苫小牧貨物船座礁事故関連

2006年04月29日

オーシャンゲム号無事に撤去・曳航

OG号3月29日に苫小牧の人工リーフに座礁し、油流出などの二次災害が懸念されていた貨物船オーシャンゲム号は、28日15:30頃、タグボート及び作業船により離礁に成功、船尾付近で発生した浸水も直ちに修復され、苫小牧西港区に無事曳航された。
画像は離床作業風景。

現場付近の緯度経度は北緯42−37−17 東経141−35−17で、座礁位置は前述位置より、真南に約150mの地点とのことであった。

また、4月24日午後、苫小牧港内の埠頭で飛べないでいたハシボソミズナギドリ1羽を市民が保護、ウトナイ湖野生鳥獣保護センター休館日の為、苫小牧市を通じ同センターのMさん宅へ届けられた。
この個体は幸い骨折も油汚染もみられず、おそらく強風で群れとはぐれ、何かに接触し打撲したと考えられるとのこと。同センターでリハビリを続け、4月29日に放鳥された。

ハシボソミズナギドリは大群で海上を移動し、水中にダイビングして餌を捕る。初夏には道東・オホーツク海へ北上する。大きな油塊を餌と勘違いして集団で突っ込んでしまう可能性もあり、油流出事故があった場合の被害が懸念される。

abura060303 at 21:31|この記事のURLTrackBack(1)

2006年04月24日

油抜き取り完了(オーシャン・ゲム)

苫小牧にて撤去作業中のオーシャンゲム号について、ここ数日の情報をまとめてご紹介したい。

海上保安署によると、船内に残る油の抜き取り作業が行われていたが、4月22/23両日の作業をもって完了したとのこと。タンクとドラム缶等合わせて25.2キロリットルが抜き取られた。これにより、油が大量に流出する危険はひとまずなくなった。

OceanGem1以下はウトナイ湖サンクチュアリのEレンジャーによる23日朝(7:40〜8:00)の現地の様子。

[7:40]現地到着。座礁船東方よりクレーン船が接近。
[7:45]クレーン船、座礁船北側の海域へアンカーを投入後、座礁船を中心に時計回りに南側の海域へ。周辺には”オーロラ”号と小型船二隻が待機。座礁船の甲板上では昨日(22日)と同じく、ホース状のもので作業が行なわれている。油抜き取り作業と思われる。
OceanGem2OceanGem3[7:55]小型船がもう一隻、座礁船東方より接近。プレハブに似た建造物を曳航し、座礁船に横付けた。
[8:00]現場を離れる。
○周辺で確認できた鳥:カモメ類(シロカモメ、ユリカモメ、オオセグロカモメ含む)15+、シノリガモ8、クロガモ40+。
○海面・海岸に油類の流出、および油汚染鳥類などの確認はなし。


24日の作業は、荒天のため中止になった模様。
25日以降の作業としては、「船底の調査及び防水作業」、「積荷の瀬取り作業」、そして「曳卸作業」になるとのこと。

OceanGem424日午後(13:00〜14:00)に現場を見て回られた、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターのM氏によると、カモメ類70±が飛翔、クロガモ10数羽を確認、ただし波高2.5m程度あり視認が困難とのこと。油汚染個体の確認はない。



abura060303 at 20:23|この記事のURLTrackBack(0)

2006年04月21日

苫小牧オーシャン・ゲム号関連・続報

ウトナイ湖サンクチュアリのHレンジャーと、ウトナイ野生鳥獣保護センターのM氏からお送り頂いた最新情報を以下にまとめてご紹介する。写真4点はいずれも座礁現場のもの。

座礁現場1座礁現場2【4月21日現在】
・撤去作業はこのところの天候不順の影響で遅れている。
・8時前に確認した時点では周囲に船はなく、O号に2名ほどの作業員が認められた。
・8時頃、小型船が左舷に着き、4名が乗り込んだ。

座礁現場3座礁現場4・船体は「船固め」と呼ばれるワイヤーで固定された状態。
・本日から約2日間かけて小型バージ船による燃料油等(C重油他計24トン)の抜き取り作業が行われる。
・その後、船底の仮防水や積み荷の一部を降ろすなどして曳船する予定。
・曳船作業が物理的に不可能な場合はフローティング・クレーンによる吊り上げも検討する模様。
・船の周囲や周辺海上等に油膜等の異常は見られない。
・周辺で見られた水鳥はカモメ類(オオセグロカモメ、カモメ、ユリカモメ)150±羽、クロガモ36羽、シノリガモ18羽、ウミアイサ4羽。油の付着はない。

