007年02月18日

サハリンのパイプラインで原油流出

「サハリン環境ウォッチ」は、「ロスネフチ・サハリンモルネフチガス」社のパイプラインから原油が流出したことを明らかにした。
2月5日、同団体にノグリキ地区のナビリ湾のカイガン港周辺での原油の流出事件について電話情報が入った。
2月6日「サハリン環境ウォッチ」の職員が事故現場を視察した。
原油の流出は、2005年12月に起きた事件と同様な場所における地下の石油パイプラインで起きたとのこと。
石油流出について全ての情報の早急な提出は法的義務であるにもかかわらず、環境関係者が驚いたことに、監督機関も非常事態関係者も石油関係者からこの事件について通報を受けていなかった
―――北海道サハリン事務所情報 2月7日のニュース
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/skk/russia/russia/r-yuzhno/today2006/y-today070207.htm

その後2月12日のニュースでは「ロスネフチ・サハリンモルネフテガス」社側は流出した原油の除去作業は既に終了したと発表しているが、実際には現場での作業はまだ続いていると報道している。
連邦環境・技術・原子力監督庁サハリン州支局は「流出した原油量は2立方メートルだけである」と公表した一方で「今週中、同局の専門家は、流出した原油量を判明する目的で、事故現場に滞在し、除去作業を監視する」としており、実際は、流出した原油量がまだ判明されていなく、あるいはこの数字が隠されているということである。
―――北海道サハリン事務所情報 2月12日のニュース
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/skk/russia/russia/r-yuzhno/today2006/y-today070212.htm

ノグリキはサハリン1や2に近い北の街である。
「サハリン環境ウォッチ」の調べによると、2月6日の視察時には流出した原油の除去作業が進められており、汚染された土壌の除去作業中であり、原油の水たまりができていたとのこと。
石油天然ガス採掘管理局「カタングリ・ネフテガス」の技師によると、流出は2日前(4日か?)に起き、流出した原油量は2立方メートルであるという。しかし、現地の住民によると、流出事件は1週間前に起き、原油100トン以上が流出したとのことで、意見が食い違っている。
さらに原油流出後、現場から監督機関への迅速な情報の伝達が行われていなかったことが伺われる。
原油流出事故が4日に起こったと仮定して、10日間以上も経ってなお正確な原油流出量が公表されないような状況で、もし湾内や海への大量原油流出が起きたとき、果たして日本へ正確な情報が伝えられるのだろうか。
北海道民として非常に不安である。
国や道はこの報道に関し、事実関係の調査等を行っているのだろうか。

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2006年12月22日

サハリン2・経営の主導権が「ロシア」へ・・・

今朝から各メディアで「サハリン2の経営主導権がロシア政府系独占企業「ガスプロム」に委譲された」との報道がなされた。

・日本経済新聞「サハリン2、株式過半譲渡で合意・ロシア側に8800億円で」
http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20061221AS1D210EA21122006.html
・北海道新聞「サハリン2、ロに経営権 シェル、日本勢が合意」
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061222&j=0026&k=200612224573

これから先、どうなるのだろうか。

その「ロシア」という国の今について特集した番組が今夜放映される。
・NHKスペシャル「ロシア・蘇(よみがえ)る大国〜プーチン流資本主義の行方〜」
(NHK総合:22時00分〜22時49分)
http://www.nhk.or.jp/special/onair/061222.html




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2006年12月01日

わたしたちの見たサハリン2

0611252006年11月25日(土)札幌学院大学社会連携センターにて「わたしたちの見たサハリン2〜開発現場からの最新レポート〜」と題してフォーラムが開かれた。オホーツク支部からこのフォーラムに顧問のH氏とWが参加した。フォーラムの情報量が膨大であり内容も深刻なため、残念ながら簡潔に上手くまとめることが出来なかった。本来ならばわかりやすく伝えたいところなのだが、配布された資料を以下に転載することで許しを得たく思う。

