水俣病未認定患者団体「水俣病不知火患者会」(熊本県水俣市)の約2100人が国と熊本県、原因企業チッソに損害賠償を求めた訴訟の和解協議が29日、熊本地裁(高橋亮介裁判長)であり、地裁が示した和解案を原告、被告双方が受け入れ、事実上の和解が成立した。
 水俣病をめぐる一連の訴訟で国が和解に応じたのは初めて。1956年の水俣病公式確認から半世紀余りを経て、司法が示した枠組みによる救済措置がようやく実施されることになりそうだ。
 和解協議では、同地裁が15日、チッソが1人当たり一時金210万円、同患者会に団体加算金として29億5000万円を支払うほか、国と熊本、鹿児島両県が月額最高1万7700円の療養手当を原告側に支給することなどを柱とする和解案を提示。支払い対象の認定方法は、原告、被告双方が選出した医師らによる「第三者委員会方式」で判定することとしていた。
 29日の和解協議での合意を受け、原告一人ひとりと和解に向け判定作業などに入る。最終的な和解成立は、改めて原告団の総会決議を受け、年末以降になる見通し。
 原告、被告双方が和解案について検討した結果、国は18日に鳩山由紀夫首相が受け入れを表明。熊本県は24日に蒲島郁夫知事が和解案受諾を決め、チッソも26日、臨時取締役会を開き和解に応じる方針を決定。原告側は28日に総会を開き、和解を受け入れる決議をしていた。 

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