また、オーシャン・ゲム号事故との関連性は不明だが、室蘭で保護され先日無事放鳥されたハシブトウミガラス2羽の放鳥時の写真をM氏よりお送り頂いた。今回は発見が早く、近くに野生鳥獣保護センターのような施設があり、そこに油洗浄やリハビリテーションに長けたM氏がおられたなどの良い条件が重なったため無事に放鳥を迎えられたのだと思う。ハシブトウミガラス放鳥1

ハシブトウミガラス放鳥2オホーツク海側には野生鳥獣保護センターのような施設がない。今回の知床は全て死体での漂着となってしまったが、もし仮に多数の生態回収があった場合、対応できるだろうか。サハリンでの油田開発が進めば、いずれは大規模な油流出災害が起こるだろう。やはりオホーツク海側、それも位置的にはラムサール条約登録湿地・濤沸湖を抱え、世界自然遺産登録地・知床にも近く、物資や保護生物の空輸も考慮して女満別空港にも近い網走市あたりに野生鳥獣保護センターのような救護施設を設置して欲しいと切に願う。

abura060303 at 17:36|この記事のURLTrackBack(0)

2006年04月19日

苫小牧貨物船座礁事故・撤去作業始まる

苫小牧の貨物船「OCEAN GEM(オーシャン・ゲム)号」の座礁事故について、連日現場の方から情報を頂いている。
現地ではウトナイ湖サンクチュアリのレンジャー氏が休日返上で連日にわたって周辺海岸の調査を行われているが、現在のところ周辺海域では油汚染鳥等の確認はないとのこと。
18日からサルベージ船が横付けされ撤去作業が始まった。
船体に残っている油を抜く作業も開始された。この油抜き作業は18〜20日の予定。



abura060303 at 11:21|この記事のURLTrackBack(0)

2006年04月14日

室蘭で保護されたハシブトウミガラス無事放鳥

4月5日に室蘭市のイタンキ浜にて保護された油汚染ハシブトウミガラス2羽について、リハビリ作業を行われていたウトナイ湖野生鳥獣保護センターのM氏より体調・撥水性ともに順調に回復し、無事放鳥したとのご連絡を頂いた。
放鳥場所は苫小牧市勇払(通称:弁天浜)とのこと。
以下、M氏よりのメールから引用させて頂く。

***
弁天浜は苫小牧東港に近く、1997年ナホトカ号の時にもリリースした場所で、砂浜と人工リーフが点在しており、時化・その他の緊急時に避難し易い事と、採餌が比較的容易な事、その上、海ガモ類が多数いる事、外敵のカモメ、カラスが少ない事などを考慮し、選択しました。
本日は晴天、海上も静穏に恵まれ、リリース後、潜水、羽繕を繰り返しながら沖合へと遠ざかって行きました。
凡そ1時程度観察していましたが、戻ってくる気配もなく、双眼鏡で個体の確認も出来なくなりましたので、引き上げました。
今回は早期に発見収容され、手当てが出来たので比較的短期間でリリースが可能になったと思われます。
***

abura060303 at 15:30|この記事のURLTrackBack(0)

2006年04月07日

苫小牧貨物船座礁事故その後

現地の方より、引き続き情報をお送り頂いている。
室蘭で油に汚染されたハシブトウミガラス2羽が保護収容されたことを受けて、少々現地の状況が気になっていたが、現在のところ貨物船周辺や沿岸海域では油の漂流や油に汚染された鳥などは確認されていないようだ。
苫小牧でも、ウトナイ湖サンクチュアリのレンジャー氏がたや、野生鳥獣保護センターの方々が連日見回りなどを行っている。
今のところは大事に至っていないながらも、撤去されるまでは予断を許さない状況が続く。
室蘭の保護拾得個体は散歩中の方が発見したそうだ。苫小牧周辺の太平洋岸にお住まいの方には是非行動を起こして頂きたい。といっても大仰なものではない。
ちょっと気にかけながら海岸を歩いてみる。それだけでも立派な「行動」だと思う。
私達はただの民間団体、言い換えれば一般市民と変わらない。そんな一般市民にも、できることはいくらでもある。
もし何か油汚染に関する発見があれば、その地域の支庁に一報を入れて頂きたい。苫小牧なら、ウトナイ湖サンクチュアリや野生鳥獣保護センターへ連絡してもすぐに対処してくれるだろう。

abura060303 at 23:50|この記事のURLTrackBack(0)

2006年04月06日

室蘭で油汚染鳥保護

苫小牧港より約65km南西に位置する室蘭市のイタンキ浜で、油に汚染されたハシブトウミガラス2羽が保護された。

関連記事Asahi.com↓
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000604060001

このハシブトウミガラスはウトナイ湖野生鳥獣保護センターへ収容され、油を洗浄、保護されている。

abura060303 at 19:36|この記事のURLTrackBack(0)