1.サハリン石油・天然ガス開発とその経緯
  村上 正子(国際環境NGO FoEJapan)
プロジェクトの概要および現状
事業者:サハリンエナジー社(以下SEIC。ロイヤルダッチシェル55%、三井物産25%、三菱商事20%)
現状:現在第2期工事進行中。SEICは2005年7月、総事業費が当初計画の2倍にあたる200億ドルになると発表。液化天然ガス(LNG)は2007年に出荷予定が2008年半ばに延期された。第2期工事では、海洋掘削リグ2機増設、海底パイプライン、800kmの陸上埋設パイプライン、原油輸出ターミナル、天然ガス液化プラントを建設。
公的融資:国際協力銀行(JBIC)、欧州復興開発銀行(EBRD)、米輸出入銀行(US EX-IM)、英貿易保障局(ECGD)が第2期工事への融資を検討中。
環境・社会影響に関する主な問題点
1.絶滅の危機にある野生生物への影響
オオワシ(北海道で越冬。天然記念物、日露渡り鳥条約、種の保存法指定)やニシコククジラ(生息数約100頭以下。国際自然保護連合(IUCN)、水産庁、日本哺乳類学会で絶滅危惧種指定)を含む貴重な野生生物に対し、開発行為および油流出により甚大な影響が及ぶ懸念。またこれらに対する影響の回避や対策が不十分。
2.油流出対策
油流出事故による、北海道およびサハリンの地域経済を支える漁業資源への深刻な影響、また地域社会への被害。
第2期工事建設される関連施設の「油流出対応計画書(OSRP)」が、完成していないため、「地震による流出油対策」「結氷時の流出油対策」、「分散剤による自然環境や漁業への影響」など多くの問題が残されたまま。
タンカー事故発生時の関係国への通報体制、ロシア・日本の円滑な連携への疑問。
3.油・ガス陸上パイプライン
800kmの陸上パイプラインが、サケ・マス類の生息にとって重要な1000本以上の河川を横断して埋設されるため、工事による土砂流出、水系汚染の懸念。
サケが産卵する河川への深刻な影響。
パイプラインルートに約20の活断層があるため、地震による破損、油流出が起こる懸念。
4.海洋投棄
LNGプラント、原油ターミナル建設に伴う海底浚渫作業及び土砂投棄による漁業資源への被害。日本漁業関係者への説明の欠如。
投棄場所について代替案の検討が不十分。
5.社会・経済的な影響
先住民族や地元の住民の生活環境に与える影響
生産分与協定の不平等さ(サハリンへの経済的利益の問題)
ロシア法の違反
ステークホルダーとの不十分な情報提供・協議

2.サハリン2の環境問題・ロシア政府の指摘・サハリンの現状
  ディミトリ・リシツィン(サハリン環境ウォッチ代表)
サハリンにおける石油開発が環境に与える影響は非常に大きい。特にサハリン2は計画の82%まで完成しており、自然環境に対してすでに大きな損害を与えている。その内容は大きく分けると次の3つになる。
・アニワ湾での浚渫工事
LNGプラントの桟橋建設工事にともなう浚渫工事で、アニワ湾に浚渫した土砂を捨てているが、その量が計画時の土量に比較してかなり多い。また決められた土砂捨て場で捨てていないと言う目撃情報もある。一般的に土砂が5个慮さになれば底に棲む生物は死ぬ。しかし計画土砂量の4割を捨てた時点で40000屬量明僂砲錣燭蠍さ10个播攤修堆積していた。
・パイプライン敷設
パイプラインはサハリンを縦断し、数多くの川を横切っている。地盤は水分を含みやすく、崩れやすくなる土質である。土石流の危険がある箇所は20kmにわたる。また川にはサケマスが産卵のために遡上するが、現在の工法だと水が濁り悪影響を与えることになる。時期的にも産卵に影響のない冬に工事が行われる予定であったが、実際にはそれ以外の時期に行われている。
・石油流出の危険性
これは操業開始後の問題であるが、しかし必ず発生する問題である。宗谷海峡は海流が速く、気象条件も厳しい。また漁船やその他の船舶の航行が頻繁である。事故の起きる可能性が大きい。アニワ湾で事故が起きた場合でも、海流が閉じた海域で循環しているため石油が長い間湾内に留まり、生物に壊滅的な影響を与える。

