輪美展 陶と書、美のつながり、茶の心とともに
越智伸明(陶)×森典英(書)
2014年12/22(月)〜12/27(土)
11:00から19:00(最終日は17:00まで)
年の瀬を迎え、2014年は、陶と書のコラボレーションで締めくくります。
三重在住の書家・森さんと、山梨で工房を構える越智さんのお二人が、魅せてくれる「輪美」の世界。侘びとかけていらっしゃるのは無論ですが、森さんの作品に象徴されるとおり(写真)、たくさんの美が連なり、輪となる様を表現した展示です。ギャラリーの白い壁一面に並ぶ、書の軸と、目線を落とした先に凜とした佇まいを見せる陶器が、深遠な空間を作ってくれています。
森さんは、三重県の特別支援学校の教頭先生。小学生から高校生まで教えるその学校で、生徒たちと書を通じても触れ合う森さんの作品には、生徒たちからの影響も。「不動心(ふどうしん)」(道にかなった心)の筆法は、今までになく、勢いだけでない、静かにだけど、力強く筆を運ぶ動きが取り入れられているそう。今回は、「深作自得(しんぞうじとく)」(奥義を極める)の軸を中心に、茶の世界や、お正月にちなんだ言葉もしたためられていますよ。
越智さんのお茶碗には、桐の灰釉を用いたものもあります。作陶されている地元の大月には、女の子が生まれると、桐の木を植え、嫁入りに箪笥にして持たせるという風習があるとのこと。また、「用の美」を追求してきた越智さんの新作・森の記憶シリーズには、今までにない美・・・彼の山男としての愛が形となっています。トルコブルーは、木立からのぞく真っ青な空を、銀は、山の木の肌をイメージ。清々しい山野の空気感が伝わってきそうです。
そしてなんと言っても、ふたりのコラボレーションは、合作のお茶碗。越智さん作の陶の地肌に描かれた文字は、森さんの手によるもの。素焼きの段階で、厳重に厳重に梱包され、山梨から三重へ。言葉を託されて、厳重に厳重に梱包され、三重から山梨へ。かなりの距離を旅してきた器たち。今度は銀座にお目見えです。ぜひ、皆さま、お越しくださいませ。お待ちしております。
ACギャラリー