来週から四半期決算の季節が始まり、私としてはJPMやBACの決算に注目しています。
銀行株はとにかく売られ続けており、ショートサイドの「最後の砦」状態です(^^;)。
前のブログ記事でも書きましたが、彼らの「銀行株はCheckmate!」のロジックは以下の通りです。
1.Fedが金利を上げる⇒ドル高⇒原油・資源安⇒原油関連のジャンク債の焦げ付き⇒銀行の損失拡大⇒株価下げ
2.Fedが金利を上げない⇒超短期金利のyield curve(利回りカーブ)がフラットになって、銀行の収益率(net interest margin)の低下⇒株価下げ
つまり、Fedが金利を上げようが上げまいが、銀行株は下げる!と言うことになります。
さて、私たちはロボットではないので、少し人間の頭脳を使いたいと思います。
まず1のロジックに対しては、最近のドル安と原油安は、本来、資源系会社の債務不履行のリスクを下げるので銀行の貸倒引当金の増加圧力を緩和するはずです。でも銀行株は売られ続けています。
次に2のロジックに対しては、Fedは金利を上げないと「信じる根拠」は、アメリカの良好な国内経済を考えるとほとんどありません。
そのためショートサイドは、EUが日本が中国が「たいへんだ~」と騒ぎます。また、フラットなyield curveにより銀行の収益率は上がらないと前提していますが、その分、銀行はコストカットと手数料の値上げなど、様々な対応をしています。
更に規制も強化されているため、アメリカの銀行の財務状況は非常に良いようですし、デリバティブのようなリスク資産への投資も控えています。また裁判費用も大幅に低下しました。
まあ、敢えてBACの気がかりと言えば、これから始まるComprehensive Capital
Analysis and Review(CCAR)でドジを踏むことくらいでしょうか。でもそのときは、Moynihanは100%クビでしょうけど(^^;)。
CCARについては、http://www.federalreserve.gov/bankinforeg/ccar.htmを参考にしてください。
つまり、金融危機の時の株価と現在の株価が同じ、または低いという方が異常だと思います。
それから長期金利が上昇しないのは、EUや日本がマイナス金利をつけている時に、相対的に高いプラスの長期金利を維持している米国債が購入されるからです。これはショートが考えている1と2のロジックとは無関係です。
と言うことで、もし来週のJPMから始まる決算が予想より良い数字が出ると、ショートの最後の砦が崩れ、アメリカの株式は大幅に上昇することになるでしょう。