3.日本とサハリンをつなぐ渡り鳥
  渡辺 義昭(日本野鳥の会・オホーツク支部)
今年の夏に私はサハリン競廛蹈献Дト視察のため、サハリン北東部にあるチャイボ湾へ行きました。初めて訪れたサハリンは私が想像していた以上に素晴らしかった。視察では湿地性鳥類を重点的に見てきたのですが、広大な湿原は見渡す限り手付かずのまま存在し、その光景は圧巻でした。チャイボ湾ではオオワシの雛やコシジロアジサシの群れなどを観察することができました。
シギ・チドリ類の調査はチャイボ湾のやや南に位置するダギ湾で行いました。幸運にも調査中の湾内は、見渡す限り一面に干潟が広がっていました。その干潟には私が今まで見たことが無い規模のシギ・チドリ類が群れていました。個体として判別できる範囲内で、可能な限りカウントしました。重複しないように、飛んでいた個体や、遠方の判別できなかった個体はカウントしませんでした。それでも結果は5917羽でした。また、ダギ湾で確認できたシギ・チドリ類は全部で12種でした。種類別にカウントするこが出来なかったので正確とは言えませんが、ダギ湾ではトウネンとオオソリハシシギの2種が優先していたように感じました。
さて、シギ・チドリ類の渡りは壮大です。トウネンは体重が僅か26gしかない小さなシギです。繁殖地はシベリア北部などにあり、サハリンから日本を通過して、遠くはオーストラリアで越冬しています。その移動距離は果てしなく、使うエネルギーも膨大です。彼等は一度の飛翔で数千キロも移動することはできません。確実に栄養補給のできる干潟が随所になければ、小さな体はエネルギー切れのため途中で墜落するのです。過去数十年の間に日本の干潟は劇的に減少しています。これが原因なのか確かなことは私にはわかりませんが、この数十年の間に日本で見られるシギ・チドリ類の数も劇的に減少しています。秋のシギ・チドリ類全国カウント総数の1973年から1985年の平均が51348.3羽、2000年から2003年の平均が17649.7羽というデータがあります。66%も減少しているのです。近年の平均はダギ湾で私が数えた僅か3倍しかありません。もしもサハリン北東部の干潟が失われた時、日本で見られるシギ・チドリ類はどうなってしまうのでしょうか?
また今回は触れていませんが、日本で越冬するガンカモ類の多くもサハリンを経由しています。サハリンで繁殖し日本で越冬する小鳥達も少なくありません。未だ原因が分かっていない知床の油汚染は、皆様の記憶にもまだ新しいことでしょう。あの油にまみれた海鳥達の多くもまた、サハリン周辺で繁殖しているのです。

4.サハリン自然とSEIC環境アセスメントの検証
  渡辺 有希子(トドワーキンググループ、ラプタ−リサーチ事務局長)
遠いようで近い、北海道のすぐ真上にある国ロシア・サハリン。サハリンでは石油・天然ガスの開発が注目されており、機銑修泙任離廛蹈献Дトが計画されています。特にサハリン北東部では、日本企業も参画するプロジェクトが、すでに始まっており様々な問題が指摘されつつも進行しています。サハリン兇噺討个譴襯廛蹈献Дトは、ロイヤルダッチシェルの他、三井物産、三菱商事など日本企業も参画する合弁会社であるサハリンエナジー社(SEIC)が遂行しています。
私達は、オオワシの繁殖状況や渡りルートの解明といった生態学的研究のために2000年より毎夏サハリンを訪れ、オオワシの生息地である北東部の調査を行ってきました。ある年、あるはずだった森が、湿地が、道路と化しました。調査のためオオワシの巣に上った時にこれまで無かったはずの巨大な橋や道路が見える…年毎に豊かな自然が改変されていくこと、オオワシの生息地のすぐ間近まで開発が迫っていることに愕然となりました。
サハリンエナジー社は、環境影響評価書(Environment Impact Assessment 通称EIA)を作成し、ロシア政府による事業許可を受けています。しかしそこに記載されている開発区域内のオオワシの巣の数は、私達が把握していた数の1/5から半分という極端に少ない数となっていました。さらに野生生物の各分野の研究者らに、EIAの内容について検証をしてもらったところ、調査報告に懐疑的な部分が数多く指摘されました。調査そのものが不十分であり、開発の影響緩和策も十分なものとは決していえないものでした。なにより野生生物が複雑に関連しあう生態系の保全をするという観点が全く抜けて落ちていました。
サハリンプロジェクトは日本にとって大きな経済的波及効果をもたらすものと期待されているのも事実です。しかし開発により深刻な影響が懸念されているのは、サハリンの希少な自然のみならず、オオワシをはじめとする日本と行き来をする野生生物種にもその脅威は迫っています。オジロワシ、シギ・チドリやカモ類などの数多くの渡り鳥、ゴマフアザラシやトドなどの海棲哺乳類、そしてサハリンと北海道で共有するオホーツク海という豊穣の海に住む魚類…いつの間にか少なくなった、いなくなってしまった、という手遅れの事態にならないよう、私達も利害関係者として声を上げていく必要があるのではないでしょうか。