2006年04月05日

苫小牧沖の貨物船座礁事故

3月29日に起きた苫小牧沖の貨物船座礁事故について(3月31日のブログ参照)、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターより、連日ご報告を頂いている。詳細は省くが、現時点では見える範囲の海面に油膜や漂着物は見あたらないとのこと。油汚染被害にあった鳥等も確認されていない。
現地の方は毎日、苫小牧の海岸の見回りをされている。長期に緊張が続く現場での見回りは大変なご苦労だと思う。
お近くにお住まいの鳥屋さん、あるいは苫小牧付近に鳥見旅行に出かけられる方、油付きの海鳥に気をつけて観察してみてください。
もし油に汚染された鳥などを観察・保護拾得された場合は、上記鳥獣保護センターやウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンターなどへ速やかに連絡して下さい。


abura060303 at 20:41|この記事のURLTrackBack(0)

2006年04月01日

苫小牧沖の貨物船座礁事故・続報

苫小牧沖の座礁事故について、現地で活動されている方からその後の様子について連絡をいただいている。
様々な対応でお忙しい中、ありがとうございます。

4月1日8:00現在、座礁した貨物船オーシャンゲム号周辺のうち、南側(沖側)以外の確認できる範囲には油膜等は認められず、油汚染された鳥類も見つからなかったとのこと。
北海道新聞朝刊地方版によると、船底に一箇所亀裂がある事が分かり、わずかな油漏れが確認されているという。サルベージ会社(日本サルベージ)は1日にも亀裂を塞ぐ作業を行う。
油漏れの量について苫小牧海保は「油膜程度」としている。

座礁船は今後、撤去に向け油の抜き取り作業などが予定されており、苫小牧海保は「漁業関係者の心配もあり、作業を急ぐ必要がある」としている。


abura060303 at 13:44|この記事のURLTrackBack(0)

2006年03月31日

苫小牧沖の貨物船座礁油流出事故・滝上町のガソリン流出事故

今回の一連の油汚染とは関係ないが、29日に苫小牧沖で貨物船が座礁し油が流出、30日には滝上町でガソリン4000リットルが渚滑川へ流出する事故が起きている。まずは一報まで。

・苫小牧沖貨物船座礁事故について
29日に苫小牧沖で貨物船が座礁し、油が流出する事故があった。
北海道新聞関連記事↓
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060329&j=0022&k=200603295391
現地では今後ウトナイ湖ネイチャーセンターが海岸調査と生態系への影響把握にあたり、汚染鳥が出た場合の対応は隣接する鳥獣保護センターが行うとのこと。
ネイチャーセンターなどによると、今のところ油の広がりはあまりなく、被害鳥は確認されていないとのことだが、燃料油25klが船内に残っていることから予断は許さない状況とのことであった。

・滝上町のガソリン流出事故について
今朝(3/31)の読売新聞の記事より引用
「30日午前8時10分頃に滝上町平安橋付近(国道273号)でタンクローリーと大型トラックが衝突し、ガソリン4000リットルが流出。そのうち約3800リットル近くが渚滑川に流れ込む。網走開発建設部がオイルフェンスを設置し拡散を防いだ。」

油汚染というと「海上で起こるもの」という認識が強いように感じる。
しかし現実には先日の清里町の流出事故にもあるように、内陸の河川や湖沼でも十分起こりうることだ。
油汚染は「いつどこで起きても何の不思議もない」ということを広く一般の人に認識してもらいたい。

知床で事態が発覚してから約1ヶ月。
この1ヶ月の間に北海道全体、日本全体でいったいどれほどの油流出が起きているのだろうか。
地域レベルで対応体制がしっかりできているところは結構ある。
だが、それはごく一部だろう。
「日常的な油汚染の方が深刻だ」という意見もある。
日本には全国に大勢の鳥屋(バードウォッチャー)がいる。野鳥の会の会員だけで約5万人、そうでない人を含めるといったいどれほどの数になるのか分からない。
そうした一般の「普通の鳥屋さん」が普通の「バードウォッチング」の際に見た油汚染鳥のデータを収集して蓄積すると同時に関係機関へ対応を求める、というような体制が、今、あるのだろうか。
大きな事故の時でなければ動かないようなシステムでは意味がない。小規模の場合にもしっかり対応し、それを多くの一般人が知って積極的に協力するようなシステムでなければ十分とは言えない。

abura060303 at 09:38|この記事のURLTrackBack(0)