5.2006年夏 サハリン2現地査察報告
  齋藤 慶輔(北海道ラプタ−リサーチ代表)
2006年9月中旬、ロシア天然資省は環境への配慮が不十分であるとして、サハリンエナジー社に対する事業承認を取り消した。新聞報道などでは、環境問題を理由にサハリン兇飽砧呂鬚け、ロシア政府系企業による事業参入の交渉を有利に進める狙いがあるとの記述が多くみられる。あたかも、根も葉もない環境問題を政治的な策略として利用しているかのようなニュアンスの記事が報道のほとんどを占めているのが気にかかる。
今回のロシア政府による方針表明の直前、私たちはサハリン恭発の工事現場を訪れ、過去6年間の独自調査からオオワシの重要な生息圏であることが判明している地域を中心に、環境影響に関する査察を実施した。パイプラインが河川を横断している各所では、大量の土砂が川に流出していることが明らかになった。また、多くのオオワシが繁殖するチャイボ湾においては、サハリンエナジー社がEIAの中で、「オオワシの繁殖期には巣の近くで工事を行わない」としていたパイプラインの敷設工事が、公約よりも約一ヶ月以上も延長してオオワシの巣の近隣で実施されていたことが判明した。さらに別の場所では、パイプラインルートから僅か100m横に、雛のいるオオワシの巣が確認された。ここでは、ラインを挟んで約80mに位置する別の巣をはじめ、半径300m以内に同じペアのものと思われる営巣木が合計3本も見つかった。オオワシの繁殖地がパイプラインの敷設された幅数十メートルの裸地によって完全に分断されていたのである。この繁殖地は広大な山火事跡に唯一残る河畔林で、ここが周辺一帯でほぼ唯一の営巣適地であると目された。複数の巣が極めて近接した場所で確認されたことから、同地域が長年繁殖に使用されていたことは明らかである。計画時になぜこの場所のパイプ敷設が回避されなかったのかは大きな疑問であるが、査察に同行したエナジー社の環境保全担当者にそれを投げかけたところ、明確な回答を得ることはできなかった。サハリンの石油・天然ガス資源に対しては、開発に参加している日本企業のみならず、エネルギー資源の安定した供給源として、国内外より大きな期待が寄せられ、開発に対する官民の積極的な支援が行われようとしている。特にサハリン況弉茲砲弔い討蓮国際協力銀行は第二期工事に対してだけでも、実に2000億円もの融資を前向きに検討しており、現在最終審査の段階に入っている。近い将来さらに深刻化するだろう石油資源の確保と、野生生物や自然環境の保護を、どのようにすれば両立させられるのか。環境を二の次にした、ずさんな開発を推し進めるのではなく、一度立ち止まって現時点での環境調査を徹底的に実施することが急務であろう。今後起こりうる環境へのリスクを正確に把握し、科学的な根拠に基づいた環境緩和策を社会への透明性を確保しつつ検討することが、取り返しのつかない環境破壊を回避する上で極めて重要ではないだろうか。

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